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1950-02-11 第7回国会 参議院 建設委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月十一日(土曜日) 午前十時五十一分開会
—————————————
委員長
の
補欠
二月八日
石坂豊一
君
委員長辞任
につ き、その
補欠
として
中川幸平
君を議長 において
委員長
に指名した。
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
建設事業一般
並びに国土その他諸計 画に関する
調査
の件 (
建設省関係予算
に関する件)
—————————————
中川幸平
1
○
委員長
(
中川幸平
君) それではこれから
建設委員会
を開会いたします。
植田俊雄
2
○
政府委員
(
植田俊雄
君)
簡單
に二十五
年度
の
建設省予算
につきまして御
説明
申上げます。お
手許
に配付いたしましたのは二十五
年度
の
一般会計予算
の中に載つております各
項目
の
建設省分
を移しまして便宜御配付申上げたわけであります。尚
建設省
の
関係予算
につきましては、この外に
行政部費
、
公共事業事務費
、
終戰処理費
、
物調費
、こういうものがございますがこれは
事務費
的なものでございまして、これについては
資料
を差上げておりません。これは概計
予算
の方で御覽願いたいと思いますが、その内容を
簡單
に御
説明
申上げたいと思います。 先ず
事務費
の方でございますが、
建設省
の
予算
は二十五
年度
におきまして、十六億九千五百万円余りに相成つております。これは二十四
年度
に比較いたしますと、約二億九千四百万円の減に相成つておるのでございます。この減に相成りました
理由
といたしましては、他の省と共通の問題としまして昨
年度
、二十四
年度
に行われました
行政整理
に伴う
人件費
の減及び
行政整理
の際の
退職金等
を今
年度
はそれ程多く
計上
する必要がなか
つた
、こういう
理由
もあります外に、二十四
年度
までは
住宅局
でやつております、
庶民賃貸住宅
のための
資材
を国で一括して購入いたしまして、これを
地方団体
に売却しておる、こういう手続きをやつておりましたが、
資材
の
事情
が緩和されましたので、この
費用
を二十五
年度
から
計上
いたさないことにいたしましたので、その分が大きな減と相成つておるのでございます。これを
費目別
に申上げますと、
行政部費
におきましては、二十五
年度
が六億一千八百万円、
公共事業費
が十億三千九百万円、
物調費
が九百七十四万円、
終戰処理費
が二千八百四十万円、こういうことに相成つておるのでございます。御
承知
の
通り行政部費
は、
建設省関係
の
事務費
でございますが、
地方建設局
と、
北海道
の
土木部
の
人件費
が
公共事業事務費
に相成つておるのでございます。これは前
年度
と同様でございます。 次に
公共事業費
の
事業費
につきして申上げたいと思います。これはお
手許
にお配りいたしました
資料
で御覽願いたいと思います。これは前
年度
同様経済安定本部
の方に
一括計上
に
なつ
ておるのでございますが、
昭和
二十四
年度
におきましては、
公共事業費
五百億というふうに一括して
計上
にな
つたの
でございますが、本
年度
におきましてはこれを目まで明記いたしまして最初に掲記されておるわけでございます。お
手許
いお配りいたしましたのは、
建設省関係
の分だけでございます。御
承知
の
通り公共事業費
の
総額
は九百九十億に
なつ
ておりまして、このうち先程も
建設省
についても申しました
事務費
でございますが、これが各省合せまして、約二十億残りました九百七十億が
公共事業費
の
事業費
でございます。九百七十億うち五百億が
一般公共事業費
、四百七十億が
災害復旧
の
公共事業費
、かように相成つておるのでございます。その四百七十億の
災害復旧費
のうち百億が二十五
年度
発生の
災害
に引当てまして、これにつきましては予備費的な使い方に相成ろうかと存じます。従いまして
災害復旧
の
予算
としましては、各省を通じまして三百七十億ということに相成るわけでございます。この
公共事業費
九百七十億のうちにおきまして、
建設省
に二十五
年度
移し替えるべき
金額
につきましては五百十二億四千四百万円ございます。
