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1950-04-22 第7回国会 参議院 通商産業委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十二日(土曜日)    午前十一時十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○中小企業振興に関する調査の件(ラ  ングーンの農機具展示会に関する件  について証人証言あり)   —————————————
  2. 島清

    理事島清君) それではこれから通産委員会を開きます。今回は中小企業振興に関する調査といたしまして、本年二月ラングーン開催されました万国農機具展示会に参加されました方々証人として御出席を願い、種々事情を聽取することにいたしたのでございます。本委員会でもこの農機具展示会に関しましては、昨年の秋以来非常に関心を持つて来たのでございまして、この展示会出品されました我が国製品は、他の諸国出品に伍してなかなか好評を博し、その目的を果したと承わつておるのでございます。従いましてこれを機会農機具を一例として、我が国機械輸出、殊に中小企業による機械器具輸出に関しまして、一に展示会博覧会等機構及びこれに出品効果、二に我が国機械器具輸出の将来性、三に中小メーカー輸出品製造についての注意すべき事項等について研究いたしたいと思つてつたのでございますが、いろいろの都合で本日漸くこの機会を得た次第でございます。  それでは証人の方の証言を願う前に、機械課長が見えておられますので、政府側から見た今回の展示会経過等について一応簡單に御説明願つて、引続き証人の方にお願いすることにいたしたいと存じます。
  3. 山本重信

    説明員山本重信君) 私通産省農林民生機械課長山本であります。簡單に今回の展示会が実施されるまでの経過を御報告申上げたいと思います。か今回の展示会国際連合食糧農業機構主催でございまして、丁度ビルマラングーンにおきまして食糧農業機構米穀委員会開催される機会を利用いたしまして、今回の展示会が行われることになつたのであります。特に国際連合の方から日本にも参加させたらどうかという申出が、司令部を通じて通産省の方に参つたのであります。早速通務省といたしましては、業画、立案をしてその推進に取掛つたのであります。その途上におきまして特にわれわれが特に努力いたしました点を三つ程申上げてみたいと思います。  第一は予算の問題であります。御存じのように農機具メーカーは概して中小メーカーが多いのでありまして、多額海外展示会の費用を業界だけで負担することは到底困難な事情にあります。たのためにどうしても相当国庫補助、或いは地方公共団体補助を出す必要があるのでありまして、この点につきましては当時開会中でありました国会の方にお願いし、特にこちらの通産委員会の方には絶大な御認識を頂きまして、幸いにして百六十二万八千心の補助金予算に計上して頂いたわけであります。この国庫補助が口火となりまして全国府県でも是非補助金を出してでも県下の農機具メーカー海外に進出させたいという空気が醸成されまして、相当多額の各府県補助金が出るようになつたのであります。これがなんと申しましても今回の展示会が大きな成果を挙げるための店一の原因と考えていいと思います。  第二は優先外貨の問題であります。農機具メーカーは従来輸出の実績は殆んどないのであります。従つて折角設けられました優先外貨の制度がありましても、それを利用するだけの優先外貨の蓄積がありません。この点につきまして、政府の方といたしましては、数回関係方面と折衝いたしまして非常に好意のある取扱を受け、従来の例を破りまして前借することができることになつたのであります。この点は今後特に中小企業製品海外展示するという場合に是非御考慮願わなければいけないことだと思うのであります。  第三はビルマ国入国許可の問題であります。当初ビルマ政府の方ではホテルが非常に少いので、人間を極度に制限するということを言つて参つたのであります。ところが農機具の方の機械類は今後海外に進出する場合に一番大切なことは、人間が付いて行きまして向う説明をする、そして機械を動かして見せるということが、一番大事なのであります。機械だけを送つて置いても人間が付いて行かないと機械が錆付いてしまつたり、或いは使用方法が分らないために機械売込むということが殆んど不可能に近いのであります。この点でも関係方面の御協力がありまして、幸いにして当初予定しました通り全員十一名という従来なかつた大勢の派遣団が渡航することができたのであります。いずれも陰に陽にこちらの通産委員会のお世話になりまして、こうした事柄が実行できることになつたのであります。  そうしまして昨年の十二月十日の最初出品物が横浜から出発する船によつて積出され、引続いて出品物派遣員とが続々現地参つたのであります。そして一月十九日には全部の人が向う参つたのであります。その後の経過につきましては現地に行かれました方々から詳細な御報告があることと存じます。簡單でございますが、出発までの経過を私の方から御報告申上げた次第であります。
  4. 島清

    理事島清君) それでは証人証言を求めることにいたしますが、この際、証人方々に申上げます。本日は御多用のところ御出頭をお願いいたしましたところ御出席を頂きまして恐縮に存じます。国会における証人につきましては、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第三條によりまして宣誓書を朗読させ且つ署名捺印させることになつておりますが、すでに捺印した宣誓書を頂いておりまするので、委員の方の御了承を得たいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 島清

