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1950-04-28 第7回国会 参議院 大蔵委員会 第44号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十八日(金曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○船主相互保險組合法案内閣送付) ○昭和二十五年度における災害復旧時  業費国庫負担特例に関する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○配炭公団損失金補てんのための交  付金等に関する法律案内閣提出  衆議院送付) ○光学機用ケース物品税軽減に関す  る請願(第一三四三号) ○至内装飾用品中一部の物品税廃止ま  たは軽減に関する請願(第一四六二  号)(第一五五九号) ○ガス器具物品税軽減に関する請願  (第一五五一号) ○照明具物品税軽減に関する請願  (第一五五二号) ○陶磁器物品税免税点引上げ等に関  する請願(第一六八六号) ○漆器免税点引上げ等に関する陳情  (第二〇三号) ○白下糖消費税撤廃に関する請願  (第一二九一号) ○揮発油税軽減に関する請願(第一一  二三号)(第一三一二号)(第一三  三七号)(第一三四一号)(第一四  四三号)(第一四五八号)(第一五  〇〇号)(第一五二五号)(第一五  六〇号)(第一五八八号)(第一七  九四号) ○揮発油税軽減等に関する請願(第一  五二六号) ○身体障害者所得税基礎控除額引上  げに関する請願(第一六三九号) ○青色申告制度普及徹底等に関する  請願(第一七七三号) ○協同組合に対する課税免除または軽  減の陳情(第一三六七号) ○旧軍用土地建物等国有財産民間括  用に関する請願(第五五七号)   —————————————
  2. 木内四郎

    委員長木内四郎君) これより大蔵委員会を開きます。船主相互保險組合法案議題といたします。先ずこれより提案理由を聞くことにいたしたいと思います。
  3. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 只今議題となりました船主相互保險組合法案につきまして、その提案理由並びに要旨を御説明いたします。  現行の保險業法によりますと、保險事業を営むことのできる者は、株式会社又は相互会社に限られておりますが、船舶海上保險におきましては、損害保險会社の引受けない分野があり、船舶所有者の間において相互保險を行うための相互保險組合設立要望は、大なるものがあるのであります。その理由は、先ず第一に、昭和二十三年七月、木船保險法による木船保險組合解散しました後は、危險率の高い木船保險は、保險会社が引受けることを好まず、現在では、木船の殆んどすべてが無保險状態にありますことと、第二には、大型鋼船船主船舶の連覇に伴つて負担する費用及び責任につきましては、現在の損害保險会社船舶海上保險約款では担保されない範囲が少なからずあるので、昭和三十四年四月一日から船舶運航の方式が船舶運営会裸傭船から定期傭船に変更されて船主負担する費用及び責任範囲が拡大されるに伴い、保險会社の担保しない危險相互保險する必要が痛感されておりました。今回更に、来る四月一日から船舶運航はすべて船主自身の手で行われることとなりましたので、その必要が倍加されて来たのであります。従いまして、これらの船主相互扶助の精神で船主相互保險組合設立することは、必要であると考えられますので、ここに本法案を提出して、組合組織による船主の相互保險事業を認め、右の要望に応えようとするものであります。  次に、この法案要旨は、大体次の通りであります。  第一に、この法案は、船主相互保險組合の行う相互保險たる損害保險事業の健全な経営を確保し、その組合員及び組合一般債権者の利益を保護しようとするものであります。  第二に、この法案に基いて設立される船主相互保險組合は、主として木船の船体に関して相互保險を行う木船相互保險組合と、大型鋼船船主費用及び責任に関しまして相互保險を行う船主責任相互保險組合との二つに限られております。  第三に、船主相互保險組合設立するには、出資の総額が二百万以上、組合員の数が十五人以上及びその組合員所有又は賃借する保險の目的たる船舶の数が百隻以上で、且つ、主務大臣認可を受けなければならないことといたしております。  第四に、組合員たる資格を有する者は、木船相互保險組合にありましては、木船所有又は賃借する者、船主責任相互保險組合にありましては、鋼船所有又は賃借する者で、それぞれ定款で定めるものに限り、組合への加入については、一口以上の出費及び保險料拂込條件としております。  第五に、船主相互保險組合は、主務大臣認可を受けて、組合員に対し、保險料の追徴又は保險金の削減をすることができる規定を置きます一方、剰余金につきましては、組合員出資額又は事業利用分量に応じて分配することができる規定を設けております。  第六に、船主相互保險組合の機関、計算清算及び解散につきましては、保險業法及び商法の所要規定を準備しております。  第七に、監督は、木船相互保險組合につきましては、木船に対する海運行政と密接な関係がありますので、保險料率又は責任準備金積立等に対する監督のごとく純粋に保險行政上の監督を除いた他は、大蔵大臣運輸大臣との共管とし、船主責任相互保險組合につきましては、大蔵大臣の専管といたしております。  第八に、右に述べました諸規定の違反に対しまして、所要の罰則を規定しております。  最後に、附則におきまして、船主相互保險組合に対する事業者団体法適用を排除し、又法人税軽減いたしますため、事業者団体法及び法人税法に対する所要改正をいたしております。  以上がこの法案提出理由並びにその内容要旨でありますが、何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
  4. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御質問がありましたら……。伺いますが、こういう相互保險組合設立要望はあるのですか。
  5. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) これらの保險につきましては、普通の損害保險会社は引受けてくれませんので、この危險を分散いたしますために、是非相互組織でもいいからこういう保險組合を認めてくれという非常に強い要望があるのであります。
  6. 木内四郎