総額
の五八・九%が
建設省
において使用いたすということに相成つておるのでございます。 次に
建設省
で使用することになりますところの
公共事業費
につきましてお
手許
にお配りしました数字によりまして
簡單
に御
説明
申上げます。
建設省
の
所管
に相成るものとしましては
河川事業費
、
砂防事業費
、
道路事業費
、
都市計画事業費
、
住宅施設費
、
官庁営繕費
の一部、これは
一般公共事業
の分でございます。
災害復旧公共事業費
におきましては
河川災害復旧事業費
、
道路災害復旧事業費
、
都市災害復旧事業費
、それから
官庁建物其他災害復旧費
、かように相成るわけでございます。
河川事業費
でございますが、これも内容的に申しますと昨
年度
と同じような
趣旨
のものでありますから、細かい
説明
は省略いたしたいと存じますが、二十五
年度
として
新規
に入りましたのは
河川事業費
の一番
あと
に出ておりますところの
海岸堤防修築費補助
であります。その他前々からいろいろこうい
つた
費目
について
説明
しております
項目
に比較いたしまして、二十五
年度
の
項目
は非常に少いように見えるわけでありますが、これは概括的な
項目
を使用いたしましたので、
一つ
の
項目
の中に従来は三つ、四つに分れてお
つた
ものを一まとめにしておるという性質のものがございます。例えば
河川事業調査費
という
項目
がありませんが、これは
直轄
の
調査費
もこのうちに含まれておりますし、
府県
に
補助
して
調査
する分もこれに入つております。こうい
つた
ような概括的な
項目
でございまして、これを実際に
安定本部
から移し替えてやる場合におきましてはほぼ二十四
年度
と同様な各
項目
に区分いたしまして使用いたすわけであります。次は
砂防事業費
でございますが、本
年度
、二十五
年度
は十八億
計上
に相成つております。二十四
年度
と比較しますと十一億の増額に相成つております。次は
道路
でございますが、これは前
年度
が五十億でございまして今
年度
は五十一億、殆ど前
年度
と変りない
状態
でございます。
都市計画事業
におきましては、二十四
年度
の十八億が、二十五
年度
におきましては二十一億ということに相成つております。
住宅施設費
でございますが、これは
総額
が三十六億円でございます。そのうち
建設省分
としましては三十一億でございますから、お
手許
の
資料
の方には三十一億だけ
計上
いたしております。省略いたしております。この三十一億が前
年度
に引続きまして、
府県等
をしまして
戰災庶民賃貸住宅
を建設せしめる
予算
でございまして、これは
專用住宅
も含めまして約二万七千戸の
新規住宅
を供給いたしたい、かように
考え
ている
予算
でございます。次に
官庁営繕費
でございますが、これは
総額
が十三億でございます。そのうち八億二千四百万円だけが
建設省所管
で、
管理局
の
営繕費
で施行いたすことい
なつ
ておりますので、その分だけそこに省略いたしたわけであります。次に
災害復旧公共事業費
でありますが、これはもう前
年度
と同様な
費目
の分け方でございます。ただ
災害復旧土木費補助
というのが二百三十五億ございますが、この
項目
も一括しておりますので、これは従来の
道府県土木費補助
の中に、
地盤変動対策事業費補助
、こうい
つた
ものも加えた
金額
でありまして、これも今申しました二つに分けて見ますと、
道府県災害復旧費補助
は二百二十八億三千万円、
地盤変動対策事業費補助
は七億円、こういうふうに
なつ
ております。それを総括いたしまして、
災害復旧土木費補助
として
計上
しているわけでございます。
あと
は従来と同様の
項目
でございまして、いずれも
金額
におきましては殖えているわけでございます。詳細につきましては、御
質問
があれば
政府委員
の方から御
説明
があるかと存じますが、概括的に
簡單
に、これで御
説明
を終ることにいたします。
赤木正雄
3
○
赤木正雄
君 今日は
大臣
が見えておりませんが、この前
大臣
に、私
質問
かたがたお願いしたのです。それは折角
建設省
に立派な
技官
がお出でに
なつ
ております、
技官
がありながら
政府委員
になさらんということは非常に穏当を欠く、少くとも
技術
上の元締として、法律問題は無論その他の問題に関しても、
技官
はやはり
国会
と密接な
関係
をおとりになる必要もありますから、どうしても
技官
は
政府委員
