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政府委員(
山下興家君) まだできない
給与準則について細かい議論をするということは、
ちよつと困るのでありますけれどもですね。私が信じておる点を申しますというと、先刻申しましたように
給与準則というものが決ま
つてしまつておる。手続がすつかり決ま
つておる。それには無論
給与表もくつ附いて来るわけです。ただその
職階の中の
職級でございますね、
職級それ
官身を
法律で縛
つてしまうということも、それは
国会でお決めになればできないことでもないのですが、それをやりますとこれは非常に
工合の悪いことができて来る。どう
工合が悪いかと申しますと、極端な例を言いますと、今の新
給与実施に関するあの
法律が
職階によ
つて作つた給与であるという触れ込みなんです。ところが実際は
一つも
職能分析がしてないのです。ですからして
職能分析ゼロという
標本はそこにあるわけです。それから又立派に
職能分析をやるという
標本は
アメリカにありまして、結局五百人に対して一人というのが即ち
職階法を作るときの
給与、
職級を作るときの
人間の数です。それは三本にしますというと、千五百人必要なのです。ところができ上
つてしまつてからはやはり千人について一人要るということにな
つておりますから、そうすると日本ではそれに準拠しますというと、八百人くらいな
人間か始終
職能分析をしながらや
つて行かなくてはならん。それはなぜそうであるか、それはどつちでもできることであるから、どちらでもできますが、沢山な人がお
つて一生懸命に研究をしている。そうして少しでも
工合の悪いことは
即座に直す。そうして又
仕事が
ちよつとでも変つたら
即座に直すというのには、立派な
人間がお
つて、そうして努力してやらなくてはならんのに、これを
国会の
承認を求めるとか或いは
法律に決められますと、これを悪くいたしますと、どんなにでも使えるのです。悪いということを
ちよつと申上げますと、こういうことができます。極く僅かな
人間でやりましてとても手が届かんというときに、ああそうかとい
つてそれを調べるというと、成る程そう変えるべきものだ、それはどうせ
国会の
承認を得なくてはいかんから、まあこの次まで待
つて呉れと
言つて待たすわけです。一年一回に待たすということもできるが、そうするとそのときには何百という訂正を
国会にぱつと持ち込んで来るというと、それの説明もできないというようなことにな
つてそれを一回
承認を得なかつたら、二年間
公務員というものはまずい
状態の下で働かなくてはならんということにな
つて、非常な不利益を
公務員に与えるわけであります。それですからそういう
法律によ
つて細かいところは決めないで、それを
人事院規則で直ぐ適応するように働かして行く、但しその全体については、
国会なりそれからそこに働いておる従業員のいろいろな批判を仰いで、そうしてそのときそのときに順応して行くようにする。これは
ちよつと日本には余り例がないのでありますから、どうしてもそれだけの
人間がなければできないものは却
つて楽でありますけれども、人がなければそのまま働かしておいてもいいし、それからいよいよさぼ
つてももう別に
差支はないということで、それの
責任、不利益を全部
公務員が負わなくてはいけないというときに困るのでありますから、これは
人事院規則で自由に働かして頂くことが
公務員のためであるということを私は確信しておるわけです。