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1950-04-11 第7回国会 参議院 図書館運営委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十一日(火曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   委員の異動 三月二十八日委員木内キヤウ君辞任に つき、その補欠として藤森眞治君を議 長において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国立国会図書館職員定員規程の一部  を改正する規程案アメリカ議会図書館長及び副館長か  らの書簡報告国立国会図書館建築計画に関する  件   —————————————
  2. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それでは只今から開会いたします。国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規程案を、国立国会図書館法の第十一條第一項に基いて審査を行いたいと思いますから、図書館長説明をお伺いいたします。
  3. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 定員規程の一部改正につきまして御説明申上げますが、法律規定によりまして、図書館職員定員は、いわば普通の制度で言えば、官制に当るものは図書館法におきまして両院図書館運営委員会の御承認を経て決めるということになつております。そこで本日提出いたしましたこの規則の改正もその趣旨でありまして、一応案を立てまして、御承認を得たいというのが願いであります。  先に昨年の十二月に予算につきまして委員会の御承認を得ました。その予算が今回成立をいたしまして、昭和二十五年度国立国会図書館予算に載つておるのであります。従いまして予算に基いて中の職員の数を変更するという必要があるのであります。その現在の職員主事以上の者は、本日提出をいたしましたこの規程の中に規定せられておりまして、そこでその職員の数を若干増加をするというのが今回の改正趣旨であります。  改めまする主眼点は、調査員主事との二つでありまして、調査員は現在十八人でありまするのを、二十一人、つまり三人だけ殖やしたいというのが希望であります。主事は現在九十六人でありまするのを、百二十一人に改正したいというのが希望であります。  この改正いたしまする理由は、予算のときに一わたり御説明申上げて置きましたように、細かい点は抜きまして大筋で申しますると、国立国会図書館におきまして、今年の夏、或いは秋の初め頃から法律図書館というものを創設したいと考えております。図書館を創設するというのは話は非常に大きいように見えまするが、別にそういう特別なるものを作るのではございません。今まで議会の方のいろいろな御依頼を受けて調査をしておりまする仕事相当部分法律に関するものであります。ところが法律に関しまする書物つまり実際の注文でありますとか、或いは判決例でありますとか、或いは又立法に必要なる書物その他の材料につきましては、どうも今までどこにもよく集まつておりませんで、よしんば集まつておりましても、一般国民がこれを使うことはできない実情にあります。そこでこの法律関係いたします。特別な材料を集めまして、図書館自身がこれを使つて議会の方の御要求の調査に役立てるということが一つでありますし、各官庁、或いは一般国民の人が自由にこの材料利用することができるようにしたいというのが願望であります。今までとても、もとより図書館法律書物等がございましたけれども、やはりこういうものは一まとめにして利用いたしませんと、なかなか思うように捗りません。いずれは図書館の本建築ができまするときには、堂々とこれを実現するのが望ましいと思いまするけれども、今日では材料もできず資料たる書物も数が少いのでございますから、差当り三宅坂の私の方のいわばバラック仕立建物の中におきまして、できる限り沢山書物を集めたいと思つております。そういうことはひとり私共が発案するのではございません。私がアメリカへ参りましてずつと見と歩きますると、主な州の政府建物の中に、又はその建物に接近をした所に、大体どこでも法律図書館はできておるようであります。