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1950-03-23 第7回国会 参議院 水産委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年三月二十三日(木曜日) 午後一時四十六分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○臘虎膃肭獸猟獲
取締法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
(衆
議院提出
) —————————————
木下辰雄
1
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今
から
委員会
を開会いたします。 本日は臘虎膃肭獸猟獲
取締法
の一部を
改正
する
法律案
を先ず上程いたします。
政府
の御
説明
を求めます。
坂本實
2
○
政府委員
(
坂本實
君)
只今
提案
されました臘虎膃肭獸猟獲
取締法
の一部を
改正
する
法案
につきまして、その
提案理由
の
概要
を御
説明
申し上げます。「らつこ」、「おつとせい」の猟獲の
取締
につきましては、すでに
現行
猟虎膃肭獸猟獲
取締法
によりまして、その嚴正に努力して参
つたの
でありますが、事柄の性質上、遺憾ながら十分なる
実効
を挙げ難い実情にあるのでありまして、これは現在
日本国
の置かれている
地位
並びに将来の問題に対する関連に鑑みて、特に考慮を要するものと
考え
られるのであります。而してこの「らつこ」、「おつとせい」の違法な猟獲に対する
取締
の
実効
を期するためには、更に一歩を進めて、「らつこ」、「おつとせい」の
毛皮
及びその
製品等
の
製造
、
加工
及び
販売
について
制限
又は
禁止
の
措置
を講じ、適法な
方法
によ
つて
取得されたもののみを流通せしめることとするのが最も効果的であろうと存ずるのであります。
本案
は、
現行
の臘虎、膃肭獸猟獲
取締法
の一部を
改正
しようとするものでありまして、その
内容
といたします
ところ
は先に述べました目的を達するため、「らつこ」、「おつとせい」の
毛皮
及びその
製品
の
販売等
を
政府
が
禁止
又は
制限
するものといたすことを主とし、その他
罰金等
の処置について
現行一般法令
に適合せしめるための若干の
改正
を含んでおります。 以上が
本案
を提出するに至りました
理由
であります。何とぞ
愼重審議
の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
千田正
3
○
千田正
君
政府
に質して置きたいんですが、「らつこ」「おつとせい」の
捕獲
をする
日本
の
領土
の
範囲
はどこでありますか。
山本豊
4
○
政府委員
(
山本豊
君) 現在の
連合軍
から
指令
を受けておりまする区域内についての猟獲を
禁止
するつもりであります。
千田正
5
○
千田正
君 現在の
ポツダム宣言
後における
ところ
の
日本
のいわゆる領域とされておる
範囲
内の
捕獲
であるとするならば、私は頗る
少数
なものであり、且つ又殆んど猟獲することのできない
状態
にあるんではないかと、かように存じますが、「らつこ」、「おつとせい」に対する猟獲の情勢について一応
農林省
の所見を質したいと思うのです。
山本豊
6
○
政府委員
(
山本豊
君) 的確なその猟獲数字とうものは、今申上げられないのでありますが、大体のお
手許
に資料として
経過概要
としてお配りしてあるのを御覧頂きますれば、大体の今日までの
推移
が分るわけであります。この「おつとせい」
保護條
約は、
明治
四十四年七月に
締結
されまして、そこでその当時は大体四百万頭以上あ
つた
ものが、條約
締結
当時には十四万頭
程度
に減退したのであります。そこで日、英、米、露の四ケ国間で、その
保護條
約が
明治
四十四年七月に
締結
にな
つたの
であります。そこで四十年の四月に、この現在
改正
せんとしまする元の
法律
が制定せられまして、その後この結果として段々と頭数が殖えて参りまして、大正十五年には八十三万頭、
昭和
十五年には二百二十万頭、現在では大体四百万頭以上に増加したと、こういうふうにまあ見られておるわけであります。
ところ
が御
承知
のように、
昭和
十五年十月に廃棄をこちらの方から通告いたしまして、翌年十月限り失効したのであります。十七年の二月に今度は臘虎獸猟獲
取締法
の一部を
改正
いたしまして、むしろ獲
つて
もよろしいという
許可
による猟獲を認めたのであります。併し当時はまあ戰争でもありまして、十八年から二十年までの間に、大体そういう
猟船
を六十隻の
範囲
内で抑えまして、三ケ年を通じまして約七千頭の猟獲を見た。まあこういう
状態
でありまして、大して獲
つて
はいなか
つたの
であります。
終戰後
、
連合最高司令部
の命によりまして、この猟獲を
禁止
しろということで
禁止
して今日に至
つて
おるのであります。丁度昨年の八月の八日に、
水産庁長官宛
のNRSのヘリングトン氏の方から、これに関する覚書と言いまするが、
勧告文
が参
つて
おりまして、これもお
手許
に参考に配付してあると思うのでありますが、その
勧告文
によりますると、これはまあ
向う
の見られた
ところ
でありますけれども、実際に想像し得る
密猟
が行われており、大体二、三十頭でなければならんのが、実際にその動いておるものが二、三千頭ぐらいも獲られておるようなふうに見られると、こういうまあ
向う
の観測でありまして、これでは非常に困るということで、
向う
の方からこの状況の
調査
なり、又
取締肴
強く要請せられたのであります。そこでその
勧告
の少し前の
昭和
二十四年の、二、三月頃から、これも
連合軍
との話合いによりまして、若干の
予算
を組みまして、その
調査
なり
取締
を開始したのであります。二五年の三月には僅か四十四万円ばかりの
予算
