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政府委員(
荻田保君) 結局
地方税制について
地方の自主性を認めるか、或いは認めるとしてどの範囲までを認めるかということに帰すると思います。本当に
地方自治を尊重するという建前で行きますれば、これは極めて理想的なことでありますが、
地方税法など一切なくて
地方の税については
地方団体自体に百パーセント委せるならばよろしいのでありますが、併しながらそれだけではやはりいけないのでありまして、国家的全体の
負担ということも考えなければならん、従
つてここに
地方税法というものの制定というものが必要にな
つて来ます。従いましてその両者をどこで調和させるかということにな
つて来ますが、法定税目だけで税を取るのだということになりますと、こういうことは必要ないわけでありますが、それでは余りに
地方自治を束縛する、従
つてどうしても法定外独立税というものを認めるようにしなければなりません。併しそれを又野放しにすれば、
地方の自治の方が強くな
つて好ましくない、どうしてもここに許可というような制度が要るわけであります。然らばその許可を本当の
政府機関でやりますか、或いは
地方の利益を
代表し得る
地方財政委員会で許可するかということになるのでありますが、これは先程から申上げましたように、
地方財政委員の許可とした方が請いと考えるのであります。
地方におきまして法定外独立税を設定いたします場合には、すべて
地方の議会の同意を得るのでありますから、
地方自治を今後認めて行く、信頼して行くという観点に立つ以上、そう無理なことは起らない、又例えが過重に
なつたとしても
地方財政委員会におきましてチエツクされることがありますから、この
程度についてはこれは差支ない、むしろこの
程度のことは認めなければ、
地方財政の自主性はなくなるのではないかと考えておるのであります。このような法定外独立税の
規定は昔明治の恐らく初めからずつとありましたような制度でございまして、その間国家の全体の目的と
地方自治と調和されて、適当に運用されておるものだと考えております。実際問題といたしまして、現在非常に法定外独立税が多くて中には余り好ましくないというものもあるのでありますが、結局いたしますところ、それで
地方の
一般財源、法定税目等による税收入、これが少いために、それともう
一つは、
地方財政調整の作用が十分でないために、そのような税まで起さなければならない必要性に迫られておるのでありまして、この点は今回
改正に相成りまする
地方税法及び
地方財政平衡交付金法等によりまして、そのような原因はなくなると思いますから、段々法定外独立税まで使わなければならないというようなことはむしろ少くな
つて行くものだと考えております。