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説明員(
海野晋吉君)
只今まで大体分りました
状況を極く
一般的に御
報告申上げたいと存じます。
告示以来いろいろに
状況が観測されておりましたが、或いは
投票当日多少の
混乱がありはしないかというような懸念もございましたけれども、大した
混乱もございませんように
報告を受けております。
東京都内で多少何か
投票所の近くで
ビラなどを撒いた者もあるかのようでありますが、直ちに
取締りの方でそれぞれの手配をいたしましたように
報告あ
つた次第でりあます。
それから第一に申上げたいと存じますのは
投票率の点でございますが、まだ
全国全部が
確定はいたしませんけれども、二、三の県を除きまして
投票率はほぼ
確定をいたしました。多少の狂いはございますかと存じますけれども、全体として
考えて見まして七〇%強と
考えられます。或いは七一・二%まで行くかも知れないという
状況でございます。それで一番
投票率のよろしか
つたところは、
只今まで判明いたしております
ところは島根県の九一・九%というのが最高にな
つております。それから第二位が群馬県の八四・五%、それから富山の八三・四%、これが一、二、三の順序に相成
つておると存じます。一番
投票率の悪か
つたのは
東京都でございまして、五四・七%、それから茨城県の五九・・九%、五〇%台が二県、九〇%台が一県、八〇%台が非常に沢山ございまして、一番多いのは七〇%台でありまして、結局
東京の多数の
投票のございます
ところが、五四・七%という低い率でありますから、平均いたしまして、先程申上げましたように、七〇%を上廻る
程度に相成ることになります。前回の
参議院の
選挙が六一%少し切れたかと思います。それから昨年の
衆議院の総
選挙は七四・九ぐらいと私は覚えておりますが、それよりも少し落ちると思います。大体がそんなふうな
投票率にな
つております。これは大体が
雨天でございまして、西日本の方が幾らかいい天気でありましたけれども、全般的に
雨天若しくは
雲天、新潟のごときは
山嶽地帯は非常な豪雨で
交通杜絶で開票が少し遅れるのではないかというような
ところも
報告が参
つておりますけれども、それにも抱わらずかような
投票率に相成りましたことはいろいろ
原因があると存じますけれども、
一般に
政治意識と申しましようか、
選挙意識と申しましようか、幾多の
選挙を重ねました結果、
選挙ということが気易く行われるという感じを持たせたというような
ところに
一つの
原因があるのじやないか。分析して申しますれば、いかゆる
民主主義政治の理解が段々と高ま
つて来ておる。尚その上に
一般の内外の情勢ということも
国民に行渡
つて来ておるのではないか。
もう
一つは、
啓蒙宣伝の
方法といたしまして、
選挙の
告示以前から各
新聞社、それぞれの
報道機関によりまして可
なり選挙のことを書いておりました。殊に
告示以後は一日として各
級共に
選挙の記事を落したことがございません。それと
ラジオの
放送が可なり行き届いて、いわゆる
啓蒙宣伝の点が非常に行き届いてお
つたことが
考えられますのと、都道府県、市町村の
選挙管理委員会も相呼応いたしまして、
啓蒙宣伝には可なり努めた。こんなことが大体総合いたしましてこの率が出て来たと存じます。農繁期でありましたために
農村方面が
投票率が非常に悪いのではないかというふうに心配いたしましたけれども、
却つて逆な効果を生じたような結果に相成
つております。
尚まだこれは
十分調査をいたしませんと申上げかねる
ところでありますけれども、この度の
選挙に実施されました
公職選挙法において、従来の
選挙運動に関する
特例法等とは比較して見ますと
選挙運動の自由ということが
相当に拡大されて来ておる、そのことも
只今申しました
投票率をよくした
原因の
一つではないかと思いますので、いろいろ御
意見もございますと存じますが、できれば費用及び
選挙運動の乱れないということを限界としまして、この
運動の自由は一層拡大して行くことの方がよいのではないかというふうに
考えられる次第であります。
新聞の
報道の自由ということについては、昨年の
衆議院の総
選挙の際もやかましく論ぜられた
ところでありまして、
公職選挙法においてこの点は非常に拡大されてほぼ自由のように相成
つて来ておりますが、この点についてももう少し御考案を願うことの方がいいのじやないかというふうに
考えられる次第であります。それから
選挙公営の拡充の点についてはやはりこれも国費との
関係もございますけれども、これについても考慮をする必要があるのではないか。それから
不在投票の
制度の
改正、船員、刑務所、
病院等において特別の
投票をいたしましたこともやはり
投票率を高めたものではないか。大した
只今までのうちにはこの点について弊害も起
つておらんように
考えられます。その他
選挙の時期が予め明確であ
つたために実質的に
選挙運動の
期間が
相当これは
事前運動ということもあ
つただろうと思うのですけれども、これがためめに
相当に
選挙運動の
期間が長か
つたというようなこともやはり
投票率を高めた
原因にな
つておるのではないか。
もう
一つ投票日が日曜であ
つたたために婦人の
投票が増加したのではないか、この
投票日が日曜日がいいか、ウイーク・デーがいいかということについてはいろいろ議論のある
ところでありますが、やはり日曜日の
投票は
投票として一種の特徴がある。アメリカのように第一の月曜日の次の火曜日ということを
法律で定めておるようでありますが、ああいうふうにするのがいいか、そうでなく日曜日でも行うということがいいかということについては、これは多少
研究の余地が残されておるというふうに
考えられる次第であります。
一般状況としては
只今私が申上げましたが、尚局長から
只今まで判明いたしました
状況について仔細の点は御
報告申上げる次第であります。