    理事島清君) それでは証人証言を承わることにいたします。時間の関係上成るべく簡單に御発言を願いたいと思います。先ず最初ラングーン農機具展示会派遣団長として参加されました日本貿易館理事伊藤良平さんにお願いいたします。伊藤さんには海外における展示会日本商品出品することの効果と、出品に際して留意すべき事項というような点につき今回の経験から御意見を伺いたいと思います。伊藤さんどうぞ。
  6. 伊藤良平

    証人伊藤良平君) 成るべく簡單にというお話でございましたので、ポイントだけにさせて頂きたいと思います。  先ず成果として一つ言えることは、日本農機具は御承知のごとく国内においてはもう需要が或る程度天井をつき、而も朝鮮、台湾というような地域に対する大口の需要、及び北支、満洲というものが当分期待できないという現状におきまして、果して東南アジア地域、特に米穀を生産するアジア、即ちエジプトから印度を経てジヤバ、フイリツピンに至る東南アジア地域十九ケ国というものが、果して日本農機具を買つてくれるのかどうかということに対する見通しをつけたいというのが、今回の展示会日本側が国家的な立場で参加した一番大きな理由であつたと存ずるのであります。幸しにもこの点につきましては、我々も期待した効果が出たというのであります。これについて一二具体的に申してみますと、丁度先程山本課長お話通りに、十九ケ国の東南アジアの権威が集つておりまして、各一国から四名乃至五名来ておりましたがこの各国の人達が非常に熱心に見てくれました。数回に亘つて見に行つてくれ又実演を自分でもやつてくれるという熱心さでございました。インド代表是非この機械類一式インドにそのまま移して展示をしてくれというお話でございました。又バンコツクからのシヤム代表も同様のことを言われました。又パキスタンにおいてもその翌日に同じことを言われました。遅れて参りましたエジプトからも約半分の機械を持つて来て展示をしてくれということを期せずして言われた。その後日本の総司令部貿易課長をやつておりますミスター・ピツケルがやはりあつちをずつと廻りましたが、同様の意見が出たということを言つております。更に新聞紙上で拜見いたしますと、ウエスト国務次官補ジエサツプ大使のあとをずつと東南地域廻つたのでありますが、やはり同様に移動見本展示会開催希望意見を述べられました。でそのことが司令部から日本側にもマーカツー会談に公けにラングーンでやつたのは成功であつた日本農機具食糧加工機械輸出のことを考えて、今後そういうことを大いに考慮してやつた方がよかろうということを言われたということを、機械局長から私承わりました。そういうような実情でございまして、今度の大きな狙いであつた南方地域に対するとにかくの日本農機具及び食糧加工機械の進出の可能性ということについては、或る程度結論を出し得たということを、団長としてひとり心秘かに欣快に存じておる次第でございます。  具体的な成果といたしましては、先ずどれだけの商談が成立したかということであろうと存じます。これは今も続々注文引合いとそれから契約が進みつつあります。又ビルマにおける輸入許可の段階にありますので確実な数字が掴み得ませんが、私の今までに得た報告からいたしまして、大体三億円乃至多くて五億円くらいの注文がまとまるのではないかというふうに考えられております。で今度受けて参りましたものは日本における生産価格の約六百万円と存じております。向うでのCIFの売値にいたしまして約八百万円くらいなものと思います。でこの機械類は極く一部のものを除きまして殆んで全部、向うでその見本をそのまま各自が買取ろうとしておりますのでこれも代金として返つて来ることになつております。で先程山本課長の言われた優先外貨前借ということを最初に実施を許して貰いまして、優先外貨前借りでやつたのでありますが、仮に三億円といたしましてそれの五%としましても一千五百万円は外貨の枠に入つて来るわけでありますが、今後優先外貨前借で使つて行きました約四百万円くらいの額というものは完全にお返しできて、而も今後は優先外貨がこの中小企業農機具及び食糧加工機具メーカー方々の手に残るということになるのでありまして、最初にやつた優先外貨前借がうまく効果を現わして来たというふうに考えられるのでございます。成果として具体的に見るような点は大体そんなような点が揚げられるのではないかと思います。  次に今後のことにつきまして考えなければならぬ点は、我々の今度の持つて行つた約百点の機械技術者十名で説明をして参りました、又いろいろのことを聽いて参りましたが、これは丁度種を蒔いたようなものでございまして、これから如何に育てるか、又各地違つた農業事情及び食糧事情或いは経済機構というものに、どう喰込んで行つてどのように改良して、そうして大量の注文にまで持つて行くかということは、一に関係業界及び政府の御施策及び議会の各位の御理解と御援助というものに俟つところが非常に大きいと存ずるのでございます。