で以てや
つたの
でありますが来年度の
予算
といたしましては、約九百七十三万円ばかりの
予算
で以て、これで
調査
に関しては船を一隻と、それから
取締
に対しては船を二隻、これを以ちまして万全を期して参りたいと、こういうような
状態
であります。
千田正
7
○
千田正
君 大体この
法案
の出さなくちやならないという
理由
は今の御
説明
で分かりますが、然らばこれによ
つて
生活してお
つた
ところ
の
業者そのもの
に対する
ところ
の、この
法案
ができることによ
つて自分
らの職を失うであろう
ところ
の
人達
に対して、何らかの
方法
を
考え
ておられるか。この点につきましては、どういうふうな
方法
によ
つて
、この
人達
の
生業
を転換させるというようなことについて、
農林省
としての案はどういうふうなものを持
つて
おられますが、その点について……
山本豊
8
○
政府委員
(
山本豊
君) 戰時中並びに今日までいろいろの
推移
を見まして、実際にこれを
専業
に大いに獲
つて
おるという者は極く
少数
であろうかと思うのであります。たまたま猟に参りました序でに、
機会
を得て、一、二頭
捕獲
するということは、これはあり得るかと思うのでありますが、專らこれを
専業
にとて、これで生計を立てておるという者はそうないのじやなかろうかというふうに
考え
られますので、
政府
といたしましては、今の
お尋ね
の点につきましては、何らの対策も持
つて
おらないのであります。
木下辰雄
9
○
委員長
(
木下辰雄
君) 外に御
質問
はありませんか……。なければ、私から
ちよ
つと
質問
しますが、
終戰
と同時にこの事業は中止されたと、こうな
つて
おりますが、中止されたものに猟獲がある筈はないと思いますが、どうですか。
山本豊
10
○
政府委員
(
山本豊
君) その点は形式上そういうことはありませんので、恐らくいわゆるまあ
密猟
に相当するものが何ぼかにな
つて
おるのではないかと、こう
考え
られます。
木下辰雄
11
○
委員長
(
木下辰雄
君)
密猟
を相手に
取締規則
を作るというのはおかしいじやありませんか。
山本豊
12
○
政府委員
(
山本豊
君) 現在の
ところ
、一応その條約
破棄
以後は、まあ
法律
の
建前
から言いますと、獲り得る
状態
に置かれておる。併し
関係方面
の方針によりましてこれが大つぴらに獲
つて
はいかぬというサゼッションを受けておるわけであります。そこでその
関係方面
の
方向
に
政府
としても調和する必要があるというので、今度のような
措置
に出たわけでありますが、
只今
の
お尋ね
の点でありますが、全部が
密猟
というのでもないのでありまして、
建前
は條約の
破棄
後今日に至
つて
おるので、獲
つて
獲れないわけはないのでありまして、正式と申しますと、語弊がありますが、多少……。普通はそういうことはないと思いますが、
戰後或い
は準
生業
として獲
つて
おる者も若干ありはせんかと、こういうふうに思うのであります。
木下辰雄
13
○
委員長
(
木下辰雄
君) それでは「
終戰後
は
連合軍最高司令部
の命によ
つて
中止された」と
はつ
きり書いておりますが、この事実が間違
つて
おるのですか。現在獲れる
状態
にあるならば、
命令
によ
つて
中止されたとは書けない。中止されたならば全部
密猟
にな
つて
おる筈ですが。
尾崎順三郎
14
○
説明員
(
尾崎順三郎
君) 「おつとせい」は、戰争中解禁いたしましたけれども、終戦後
連合国
から
禁止
されておるわけであります。併し條約を
破棄
しておりますので、現在の臘虎膃肭獸猟獲
取締法
の
許可
を以ちまして、
終戰
までは一時的には猟獲し得る
状態
にあ
つた
わけでありますが、併し
連合国
から獲
つて
はいけないと
禁止
されておりますけれども、これはいつ又獲
つて
よろしいという
指令
を受けるがも知れないわけでございますが、本当に
日本
もそういう事態に即しまして、獲り得ることを前提として一応この
改正案
を
提案
いたしておるわけであります。
千田正
15
○
千田正
君 どうも
政府
がこの
法案
を出した
理由
が甚だ明確でないと私は
考え
るのであります。先程からいろいろ御
質問
の中にもありまするが、御
承知
の通り「らつこ」、「おつとせい」の棲息する地区はすでに
日本
の
領土外
である。現在
ポツダム宣言
後における限定された
日本
の
領海
においては、恐らく「らつこ」、「おつとせい」は棲息しておらない。而もすでに
破棄
した條約において、現在はむしろ
連合軍
によ
つて禁止命令
を受けておるというのであ
つて
、
法案
を出すということは、
日本
が密漁をしておるということを恰も世界に公示せられる
法案
であ
つて
、私はかように
考え
ておるのであ
つて
、
禁止
されるものであるのならば、そのままであ
つて
よろしいのであ
つて
、むしろこれが解放されたというような場合において、初めて
日本
の立場としての立法をすべきであると私は
考え
るのでありますが、その点は
政府
としてはどういうふうに
考え
ておられますか。
山本豊
16
○
政府委員
(
山本豊
君) 完全なる
禁止命令
が出ておりますれば、無論これによりまして
法律
の
改正
とか、何とかいうものより前にできなくなるわけでありますが、この昨年の八月の八日の
向う
から参りました文書なるものは、その
はつ
きりした
命令
とまでは行かないのでないかと思うのであります。併しその主義とする
ところ
は、これに対して何らかの
措置
をとれということが可なり明瞭に出ておりますので、
水産庁
としましても、その
意味
を
汲取
りまして、今度の
挙廷
に出たわけであります。ただこれをこういう挙に出ましたことは、やはりその他のいわゆる
日本
の現在の置かれておりまする
漁業
の
地位
というものの観点から
考え
まして、一応そういうふうな挙には出ますけれども、これは将来「おつとせい」の
保護條