御承知のように向うでは個々の人が法律案のいわば案文を作りまして、それを請願の形で議会へ持つて行つて、運がよければそれが法律なつて行く、こういう途が開けておりますので、法律調査に必要な資料はどうしても誰の手にも必要であるというふうに考えられておりまして、可なり力瘤を入れて法律図書館を拵えております。現にアメリカ国会図書館の中におきましては、大体七十万冊の法律專門書物を集めておりまして、そこへ行きますると何百年も昔のイギリスの判決例も早速出て来る。或いはアメリカ各州條文も直ちに出て来る。ヨーロッパ大陸の主だつたところの資料もある。合計して七十万の書物を持ち、それが図書館の働きにもなり、又一般人がそこに入つて自由に研究をしております。日本におきまして法務庁図書館であるとか、或いは裁判所の図書館であるとかいうものが段々発達をいたしますると、まあ法律のものも集まると思いますけれども、併し国会として、殊に一般国民利用を狙いにいたしますると、どうしてもこういうものが必要であるというふうに考えております。ところが国立国会図書館は非常に有利な立場にありまするのは、外国官庁の公の出版物は今はアメリカは全部こちらで貰い受けております。尚アメリカ以外、アメリカ各州でありますとか、南アメリカの国でありますとか、或いはヨーロッパの大きな国でありますとかいう所の公の政府出版物は、今はまだ自由に手に入りませんけれども、段々努力をいたしますれば、自然に流り込ませることができるであろうと思つておりまするし、尚この日本国内り各府県、大きな市町村のようなところの法規類、これは法律規定によりまして、当然に国立国会図書館に流れ込んで来ることになるのでありますから、こういう材料を活用いたしますならば、いつかは相当のものになり得ると思つております。今日は名前だけで、殆んどその土台を作るという程度に過ぎません。  それから次に他の問題といたしましては文献摘録という仕事を私の方でやる計画を持つております。文献摘録と申しますのは、主な学術論文が毎日毎日新しく出るのでありますけれども、これは非常に專門的なものでありまして、日本人にも必要であるばかりではなく、世界の学者がこれを利用することを希望しておる筈のものであります。けれども何分にも出版の数の多いものでありまするし、又範囲の広いものでありますから、それ自身世界の人が利用することは困難であろうと思うのです。そこでその学術文献を、極く短かいものに摘録をいたしまして、その摘録したものを日本にも弘め、外国にも廻すと、こういうことにいたしますると、又その自然の結果といたしまして、外国でできた摘録文献日本に流れ込んで来るのでありまして、これはひとり日本のためではなく、世界的に学術の地位を高めて行くと、こういう意味を持つものであろうと思いまして、従来からそれを考えておりましたが、漸く学術会議方々であるとか、その外の方面とも話がつきまして、又大蔵省の支持をも得まして、今回これに着手するのであります。これに対しましてまあ僅かながらも、そこに現れておりまするのは、確か調査員一人と、主事一人がここの中に含まれておりますが、それに附属の職員もありまするので、段々やつて行きましたならば、世界の仲間に入つて行けるのではないかと、こういう考を持つておるのです。  今一つの大きい問題は受入整理と申しますのは、私の方の部でありますが、受入整理におきましては、いろいろな書物を買つたり、受取つたりいたしまして、それを図書館利用のできるように目録を作る、カードを作り、分類をするというふうな仕事をして行くのであります。これが現在の実情から申しますると、なかなか手が廻りかねるのでありまして、つい沢山の本を買いましても、その整理ができないために、十分の利用ができないような悲惨なる状況でございます。努力してそれに追われないように努めてはおりますけれども、殺々とこの図書館が大きくなつて行きますについては、受入れの書物も殖えるのでありまして、大体一人の割当を一日に八册くらいと仮定をいたしまして、つまり一人の人が八册の書物整理して処置するというふうに考えて見ましても、段々と殖えて来る書物は、増員をしなければ処置し切れないようになるのでありまするから、ここに主事を十人増加するという計画、考を持つております。その外に今度は人事制度が殺々複雑になりまして、殊に職附制等も漸次具体化されるということになりますると、ここにも主事一人を殖やさなければならんということで、この調査員三人殖えましたのは、法律図書館に二人、そこに法律図書館に……。二人だけであります。  