これからが我々のなさなければならぬことである、これで打切つてしまつたのでは、本当に種を蒔いただけで枯らしてしまうのではないかというふうに考えております。  それともう一つ農機具機械器具を含む一般の機械類輸出振興について一言ここで申さして頂きたいのは、如何にカタログを以て又青写真を以て説明いたしましても、実際に物を持つて行つてこれをやつて見せて、そうしてこれだけの物ができます、これだけの能率が上りますということをはつきりと認識させない限り、機械輸出というものは殆んど望めないということが痛切に感じられた次第でございます。東南アジア地域というものに対して機械機具を売る、而も農機具を使う人たちのような、どちらかというと引込思案、これはどこの国でも農民とかそういうものは引込みがちのものでありますので、特にそういう機械類売込に当りましては、物を持つて行つてつた見せるということが一番大切ではないかということをつくづく感じさせられた次第でございます。従つて今後機会あるごとにこの技術者派遣するということを貿易業者派遣と同様に考えて貰いたい。宣南方地域に対しては通商事務所を将来設置されるのでありますが、そういう場合には商務官と同時に工務官的な性格を持つた例えば技官というような人もお送り願うことも是非必要であろうというふうに考えられます。又できるならば代表的な都市にはこういう機具機械を常設展示するような展示場も考えるというようなことも必要であろうかと存じます。南方地域各地御存じのごとく殆んど植民地であつたのが独立したということによりまして、植民地経済というものから一国の国民経済体制に移りつつあります。でありますから、できるだけ自分の国で物を造りたい、改善したいという気持が非常に強く出ておりまして、自分の国に一応の企業を備えたいという考えがありますので、特に機具機械類というものの買付というものに非常に関心が強いようであります。造つたものを買うのではなくて、造る機械を買いたいという気持が強いということと、それにビルマの例に取つて見ますならば、日本産業のレベルということに対して非常に高く買つております。日本人の力を、戰争には負けたと雖も、東洋民族の中では日本人が一番頼りになる国民であるということを強く認識しております。とにかく同じ品物で同じ値段であるからば、成るべくならば日本人から買いたいというような、経済提携をして行きたい気持が十分に見えますので、今後とも大いに積極的にこの方面に、各方面方々の御協力によりまして更に更に強く進めることは、決して無駄のない効果の十分にあることだろうと確信した次第でございます。  最後に一言付加えさして頂きたいのは、人を出す場合にはもう少し外貨を持たして頂きたいと思うことであります。今約四ポンド一日四千円の旅費を持たせて呉れますが、これでは一流ホテルにおりますと一杯々々であります。そういうようなことでございますので少くとも五割増くらいの旅費を持たして呉れない限り、通信費或いは向う商談をするための交際費或いは交通費というものは全然出ないのでありますから、この点はもう少し外貨を沢山持たせて呉れるようにして頂きたい。  最後展示の模様について一言申上げろということでございますが、展示会開催には農林大臣主催総理大臣のタキンヌー氏が関係閣僚と御一緒に御出席下さいまして、開会を宣言されたのでありますが、総理大臣は私の御案内で約一時間半の時間を費して見て呉れました。ところが米国、英国、オランダ、デンマーク、それからインドビルマというような他の国の展示もありましたが、その方に対しては僅かに十五分くらいの時間を費しただけ、最初日本の方に参りまして一時間半を使つて非常に御丁寧に見て呉れました。でその最後に別れるときに、敗戰後日本であるにも拘わらず、本当にビルマに適する器具機械をこうもよく考えて選定して持つて来て呉れて、而も大規模にやつて呉れたということは、我々予想以上にその成果のあることを確信してやまない、必ずやビルマ農業開発、我々が知りたい機械、見てみたいと思つた機械を本当によく考えて持つて来て呉れたというので、帰つた日本方々に厚く好意を謝して呉れというお言伝えがございましたような次第であります。特に言われましたのは、ビルマとしては農業協同組合、及び日本農業会のような組織に非常に力を入れておりますので、この点につきましては農林大臣及び農林次官から是非日本農業協同組合のようなものに持つて行つて、そして米の集荷人の支那人、印度人中間搾取から逃がれて、そうしてそれぞれの村にこの協同農機具機械の施設をさして頂きたいというふうに考えておるときでもあるし、日本農業協同組合についてはうんと研究すると同時に、その機械を持込みたい、それには非常にいい研究機会だということを述べておられました。簡單でございますが、これを以て終りといたします。
  7. 島清