約というふうなもののあり方につきましても、今日国際的にはまだ本当の
結論
というものは出ていないので、例えば我々には分りかねる点でありますけれども、この
日本
の近海に参りまする「おつとせい」なるものが、果して
米領
の
プリビロブ群島
の
回游魚族
を食べるものであるかどうか、一時
日本
の農村で、何とかという雀が有害であるか、有害でないかというふうな問題と同じような議論が「おつとせい」についてもありまして、これについては現在の
ところ
アメリカ側
の
考え
と
日本側
の
考え
とは必ずしも致していないのであります。併し
向う
の
考え
られておられるような点にも、こちらも進んで協力いたしましてその後におきまして、例えば
連合調査
をやるとか、いろいろなことをいたしまして、これらの
結論
になりまして、
保護條
約に、やはり対等に今後参加して行くような
方向
に導くのがいいのではないかというふうな
考え
のもとに、
連合軍
の方からの
勧告
と言いまするかの
意味
を
汲取
りまして、今度の
改正
に出たわけであります。
千田正
17
○
千田正
君 将来
日本
がやはり
講和会議
に、或いはこうした
意味
における
ところ
の
国際條
約に、参加するという
意味
での、一つの何と言いますか、
準備態勢
としての
法律案
であれば、私も大いに賛成なのでありますが、そうでなか
つた
ならば、むしろ
政令
ぐらいで、この
程度
の問題であれば、むしろ国内の僅かなる、こうしたことによ
つて制限
を受けておる
人達
を押えるような
程度
であ
つた
ら、
政令
くらいのもので結構ではないかと、私は
考え
るのであります。
只今
の
ところ
は
国際條
約の将来の参加を目指しているというのでありますから、これは各
議員
からいろいろ御
質問
もあると思いますけれども、
愼重審議
あられんことを要望いたします。
木下辰雄
18
○
委員長
(
木下辰雄
君) 外に御
質問
なければ、この
法文
に移りたいと思います。
改正
の
法文
について
政府委員
の御
説明
を伺います。
山本豊
19
○
政府委員
(
山本豊
君)
改正
の極く要点だけを私から申上げまして、細部に
亘つて
又
係官め方
から必要に応じまして御
説明
したいと思います。 第一点は、第
一條
に関する点でありまして、現在の
ところ
は「
臘虎又
は膃肭獣ノ猟獲
ヲ禁止
又
ハ制限スルコトヲ得
」というのみの
規定
でありまするが、これを嚴重にいたしまして、「らつこ」、「おつとせい」の獸皮若しくはその
製品
の
製造
と
加工
と
販売
、この三つについても
制限
は
禁止
をする。それから同時に違法に取得せられました
製品
或いは
毛皮等
につきましては、その
所持
も
禁止
する、こういうことであります。 それから第二條は
削除
にな
つて
おりまするけれども、この
削除
に
なつ
た
條文
の代りに、
政府
はこういう
禁止
又は
制限
をする場合には、
公聽会
を開いて、
利害関係人
、
学識経験者
の
意見
を徴してやる、これもまあ
関係方面
の大体いろいろな
意見
も相当ありまして、そういう
條文
が新らしく入
つた
わけであります。これはその
方法
でありまする。 それから第三点は、
罰金
の
規定
であります。現在の四條、五條の
関係
になるのでありますが、この五千円以下を十万円以下にする、これはまあ最近のいわゆる外の例に倣いまして……どういう根拠でこの五千円を十万円にするかという御
質問
が出ると思うのでありますが、大体古い時代の
法律
に対しまして二十倍乃至二十五倍というのが、その筋の方の
検務局あたり
の
考え
のようであります。これはまあ
検務局
の御
意見
に従
つた
わけでありますが、この
罰金額
を上げましたこと、主なる点はそういう以上三点に盡きておるわけであります。尚詳細に亘りましては、御
質問
に応じて御
説明
申上げます。
千田正
20
○
千田正
君 第
一條
の末尾に「
臘虎又ハ膃肭獸
ノ
獸皮若ハ其
ノ
製品
ノ
製造
若
ハ加工
又
ハ販売ニ付
亦同ジ」、これはよろしいが、「
前項
の
規定ハ
同項ノ
規定
ニ依
ル禁止
又
ハ制限ニ違反シテ猟獸シ製造シ加工シ
又
ハ販売シタル臘虎膃肭獸又ハ其
ノ
獸皮若ハ製品ニ付
之
ヲ準用ス
」というのがありまするが、この
所持
という問題になると、三年前から「らつこ」の
毛皮
のチョッキを買
つて
着てお
つた
というものに対してもこれは
制限
を受けるわけでありますか、これに対する
ところ
の一体明確な
規定
はどうするのでありますか。
松任谷健太郎
21
○
説明員
(
松任谷健太郎
君)
お話
しのように、
所持
につきまして
禁止
をいたしますると、その影響が非常に大きいという点も
考え
られますので、現在猟虎膃肭獸猟獲
取締法
の
施行規則
の
改正
によりまして、
製造業者
、
加工業者
、
販売業者
の現在
所持
する獸皮又はその
製品
につきましては、一定の時期を限定しまして、そのときまでに
住居地
の
都道府県知事
に
届出
をさせる、それによ
つて
その証明を受取るということによりまして、その
取締り
の正確さを期しておるということにな
つて
おるのでございます。
千田正
22
○
千田正
君 どうもこの
法律
は誠に、
所持
の問題になりますと、恐らく噴飯ものとしか我々は
考え
られないのでありまして何年前かに
所持
しておる
ところ
の「らつこ」の裏附き或いは「おつとせい」の裏附きの外套を着てお
つた
。これを皆
都道府県
に
届出
で、その
許可
を得て着て歩かなか
つた
ら処罰される。こういうようなこれは私は誠に珍無類の
法案
だと思います。でありまするから、今後における
ところ
の
禁止
の
法律
を作るならば、何年以後という明確なる年月を入れて、その以後において
捕獲
したるものに対してというようなん何らかここに限界を求めない限りにおいては、この
法律
は誠におかしいと私は思う。尚、一層
愼重
なる立案を
考え
て頂きたいと私は思います。
木下辰雄
23
○
委員長
(
木下辰雄
君) 外に御