になられるのが
本当
だ、現に初代の
技官
においても二代目の
技官
においても
技官
が
政府委員
であ
つたの
です。そういう観点からして、どうしても
政府委員
に
なつ
てほしい、又なられるべきが
本当
だということを申したのですが、今以て
政府委員
に
なつ
ておられませんが、これは
一つ政府
の方々からして、特にそういう発言があ
つた
ということを強く
大臣
におつしやつて頂きたい。そうして貰わなければ不合理だと思います。
植田俊雄
4
○
政府委員
(
植田俊雄
君)
只今
の
赤木委員
の
お話
につきましては
答弁
申上げる必要もないかと思います。
国会
に対して
政府委員
の申請をするわけでありますが、従来も
技官
が当初は
政府委員
に
なつ
ていない場合も多いわけであります。審議との関連において
政府委員
が段々と追加されるのじやないかと
考え
ておりますので、御
趣旨
の点は省の人にも申上げまして善処いたしたいと思います。
久松定武
5
○
久松定武
君 この間
建設次官
から承わ
つたの
ですが、
全国
の
特定
十地区の
開発
の
調査費
というものが
確か河川事業調査費
に入つておると思いましたが、その
金額
千二百万円ですがその
内訳
はどう
なつ
ておりますか。
植田俊雄
6
○
政府委員
(
植田俊雄
君)
特定地域綜合開発調査費
は千二百万円ということははつきりと決
つた
わけでもございませんが、まあ大体そうい
つた
点に決まるのじやないか、これも
項目整理
のために
只今
お説のように
河川調査費
の中に入れております。この
内訳
につきましてはまだはつきりした
結論
を得ていないのでありまして、二十四
年度
におきましては十
地域
を対象としてお
つたの
でありますが、二十五
年度
におきましては若干それよりも殖やすという議もございますけれども、まだ
結論
には到達しておりません。
久松定武
7
○
久松定武
君 二十四
年度
の
内訳
はどう
なつ
ておりますか。
植田俊雄
8
○
政府委員
(
植田俊雄
君) 私その方を直接担当しておりませんので、或いは違うかも知れんと思いますが、そのときには又訂正の
機会
をお許し願いたいと思いますが、私
資料
で知つておる範囲におきましては、二十四
年度
では十
地域
でございまして、
北海道
の石狩、福島、新潟に亘ります
奥会津
、それから東京都の
伊豆島嶼
、それから石川県の能登、愛知県の
東三河
、奈良、和歌山に亘ります吉野、熊野、
島根
、鳥取、岡山に亘ります
島根
、大山、高知、愛媛に亘ります
四国西岸
、熊本、大分に亘ります阿蘇、鹿児島、宮崎に亘ります
南九州
これで十であります。
久松定武
9
○
久松定武
君 その
金額
は各
地域別
に分りますか。
植田俊雄
10
○
政府委員
(
植田俊雄
君) これは、
配分
の
金額
ははつきりしたことを覚えておりませんが、実はこの
予算
の
配分
につきましてもまだ決まつていない。問題としましては、二十四
年度
までは
特定地域
、
特定地域
と申しましても
総合開発
でありますので、
特定地域
だけ
調査
の
補助金
を出すのでなくて、各
府県
にも或る
程度
出しておるわけであります。二十五
年度
におきましては
特定地域
に重点して
補助金
を出して参りますか、或いは昨
年度
と
同様全国
の各
府県
に少額ずつでも分けるかこういう点に問題があるわけであります。
特定地域
に分けました
金額
は
只今
はつきり覚えておりませんが、
事業調査費
になりまして、百万円前後、
補助金
でその半額だ
つた
と思います。この
程度
しか記憶ございません。これは取調べまして別の
機会
に申上げます。
久松定武
11
○
久松定武
君 そうすると本
年度
、二十五
年度
は分らないわけですね。
植田俊雄
12
○
政府委員
(
植田俊雄
君) 二十五
年度
は分らないのですが、
金額
は昨年は八百万円でございました。それに比較しまして大して殖える当てはありません。
調査費
としては大して多くを期待することはできないと思います。
赤木正雄
13
○
赤木正雄
君
直轄河川統制事業費
、それから
河水統制事業費補助
とありますが、これはどこどこの
仕事
をなさるか、若し今分つていなければこの次の
機会
にお教え願いたいと思います。
目黒清雄
14
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
直轄
の方は例の二百の
河川統制
を一ヶ所やつております。それから