    理事島清君) 委員の方にお諮りしたいと思いますが、御質問もございましようが、引続いて証人の方の証言を承わつた方で、終つてから質疑をお願いすることにいたしたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 島清

    理事島清君) 御異議ないと認めます。では引続いて清水商会池田信一郎さんにお願いいたします。池田さんには日本器具技術的な面についての評判と、これを向上させるにはどうすればよろしいか、殊に中小メーカーの注意すべき点等についてお伺いしたいと存じます。
  9. 池田信一郎

    証人池田信一郎君) 今度のラングーン展示会派遣された技術者は、その研究調査範囲が非常に広いのでありまして、そのために出発前に先立つて、我々は專門的に研究調査すべき事項の受持を定めたのであります。私は主に精米機調査を受持ちましたのでここでは精米機中心にしてお話したいと思います。その前に一応ビルマ精米工場の様子を御説明する必要があると思います。  日本と違いましてビルマでは、全部その取引は籾である関係上、精米工場は籾から白米にいたします。その大きさはいわゆる大精米工場の形式を完全に整えておりまして、小さいので日産二十トン、大きいものは千トンにも及ぶものが戰前にございました。その厖大な籾の消費量からいつた籾殻処分というものが非常に大きな問題になつております。そのために精米工場は必ず河沿いにあるのでございます。それは出た籾殻を全部河に流す、そしてその機械は主にドイツのシユーレー型と称するものでありまして、非常に大きな完全な設備を持つております。  右のような現況でありまして、河に遠い人は、即ち精米工場に非常に遠い人は、白米を入手するのに非常に困難であります。又非常に不便があるのであります。で古来からありまする籾摺機精米機は臼でありますが、そういうものは僅かに百姓の自家消費に当てるだけでやつとでありまして、こういうような関係にありますので、非常に簡單小型作業機ビルマ各地で非常に要望しております。  今回の展示会出品された日本農機具を見まして現地人が非常に興味を持つたことは当然であります。先ず場所が非常に小さくて済む、値段が非常に安い、且つ世界中のどの国の機械に比べてもその成績は優秀であります。このような要望に応えるために、我々の持つて行きました機械は非常に優秀な点を持つております。現在ビルマにもすでに外国商品の中でそういう小型のものが輸入されようとしております。展示会場にも出品されたうちで英国製のエンゲルバーグ、これがその中の一つであります。籾から白米を作る機械でありますが、幸いに私はそれを見ましたが成績日本機械に比べて問題になりません。先ず碎米の多いこと、この籾混入率の非常に紙いこと等において、非常に日本機械に劣つております。併し現地人はこういう機械でも非常に要望しておりまして、帰途バンコツクに立寄りましたが、すでにタイには数百台が輸入されてそうして各地にばら撒いてあるような現況でございました。展示会における日本製品成績が非常な反響を持ちまして、先ず各国輸入業者にそれが響きました現在その引合いには日本の各社忙殺されていると思います。以上のような結果から見て日本農機具というものは今後東南アジア諸国に実に前途洋々たる希望を持つているものとして見て差支えないと思います。  さて最後に以上のような結果からして我が日本農機具がどの方面から見ても万全であるかという点になりますと、必ずしもそうではないのであります。それは附随の問題でありますが、これは相当重要で非常に解決を急ぐ問題であります。先ず第一に前に申上げたように籾から白米になる装置を現地では望んでおります。併し日本では今まで玄米で取引されていた関係上籾摺機精米機との関連が余りなかつたのでありまして、で勢いそれをうまく組合せてそうして現地に送る必要があります。  次には碎米の問題であります。ここにあるサンプルを御覧になりましたらよくお分りになることと思いますが、非常にもろく形の細長いものが多くつてそのために相当量碎米が出るのは当然であります。この処分を、如何にしてこれを選別するかという機械が必要になつて参ります。  小なその粒型のそういう細長いものである関係上、或る籾摺機について言いますと、この籾と玄米との選別が非然に困難でありまして、これはすでに派遣された技術者の中ではその点について十分ポイントを掴んで来て、如何にすればいいかということは分つていると思いますが、これをこれに合うものを作つて、そうして向う輸出するのには一応それを試験してみる必要がある。で私の結論として申上げますことはこれを完成するためには研究用の籾が絶対に必要である。我々技術者は完全なものを輸出するためにどうしても研究用の株の資材が必要である。日本現況では籾の形で外米を入手することが非常に困難でありまして、我々は以前にもその点に非常に努力しましたが、遂に今まで実を結びませんでした。そこで私は是非ともその点をここで強調いたしまして今芽生えて来た日本農機具海外発展の最も大きな支障をなしている研究資材の入手をこの席を借りて全国の皆さんに訴えて、そうして一日も早く研究用外米輸入を実現するように希望して止みません。  次に農機具も他の機械も同じでありますが、技術を伴わない機械はさつきも団長が申上げたようにゼロであります。で我々はあらゆる機会を利用して海外事情研究すると共に、その日本機械を、如何にすればうまく操作できるかという技術を同時に教える必要があります。その点どうぞお含みの上機会あるごとに我々技術者が十分な活動ができるように、海外に行く機会を與えて頂きたいと思う次第でございます。簡單でありますが、御報告を終ります。
  10. 島清

    理事島清君) 有難うございました。それでは引続きまして奈良機械製作所奈良自由造さんにお願いいたします。奈良さんには輸出市場の将来性について御意見を伺いたいと存じます。
  11. 奈良自由造

