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政府委員(
宮幡靖君) 次官としては、島委員の
お尋ねを待つまでもなく、皆さんの御
質問が終えました後、
政府側としての見解を一応申上げまして、御了承を頂きたいと思いまして、
委員長まで申出て置いたような次第であります。幸いと申しますか、島委員の
お尋ねを頂きましたので、この機会に
只今公団の
総裁以下との間に質疑応答がございまして、その間に現われましたことで、
通産省として
責任ある
立場におきまして申上げねばならないことを取りまとめて極く
簡單に申上げさして頂きます。
先程
進退伺いの件での
お話がありまして、この問題については
総裁は辞めないのだということを表明されておりました。これは尤もだと思います。元来
進退伺いが出て来たということは、私が口頭で
報告を受けましたときに、これは
通産省の事務のやり方としてはどういうことをするのか、或いはこれは辞職するのか、休職するのか、どういうことをするのが適当であるか。若しこれによ
つて辞めることによ
つて責任が果てるというような
考え方の
進退伺いであ
つたら返す方がよかろう。辞めて済むべき問題でない。これは徹底的にこの原因と結果を究明しなけりやならない、かようなものはむしろ世間を衒うような書類としか
見えないから、こんなものは公文書として取扱う値打についても疑問がある。かようなものでこういうような問題につきましても最後の最後までこの
公団というものの
内容を剔抉いたしまして、
国民の前に公表して、嚴重なる御批判を頂きたい、かような
考え方を持
つております。
又島委員の
お尋ねのうちにありましたが、幹事室の活動の問題について
総裁の
答弁は極めて私不満足に
感じております。幹事室の活動は全く休止の
状態であ
つたと見ることが正しいので、この点につきましては先程岡部局長からは口頭で伺
つて、その前にいろいろ注意をしてなか
つたかというような
お尋ねに対しましても、極めて漠然と答えておりますが、実は
公団のかような失態のできる以前におきまして、
通産省としましては事務次官を筆頭にいたしまして、我々政務に関連いたします人間までも、あらゆる機会において
総裁、副
総裁、
総務部長に御注意申上げております。ここに
総裁もおられますが、かようなことなきを期するためにあらゆる方法によ
つて、甚しきときに至りましては憎まれ役まで買いまして、
事件の現実の問題に踏込んでこれを
指摘して徹底的取締を要求し、完全とは申し難いけれども、
公団のできまして当時の、片山内閣のときに作りました
経理規定があるのであります。この
経理規程を遵奉してやること、各部門が十三部門もあるから、うまく行かんだろうという遁辞はいけない。いわゆる内部
組織というものによ
つて、
責任さえ怠らなか
つたら確実に内部でお互いに牽制を受けることによ
つて不正を防止せられるのが当然である。これはその
経理規程というものを怠
つていない、若しそれに欠陷があるならば、
総裁としてこれに補足を加えて十分やるべきであるという注意はここで
総裁の眼前ではつきり申上げますが、処置を怠
つてはおりません。然るに今回のような不祥な
事件を起して頂きましたことは、極めて
国民の前に対して申訳ないと同時に、個人といたしましては残念に堪えません。かようなことを一を以ちまして十を推理させますことは、我々たとえ短期間でも、
通産省の行政の一端に携わる者として誠に遺憾千万であります。従いまして今回四月一日から、御承知の
通り実は設置法が遅れましたので、現実は少し遅れて二十三日に発足しておりまするが、四月一日から
公団の業務を本省に集中いたしまして、
整理事務を発足いたしております。これによりまして、併せて今後の
不正事件に備えるために、個々の手段は別といたしまして、監査委員なるものを
組織いたしまして、これによ
つて公団の内部を嚴重に
通産省としても監査いたしまして、諸般の原因結果を極めて参りたい、かような方向を取
つておりますので、検察庁のお調べはお調べ、又
総裁自身が
最終的にやるところの後始末も併行的に進んで参ると思います。要約いたしますれば、
通産省といたしましては、この
内容を十分何らこれをかば
つたり、弁疏したりする意味でなく、徹底的に糺明いたしまして、改めて皆さんの御批判に備えたいて思います。
責任論に関しましても、
法律的には
安本長官に
最終的
責任があるということでなく、大体どこにあるか、
法律論的に
通産省の局長や、担当の
部長が
責任がないというような回避論は言わないつもりでおります。どうぞさような意味で、十分この
事件は御監視の下に、暫く進行をお見守り商いたいと思うのであります。
先程
お尋ねのありました中に、
赤字の場合の補填をどうするのだという御
質問は、私は率直に
一般会計からの繰入れになるのだ、そう申上げて置きましたが、
貿易特別会計には若干特殊の事情がありますので、これも申上げて置きます。今年の予算にもありますように、大体
貿易特別会計の全般は六百億
程度の黒字が出ることになります。これは前のガリオア、イロアの資金は特別会計を設けずに処置いたしました
関係上、もつと本当ならば残るべきでありますが、黒字は見返資金特別会計ができますまでの間にありましたところのもので、これはただで貰いましたものであります。これの残
つたのが六百億、うち五百億は為替資金に繰入れたいということが
政府全体の
考えであります。現在推測して参りますのに、六百億は残りそうもない、五百億強、五百五十億か六十億、さような状況に納まるのではなかろうか、
従つて特別会計に
赤字ができたときは
一般会計から繰入れるのでありますが、終末におきましては、これで直接
国民の税負担になるという結果にならんことを御了承頂きたいと思います。併しながらいずれにいたしましても、もつと残るべきところが残らないと
赤字処理ということになりますが、言いわけではありませんが、特別会計の
最終の見越しといたしましては、現状はさような状況にな
つておるのであります。
それから白洲さんの渡米のことでありまするが、これは私からお答えすることは甚だ不適当でありまして、外務省の研修所の顧問であります白洲さんを、外務省の手続において、外務省の
費用において出張させておるようでありまして、その任務等においては総理大臣から直接任命されておる。このことについては参議院の外務
委員会において御
質問が集中いたしておるようであります。内閣官房長官が代
つてお答えしておる筈であります。後で
速記録や口頭でお聞
通りを願いたい、さよう御了承願いたいと思います。
結論といたしましては、何人に
責任があるかは別といたしまして、本件はどこまでも追及いたしまして、皆さんの疑惑、
国民の疑惑を拂拭いたしたい、
努力いたしたいというのが
通産省の
考えであります。