尚一つ図書館として新しい問題が起つておりまするのは、かねて申上げましたように、従来労働科学研究所というものがございまして、国立財団法人であり、書物を持つておりましたけれども、諸般の事情によりましてその中が分解しなければならんことになりまして、関係方面了解を得まして、そこにありまするところの労働科学書物を全部この図書館で無償で引継ぐということになり、そのために現在ありまするところの地点祖師ケ谷大蔵の近所でありまするこの地点で、実際は四万册、併し数えられた形では九万册というその書物がございまして、その書物をそこで管理して、一般利用に供す、こういうようなことになりましたから、そこで調査員一人を殖やすということになるのであります。  その外……、大体それだけでありますが、そこで調査員三人と主事が合計して二十五人だけ殖えるというふうになつております。ところがこの予算というものはかなりむつかしく組んでありまして、それが今年四月から直ぐ使える予算ではございません。その一部分は七月、一部分は十月から使うということになつておりまするから、附則のところにちよつと妙な規定がございまするけれども、原則としては七月一日から施行する、但し極く少数の職員はそのときから殖やすことはできません。十月一日から殖やすというその理由のために、附則のところに面倒な規定が設けてあります。これは主として法律図書館は十月一日から開くという事情から、かようなことになつておるわけであります。大体の理由は右の通りでありまして、何分よろしく御審査を願いたいと存じます。
  4. 三木治朗

    委員長三木治朗君) 只今説明に対しました御質疑がございましたらどうぞ。……別に御発言もないようですから、質疑は盡きたものと認めまして御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それでは国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規程案につき、承認を與えることに決して御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それではさよう決定いたします。   —————————————
  7. 三木治朗

    委員長三木治朗君) 羽仁さん、お急ぎのようでありますが、アメリカからの書簡報告をお願いいたしましようか。
  8. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 我が国立国会図書館法立法され、又国立国会図書館建設されるにつきましては、諸君のよく御承知のように、アメリカ議会図書館及びアメリカ図書館界から非常な好意と援助とを受けて、当時アメリカ議会図書館の副館長ヴェルネル・Wクラップ君と、それから全アメリカ図書館協会の会長をしておられたブラウン君と、そのお二人を派遣せられて、特にライブラリー・ミッションとして、当時の両院図書館運営委員会を助けて下さつたり、立法及び建設にも非常な貢献をされたことは御承知通りであります。今回我が国会両院議員米国に派遣されました際、我が国立国会図書館長がやはり派遣せられましたので、その図書館長に記して参議院図書館運営委員会から、只今アメリカ議会図書館館長エヴァンス君とそれから副館長クラップ君に、公式の感謝状をお贈りになりました。それに対する御返事が参つておりますので、それを本委員会報告させて頂きたいと思います。  一つアメリカ議会図書館館長ルーサー・H・エバンス君からの感謝状でありまして、本年の三月二十二日付で、その書面は  親愛なる羽仁君、二月二十七日千九百五十年、日本国会から派遣された議員達は、私とここ即ち議会図書館において食事を共にしておる。そしてその派遣団議長山崎君は自分に対してあなた及びあなたの委員会の各委員が千九百四十九年十二月二十一日にサイン・署名せられた手紙自分に手渡された。自分はあなた方のメッセージによつて非常な名誉を感じておる。私は日本国力国会図書館がその創立以来かくも短かい間に、かくも驚くべき進歩をなし遂げられたことに対して深く感動しておる。私は常にその国立国会図書館活動に対して最大の関心を持つてこれを見守つており、且つそれの発展に対して自分みずから参加しておる感じを持つてこれを見守つております。従つてその図書館長に今お目にかかり、又参議院及び衆議院議員諸君にお目にかかり、それらの人人が国立国会図書館建設及びその発展に参加し努力しておられる、これらの方々にお目にかかれたことは非常な満足であります。私はあなたが個人的に日本の教育及び文化のいろいろな施設、先備について、特に国立国会図書館について非常な大きな希望を持つておられることをよく知つております。私はあなたと全く希望を同じくするものであります。