    証人奈良自由造君) 私奈良機械奈良でございます。私に與えられました指示事項機械輸出の将来性について、又は販売開拓方法等についてということが中心になつております。  その以前に中小企業振興に関する調査というような意味でお呼び立てがあるということでございましたから、予め自分の所見をまとめてここにプリントにしてございます。これは委員の方方、皆様に是非お読みを願いたいと思つておりますが、その中で私が申しておりますことは「一、中小企業に対し海外事情知悉の為、大企業と均等の機会を與える。二、貿易商社中間利潤を倫理化し且つ商社製品選択に推奬制の如きものを設ける。三、惡質製品輸出業者に対する制裁。四、労働法日本現実に相応しいものに改める。五、特許権実用新案権保護強化。六、輸出産業に対する課税軽減。七、輸出産業に対する金融円滑化。八、対官庁業務簡素化。九、單一製品專門工場の助長」こういう項目を挙げてお答え申上げているのであります。併しここでこれをお話いたしますと数十ページに亘りますので、この要約を簡單に申上げることにいたします。  機械輸出の将来性、これは重大な問題であります。現在の日本農民が盛んに働いて我々の腹を満して呉れる、それでも尚且つまだ足りない、それを輸入しなければならない、絶対の宿命的に與えられている宿題がこれなのであります。これは誰がどうしてこの米を求める原動力をどうするか、即ち金の塊を如何にして取るかということなのでございますがこれは工業家以外にはもう残つているものはないと思うのであります。してみると輸出を進めるということが日本の国策からいつて絶対なものであるということは、今私が喋々を要するまでもないわけであります。その部分の機械輸出、こういう問題になるわけであります。只今機械製品、即ち日本からシヤムあたりに盛んに輸出されます例の機関車その他の大きなもの、これはいずれも相当組織を持つてつておりますので、シヤムあたり機関車評判は誰に聞いてもいいんだと、こういうことも言つているごとく欠点がないかも知れません。併し中小企業製品海外輸出するということになりますとこれはなかなか問題があるのでございます。あるがために、只今言うような現実の私が掴んだ結果として先程申上げたような結論が出て来るのでございますが、私がシヤムで経験したことなんでございますけれども、印刷機械輸出がされたものがある、それがどうも工合が惡いために半年も勘定が貰えないのだというようなところから、その貿易商に依頼されて行つて見たのでございますが、実にそれはひどいのでこういうことをどうしてやつたのか、私はこれはただその印刷機械屋さんをどうとかこうとか言うようなことでなくて、日本工業家という建前でその印刷機械を見て参りましたが、実にそれはひどい。それでその解決すべき方法なども具体的なことを捉えて示して上げたのであります。丁度そこに日本のいわゆる輸入をした当の商社の人も立会つてくれたものですから、そのことをよく言い含めさして帰つたのでありますが、帰つて来るとその印刷機械工場の工場主が早速私を尋ねて参りまして、いろいろとお詫びをしておつたようなことがございます。それはいずれもどういうところから来るかということになりますと、これをお読み願わないといけないことになると思うのでございます。中小企業をどう手を引いてやるかということが條項的に書いてございます。  それからこの輸出の将来性、今まで私共は、例えばビルマ中心として耳にいたしますと、ビルマには精米工場、油工場以外には工場はないんだよ、こういうことを言われておつたのでございます。併し機械屋の立場から現在見て参りました工業の消化力とでも申しましようか、なかなかこれは侮りがたいものがあるのでございます。いや侮りがたいということよりも我々が考えておつたよりも発展しているということなんでございます。例えば只今精米機説明清水商会池田氏からありましたが、これなどもドイツのシユーレーの型をとりましてすでに向う作つているということなんでございます。こういうふうに向うにもすでに工業を消化して生産を営んでいるということなんです。それからこれは話がちよつと傍道に入りますが、或る機械屋に招待を受けて行つて見たところが、私に機械のカタログを見せてこういうものが日本にあるがどうか、こういうことなんです。私はインド輸入した機械を再輸出をしてビルマに持つて来る、そのためのカタログだとイリユージヨンを起して見たのでありますが、よく聽いてみるとそれはインド作つているのだということなんです。なかなかカタログも立派にできておりました。そのに加えてビルマ市場でもそうですし、それからシヤム市場あたりでもそうなんですが、すでに印刷機械などはいわゆる香港製品と称するものが出ております。これは日本製品が香港製品という名前で化けたのじやあるまいかと思つて見ましたが、やはり香港製品ということなんです。同時にそれを更に模倣してシヤムで又印刷機械作つているというわけです。そうしてみると、我々がシヤムには鉄道工場以外には工場がないんだよ、ビルマには精米工場以外には工場はないよ、あと油工場があるくらいのものだよということとは大変懸け離れているということなんです。要するに日本機械輸出の将来がまごまごしていると挾み撃ちを食うのではないかということなんです。つまり我々の進路を阻まれる態勢に陣構えが整えられつつあるということです。じやあそれに対して日本がどういう手を打たなければならんか、こういうことなんですが、これは一挙に手を拡げて助長させて、我々を沢山向うへ追い出して頂く以外には方法がないのじやあるまいか。それでその更に大きな後楯として日本の国の政治家の方々向うの国の政治家の方々が手を繋いでもつと交換して貰うのだ、こういうことにならなければいけないのじやあるまいかと思うのでございます。  それでは日本機械製品から見ますと、ビルマとかシヤムあたり作つている機械はまだ取るに足らんと思いますけれども、すでに出発しているということは否むことができないわけです。そうするとあと行き足がついて行きさえすればその速度は慎んぐん増して来るということなんです。そこへもつて来てヨーロツパの機械が、使用する機械として輸入されておるということです。日本よりも優秀なその機械を基礎設備として、そうしてよちよち歩き出すのではありますけれども、少し手が慣れて来れば優秀な機械ですから相当アキユレーシヨンを持つたものが出て来るのではあるまいか、こういうふうに考えられます。そうしてみると日本の将来は輸出でなければならぬという、のみならば今後海外発展をするものの大半が機械でなければならないというのに、すでにそういう行く先に暗雲が低迷して、いや低迷ではない、本当に実在として我々の眼前に現われおるということなのです。そうしてみると貧乏になつた現在の日本としては、大きな企業でも中小企業と同じような形にされてしまつておる現在、その進歩が遅々と速度を緩めるのじやないかというな心配がある矢先でありますので、一方においてはそういう暗雲をどうしても切り開かなければならんという早さの、つまり時の問題が我々に與えられておるとすれば、本当に業者の政治をとられる方々もこの辺を具さに見て頂きまして、丁度傘をひろげたような速度をもつてぱつと開かして進展さして頂くというのでないと、ビルマ辺りでもすでにいわゆる我我から言う仇の手、敵の手が伸びておるということなのであります。  私の申上げることはこれが結論でありますからそれ以上は何ものもないのでありますが、現在の中小企業の整謙の状態は先程申上げました通りまだまだ見て頂かなければならんような手、その手は政府の力によつて何らかの施策をとつて頂く、その何らかの施策とは、私がここにプリントにしてあるこういうふうなことごとということをお示ししてあるわけでありますが、どうかそういう方向に向つて我々が歩き易いように、そうして国策としてはどうしても今後発展すべき、又輸出しなければならないという日本の経済的運命にあるのでありますから、どうしても切開して行かなければならぬということだけは確かなのです。併しその速度が遅れると、もう向うが陣構えをしてしまつたのに、こつちがよちよち出て行かなければならぬということがあつては、これは大変な問題だと私は考えるのであります。要するにときを、我我にチヤンスを與えて頂きたい。そういう点から考えますと、今度催されました、我々を派遣して頂きましたこの会が如何に有意義であつたかということが分つて来るわけであります。これは一つのチヤンスといたしまして、我我のような商人が政治をとられるあなた方と直接こういうことについてお話ができ、一言でも我々の意見を申上げてそうしてそれを将来の国策に盛込んで頂ける機会が與えられたということにおいて、これは非常な收穫が私共は得られたと考えておるのであります。これは私共が收穫を得たということでなく、日本国発展のために本当にいい機会が與えられたということになると思つております。どうかそういうわけでございますから然るべく御施政を願いたいと切望いたしまして、私のお答え申上げるお話を終りたいと思います。どうかここにプリントにしてございますのを皆さんに御配付を願いまして、御覧を是非頂きたいと切望することを附け加えて申上げます。
  12. 島清