    委員長木内四郎君) これは出資金額は二百万円以上というようなふうになつておるのですけれども、この程度のもので経済的に成立つて行くのですか。
  7. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) この出資金は比較的少額になつておりますが、この保險相互組織になつておりまして、若し損害が発生いたしますれば、拂込んだ保險料で足らなければ、これを直ぐ追徴するということになつておりますので、その組合自体の経費は余りかかりません。又できるだけその費用をかけないようにすることが望ましいので、一応二百万円以上ということで十分事足りる予定でございます。
  8. 黒田英雄

    黒田英雄君 運航前の海運保險ですが、これは例ですか、組合保險をやるのであつて、普通の損害保險会社はこれは取れないことになるのですか。
  9. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) この法律二條第四項あたりにその例示がございますが、例えば船が船と衝突しました場合の損害につきましては、普通の海上保險保險に取るのでありますが、例えば船が桟橋にぶつかつて損害を與えた船主がその損害賠償を要求されたというものにつきまして、普通の損害保險では取らないのでございます。併し昔は船主が資力が充実しておりましたので、それらの船主が自分の負担で以てこれらの損害賠償に応ずることができたのでありますが(現在は資本の蓄積がない、従つてこういうような場合にも保險に入つて置きたいという希望があるのでありますが、普通の損害保險会社がこれを取りませんので、相互組織組合組織による救済施設を是非入れたいというのが業者の希望でございます。
  10. 黒田英雄

    黒田英雄君 それは現在取つておらんというお話ですが、この取るというような場合があつても、それは取ることは法律上できないのですか。
  11. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) この組合法につきましては、どの程度のものをこの組合で取扱うかという具体的の規定はございません。これは組合定款によつて如何なる種類保險を取扱うかということが決定されるのであります。で、お尋ねの点につきましては、実際問題としては、営業会社で取扱わないものがこの組合で取扱うということになるのでございます。
  12. 黒田英雄

    黒田英雄君 損害保險会社が将来何かの法によつてそういうものも保險するというようなことができるようなときは、この法律は、これはもう組合でなくちやできないのであつて損害保險会社は許さないという意味じやないのですか。
  13. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) 損害保險会社がそういうような種類保險の必要が非常に少いときは、営業的には成立ちませんけれども、これが成立つと認めまして、その保險を実施しようとする場合には、たとえこの組合で扱つておりましても、又両立して損害保險会社においても、これを扱うことができるのでございます。
  14. 木内四郎

    委員長木内四郎君) ちよつと伺います。第六條の保險契約移転の停止ということは、これはどういうことを言うのですか。
  15. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) この組合組織による保險ででございまして、いわば閉鎖的と申しますか、特定人限つて保險に入らす、組合員は同時に保險に入つておるという関係にございますので、組合と離れて保險契約は存在し得ないという思想でございます。
  16. 木内四郎

    委員長木内四郎君) その「事業を譲渡することができない。」ということはあれだけれども、保險契約移転ということは、その意味が……、それ自体どういうことですか。
  17. 舟山正吉

    政府委員舟山正吉君) この保險契約移転いたしますためには、相手方の組合もその保險契約を結ぶことができる能力がなければならん、ところがこの場合にはその組合組合員としか保險契約が結べないのでありますから、保險契約を外の組合に移すということはちよつと考えられないと思うのです。
  18. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 他に御質疑がなければ、この船主相互保險組合法案に対する質疑は一応この程度で留保いたしまして、この際昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案議題として審議を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それでは昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案議題といたします。
  20. 黒田英雄

    黒田英雄君 先日連合委委員会が開かれましたときに、政府からいろいろ御説明があつたのですが、そのときの政務次官の説明は、この提案理由説明最初内閣から提出されたときの説明であつたのですが、その後衆議院修正があつた、第二條修正があつたのですが、あのときの連合委員会のときの説明では、絶対に原形に復する費用以上には持たないという説明であつたに拘わらず、衆議院ではそれを超える金額の三分の二まで認容できるようになつたように思うのですが、どの政府においてはどういうふうにお考えになつておるのですか。又三分の二に相当する金額を超えるということになりますと、あのときにいろいろ資料説明がありましたが、それ以外には影響しないのですか。どうですか。
  21. 荻田保

    政府委員荻田保君) お尋ねの点でございますが、政府ではこの原形に復旧する程度のものだけを全額国庫負担にいたしまして、過去の三分の二負担のときにおきましてやはりこのような規定があつたのでありまするが、この場合にも相当広く解釈されておりまして、或る程度超過いたしたものに対しましても三分の二の補助があつたわけでございます。従いまして、この新らしい法律によりましては御承知のように特例でございまするので、これに規定する以外のものは旧法の適用があるというような解釈をいたしておつたのであります。そういう点で非常に疑問がありましたので、むしろ積極的に衆議院でこのような、超える金額に対しては三分の二に相当する金額を加えるという修正が行われたのでありまして、大体このような修正がなくても大体この程度のことは我々としましてもやつで行きたいと考えておつた程度でございますので、この修正がありましたからといいまして別に金額的には影響は来さないものど考えております。
  22. 木内四郎

    委員長木内四郎君) この際念のために伺つて置きますが、第三條によつて全額国庫負担をするものが五項目挙げておりますね。この中に農林関係のものなどが入つておらんということは、この間連合委員会の際もお話がありましたが、農林関係については全額負担はしないが、この法律によつて全額負担をするということにはならんけれども、従来の法律によつて三分の二は補助するということになつておるものと了解していいでしようか、尚又学校その他建設物などが災害を受けた場合に復旧するというような際には、二分の一国で補助するということになるものと了解していいでしようか。
  23. 荻田保

