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政府委員(
木村忠二郎君)
只今の御質問は誠に御尤もでございまして、従来は
生活保護を受けまする者につきましては、一応
生活の最低に必要なものを残しまして、それ以外の物は一応全部無く
なつたというようなことで、初めて
保護をいたしてお
つたのであります。これにつきましては、その最低の
生活を維持するに必要なものの範囲でございますが、これにつきまして相当考慮を要するじやないかというふうに
考えておるのでありまして、
只今考えておりまする
方針といたしましては、その土地の
一般的な社会
状況と申しますか、その地域の社会
状況、都市なら都市、農村なら農村、或いは都市でも相当富裕な地域、或いは非常に貧弱な地域、
保護を受けておりまする者と、受けておらない者との間に、
保護を受けております者が、そういう
状況で
保護を受けておるというようなことは、社会通念上認められないという
程度でない限りは、最低のものを残すようにして行きたいというふうに
考えております。昨年の十二月の初めに、地方の課長を集めまして、これに対しまして一応そういう
方針で以て行くことにし、近く通知をするからということを申しまして、そういう
方針に改めるように、はつきり申したわけであります、昨年拵えましたところの
生活保護法の基本問題という冊子におきましても、具体的な事例を挙げまして、
取扱の仕方を示したわけでございます。ただこれに対する正式の通牒がまだ
関係方面の了解を得ておりませんので、通達いたしておりません。これは近くその
趣旨を明らかにいたしまして、通知いたしたいというふうに
考えておるわけでございます。従いまして将来
更生する可能性がありまするものにつきましては、その
更生に必要なるものというものは持
つておる。これは持たして置く方がいいというように
考えておるわけであります。当分
更生する
見込みかない、その場合に使わないというものについては、これは処分するというのが適当であろうと思
つております。それから
更生するまでの間使わなくても、近くそれを使うようになるだろうとい
つたようなものは、やはり残して置くというようにした方がいい。家屋とか、土地等につきましても、これを売りまして、
生活を維持させる方がいいか、売らずに持
つて行
つて維持させるのがいいのかということを、実価をよく
調査してやりたいというふうに
考えておるわけでございます。
それから
收入の問題につきましても、やはりそれと同じような
趣旨で、今後
考えて参りたい。これはまだ
一般論的なる
方針というものが出ませんけれども、そういう
考えで以て
基準を正確に現わし得るということに、できるだけ早くいたしたい。先般大体三百五十円というものを差引くことにいたしたのでありますが、尚これ以上に差引く、例えば
更生する場合についての
更生資金を蓄積させるとい
つたような面。これらについても十分
考えて見なければならんのじやないかというように
考えております。尚一定の
方針を樹てました場合に、できるだけこれを下に流す、正確に流すというためにはやはり逐次専門的な、そういうものを
取扱う者を増置するという必要があろうかと思いまして、この方面につきましても、有給の専門の者を拡充して行く
方針で参りたい、そうして
中央でできました
方針を、個々の人の好みによらずに実際に
適用されるようにいたして参りたいというように
考えておるのであります。