    理事島清君) どうも有難うございました。  以上で三人の方々証言を終りました、それでは引続き質疑に移りたいと思います。何か質疑がございましたら……。
  13. 境野清雄

    ○境野清雄君 いろいろお話を承りまして有難うございました。若しでき得ることでしたら、ラングーン農機具展示をやりましたうちにあります資料の、設備や通訳全員配置というようなところがありますので、これに対して経費の面の零細がお分りになりましたら一つ今日でなくても結構亭すが、お差支なかつたらお出し願いたい。  それからもう一つ同時に先程お話のありましたような四千円というものではなかなか困難で五割増ぐらい、六千円ぐらいにして貰いたいというお話がありましたが、それに対して若し資料を整備するのに実際やつて来たのはこれだけのドルだつたが、本格的にやるのは何ドルの方が希望だというような点があつた是非書いて頂戴したい、こう思いますので、差支なかつたらお願いいたします。
  14. 伊藤良平

    証人伊藤良平君) 差支ありません、そのようにいたします。
  15. 境野清雄

    ○境野清雄君 それから今の展示をおやりになりましたときに、いろいろ大変結果がよろしかつたようでありますけれども、それに対して現行の一対三百六十という為替レートに対しての御意見がありましたら承わりたいと思います。
  16. 伊藤良平

    証人伊藤良平君) 今回の展示におきまして、為替の問題については余り端的にそれをぴんぴんと感ずるような点がなかつたのであります。と申しますのは、機械そのものが外国の機械と形が違うし、大きさが違うし、性能が違うというような点がございまして、だから値段の違いについてこれが果して安いのか高いのかという点は、ぴんとこつちも来ないし向うの方にも来ないというのでございまして、それは国際的な格付のある、例えば米だとか、麦だとか、在いは綿布だとかいうようなものと同じように、機械の場合には値段というものが取引の大きな最大のフアクターとなつていないように思うのでありまして、為替の問題は今度の取引におきましても余り大きなフアクターをなしていなかつたと思います。
  17. 宿谷榮一