    政府委員荻田保君) 従来御承知のように、災害土木費だけに対しまして法律ができておりまして、外の災害復旧費に対しまする国庫補助は單に予算だけで行われておつたわけでございます。それに応じまして省令だけで出ておつたものもございました。今度のこの法律案対象といたしましては大体従来の災害復旧土木費とその外に新たに加わりまするのは漁港と山林砂防でございます。従いましてその外のものに対しましては、概ね従来の例によりまして補助を続けて行ぎたいと考えておるのであります。お話になりました学校復旧等もその中に入ると考えておりますが、尚その点を明確にいたしますために、政府の方で目下農林水産施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律案を準備いたしまして、これによりまして少くとも農林水産施設に対しましては法律を制定いたしたいという考えを持つておるのでありまするが、未だ各方面との折衝がつきませんので提案されていないのであります。併しいずれにいたしましても、従来のものにつきましてはこの法律で新らしい特例法対象となります以外のものは、従来通り補助を続けて行くつもりでございます。
  24. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 外に御質疑はありますか。……それでは昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担に関する法律案に対する質疑はこの程度で保留いたしまして、この際請願及び陳情に関する小委員長の御報告をお願いすることにいたしたら如何かと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。波多野委員長
  26. 波多野鼎

    波多野鼎君 それでは請願及び陳情小委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  先ず物品税消費税揮発油税に関するものを一括して申上げます。請願第一三四三号は光学機用ケース請願第一四六二号、同じく第一五五九号は室内装飾用品窓掛卓子掛椅子掛等請願第一五五一号はガス器具請願第一五五二号は照明器具について、それぞれ物品税軽減されたいという趣旨であります。又請願第一六八六号は陶磁器陳情第二〇三号は漆器についてそれぞれ物品税免税点を引上げられたいという趣旨であります。請願第一二九一号は白下糖消費税を撤廃されたいという趣旨であります。請願第一一二三号外十三件は揮発油税軽減されたいという趣旨であります。  これらの請願及び陳情のうち、白下多糖の消費税に関しては、輸入砂糖が免税されておりますので、それとの均衡を図るため、愼重に研究すべきであるとして採択しました。又その他についてもいずれも妥当な趣旨でありますので、次の税制改正の際に十分考慮をなす必要があると認めて採択いたしました。  次に、請願第一六三九号は生活能力に乏しい身体障害者所得税基礎控除額において普通人と同様に取扱われているのは不合理であるから、控除額を引上げられたいという趣旨であります。請願第一七七三号は青色申告制度普及徹底を図るために、中小企業経理改善を指導する等の適切な措置を講じられたいという趣旨であります。又陳情第三六七号は協同組合に対する課税免除或いは軽減する措置をとられたいという趣旨であります。請願第五五七号は旧軍用土地建物等国有財産民間社会事業施設として活用させる際には貸付料を減免する等の便宜を図られたいという趣旨であります。以上の請願及び陳情につきましては、愼重審議しました結果、いずれも妥当な趣旨であると認めて採択することに決しました。以上御報告いたします。
  27. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 只今請願及び陳情に関する小委員長の御報告通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。よつて委員長報告通り決定せられました。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  29. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 速記を始めて。  それでは配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案議題として、昨日に引続き質疑を継続して頂きたいと思います。
  30. 波多野鼎