どうかあなたの委員会委員諸君に、この手紙にあなたと共に署名せられた委員の皆さんに、あなた方が創立された国立国会図書館に対する私の大きな信頼と、国立国会図書館日本の政治的、文化的及び経済的発展に対して、従つて世界平和に対してなしつつあるところの大きな寄與というものに対して、自分が深い信頼を捧げておることをお伝え願いたい。又その人々にお伝え願い、又あなた自身受取つて頂きたいのが私の親愛なる挨拶であります。   あなたの忠実なるルーサー・H・エヴァンスアメリカ議会図書館館長日本国会参議院図書館運営委員長羽仁五郎。  これは誤つて私がまだ委員長をしておるとお考えなつてこうされたと思うのですが、こういうお手紙です。  それから今一通はアメリカ議会図書館の副館長ヴェルネル・W・クラツプ君からの手紙です。親愛なる羽仁君、これもやはり千九百五十年の三月二十一日付、  親愛なる羽仁君、日本国会議員派遣団が千九百五十年の二月二十七日にアメリカ議会図書館を訪問せられた機会に、あなた方が千九百四十九年十二月二十一日に署名せられたところの手紙金森館長を通じて受取つたことは、自分にとつて非常に大きな喜びである。それは自分にとつて非常な名誉であるばかりでなく、この国立国会図書館のその設立計画には自分も参加したのであるが、その国立国会図書館がそんなに早く発展し、そしてそれに関係したすべての人々がそれを誇り得るような点にまで到達されたことに対して、私は深い満足を感ずるものである。私は又あなたの全委員会があなたと共に、今までも同じくこの国立国会図書館に対して深い責任を持たれ、そして各委員、私は向つて宛てられた手紙にサインせられたところの各委員が、今までと同じく国立国会図書館発展に対して協力しておられることを知つて満足しておる。どうかあなたの委員会の各委員自分日本国立国会図書館及び日本一般図書館発展に対して常に変ることのない深い関心を抱いおることを確めて伝えて頂きたい。私は尚将来においてもその国立国会図書館及び日本図書館事業全体の進歩発展の上に力を協せることができるであろうことを希望しておる。  米国議会図書館館長ヴェルネル・Wクラップという署名になつており、同じく日本国会参議院国会図書館運営委員長羽仁五郎という宛で参つております。これは本来只今三木委員長に向つて寄せられておる書翰であると考えられますので、これを委員会に御報告申上げ、アメリカ議会図書館日本国立国会図書館に対して絶えず非常な援助と激励とを與えておらるることに対して、この委員会も必ずや感謝の意を表せられることであろうと信ずる次第であります。以上御報告を終ります。
  9. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それでは大分……。
  10. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 尚この英文の原文を速記録に止めて置いて頂きたいと存じます。
  11. 三木治朗

    委員長三木治朗君) はあ。
  12. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それから私の発言を許されたいと思います。
  13. 三木治朗

    委員長三木治朗君) どうぞ……。
  14. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これはちよつと聞いたんですが、国立国会図書館の将来の建設計画として、我々としては問題はなくすでに決定しておつたと考えるが、敷地などの件についてその後何が或いは誤解があるんじやないかというふうにも心配されるのですが、その点について現在国立国会図書館の将来の建築予定地としては元の参謀本部の跡、現在その一部分には参議院会館が後ろの方に建設されておりますが、三宅坂のあの高台が予定されていて、この参地は他に将来国立国会図書館建設されるのに縛げになるような計画は進んでいないのであると了解しておりますが、そう了解してよろしいですか。