    ○宿谷榮一君 只今の証人の皆さんの御報告によりますと、相当日本農機具海外輸出できるお見通しを明らかになつたようですが、この成果を納められました元は国会の通商産業の当委員会業界方々と、又政府の係官の方々の非常な御熱心な活動によりまして、今日の輸出振興の端緒を得られたということは誠に国の輸出振興上御同慶に堪えない。又渡航された皆樣に対して相当御苦労もあつたことであろうと深甚な感謝の意を表するのですが、そこで今後日本農機具並びに諸機械海外への輸出ということは、もう絶対に日本の経済交流の点から考えましても重要な点であります。聽くところによりますと、今回の渡航者は全部で十一名、持つて参りました品物は百数十点であるそうです。その滯在費用、往復の現物の輸送料金等を合せますと、約一千万円近くを要しておるそうですが、今後製品相当輸出されますならば、この一千万円を要した金額というものは大して大きいものでなかろうと存じますが、併しながら今後農機具輸出するにつきまして、一般の機械器具と違いまして、証人の縷々お話のあつたところと存じますが、どうしても需要家の農家に直接使用状況を見せて、品物の効果を理解させて需要を喚起するということが必要でありまして、併しそれにはやはりそれぞれの機械に相応する技術者向うに参りまして、手を引いてそれを教えてあげるという必要が十分あるのです。中小企業的力の農機具関係業界の皆さんでは、到底品物を向うへ持つて行く費用が賄い切れないということになりますと、折角輸出の開拓、振興が図れる整謙を日本が持ちながら、外国に品物を紹介することができないということになるのであります。これについて農機具だけでなく、これに類するやはり使用状況を見せて、その効果を理解させて需要を喚起する、いわば宣伝ということが必要でありますが、中小企業的な立場の業界はいずれの業界でも負担が到底できないということは明らかですが、これに対しまして私は日本の貿易振興のために、業界の負担できないものは国がこれのお世話をするということを強く行なつて行かなければ、遂にいいものを持ちながら輸出機会を将来において失つて行く、その半面から需要地帶の方が自給自足の線に進んで来るという危險も相当心配も出て来るのですが、こういうことについての貿易振興を所管される通産省においては、今後こういうものに対する全額補助とか、或いは全額出費とか、国の支援によつて国の財政面からこれを助けて行くという御用意があるかどうか、そういうことをお考えになつておられるかどうか、こういう点について通産省側の御意見をこの機会に伺つて置きたいと思います。  要約申しますならば、是非全額助成をして輸出振興の途をぐんぐん拡げて行くという措置が是非とも必要だと私は考えておりますが、こういう点について通産省の御所見を伺つて置きたいと思います。  次に日本の農機薬は従来の日本の農業、日本の植物を対象としてすべて考案工夫をして、又日本の土地に応じた機具機械の工夫によつて生れて来ておるのですが、東南アジア地域におきましては、それぞれの農法も又異なつておりますし、殊に米麦などの性質を気象その他の條件において相当異なつておるものもあろうと思いますが、こういうものを今後農機具輸出して行こうという面の、例えばここにサンプルが出ております籾を輸入する、或いは玄米輸入するとか、或いはそれに類する穀類を輸入して貰うとかいうようなことについて、現物で輸入に対しての便宜を十分支えて貰えるかどうか、そういう手続ができるかどうか、この点は農林省の方へ実はお伺い申上げたいのですが、今輸入されておりまする食糧の枠の中で、相当量の現物を輸入して頂くための便宜を図つて上げることができるかどうか、それに対してどんなお考えを持つておられるかというような、通産省並びに農林省の方へお答えをお願い申上げておきたいと思います。
  18. 山本重信

    説明員山本重信君) 只今お尋ねがありました海外展示会補助金の問題でございますが、本年度通産省といたしましてそうした用途に六百六十万円の予算を組んであるのであります。ところが海外へ持つて行つて展示をしなければならないケースが非常に沢山に話があるのであります。現在分つておりますだけでもパキスタンがこの九月にカラチで展覧会をやりたい、それからアメリカのシカゴ、ニユーヨークでやはり展覧会があるのでございます。それから今回のラングーンの展覧会に刺戟されまして、インドから切実な要求がありまして、是非これは農機具中心として展覧会をインドでやつて欲しいという申入れがございます。更に十二月にはシヤムバンコツクで展覧会が行われるようになつておるのであります。通産省事務当局の方といたしましてはともかく現在六百六十万円の予算しかありませんので、これの割振りについて内部でいろいろ相談をしておるのでありますが、結論といたしましてはどうもこの予算だけでは、到底我々が現在考えておる輸出振興が実現できないという気持になつておるのであります。是非とも適当な機会を得まして大蔵省の方ともよく折衝し、更にこちらの国会の方にお願いいたしまして、是非とも何分のこの予算の増額をして、先程来お話がありましたような目的が十分に達成できるような予算を、追加予算としてお認め頂きたいと思つておるのであります。  尚今回のラングーンの展覽会の予算の総経費でございますが、まだ決算ができ上つておりませんので正確な数字は分りませんが、ざつと八百四十万円余りと予想しております。尚これは今回渡航者の十一人のうちの、メーカーのほうの方々の渡航費用は除いてでございます。一応お答え申上げますが、最後是非とも次の機会海外展示のための補助金の増額をお願いに上る予定でおりますので、このときには格別の御支援をお願い申上げたいと思います。
  19. 村田豊三