    波多野鼎君 資料を大分沢山出して貰いましたが、この小さい紙にある石炭並びにコークス欠斤実績ですがね、各年度上下二半期に分けて実績が出ておりますが、この前私が質問したときに予想しておつたことと、大体似た数字が出たわけですが、つまり二十三年度から二十四年度に入るに従つて、恐らく欠斤というものが殖えておる筈だということを、数字なしで想像したのですが、やつぱり数字を見てもそういう実績が出ておる。二十四年度上半期のごときは、二十三年度の下半期の倍以上に欠斤量石炭についではなつておる。二十三年度上半期に比較しても約三倍近くの欠斤がある。一体こういう欠斤は、どうしてそういうふうに年度が終るに近づくに従つて殖えて行つておるのですか。
  31. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) お答えを申上げます。ここに出ております欠斤実績仁つきましては、これはこの各期に扱いました数量に対しまする現実に出た欠片であります。この間御覧を願いましたように、各期或る程度貯炭を繰越しておりまして、当該期に拂出しをいたさなかつた分につきましては、これは当該期欠斤として出ておりません。扱い数量としては、拂出し数量につきまして現実公団の使いました欠斤であります。従いまして、二十四年度上期におきまして、御指摘のように二十八万トンという、比較いたしましたところで非常に大きな数量が出ておるわけでありますが、これはこの間ちよつと申上げて置いたのでありますが、実は欠斤の或る程度数量につきましては、これは配炭公団が取扱をいたします際に、商売上当然出るものがあるわけです。それを原価計算におきましては一%半欠斤が出る、こういう原価計算をいたしておりますから、二十四年度上期に扱いました数量に今申上げました一%半を乗じますと、二十五万三千という数字が出る。そういうような詳細の参考が附いておりませんのは、非常に不十分でありまするが、ここで御説明で補足して申上げますると、二十五万三千という欠斤は、この期の扱い量に、今申上げました一%半を乗ずると出て参るものであります。それを以ていたしましても、波田野委員が御指摘に相成りましたように、尚三万トン弱殖えておりますので、必ずしも良好だつたということは申せないのでありますが、原価に見込んでおりました一%半の殆んどその一割ぐらいで済む。それではその前の方の欠斤が非常に少いじやないかということに相成るのでありますが、これはこの実績について見ますると、ここに御覧のような非常に低い数字が出まするので、この二十四年度上期以前におきまする欠斤量につきましては、或いはこの各期に計上いたしました欠斤の量が少し過少に失したんではあるまいかという感じがいたすのであります。というのは、例を挙げて申しますると、今のような、本来原価に織込みました欠斤量というものと、ここにあります数量と比較して見ますると、一例を申しますれば、二十三年度下期のごときは、十万六千という数字が出ておりますが、原価に見ました一%半のところで見ますれば、実に二十七万トン程の欠斤が出ていいということになつております。ここら辺は、多少その期に、具体的にはつきり掴みました欠斤だけを見ておりますので、その点少々見方が不足だつたという気がするのでありますが、御指摘の二十四年上期につきましては、今申上げたように、原価に織込みましたものに比較しまして、若干上廻つておりますが、今のような状態で前期と比較して御覧になります程の甚だしい数量になつておらないという点を申上げて置きます。
  32. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると、その欠斤実績資料は足りないのですね。今これが読んだようなことになつてしまう。もう少し詳しいのを出して下さい。それから欠斤及び廃棄というのか、廃棄炭及びコークスが多かつたということが、公団の赤字の主要な内容をなしておるわけでありますので、そこで私は、欠斤廃棄炭についての資料を要求したわけなんです。ところが先程政府委員説明されたように一・五%というのは当然原価に織込んだ欠斤なんだから、それはいいとして、それ以上のどれだけの欠斤が出て来たんだということがはつきりしないと、欠斤による損害ということがはつきり出て来んのです。当然原価に織込んだやつをここへ出されておるのでは困る。損害原因欠斤にあるということから、損害原因をなしておる欠斤量を出して貰いたいと言つたのだ、当然原価に織込んだ欠斤量なんか……。
  33. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 波田野委員の御指摘になりましたように、この原価に織込みましたものと、それから今までの決算に計上いたしました分、それと現実欠片という三者の比較でありますが、これはちよつと数字を以つて申上げまして、必要でありますれば又明細を書入れてもよろしいのでありますが、先程そこの締めくくりまで申上げなかつたので、その点を併せて申上げます。今まで決算に計上いたしました欠斤は、この表で御覧になりますように五十六万九千、それに対しまして、私先程二十耳年上期の例を取つて申上げましたが、この欠斤量見方は、原価に算入いたしました量を、この配炭公団がございました二十二年度上期以来全部寄せて見ますると、百万五千五百二十とい欠斤原価算入数量であります。即ち百万五千五百三十トンという欠斤原価に織込まれて、それだけが出されたに拘わらず、五十六万九千トンしか出てないということは、この差額は、御承知のように、約五百万トンの貯炭があつたわけでございまするので、その貯炭になつておりまするにつきましては、当該期ごとにその欠斤量を見てございませんから、従つてそれらのものが一遍に清算の過程に出て参るということに相成る。それでは今のように不十分な欠斤見方に対しまして、洗いざらい浚つて見たらどうなるかということにつきましては、お手許に差上げました配炭公団解散損失予想表というのが、昨日差上げました一番最初にございます。この中に欠斤並びに廃棄量が、石炭にすぎまして百十三万七千三百七十六トンという数字が出ております。ちよつとお分りになりますか、どうか、百十三万七千三百七十六トン、従いまして配炭公団のまだ各期の業務をいたしておりました当時におきまして、各期に計上いたしました五十七万トンばかり、それにこの最後清算段階におきまして、今までの分を全部洗いざらい出しました結果が、それに百十三万トン加えまして百七十万トンという数字になる。この百七十万トンという数量に対しまして、先程申上げましたように、百万五千トンがが原価に織込んだもの、差額の七十万が、そういう意味におけるネツトの損ということにお考えを願いたい。この損失予算ができておりますのは、そういうような原価に織込みました、例えば欠斤の問題、或いは運賃の諸掛りの問題、そういうようないろいろの問題が、これ全部プールの尻に出て参りまするので、そういうようなプールの尻は尻で一つの数字と相成り、それはそれといたしまして、今日ありまするところの貯炭なり、或いは売上げなりから見まして、どういうような損失欠斤が出るかということを比較いたしましたのが、その数字であります。従いまして、今、波田野委員がおつしやいましたような、純損失がどれだけ欠斤からおきたということは、今申上げたような百七十万トンと、百万五千トンとの差額である、こういうふうに御承知を願いたいのであります。
  34. 波多野鼎

    波多野鼎君 百七十万トンというのは、この原価計算に当然入れるものと、損失原因なつ欠片と両方合ぜて百七十万トンということですか。
  35. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) さようでございます。
  36. 波多野鼎

    波多野鼎君 それはどこに出ております。
  37. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) それは先程申上げましたように、解散時以後における石炭コークス損失予算というのが百七十万でございます。これは即ち、解散時以後におきまして、公団のブツクバリユー、帳簿に載つておりまする数量現実に炭を拂出しまして、売りきるときの現実にあります炭の量との差額、従いまして、今までのおのおのの期の決算におきまして、欠斤として落しましたものは、これは帳簿から落ちているわけでありますから、従つてこの配炭公団の全商売を通じまして生じましたる欠片は、この清算段階におきまして百十三万トンと、先程御覧の小さい紙にある五十六万九千トンが、両方の合計が総欠斤量に相成るわけであります。それに対しまして先程申上げましたのが、原価算入数量どれだけかというと百万トンである。従いまして差引きのネツトの欠斤増と申しまするか、原価に算入してない分は七十万トンであるというように御承知を願いたい。
  38. 波多野鼎