  15. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君) 只今お尋ねの点につきましては、大体は今日不安のことはないかと思つておりますけれども、併し他からして多少の敷地に対しての希望がないでもございませんので、ちよつとその経過を簡單に申上げたいと思つております。先に三宅坂一帶の地域図書館を作るというような考え方が熟成しておりましたけれども、段々研究をいたしましたところが、一国の最高の権威であるところの議会建物の直ぐはなの先にかなり上きな図書館ができるということは面白くない。殊にどこの国の事例を見ましても、国会まわりには相当緑地帶を持つべきものでありまして、その関係から申しまして、議会まわりには余程こういう建築物には注意しなければならんという考から、大体新しい図書館は、国会建物左則でありまする旧ドイツ大使館の燒跡を中心にいたしまして、そこに二万坪ぐらいの敷地を得て、相当永久的な図書館を作りたい。こういうふうに考えて、三宅坂方面のものは、図書館としての、仮に設備とするという著想で以て進行しておりました。今三宅坂の方は大体バラック建のもので、一時の間に合せとしております。ドイツ大使館跡の方は、非常に外国との関係も複雑でありましたので、いろいろの手配をいたしまして、遂にその敷地を我々の図書館の用に供するように、あちらこちらと連繋を取りまして、大体議会事務局側も同意いたしましたし、それからこの当時管理しておりましたところの外務省側も同意いたしましたし、又これに関連をして、関係方面了解をしておられたらしいのであります。そこでその敷地外務省所管から大蔵省の方に移して貰いまして、更にそれを正式に議会所管に移すという交渉をいたしましたところ、大蔵省側におきまして、東京財務局では……これは現在その敷地所管庁でありますが、その東京財務局におきましては、今の大使館敷地所管換について、異存ない旨を回答して参りましたのが昨年の十一月二十二日のことであります。そこで更に大蔵省に対して所管換の表示をいたしましたところ、大蔵省のこれは正式の意見ではございませんけれども、大蔵省の側におきまして、国立国会図書館が旧デイツ大使館敷地を、差当り使用する具体的は計画がないならば、その新造に至るまでの期間、農林省の仮庁舍建築敷地として使用させて貰いたいという意味を以て、衆議院事務局に申入れて来たわけであります。これは理論的には、本当建築物ができるまで、農林省の仮庁舍を作るということが、決して成立しないとは考えませんけれども、何しろ建築物はおのおのいろいろな基本的な作り方がございますので、将来の図書館建築に累を及ぼさないとは言い切れないのであります。況んや私共の図書館は成るべく早く新しい建物を作りませんければ、本当の筋に発展することができません。でこれに対しましては我々は、他に貸すことの困難なる旨を、口頭で大蔵省に申入れたのであります。大体国会議事堂中心といたしまする附近一帶の地域は、国会運営を円滑ならしめるために、国会に直接関連あるところの、各種機関を配列するということが好ましいところでありまして、そこに外の国会活動に直接の連関のない建物が、何らかの意味において本拠を持つということは相場注意をしなければならんことのように思つております。大体その趣旨を以ていろいろ各方面意見を述べておりまして、現在のところ大蔵省は無理に農林省に貸付けるということを言つて来ないのではないかと想像しておりますけれども、これは尚今後努力をしなければならんと存じておるのであります。まあそういうことの起らないように私共努力いたしまするけれども、委員会においてますます御声援を願いたいと考えております。
  16. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今館長の御説明で大変よく分りました。国立国会図書館長及び国立国会図書館はその将来の計画について怠りなく御努力つておることを知つて非常に満足をするものであります。併し尚今後のこともありますし、只今館長がお述べになつたような理由は全く尤もの理由だと思いますから、そういう理由でこの国会の周囲の敷地は、国会関係のために使用されることが理論上当然でありますし、殊に国立国会図書館の将来の建築というものは余程今日から立派な計画を持つて進まれなければならないので、只今の問題の敷地なども三宅坂の方は勿論ですが、旧デイツ大使館の方の敷地も完全に国立国会図書館のために確保されますように、今後も委員会としては努力をされたいと思います。若し適当なチヤンスがあれば大蔵省の方からも来て頂いて、一つお考をはつきりさせて置く方がいいのじやないかと思います。
  17. 三木治朗

    委員長三木治朗君) 他に御質疑ございませんか。