質問
ありませんか。
尾形六郎兵衞
24
○
尾形六郎兵衞
君 今
千田委員
からの
お話
がありましたが、この外のことはともかくにしろ、
所持
ということをこの
法案
から
削除
するということは
政府
は
考え
ていますか。
お尋ね
いたします。
山本豊
25
○
政府委員
(
山本豊
君) これは
ちよ
つと
速記
を止めて頂きたいのですが。
木下辰雄
26
○
委員長
(
木下辰雄
君)
ちよ
つと
速記
を止めて…… 〔
速記中止
〕
木下辰雄
27
○
委員長
(
木下辰雄
君)
速記
を始めて……。私から
ちよ
つと
質問
しますが、この
所持
というのは、恐らく
業者
が沢山のものを持
つて
おることを指すと思います。普通の
一般
の
使用者
が借用しておるようなものに及ぶかどうか、これを
はつ
きり区別すべきじやないかと思いますが、どうでしようか。
山本豊
28
○
政府委員
(
山本豊
君) これは同
意見
でありまして、先程言われましたような
規則
の場合に、
製造業者
とか、そういうようなやつだけを押えて行くとい言うに
考え
で、たまたま一枚持
つて
おるというのは含まないということに
規定
したい、こう思
つて
おります。
千田正
29
○
千田正
君 併しこれは幾らも言い逃れができますよ。こういう緩やかなあれだ
つた
ら。どこかにこれは
はつ
きりして貰わぬとね。
木下辰雄
30
○
委員長
(
木下辰雄
君) どうせこの
法案
については、
委員会
において
愼重審議
を次の
委員会
にいたしたいと思いますが、御
質問
は外にありませんか。
尾形六郎兵衞
31
○
尾形六郎兵衞
君 どうも
はつ
きりしないと思
つて
おりますが、そうすると、まあ
さつき千田委員
は、
日本
の
領海
には「おつとせい」がいない筈だということをおつしやるが、
日本
の
領土
内に「おつとせい」の根拠地はないけれども、海上を游泳する「おつとせい」の数は相当ある筈です。現益は
生業
としているものはないという
お話
があるし、又
禁止命令
があるという話ですが、
禁止命令
があるのに「おつとせい」を
捕獲
することの
制限
の
法律
を出すということが、どうも私
はつ
きりしないのですが、もう一度その点についてお答え願います。
山本豊
32
○
政府委員
(
山本豊
君)
禁止命令
はないわけであります。
法律
の上では一応
許可
を受けてやれる形のまま
終戰後
ずつと今日にまで来ておるわけであります。ただいわゆる
連合軍当局
の方からの
命令
というものが来たわけじやないのでありますが、ここに添附しでありますような八月八日の総
司令部
からの
書簡
として来ておるわけであります。
書簡
でありますが、正式のスキャップとか、何とかになりますれば、もう
政令
で当然行けるわけでありますが、これだけでは
政令
で行けないのです。
といつて
、この
内容
は相当まあ強く要望されておるものでありますから、それに即応するものとして、少し大げさにな
つたの
でありますが、簡単な
法律
でありますので、この
法律
でや
つて
行こう、こういうことに
なつ
たわけであります。
尾形六郎兵衞
33
○
尾形六郎兵衞
君
ちよ
つとこの
機会
に
政府委員
にお聞きしたいのですが、今「らつこ」の皮及び「おつとせい」の皮はどのくらいの
価格
をしておるか、
ちよ
つとお聞きしたい。
松任谷健太郎
34
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 現在、「おつとせい」の
生皮
でございますが、坪二百五十円ということにな
つて
おります。それから「らつこ」につきましては、
密猟等
の
関係
もございまして、
はつ
きりは分りかねる点もございますが、大体一頭の皮の値段が七万円という
程度
にな
つて
おります。
尾形六郎兵衞
35
○
尾形六郎兵衞
君 坪二百五十円という坪というのはどのくらいの面積ですか。
松任谷健太郎
36
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 坪と言いますのは一尺四方でございます。
尾形六郎兵衞
37
○
尾形六郎兵衞
君 そうしますと、一匹にしてどのくらいになりますか。
松任谷健太郎
38
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 大体「おつとせい」一匹の
生皮
を
価格
に直しますと、千五百円
程度
になります。
千田正
39
○
千田正
君 この
法案
の
内容
は、結局全部これはまあ
毛皮
も着てはいかぬ、持
つて
はいかぬ、肉も
販売
しちやいかぬと、こういうのですから、全部これは
禁止
する
法律
ですね。その点、そう
考え
てよろしうございますか。これはもう
製造
も
加工
も、すでに
加工
したものも
所持
しちやいけないと、こういうのですから、これは全然
禁止
する
法律
ですね。
松任谷健太郎
40
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 先程御
説明
申上げましたように、現在
許可制度
に猟獲がな
つて
おりまして、その
許可
を
司令部
の慫慂によりまして一応しないという
建前
で、猟獲を事実上中止しておるというような
建前
をと
つて
おりますので、而も陸上の
関係
から申しましても、或る
程度
規制しませんと、そういう事実がなかなか押え切れぬというような
関係
で、この
取締り
の
程度
の問題になるわけでございますが、現在
政府
の
考え
ております
取締
の大要といたしましては、先程御
説明
申上げましたように、
販売業者
と、それから
加工業者
、いわゆる業とする者につきまして
取締
の対象を限定いたしておるのでございまして、
お話
のように、将来に
亘つて
その材料による皮革の
製造
なり、
加工
なりが
禁止
されるということでございまするが、
一般
の
需要者
が、従来正式に獲
つて
皮にな
つて
おるというようなものを身に着けて
所持
