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政府委員(
山下興家君) この
資料を提出してございますが、七千八百七十七円
給與水準関係資料、それの二十九頁を御覧下さいますと、これが一九四八年の一月から一九四九年の九月までの
カーヴにな
つております。その一番上の
点線は、毎月
勤労統計の
日本全
産業であります。その次は毎月
勤労統計の
工業平均であります。この二つは
労働省から発表になるのであります。これを出しましたときには九月までのでありまするが、その後十月、十一月というのが分
つております。それによ
つて見ましても、この
カーヴが現わすように、非常に急激に
給與が増額されておるのであります。そうしてこの九月の最後が、全
産業の方は九千百三十五円とな
つております。その次の
カーヴはやはり九月の
工業平均でありますが、八千六百二十円くらいのところでございます。今申上げましたような趨勢でありまして、その一番下に書いてある
点線、これが
公務員の
給與のべ
ースの
上り方でございます。それでその大体の
目的はどういう点かと申しますと、
本当を言えば、
給與というものは成績によ
つて決めなく
ちやならんものであるけれども、戰後我々は非常に窮迫した
状態の下にありますから、
給與の本体から離れまして、これは食べて行ける、生活し得られるかどうかということを先ず
考えなく
ちやならんのであります。それでいわゆる
理論生計費によりまして、
国民の食べておるカロリーと合わそうと、先ず
国民の
平均の
生活水準にはして置きたいというのが
一つであります。それによ
つて計算をいたしますが、この
基礎となるのが十九歳くらいの
青年男子であります。そうしてそれが一ヶ月に
幾らあるべきかという
計算を先ず出す。それを
一つ基礎といたしまして、そうしてあとは
民間給與がどういうふうにな
つておるかということを見まして、もう少し年をと
つたところ、即ち
給與の高いところを
民間給與の
カーヴに合せて、それがニつの大きな
基礎とな
つているのであります。それでその
民間給與といたしましても、ここにある
工業統計とか、或いは全
産業の
統計とかいうのでは余りにあらつぽ過ぎますから、それで我々の方としては
公務員と同じような
仕事をしている人を
民間で探すわけであります。大体四千ぐらいの位置について研究いたしまして、そうしてそれを基としているのであ
つて、決して乱暴にこの
工業統計とか、或いは全
産業の
統計とかいうことによるわけではない。無論これを非常に参考とはいたします。それでそういうふうにして
幾らぐらい高いところからずつと段々と変
つて来るその
情勢を先ず
考えて、そうしてそれとそこにいる
本当の人とを掛け合わして
計算をして、
平均を出したものが即ちこの前は六千三百七円であ
つたと、こういうことになるのであります。それで六千三百七円はそれだから何を
基礎としたかというと、我々は推定は
一つもしないのであります。
現実にあ
つた統計によるというその原則を立てている。でできるだけ近いそういう
基礎を取わたいのでありますが、この前六千三百七円を拵えましたときは、一昨年の七月のを
基礎としたのであります。今度の七千八百七十七円を出しますときは、これもできるだけ近い
資料をと思いましたが、昨年の七月にな
つているのであります。それですから今世の中で言われておりますように、
結與が実施されたのは三月だとか、いや一昨年の十二月だとか、そういう
議論は問題にならないのでありまして、
計算の
基礎である一昨年の七月とどう変
つているかということのみを
考えているのであります。それですからその点は間違いのないように、できるだけ沢山の人に伝えて頂きたいと実は
思つたのです。
もう少し追加さして頂きますと、成る程
物価は昨年の春頃から先ず横這いにな
つておりまして、最近少し下りかけてはいるのです。併しそれは
国民全体が受けている利益でありまして、私共の
考えている
公務員と、それから
民間給與とが余りに離れては困る。
政府として若し策を立てられるならば、
民間給與と
公務員給與とが
バランスのとれたものでなく
ちやならんと私共は
思つている。どんな
政策をされるにしても
公務員だけの
給料を釘付けにして、それの犠牲において
政策を立てるということは、間違
つていやしないかということを
思つているのであります。