  18. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 尚実は前に、これは現在の館長が就任せられる前であつたと思うのでありますが、現在国立国会図書館が当時元の満鉄の図書を購入するということがありましたときに、これはやはり他からの希望があつて、これは当時大蔵省がその図書を購入したいという希望があつたものであります。併し、将来それを国立国会図書館が設立せられる上に、十分の図書を備えて置く必要がある。そういう意味国会がそういうふうに決定するならば、その大蔵省も勿論その国会の意思に喜んで従うものであるという條件を以て、この満鉄のライブラリー国会図書館の方に購入せられた前例もありまするし、その際には両院図書館運営委員会合同委員会が開かれて、大蔵省からも来て頂いて、そのことを決定したというふうに記憶しておりますが、この敷地の問題についても、余り遠くない将来において、正式の決定をやられた方がよくはないかと思います。
  19. 三木治朗

    委員長三木治朗君) いずれ衆議院の方の何と打合せまして、合同委員会を開いて、只今羽仁君のお希望のような工合に進めるようにいたしたいと思います。
  20. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 尚それに関連をいたして、前々からこの委員会でも十分にお考えなつていた点でありますが、国立国会図書館の本建築が、余り将来に延びるということも誠に残念なことでありまするし、赤坂にあるのでは余り距離が遠くて十分に利用されにくいという葉もありまするし、又敷地の問題なども、余り今の大蔵省からの意見の中にもあつたように、国立国会図書館が本建築をなかなかしないということは、その間にその土地を遊ばして置かなければならんという点もありまするし、できるだけ早くその国立国会図書館が本建築の第一歩だけでも開始されるように、そういう実現の方法を我々としても是非考えて頂きたいと思います。
  21. 三木治朗

    委員長三木治朗君) 館長にお願いして置きますが、図書館の方でも具体的に直ぐ予算が取れるわけではないのですから何ですけれども、計画なり何なり一歩前進するような態勢を一つつて頂きたいと思います。そういうことと相俟つて委員会の方も亦進めるという工合にいたしたいと思います。
  22. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 例えば先頃から予算委員会その他本会議においてもしばしば問題になつている、債務償還千二百何十億というものの中にでも、この見返資金などという関係からいつても、或いは国立国会図書館建設費として支出せられる方が、その趣旨にも合致しておるというようなものもあるかも知れないと思うのです。余りに国立国会図書館の本建築は遠い将来の夢であるというふうにしないで、近し将来に是非第一歩でもやつて頂きたいと切に希望いたします。
  23. 金森徳次郎

    国立国会図書館長金森徳次郎君)  只今のお話は実に図書館当局者としては有難き仕合せであります。私共もその救に向つて努力したいと思つておりますが、お説のように実際図書館というものは十中六割か七割ぐらいまで建物が適当な位置にあつて、適当な設備を持つということでなければ、いくら苦労しても手も足も出ません。で、大蔵省に、これは建築の準備に対する経費をたびたび要求いたしましたけれども、趣旨は分つたが待てということで断られておりまして、まあ今年度に直接関係もございませんが、その敷地に関する僅かの経費を認められて、つまりいわば理論的に少し予算の上で認められたという状況でございます。私の方は寄り寄り図形だけは書いておつて、又冗談を言つておりましたが、図形だけを書いて楽しむということは近頃の風俗雜誌と同じだと言つて(笑声)あざ笑つておつたわけでありますが、努力いたしまするから何分よろしくお願いいたします。
  24. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それでは大体経過の報告に対する質疑も盡きたようでありますが、今の経過に対して異議のないことに承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 三木治朗

    委員長三木治朗君) それではさよう決定いたします。それでは館長からの国立国会図書館の経過報告を書類で以同覽することにいたします。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     三木 治朗君    理事            羽仁 五郎君    委員            星   一君            松野 喜内君            藤森 眞治君   国立国会図書館側    国立国会図書館    長       金森徳次郎