するという点の
取締
につきましては、今の
ところ
考え
ていないわけであります。
千田正
41
○
千田正
君 それでは、非常にこの
法律
の
所持
という問題が甚だここでは妥当じやないと思うのだが、
法文
の或いは文章を直さなければならない。この
所持
はもうすでに過去とか、そういうことを書いておりません。ここには「
前項
ノ
規定ハ
同項ノ
規定
二依
ル禁止
又ハ
制限
ニ違反シテ猟獲
シ製造シ加工シ
又
ハ販売シタル臘虎膃肭獸又ハ其
ノ
獸皮若ハ製品
ノ
所持ニ付
之
ヲ準用ス
」、最後のこちらの
項目附則
によりますというと、「この
法律
は、公布の日から施行する。」ということにな
つて
おりまするから、前にこれを買
つて
取得してお
つた
。こういうものに対しての何ら許すべきあれがここに載
つて
おりませんので、これは恐らく
禁止
すべき
ところ
の
法案
と見て私は差支えないと思います。だからここに「
所持ニ付
之
ヲ準用ス
」という問題を、そう
考え
なか
つた
ならば、今の御
説明
は妥当じやないと私は思いますが、その見解について一応お聞きしたいと思います。
松任谷健太郎
42
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 現在の法規によりまするというと、
政府
は
命令
の定むる
ところ
によ
つて
「らつこ」と「おつとせい」の猟獲を
禁止
し、又は
制限
することを得というような
規定
にな
つて
おりまして、このことができるという
建前
にな
つて
おる
規定
を二項で準用いたしておるのであります。従いまして、第一項の
禁止制限
という
範囲
の問題につきましても、
命令
に実は讓
つて
あるのでございまして、それによりまして現在の
施行規則
によ
つて調整
がとれておるということにな
つて
おるのでございます。従いまして、このたび
改正
いたそうといたしておりまする
販売
なり、
所持
の
制限禁止
というような事項につきましても、その
範囲
は必ずしも全部を
禁止
するということを
意味
しておらないのでございます。事実に即応いたしまして、
取締り
の可能な、或いはその効果が十分であるという
程度
に、その
取締り
の
範囲
を及ぼすということを
考え
ておる次第であります。
千田正
43
○
千田正
君 然らばこれに対する何か「
所持ニ付
」という問題に対しては、これに対する
附則
か何か付けるという御意思はお持ちにな
つて
おりますかどうか、その点を伺います。
松任谷健太郎
44
○
説明員
(
松任谷健太郎
君) 御
質問
の、
附則
で以てその点を明確にするということは実は
考え
ておりませんので
施行規則
の
改正
によりまして、その
範囲
は
はつ
きりするというふうに
考え
ておるのでございます。
木下辰雄
45
○
委員長
(
木下辰雄
君) よろしうございますか。 —————————————
木下辰雄
46
○
委員長
(
木下辰雄
君) 本日の
質問
はこのくらいで中止いたしまして、次に、
衆議院
から送付されました
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
、これを議題に供したいと思います。
提案者
の御
説明
を求めます。
鈴木善幸
47
○
衆議院議員
(
鈴木善幸
君)
只今
付記されました
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
衆議院
の決定いたしました
法律案
の
理由
を御
説明
申上げます。 この
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
は、
昭和
二十五年二月二十日に
田渕光一
君外二十名から
提案
に
なつ
たものでありまして、その
議院提出案
の
内容
を概略申上げますと、
瀬戸内海
を和歌山県田倉崎から
兵庫
県
淡路島生石崎
に至る
直線
、それから徳島県
大磯崎
から
兵庫
県
淡路島潮崎
に至る
直線
で以て線を引きまして、いわゆる
紀伊水道
を
瀬戸内海
から分離する、そうしてそれを外洋と同じように取扱おう、こういう
内容
であ
つたの
であります。これが
衆議院
の
水産常任委員会
に付託されまして、
常任委員会
におきまして、これを
愼重
に審議いたしました結果、この
議員
提出
法案
を否決いたしまし、水産会員会は別途の、
只今
参議院に送付されております
ところ
の
法律案
を
委員会
で決定をいたしたのであります。この
瀬戸内海
から
紀伊水道
を分離いたしたいという要望は、多年徳島県戸和歌山県の漁民諸君の中から要望されてお
つたの
でありますが、
漁業法
の
改正
に伴いまして、具体的な大きな運動として地元から提起されて参
つたの
であります。そこで第六国会におきまして、
漁業法
を審議いたしました当時、
衆議院
水産常任委員会
におきましては、
調査
班を特に派遣いたしまして、現地
調査
をいたしたのであります。
紀伊水道
側の現地も
調査
をし、地元の
意見
も十分聽取いたしますと同時に、内海側の現地
調査
及び漁民諸君及び
関係
係官等の
意見
をも聴取いたしたのでありまするし、又水産試験場その地の機関が多年に
亘つて
調査
研究いたしました
ところ
の資料等につきましても、いろいろ検討を加えたのであります。併しながら第六国会において
漁業法
を審議いたしました際には、御
承知
のような諸般の事情から、参議院の御
提案
になりました修正案を、これを全面的に
衆議院
としては了承いたしまして、参議院修正案通りに
漁業法
を議決いたして今日に至
つた
わけであります。然るに先程申上げましたように、
議員
提出として
田渕光一
君外二十名の
議員
から、改めてこの
紀伊水道
分離案が
法律案
心して提出されましたので、
委員会
は、かねて第六国会において
調査
いたしました
ところ
の資料等を基礎といたしまして、
愼重
に審議をいたしました結果、次に御
説明
申上げる修正案を決定いたしたのであります。 その