    説明員(村田豊三君) 御指摘の第二点にありました籾、その他の現物輸入の便宜の措置が採つて貰えるかという御質問でございます。この点は先程池田証人からも強くこの点の要望を御指摘になつたのであります。かねてから今回のラングーン展示会成果につきまして、特にその点を、技術的にも今後の日本農機具輸出については、十分に機械の性能その他の面からそういつた研究をする必要があるから、是非籾の輸入を認めて貰いたいという要望を我々かねてから聞かされておつたのであります。この点は直接には農林省の食糧庁の方で相当いたす筋合のものでありまするが、農機具を担当いたしておりまする農政局の資材課といたしましても、御要望の筋は全く同感なのでございます。従つてかねてから我々も食糧庁その他関係方面とも連絡を取つておりまするが、結論的に申上げますると十分可能性はあるようであります。従いまして今後我々御期待に副いまするように、更に一段と而も迅速にこの問題の解決を図つて行きたい所存でございます。
  20. 宿谷榮一

    ○宿谷榮一君 もう一言農林省へこれは希望を述べておきたいと思いますが、今後海外から穀物を入れまして、海外の穀物にぴつたり合うような農機具研究工夫が非常に重要だと思うのですが、又農林省側は多年こういうことに対する技術は十分豊富でして、而も現在優れた技術者は沢山農林省側におられるのですから、業界の人々だけにお任せしておるのでなく官民協力の姿で現わして頂くように、農林省側もこういう業界の新規工夫の研究に対しては十分な御協力をお願いしておきたい、かように考えておる次第であります。
  21. 島清

    理事島清君) 別に御質問はございませんか。ちよつと委員方々にお諮りしたいのですが、幸い先刻申上げたように、農機具振興会の佐谷会長が見えておられますので、参考人としてこの展示会農機具工業に及ぼした影響等について簡單に御意見を伺いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 島清

    理事島清君) それじや恐れ入りますが、佐谷さん、一つ
  23. 佐谷庄太郎

    ○参考人(佐谷庄太郎君) 只今御指名頂きました日本農機具工業振興会会長の佐谷でございます。今回のラングーン出品に関する帰朝報告は只今渡航代表諸氏より御報告申上げましたが、昨年八月本計画発表以来十ケ月、その間政府関係御当局の強力なる御指導、出品協議会委員の熱意ある準備、渡航者各位が終始渡航の使命に徹せられ、遺憾なく日本代表としての真面目を発揮されました輸出振興、市場開拓への強い希望のいたすところでありますが、かかる成果を見るに至りました偉大なる力は本計画初期において国会の絶大なる御支援、分けても参議院通産委員会の諸先生の深い御理解御協力を得た賜ものでありまして、本日ここに御報告機会を得ましたことを合せ、戰後初めての本展示会成果と共に、我が貿易史上に大書すべき事項と存じ、日本農機具業界代表し衷心より厚く御礼申上げる次第であります。  各報告にありましたごとく、成果は具体的輸出品として遠からず次々と我が港を積出され、彼の池に日本農機具として本展示会の使命を永久に飾ることでございましよう。而も本展示により印度、パキスタン、タイ、エジプト東南アジア諸国も本年九月以降同樣の催しを計画、参加の招請を受けすでに出品計画に著手しております。業界は今回の経験に徴し更に大なる効果を納めるべく努力を続けている次第であります。併し御承知の通り業界も国内農村市場の資金難に伴い、これら輸出対象工場においても実需期までの資金に極度の逼迫を告げ、その生産維持すら困難なる事態に置かれています。殊に三月以降危機的樣相を示して参りましたので、今後の海外進出計画を進める上には資金の確保が第一義でありますと共に、今後かような国際展示への積極的参加を推進するため、諸費用負担について国庫助成の思い切つた支出と合せ、優先外貨前借制の適用を得られますようこの機会に合せてお願いいたす次第であります。  これを以ちまして御挨拶といたします。
  24. 島清

    理事島清君) ありがとうございました。それでは本日の委員会をこれで閉じたいと思いますが、最後に再び証人方々に御礼を申上げます。長時間に亘りまして有意義な御意見を拜聽させて頂きまして大変にありがとうございました。これを以ちまして委員会を散会いたします。    午後零時三十三分散会  出席者は左の通り。    理事            島   清君            廣瀬與兵衞君    委員            栗山 良夫君            平岡 市三君            境野 清雄君           深川榮左エ門君            山内 卓郎君            鎌田 逸郎君            宿谷 榮一君            結城 安次君            駒井 藤平君   説明員    農林事務官    (農政局資材課    長)      村田 豊三君    通商産業事務官    (通商機械局農    林民生機械課    長)      山本 重信君   証人    ラングーン農機    具展示会派遣団    長       伊藤 良平君    清 水 商 会 池田信一郎君    奈良機械製作所    社長      奈良自由造君   参考人    日本農機具振興    会会長     佐谷庄太郎君