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吉田法晴君 私は社会党を代表しまして
炭管法廃止並びにその関連法の
廃止、或いは修正について反対をするものであります。
社会党はもともとこの
炭管法なり、或いはこれに関連いたします法の制定に努力をいたしたものであります。炭鉱
国家管理法、その他は、炭鉱労働者だけでなく、全国の労働者が
希望をいたしましたもので、でき上りました
法律は、
増産法を中心にいたしまして、骨抜きと言われるような、最初の意図とは
相当違いましたものになりましたけれども、それでも尚炭鉱におきます或いは炭鉱行政における民主的に要素を加えて、そうして労働者も納得の上に
増産に協力する、こういう役割を果して参りました。尚今日におきましても、炭鉱なり、或いは
石炭行政におきます民主的な要素というものは残
つておる。
炭管法の
廃止によ
つて、一挙にこうした民主的な件絵を奪う、或いは炭鉱に対します一切の
石炭行政というものを放棄して、これは後では考慮するということは言われておりますけれども、十二分の用意、言い換えますならば、それぞれの
法案を用意してここに臨むというのでなくして、それはいわば、言訳であり、逃げ口上に過ぎんということであります。これをいきなり
自由経済の下に置きましたならば、必ずや中小炭鉱は、これは崩壊の止むなきに至りましようし、又現に昨年の四月から十二月までに二百九という炭鉱が全部乃至一部休
廃止しておる。その中から
相当数の炭鉱の失業を来たしておるのであります。
廃止後の情勢は、恐らくこの情勢を更に一層ひどくするものだと
考えるのであります。又、
炭管法に集約されました、
石炭増産の行政によりまして、賃金問題にいたしましても、或いは配給にいたしましても、厚生施設にいたしましても、その後実質的に段々その
條件が惡化せしめられて参
つた、恐らくこの
増産のための保護というものは奪われて参りまして、元の炭鉱の姿、元の炭鉱の労働者のみじめな姿が再現をいたしておるのであります。尚新らしい
炭田の
開発、或いは炭鉱の若返り、その他のためにします
措置、或いは金融、こういう問題についても殆んど成案がされずに、見返資金とか、或いは一般融資と言われておりますけれども、それは十分新
炭田の
開発であるとか、或いは炭鉱の
石炭の
生産費の値下り、或いは炭鉱の
生産量の、労働の向上のためには役立たない不十分さに放置されている。なかんずく例えば、これは論議が許されなくて甚だ不満でありますけれども、
石炭鉱業権等臨時
措置法の中には、従来の炭鉱の封建的な請負契約、斤先契約を使用権に切替えるという
措置がありました。これはこの
石炭鉱業権等臨時
措置法が
廃止されますならば当然鉱業の中に織込まるべきものだということが謳われておりながらそういうものを放棄して白紙に返しますことは折角炭鉱の中で従来封建的であると言い、又職業
安定法関係からも問題のありました請負契約を使用権に切替えると、こういう工作が停滯をいたしまして、又元の請負契約或いは斤先誓約というものが復活すると、こういう
状態に立至らせます。言い換えますならば臣鉱国管に関連いたしまして炭鉱の従来の古い姿を前進せしめる要素というものがこれによ
つて停滯し、又元の姿に還される事態が起らんとしつつある。そしてこれに
炭管法の
廃止なり一連の法的
措置の
廃止はそれに拍車をかけるという
意味において私共は絶対に反対するものであります。