内容
を申上げます。非常に簡単な
法律
でありますから、これを一応読み上げます。
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
に対する修正案
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
の全部を次のように修正する。
漁業法
(
昭和
二十四年
法律
第二百六十七号)の部を次のように、
改正
する。 第八十二條第二項中「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
」の下に「及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
」を加える。 第百九條を次のように改める。(
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
等) 第百九條
瀬戸内海
に
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
を、
紀伊水道
に
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
を置く。 2
前項
の
規定
において「
瀬戸内海
」とは、左に掲げる
直線
及び陸岸によ
つて
囲まれた海面をいう。 一 和歌山県田倉崎から
兵庫
県
淡路島生石崎
に至る
直線
二 徳島県
大磯崎
から
兵庫
県
淡路島潮崎
に至る
直線
三 愛媛県佐田岬から大分県関崎燈台に至る
直線
四 山口県火ノ山下船舶通航信号所から福岡県門司崎燈台に至る
直線
3 第一項の
規定
において「
紀伊水道
」とは、左に掲げる
直線
及び陸岸によ
つて
囲まれた海面をいう。 一 和歌山県紀伊日の御岬燈台から徳島県伊島及び前島を経て蒲生田御岬に至る
直線
二 和歌山県田倉崎から
兵庫
県淡路島住石崎に至る
直線
三 徳島県
大磯崎
から
兵庫
県
淡路島潮崎
に至る
直線
4
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
の委員は、左に掲げる者をも
つて
充てる。 一
瀬戸内海
の区域内に設置された海区
漁業
調整
委員会
の委員が府県ごとに互選した者各人 二 学識経験がある者の中から主務大臣が選任した者四人 5
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
の委員は、左に掲げる者をも
つて
充てる。 一
紀伊水道
の区域内に設置された海区
漁業
調整
委員会
の委員が府県ごとに互選した者各二人 二 学識経験がある者の中から主務大臣が選任した者二人 6 海区
漁業
調整
委員会
の委員は
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
又は
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
の委員と
なつ
たときは、その職を失う。 7 委員の任期は、二年とする。 8 補欠委員は、前任者の残任期間存任する。 9 第百七條(連合海区
漁業
調整
委員会
の委員の任期及び解任)の
規定
は、
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
には適用しない。 第百十條の見出しを「(
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
等の指示)」に改める。 第百十條中「
瀬戸内海
」の下に「又は
紀伊水道
」を加え、「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
」を「それぞれ
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
又は
紀伊水道
連台海区
漁業
調整
委員会
」に改める。 第百十
一條
中「第百九條第三項第二号の」を参「第百九條第四項第二号の、
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
にあ
つて
は同條第五項第二号の」に、「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
にあ
つて
は主務大臣」を「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
にあ
つて
は主務大臣」に、「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
にあ
つて
は委員」を「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
にあ
つて
は委員」に改める。 第百十六條第三項中「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
」の下に「若しくは
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
」を加える。 第百十七條「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
の下に「及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
」を加える。
附則
第十二項中「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
、」の下に「
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
、」を加え、「第百九條第五項」を「第百九條第七項」に改める。
附則
1 この
法律
は、公布の日から施行する。 2
水産庁
設置法(
昭和
二十三年
法律
第七十八号)の一部を次のように
改正
する。 第七條の六第一項中