    波多野鼎君 それでは今の数字をもう一つ出して下さい。はつきり分るようにして下さい。それから廃棄の問題もお伺いして置きたいのだが、この廃棄炭というのは、随分ここでは損失原因としては大きな役割を占めているわけですね、廃棄の炭の数量は出ておりませんですね、これに出ておりますか、金額だけしか出てない。
  39. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 欠斤廃棄は分けてありませんので、一本になつておりまするから、その百十三万、先程私が申上げた百七十万という数字は、いずれも最後の締めくくりにおける廃棄を含むというように……。
  40. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると、廃棄欠斤は、どういうように区別して考えておるのでございますかね、どういうことになりますか。
  41. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 詳細には公団側から申上げた方がいいかと思いますが、まあ言葉の区別といたしましては、欠そのものはもうないということになつておりますし、廃棄は、物はあるのだが、捨てる以外にないというようなもので、非常に品位が惡い、或いは貯炭場の泥と一緒になつて、事実上使いものにならないという両方を合せての数字でございます。
  42. 波多野鼎

    波多野鼎君 それからこの解散前の各期における欠斤廃棄というやつは、どうしても出て来ないのですが、今の原価計算・織込んだものだけしか出て来ないわけですね。
  43. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは各期におきましては現実に扱いましたものの中でこれだけは確実に足りなかつたというものをまあ計上しておりまするので、この各期ことに現実にその棚卸しは私いたしてないかと思います。その貯炭になつております分につきましても当然欠斤があるわけでございますからその分は当然掴えていないというわけであります。
  44. 波多野鼎

    波多野鼎君 それからあの資料は出ておりますのですかね。現在の炭の売掛代金の未回収分というものと、それから支拂いのまだ済んでいない分と買用代金の資料、どこに対して支払いが済んでいないかというあれは出ているかな。
  45. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) あの回收不能見込は欠斤の前に出ております。売掛金回收見込の不能の見込につきましては先般清算人から申上げたと思いますが、現在回收の段階にございまするので、具体的にどういう相手に対するかということにつきましては具体的に申上げませんで、こういうような原因別のもので一つ御了承願いたいということで申上げたように思うのです。
  46. 木内四郎

    委員長木内四郎君) あなたの方から出された解散時売掛金一覧表というものを見るという大部分は相当著名の会社ですね支拂能力のあると認められる会社でありますが、その他小口というのに四十二億円ばかりある、販売業者に四十四億円ばかりある。この著名な方は勿論回收は全部できると思うのですが、その他小品或いは販売業者の中で回收不能になるものはどのくらいあるのですか。大部分は小口だろうと思うのですが……。
  47. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 大体は委員長指摘のようにその他小品及び販売業者の中から大体十六億くらいのものが回收不能になるのではないか、こういうことでございます。
  48. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 念のため伺つて置きますが、その他小口四十二億円と販売業者の四十四億円の中から十六億円くらいの回收不能にあなたの方の資料で出て来ると思うのですが、その他の上に掲げてあるように各会社のものの中から回收不能ということは見込んでおらんでしようね。
  49. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 全然ないということは申上げられないようでありますが、殆んどあるまいと思います。
  50. 波多野鼎