河川統制
の
補助
はすでにやつておりますやつが、小丸川、銅山川、大野川、三面川であります。更に本
年度
がこれに四、五本、四本ぐらい追加になるのじやないかというふうに
考え
ております。
赤木正雄
15
○
赤木正雄
君
直轄
ならざる場合には
全額国営
でありますか、或いはその中に三分の一の
地方費
が入つて来るのであります。
目黒清雄
16
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
河川統制
は御
承知
の
通り
に四分の一の
補助
を、
直轄
の場合には三分の二が
国庫
で三分の一が
地方費
と相成つておるのでありまするが、これでは非常に均衡が取れませんで琵琶湖の場合には特別な
負担割合
をやつておるわけであります。四分の一が
国庫
で四分の三が
地方
であります。
赤木正雄
17
○
赤木正雄
君
中小河川
とか、
災害防除費
は出ておりませんが、これは恐らく
河川改修費
の中に入つていることと思いますが、この
河川改修費
の中でどういうふうな
仕事
はどうとかどういうふうな
中小河川
はどうとか、
内訳
が分つていなければこの次に、分つていれば今……。
目黒清雄
18
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 今お渡ししました表が今までのやり方の
費目
に直して見たわけであります。大体これの方が今までの慣習上分りいいことに
なつ
ております。それを安本、大蔵省の方では成るべく
費目
が多いから整理した方がいいじやないかということで
予算
の方は整理されて載つかつております。実際は今お渡しした表で実施しておるのであります。
久松定武
19
○
久松定武
君 今度出ました中の
項目
で
海岸堤防修築費
というのは
補助費
ですか、これはどちらの
地域
です。
目黒清雄
20
○
政府委員
(
目黒清雄
君) これは例の
海岸堤防
が今までは
地主
がありまして、
地主
がこの
海岸堤防
の
維持
をやつてお
つたの
が大
部分
であります。例の
九州方面
では有明海の沿岸と或いは瀬戸内の山口県の
海岸
というような例が大
部分
ですが、それが特に
終戰後
になりますると
地主
が零細な農民の手に移りましてなかなか
維持管理
ができないというようなことでこれは何とか救わなければならんということになりまして、大体この
管理
を大
部分
が
県管理
に移したわけであります。
海岸線
の
堤防
は国が助成すべきだということでこの
予算
を取
つたの
であります。
赤木正雄
21
○
赤木正雄
君
只今
問題に
なつ
ております
海岸
の
堤防
の
補助率
はどういうふうになりますか。
目黒清雄
22
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 大体二分の一であります。これは
中小河川
と同じような
補助率
で行きたいと思つております。
赤木正雄
23
○
赤木正雄
君
国立公園
の問題は厚生省に属しておりますが、併し実際御
承知
の
通り
に
事業
はされておる、そこで
国立公園
に関連してこの
建設省
としてなさるべき
仕事
が沢山にありますが、
道路方面
は別といたしまして
河川方面
で
国立公園
に関連してなされるような
仕事
はされておりましようか。
目黒清雄
24
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
国立公園
の
河川関係
といいますると、御
承知
の
通り河川
は非常に荒廃しまして積極的に
風致保存
というところまでは手が廻らないのでありまするが、併し
国立公園地域
内におきましては山地の崩壊、禿山などというものが現われて来ますると、
風致保存
に
相当影響
がありまするので、
砂防方面
におきましてその辺のところを
考え
て行きたいというふうに
考え
ております。実際その大
河川
或いは
中小河川
において
国立公園地
内において
仕事
をやるというのは今のところは手が廻りかねておるという意味であります。
久松定武
25
○
久松定武
君 この細目をみますと、
地盤変動対策費補助
というのが出ておりますが、これはどちらの
地方
なんですか。
目黒清雄
26
○
政府委員
(
目黒清雄
君) これは例の
南海震災
以後の
四国
、
大阪方面
それから
名古屋方面
までも及んでおりますが、
地盤沈下
による
海岸
の
堤防
、主として
堤防