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
の項の次に次の一項を加える。
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
紀伊水道
における
漁業
調整を行うこと。 同條第二項中「及び
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
」を「
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
及び
紀伊水道
連合海区
漁業
調整
委員会
」に改める。 第七條の七の見出しを「(
瀬戸内海
・
紀伊水道
漁業
調整事務局)」に改める。 第七條の七中「
瀬戸内海
」の下に「及び
紀伊水道
」を加え、「
瀬戸内海
漁業
調整事務局」を」
瀬戸内海
・
紀伊水道
漁業
調整事務局」に改める。第八條第一項中「
瀬戸内海
漁業
調整事務局」を「
瀬戸内海
、
紀伊水道
漁業
調整事務局」に改める。 以上のように修正を可決をいたしたわけであります。この
理由
といたしましては、
紀伊水道
は現地を実際に
調査
し、いろいろな試験機関等の海洋学的な或いは生物学的な
調査
をいたしました資料によりまして判断をいたしまするに、和歌山県寄りは黒潮の影響を強く受けておるのでありまして、いわゆる外洋性の性格を多分に持
つて
おるのであります。又徳島県側は鳴門海峽から流出いたします
ところ
の内水の影響を多分に受けておりまして、その点から内海的性格を多分に持
つて
おるのであります。これは潮流の
関係
を検討いたし、或いは海水の比重等を
調査
いたしましても、
はつ
きりと確認できるのであります。又それに伴いまして、生物学的分布からいたしましても、和歌山県寄りは外洋性の水産動植物が見られるのであります。このように
紀伊水道
は外海にあらず、内海にあらざる
ところ
の中間的特異の性格を持
つた
海区である、こういう判断が下されたのであります。これは地勢学的な面からも、紀淡海峽及び鳴門海峽は非常に狹くな
つて
おりまして、これを
瀬戸内海
の中に一つに入れて置くということに聊か無理が存することは、地勢学的にも判断される
ところ
であります。このような内海にあらず、外海にあらざる中間的な特異な性格を持つ
ところ
の
紀伊水道
は、
漁業法
の
漁業
調整の精神が、できるだけ
関係
漁民の自主的な意思に基いて、そうして現地の実情に即する
漁業
調整をやらしめようという趣旨に鑑みましても、この独特な性格を持つ
ところ
の
紀伊水道
は、これに
関係
いたします
ところ
の和歌山、徳島及び
兵庫
県三県の
関係
漁民の作ります
ところ
の
紀伊水道
連合海区調整
委員会
によ
つて調整
をせしめる。こういうことが適当であ
つて
、比較的
関係
の薄い
ところ
の
瀬戸内海
の山口県であるとか、愛媛県であるとか、そういうような海図の調整委員から、
紀伊水道
の問題について、いろいろ直接的な発言、制約を受けるということは妥当でないと、こういう工合に
考え
られるわけであります。併しながらこれを
議員
提出案のごとくに、紀淡海峽及び鳴門海峽で一線を引きまして、あとはこれをオープンにする、外洋と同じような取扱にするということは、内海に対する
ところ
の影響が極めて大きい、こう
考え
られるのであります。そこで内外との
関係
も十分考慮いたしまして、従来も日の御岬及び蒲生田御岬の一線は、これは断然従来通り存在すべきものである。併しながら
紀伊水道
の特殊性を生かすために、紀淡海峽及び鳴門海峽で一線を設けまして、これを
紀伊水道
と称する
ところ
の特別海区にいたしたのであります。でありますから、従来の
瀬戸内海
は、
瀬戸内海
という特別海区と、
紀伊水道
という特別海区との二つに分れたわけであります。そうしてこの二つの特例海区に分れました海区相互間の
関係
が、又非常に唇歯輔車の
関係
にございまするから、これを一つの調整事務局、即ち「
瀬戸内海
漁業
調整事務局」を、「
瀬戸内海
紀伊水道
漁業
調整事務局」と名称を変えまして、その一つの調整事務局の監督下に二つの特別海図を置いたわけであります。そうしてそれぞれの特別海区の自主性、特殊性を生かしながら、両者の
関係
を調整して、そうして
漁業
生産力の発展と
漁業
の民主化を図
つて
行くべきである。こういう
結論
に達したわけであります。これに対しまして、内海方面からいろいろ御
意見
もあるのでありますが、その趣旨は大体において繁殖保護と
漁業
取締
の点が問題にな
つて
おるようであります。これを
紀伊水道
を特別海区にいたしたために、繁殖保護及び
漁業
取締
の面が疎にな
つて
、延いては
瀬戸内海
の資源の維持、培養の上にも惡影響を及ぼすということが内海
関係
漁民の御心配の点であるようであります。併しながら、これは
漁業法
第六十七條にありますが、
ちよ
つとこれを読んでみます。 (海区
漁業
調整
委員会
の指示) 第六十七條 海区
漁業
調整
委員会
又は連合海区
漁業
調整
委員会
は、水産動植物の繁殖保護を図り、
漁業
権又は入漁権の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他
漁業
調整のために必要があると認めるときは、
関係
者に対し、水産動植物の採捕に関する
制限
又は
禁止
、漁
業者
の数に関する
制限
、漁場の使用に関する
制限
その他必要な指示をすることができる。 2
前項
の
規定
による海区
漁業
調整
委員会
の指示が同項の
規定
による連合海区
漁業
調整
委員会
の指示に牴触するときは、当該指示に、牴触する
範囲
においてその効力を有しない。 3 第一項の場合において、
都道府県知事
(
瀬戸内海
連合海区
漁業
調整
委員会
のした指示についでは主務大臣。以下本條中同じ。)は、その指示が妥当でないと認めるときは、その全部又は一部を取り消すことができる。 こういう工合に
規定
いたしておりまして、この