    波多野鼎君 販売業者口という売掛一覧表の一番最後にあるのは公団の何といいますか下部機構としてやつておるのとは違うのですか。委託販売をやつておるわけではないのですか。
  51. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 御指摘関係会社とおつしやるのは或いは公団の職員なんか関係しておるような会社といういようなお話じやないかと思うのでございますが……。
  52. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうではない、公団の機構としてやつておるものとは違うかというのです。
  53. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 全然そういう機構は公団にはございません。
  54. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうするとこれ販売業者というのは純然たる民間の業者なのですか。
  55. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) さようでございます。
  56. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 或いはこれはもう誰方か質問されたがも知れませんが、配炭公団の値引きですね、値引きが三十億石炭にあつてコークスに五億六千九百万円、こういうのはマル公の撤廃後に起きな問題だと思うのでありますが、一体公団というのはマル公で以て売買をしておつて値段が下りそうだから今度は公団を廃止するというふうになつて、自由経済に入つておるということになればいつでも公団は必ず最後には損をするという結果論が出るのですか。そういう趣旨で以てこれはやつておるわけなのですか。
  57. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 公団を廃止いたしました後におきましてマル公を廃止いたしますものは売れませんもの等がよくあると思いますが、石炭の場合におきましては御指摘のように市場価格が下つておりますので、こういうふうな赤字が出る。それでは公団をすべて廃止した場合にそういうことに相成るかと申しますと、これは私共できるだけそういうような事態がないように、廃止のときにおきまして廃止以後に相当値が下るというようなことの起きます以前におきまして公団の例えば取扱いを止める、或いは公団そのものを清算過程に入れる、こういうようなやり方をやつて参りますれば、すべての公団がこういう形になるとは申せないというふうに考えます。
  58. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 恐らくまあ政府側としてそういうふうにお考えでしようが、実際においては今の政府のやり方というものは、物価を下落させる方向にもつて行く、従つて統制経済では値段が高いけれども、自由経済になれば下るのだという宣伝をして、それである以上は或る一定の時期を見て公団を廃止するということは、これはまあマル公の撤廃と相並んで行われるものであると思うのです。そういう場合には何らかの方策を前以て立てるということも必要であり、又善処する措置、これが必要であると思います。ところが石炭に限らず、繊維品なんかでもそのやり方が惡いために経済界に混乱を起しておる。あらゆることでそういうふうに混乱を起しておりますが、この配炭公団に限つてこの損失を差当つて政府で以て負担しなくちやならないというふうなのはどうかと思うのです。もつと前にもう国会あたりの予め了解をつけて置いて、方策を立ててお願いして然るべきだと思います。そういう準備が非常にルーズだと思います。これについてはどうお考えになりますか。
  59. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 非常に御尤もな仰せでございまして、実は配炭公団の廃止の前におきまして私共、なかんずく財務当局の見地からこういうような大きな貯炭を持つて清算過程に入る、而もそれが下がるというようなときにできるだけ早く手を打つべきだということを内部においていろいろ議論をいたしたのであります。この点につきましては先般森下委員の御質問に対してもお答えして置いたのでありますが、そこでいろいろ関係の向とも折衝したのでありますが、結局この前申上げましたように石炭というものは戰争のたしか十六年か、十七年だつたかと思いますが、日本石炭が直接買取りを開始いたしまして以来、もう殆んど八九年に亘ましてこの石炭を売捌きます機構をなくしておるわけであります。従いましてこの配炭公団解散をいたしました後におきましてその荷動きを受けるべき受入態勢をどうして作るかということにつきまして非常にまあその当時といたしましては、こういうことで果して大きな混乱なしで済ませるだろうかというくらいの、まあ短い期間を以ちまして清算に入つたのでありまするが、併しながら昨年度の下半期においての需給の転換が非常に早かつた、それに加えまして、心理的な作用も働きまして、御指摘のような赤字になつたのであります。従いまして、今後におきましてはこういうような苦い経験に鑑みまして、すでに昨年の十月以来、一例を上げて申しますれば、価格調整公団のごときは、従来は一遍物を買いまして、それを売るというやり方をやつてつたわけであります。従つて收入、支出、両建になつておりますが、これを先に決算いたしまして、売買差額だけを選んだというようなことにいたしました。そういうような方式をできるだけ取ることによりまして、物を抱くことをできるだけ廃す、それから未收金の額もできるだけ少くするというような方針を採用して参りました。それでも尚若干の残つておりまする公団につきましての将来におきまする問題はあると思うのでありまして、この点は実施上いろいろな、まあ現在公団が果しておりまする金融的の機能の点から申しまして、公団の扱い物資を外すということは非常に摩擦の多いことでありますが、我々といたしましては、できるだけこういうような損失を生ずることのないように、少々の摩擦があつても早く外して行くということをやる必要があると思います。
  60. 木内四郎

    委員長木内四郎君) この際お諮りいたします。配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案に対する質疑は一応保留いたしまして、昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案議題として審議を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。それでは本法律案議題として審議を進めます。本案につきましては、すでに地方行政及び建設委員会との連合委員会を開き、又連日慎重審議を重ねられて参つたのでありますが、すでに質疑ば終了したものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います……。別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて、直ちに採決をすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案の採決を行います。本案につきましては衆議院において一部修正をして、本院に送付されたのでありますが、衆議院送付通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔総員挙手〕
  64. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担特例に関する法律案は、全会一致を以つて衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  尚本案に対する報告書に対する御署名及び本会議における委員長の報告につきましては、恒例によつて取扱うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないものと認めます。   多数意見者署名    波多野 鼎   黒田 英雄    伊藤 保平   玉屋 喜章    西川甚五郎   櫻内 辰郎    油井賢太郎   小宮山常吉    藤井 丙午   —————————————
  66. 木内四郎

    委員長木内四郎君) この際配炭公団損失金補てんのための交付金等に関する法律案議題として、御質疑を継続して頂きたいと思います。
  67. 波多野鼎

    波多野鼎君 この大口需要者売掛金一覧というのが、二種類あるわけなんです、プリントが。これを見ますと、どうも数字が合わないのですがつまり一方の解散時売掛金一覧表、二十五年三月二十八日という目附の入つておるのと、昭和二十五年一月末大口需要売掛金一覧、これが日にちが入つてないのだが、一月三十一日現在というふうになつておるのですが、この一月三十一日現在の売掛金額というのを見ますと、各大口需要者に関する売掛金の各会社についての額と、もう一つの表における、各会社の額とが非常に違つておるのですね、そればかりでなしに、この販売業者口、それからその他小口、これが一番問題だと思うのですけれども、この両者の数字も非常な食違いがあるのですが、これはどういうことか、ちよつと説明を願います。
  68. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 解散当時の金額と、それから三月末の金額との間の開きは回收によりまして減つた分は、減つた金額を差引いて、現在額を載せたので異同もございますが、中には殖えておるのもございますが、そういうものはこの荷渡し数量の後日の修正が発見されたとか、或いは炭価の品位による修正があつたというようなことで動いて参りまするのでそんな関係で食違いがあるのでございます。
  69. 波多野鼎

    波多野鼎君 よく分らんですが、それでは聽いて見ますがね、三月二十八日と日附の入つておる売掛金の総額は百九十億でしよう、それは確かですか。
  70. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) さようでございます。
  71. 波多野鼎

    波多野鼎君 それは確かですね。
  72. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) はあ。
  73. 波多野鼎

    波多野鼎君 それからもう一枚の紙を見ますと、これは一月三十一日現在だが、それは八十八億ですね、売掛金の総額は。これも確かですか。
  74. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) さようでございます。
  75. 波多野鼎

    波多野鼎君 先程の説明では百九十億の幾らかが云々ということになつてつたのだが、そうするとこの場合同收ができない金額になるのだが、現在未回收の金額というのはそうすると八十八億に過ぎないのですね。
  76. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 三月末現在の売掛金の残高は総額で申しますと、五十八億七千六百万円でございます。
  77. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうしますと百九十億という売掛金は、これは同月現在ですか、もう一遍はつきりさせますがね。
  78. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 解散当時の、即ち昨年の九月十五日に解散でございますから、その時の現在でございます。
  79. 波多野鼎

    波多野鼎君 それから八十八億というのは、売掛金総額の……。
  80. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 一月末現在の残高でございます。
  81. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうしますと、つまり一月末までに相当回收したというわけなんですね。それだけ減つた、半分に減つたわけなんだが、販売業者口という数字を見ますというと、解散当時には四十四億の売掛金代金があつたのが、今度六億に、一月末には六億、ここまで回收したわけですね。これだけ相当大きく回收ができたわけです。ところが小口の方になつて来ると四十二億の回收が二十五億というくらいの回收しかでき得なかつた、四十二億から二十五億減らした、そういうことになりますか。
  82. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) その通りでございます。
  83. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうするとこちらの二十五億、小口に対する売掛金の回收がこんなに遅れておるのはどういうわけなんですか。販売業者口というのは非常に進んでおるのに、小口の方はこんなに遅れておるのはどういう理由ですか。
  84. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 大体小口の需要家と申しますのは、工場とかそういう中小の生産業者が多いわけでございますが、そういうところの一般の不況によります打撃が多かつたためになかなか回收ができない、かような実情になつておる次第であります。販売業者口の方は、これは何んと申しましても公団が売るときに、吟味して売つておる関係で、余りそういう回收の困難性がなかつたという結果になつておるのでございます。
  85. 波多野鼎

    波多野鼎君 販売業者口に公団が売つたのは大体販売業者がやはり小口の方に売つておるわけではないか、小さい業者に……大きい業者は直接公団から買つておるのじやないか、同じじやないか。
  86. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) 販売業者に売りましたのは、統制の……八月十五日から販売業者を指定されまして、その指定販売業者に売るということになりましたので、国鉄とか進駐軍とかそういうのは、直接に売りましたけれども、八月十六日以降は指定販売業者を通すということによつてつてつたのであります。そういう関係でしつかりした販売業者が指定されておるので、回收上販売業者は自分の責任においてこれを拂つて来たというような結果になあつておる次第であります。
  87. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうすると販売業者口というのは、去年の八月十五日以降の問題ですか。
  88. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) さようでございます。その前はいずれも直接需要家がクーポンを貰いまして、その切符を持つて来た者に先渡しするというような関係でございましたので、いわゆる販売機構というものはなかつたわけでございます。
  89. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 配炭公団であれですか、先程ちよつと申述べたのですが、非常に生産が解散当時になつて来たら殖えたのですね。これは、殖えたということは、結局石炭の国管の効果が現われたと見られておるのですが、その点はどうなんです。いわゆる国管方式が効果を現わしたと……。    〔委員長退席、理事黒田英雄委員長席に着く〕
  90. 黒田英雄