紀伊水道
、或いは
瀬戸内海
の特別海区の連合海区
漁業
調整
委員会
の繁殖保護なり、或いは
漁業
取締
なりに関しまする
ところ
の指示が、若し妥当でないと認めます場合は、農林大臣はその指示の全部又は部を取消すことができるように相成
つて
いるのでありましてこれがいわゆるこの二つの、特別海区の
漁業
調整連合海区、
漁業
調整
委員会
を、一つの「
瀬戸内海
、
紀伊水道
漁業
調整
委員会
」の所管区におきまして、両者の資源維持、濫獲防止の見地から、それぞれの調整
委員会
の出しました
ところ
の指示が、両者の
関係
において妥当を欠く、
紀伊水道
が気まま勝手な
漁業
調整に関する指示をいたしまして、それが
瀬戸内海
に対して惡影響を及ぼす、その指示が妥当でないと認めます場合は、農林大臣の出先機関であります
ところ
の「
紀伊水道
・
瀬戸内海
漁業
調整事務局」は、その指示の全部又は一部を取消すことによりまして、両海区の調整を十二分に図り得る、こう私共
考え
まして、このような
改正
をいたしたわけであります。尚、
瀬戸内海
から
紀伊水道
を独立いたしまして、特別海区といたすのでありまするから、今日瀬戸内灘に適用されております
ところ
の
瀬戸内海
漁業
取締規則
は、当然この
法律
が公布の暁には
紀伊水道
側には適用されないということに相成るのでありまするが、それは
漁業
取締
及び繁殖保護の見地から、そういう空白時代を作
つて
はいけないという
ところ
から、
紀伊水道
、
瀬戸内海
にも新らしく調整事務局の下に、それぞれの連合海区
漁業
調整
委員会
ができて、繁殖保護及び
漁業
取締
に対する
意見
を纏めますまでの空白時代は、
瀬戸内海
漁業
取締規則
を
政令
によ
つて
そのまま
紀伊水道
にも適用いたして、空白を嚴に避くべきであるということを、
委員会
は
政府
に対して強く要請いたして、十分この資源保護の面につきましては留意いたしておるのであります。 又一部には、
紀伊水道
を独立海区にさせることは、機船底曳網等の跳梁跋扈を惹起する結果となり、そういう底意を以て
瀬戸内海
、
紀伊水道
側の
関係
漁民が要望しておるということが言われておるのでありまするが、御
承知
のように、底曳き
漁業
の禁漁区或は、日の御岬、蒲生田御岬の線の外に
はつ
きりと
禁止
区域として明記されておるのであります。でありまするから……
木下辰雄
48
○
委員長
(
木下辰雄
君)
提案理由
の
説明
を……
鈴木善幸
49
○
衆議院議員
(
鈴木善幸
君) でありますから、この面も
取締
の面でありまして、海区の問題ではないと、こういうのであります。そのような
関係
からいたしまして、私共
議員
提出案も、このように内海と
紀伊水道
の両方の
関係
を十分考慮いたしまして、このように修正可決いたしまして、参議院の方へ御審議を煩わすことに相成
つたの
であります。 以上
提案
の
理由
を申上げます。
木下辰雄
50
○
委員長
(
木下辰雄
君) 如何いたしましようか、大分
提案者
の
提案理由
で以て詳細に分りましたが、いずれこの次の
委員会
において更に御
質問
をお願いいたしましようか。如何でしようか。
青山正一
51
○青山正君
委員長
に申入れて置きたいと思いますが、
衆議院
の鈴木さんから非常に詳しく御
説明
の
漁業法
の
改正案
が、ただ單に
瀬戸内海
に関する海区の変更ということばかりでなしに、
瀬戸内海
のすべての問題が全部関連しておりまして、ただ單に
紀伊水道
を
瀬戸内海
より開放すべきいわゆる海区変更に関する問題だけを取上げるわけには行かないと思うのです。それに関連するものとして、まあいろいろ
只今
御
説明
もあ
つた
わけでありますが、例えば
漁業
調整
委員会
の問題も今少しく参議院として研究なり、
調査
が必要だろうと思いますし、又内海の
漁業
秩序の問題、これも鈴木さんからいろいろ御
説明
もありましたし、或いは資源保護に関して内海の秩序が非常に紊乱しておるが、それには内海の
漁業
取締規則
に不備があるかないが、不備がある結果から、こういう問題が起
つて
来るから、こうい
つた
問題を十分に研究する必要があるのではないかと思うのであります。その他違反
漁業
の調整に関する問題とか、或いは
取締
の徹底とか、或いは救済施策をどうするかというような問題、こうい
つた
問題を十分研究なり、
調査
してやるべき筋合のものだろうと私は思うのであります。
衆議院
側として、今鈴木さんの御
説明
によるて、非常に熱心に数回に亘りまして現地視察をなさ
つた
ような模様でありますが、参議院はまた遺憾ながら、その問題について十分の研究なり、
調査
というものは付いていないと思うのであります。そこで
委員長
にお願いいたしたいのは、急速に委員或いは專門員というものを現地に派遣いたしまして、又必要あれば証人も喚問いたしまして、一つ迅速に議を練
つて
頂きたい。こういうことを申入して置きます。
木下辰雄
52
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今
青山委員の申入がありましたが、今後のこの
法案
の取扱いについては、次の
委員会
で十分一つ審議をお願いしたいと思います。 本日はこれにて散会したいと思いますが、如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
木下辰雄
53
○
委員長
(
木下辰雄
君) 御異議ないと認めます。今日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会 出席者は左の通り。
委員長
木下 辰雄君 理事
尾形六郎兵衞
君 千田 正君 委員 青山 正一君 加藤常太郎君
衆議院議員
鈴木 善幸君
政府委員
農林政務次官 坂本 實君 農林事務官 (
水産庁
次長) 山本 豊君
説明員
農林事務官 (
水産庁
漁政部 長)
松任谷健太郎
君 農 林 技 官 (
水産庁
生産部 遠洋
漁業
課)
尾崎順三郎
君