    ○理事(黒田英雄君) それでは只今の答弁は通商産業事務官の加野君が見えられておりますから……通商産業事務官の加野一郎君です。
  91. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) 只今解散近くになつて石炭の生産が非常に殖えて来たのはどういうわけか、こういう御質問かと思いますが、御承知のように石炭は終戰後、最も超重点的な産業といたしまして、三十二年、三年四年にかけましては殆んど国の全力を挙げて石炭増産のために主力を傾注したといつてもよかろうと思いますが、その増産の効果が御承知のように石炭は始めましてからその効果が現われるまでにはやはり二年乃至三年は最低見積つてもかかるのでございまして、その効果がその頃になつて非常に出て来たということが一番大きな原因だろうとこう考えます。
  92. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 今の説明は国家管理方式が効果があつた、こういうわけですか。
  93. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) 国家管理方式というわけではございませんで、国家管理方式を仮になさつたとしても……、石炭の増産に当時国が最も超重点的な施策を施した、その効果が現われて来た、そのためであろうこういうわけでございます。
  94. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 そうすると、石炭事業に対しては非常に優遇した、こういうことになるのですか。公団解散当時石炭の生産がどんどん上つて来たときでも、やはり優遇の状況は続けておつたのですか。
  95. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) 公団解散間近になりまして、石炭供給過剰の傾向が見えましてから、今お話の優遇の程度というものに、これは若干少しずつ減退して参りましたけれども、まだ公団解散するまでは外の産業と比べましたならやはり優遇されておつたと、こういうことが言えると思います。
  96. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それでは、或いはこれは物価庁の方がおられると都合がいいのですが、石炭のマル公が結局相当に値段が安くなつたから、公団解散当時一遍に山元から出荷されたというふうにも我々解釈するのですね、その点はどういうふうに解釈されておるのですか。
  97. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これも資源庁からお答えした方がいいかと思うのでありますが、値段の点につきましては全体として石炭の価格が採算上有利であつたかどうかという点につきましては、これは物価庁から申上げるのが本当かも知れませんが、私共も全体としてどうもそうではなかつたのではあるまいか、ただその中で生産状況が段段好転しで参りまして、相当な業績のいいものが出て参つたことはこれは事実であります。それに対しまして、配炭公団の方も多く石炭が売れたという点の理由は、今おつしやいます価格が比較的楽であつたという、つまり公定価格の時代に比較的楽な採算で売つてしまうというような点が絶無であつたということは申せないのでありますが、ただそういうようなことに対しまして一つの心理的要件であつたかと思われますことは、その以後の状況を見ましても、配炭公団は金離れがよろしい、その後相当いい炭は上つておりまするけれども、支拂状況は必ずしもよくないように聞いておりますし、その当時の資金が詰つてつた状況から見ましても、恐らくは配炭公団に売ることは資金の回收上非常にいいという点が一つの理由であつたかと思います。
  98. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 資金の回收がいいわけなんですが、あとになつて惡くなつたのですね。最後になつては……。それで公団として売渡し先の代金の回收の根本原則としてはやはり現金取引を以てしたわけですか。それとも或る程度の期間を設けたのですか。
  99. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) 解散前の公団の売掛金の回收の條件は、業務規定によりまして契約條項によつてやるというふうになつてつたのでございますが、この契約條項は大体月末に締め切り切つて、翌月の十五日までに拂うというようなものもございますし、それから、そういうものが大体最上の條件でありまして、現金で取るというようなものもございますし、必ずしもすべての契約が皆同じ條件だということではなかつたのでございます。
  100. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 今お話通り、これは契約が、そうすると月末に売つて、翌月十五日拂いが最長だというと、まあ平均して一ケ月以内では皆回收される形になるのですね。併し実際こうやつて相当の未佛が出ているのですから、それは実行されてなかつたというふうになるわけですな。
  101. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) そういう契約條件で荷渡ししておりましたので、その條件通りに履行させるべく努力はしておつたのだろうと思いますが、ただ、この臨時物資需給調整法でありますか、それに基いて、クーポンがあるものにつきましては、荷渡しの拒否ができなかつたというような実情であつたそうでありまして、そうでありましてと申しますのは、私解散後の清算人でございますので、その当時のことを責任を持つて申上げかねる点もございますが、そういうことで、公団といたしましては、そういうものには荷渡しを拒否したいという意向もたびたび当局に具申されたようなこともあつたように聞いております。併しまあその重要産業に石炭を配給するという配給統制の建前から、そういう拒否ができなかつたということで、まあ売掛金の滞納ができたというような状況にあつたように聞いております。
  102. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 その辺のところの成行きが非常に今度の法案に重大な件でして、これは聞いておるというような御説明の形じやなしにですね、はつきりと責任を持つてお答えできる方にお出で願わなくてはならないと思います。それはどなたですか、一つこの次お出で願うように御手配願いたいです。
  103. 加野一郎

    説明員(加野一郎君) 今はつきりというお話がございますので、当時の実情を申し上げますと、只今清算人から説明がございましたように、最低生産資材割当規則という商工省の省令がございまして、この規則によりますと、    〔理事黒田英雄君退席、委員長着席〕 クーポンを持つておる者が、配炭公団石炭の要求をして参りましたときには、配炭公団は正当な事由なくしてはこの荷渡しを拒否することができないということになつております。この正当な事由と申しますのは、例えばすでに石炭が全部契約済みになつてつて、一トンもないというようなのが正当な事由と、こういうふうになつておるのでありますが、そういう場合以外は、いわゆる石炭の荷渡しをしなければならん。その際相手方の資産能力があるかどうかというふうなことによつて荷渡しを拒否してはいかん、こういう規定になつております。それで併し公団といたしましては、明らかに支拂ができないようなものに石炭を荷渡して参りますと、逐次回收不能の額が増嵩いたしますので、そういう代金の支拂できないようなものは、正当な事由あるものとして荷渡しの拒否ができるようにということを監督官庁の方にもしばしばお願いいたしたのでありまして、監督官庁の方も、又関係方面の方へいろいろ御折衝になつたようでございますけれども、それは規則の解釈上いかんと、必ず荷渡しはしなければいかんということになつておりましたので、恐らく普通の営利会社でありましたならば、荷渡ししないであろうと思われるような方面にも、現実石炭を出しておつたというような実情でございます。
  104. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 只今の話は、これは私らの方でもよくもう一応検討しなければならんし、監督官庁という今のお話、それは責任者でありますか。監督庁というのは……。
  105. 加藤八郎

    説明員(加藤八郎君) それは安本と資源庁です。
  106. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 これは今の話を聞きますと、クーポンのあるものに対しては、もう代金が回收できようができまいが、荷渡ししなければならんと、こういうような原則になつておるというので、そういうところからこういうような大きな欠損額が累積されて来たと思うのであります。そういうことについて、もう少しその当時の事情を責任のある、或いは関係方面に直接折衝された人の話をよく聞かないと、我々ちよつと納得が行きませんから、この次は安本と資源庁の責任者を一つこの席に出るようにお取計らい願つて置きたいと思います。私は今日はもう質問を保留いたします。
  107. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それでは本日はこの程度にして散会いたします。午後は経済安定委員会と連合委員会がありますから、外資に関する法律案について連合委員会がありますから、御出席願います。    午後零時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君    委員            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            櫻内 辰郎君            油井賢太郎君            小宮山常吉君            高橋龍太郎君            藤井 丙午君   政府委員    地方自治庁次長 荻田  保君    大蔵事務官    (銀行局長)  舟山 正吉君    大蔵事務官    (主計局次長) 石原 周夫君    大蔵事務官    (主計局法規課    長)      佐藤 一郎君   説明員    配炭公団清算人 加藤 八郎君    通商産業事務官    (公団清算室) 加野 一郎君