でありますが、これが崩壊したという……。
久松定武
27
○
久松定武
君 中心としては
南海地震
、
淀川地震
を大別しますとどれくらいの
内訳
になりますか。
目黒清雄
28
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
淀川
といいますか、
淀川
の河口とそれから
大阪
の附近のあの辺の
海岸堤防
というのと、もう
一つ
比較的大きいのは
名古屋地震
があるようです。これは
戰争中名古屋地方
の
地盤沈下
というのが
金額
は分りませんが大
部分
は
南海地震
以後のものとこう
考え
ております。
久松定武
29
○
久松定武
君 この
明細
は分りますか。
目黒清雄
30
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
明細
は分りますが……。
久松定武
31
○
久松定武
君
南海地震
の
金額
だけでもちよつと。
目黒清雄
32
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 今調べて全体の
地盤変動
について申上げますと四十八億万円ばかりあるのです。そのうち今まで支出したものを除きまして、残りが来
年度
以降が三十五億ばかり、そのうちのまあ
内訳
は大
部分南海方面
に属しております。
赤木正雄
33
○
赤木正雄
君
直轄河川
或いは
直轄砂防
の
費用
は御
承知
の
通り
に一年二年で終るべきものでありません。
従つて一つ
の
河川
に対して
相当
の額を
計上
して何年かの
継続事業
に俟つべきものでありますが、最近は御
承知
の
通り
に年々
予算
を新らしく取つておる。こういう
情勢
で恐らく
事務当局
もこれは非常にお困りと思いますが、これを
継続予算
は現下の
情勢
として確保できないのですか、どういうような
情勢
に
なつ
ているのですか。
目黒清雄
34
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 我々も
継続事業
は望ましいのでありまして、実は本
年度
はまあまあ今のような将来の
見通し
も不安定であるというようなことからして、
継続事業
はなかなか通らなか
つたの
でありますが、これが
経済状態
が安定して参りまして将来の
見通し
がつくようなことはなりますれば、我々は来
年度
からでもこれを
要求
したいというふうに
考え
ております。もうこういうふうな大
事業
は
継続事業
でしなければいかんというように
事務当局
の方では
考え
ておりますが、まあ将来の経済安定の状況如何ということにかかつておるのではないかというふうに
考え
ておりますが、これは
国会
の方でもこの辺のところは十分慎重に御考慮願いまして、我々の希望が到達されるように願いたいと
考え
ております。
久松定武
35
○
久松定武
君 今の
赤木委員
の御
質問
に関連いたしますが、来
年度
の
予算
を編成しましたときのこの
事業費
というものは、来
年度
よりも多少上るものとの計算の下に
予算
を作られてのでしようか。
目黒清雄
36
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 二十五
年度
の
予算編成
ですが、来
年度
の
見通し
如何というような問題ですが、我々としては一応現在の基準で
予算
を編成して
行つて
、まあその
程度
においてやつて行きたいとこういう
考え
方で、これが
見通し
は上るか下るかという問題になりますが、その辺のところは
事業量
において、その時機が到達すれば
事業量
を縮小するなり或いは増加するなりで行きたいとこう
考え
ております。で御
承知
の
通り
に我々の方では十ヶ年
計画
というようなものを立てておりまして、この線に乗つて行きたいというのは
理想
であるのですが、何するといつても二十四
年度
の
事業量
というものは非常に少いので十ヶ年
計画
に沿うことができなか
つたの
です。来
年度
はまあ一応
要求河川
だけ申しますと、
中小河川
なんかを申しましても、
要求
五百億のうちまあ百七十億というから約五分の一
程度
でありますが、それにいたしましても十ヶ年が三十ヶ年くらいにすれば、この十ヶ年
計画
が或る
程度線
に乗れるのではないかという
見通し
は多少ついておりまするので、この十ヶ年
計画
の線に
沿つて
来年は実施して行きたい。で物価の
変動
によりまするものは、その
事業量
の増大或いは縮小によつてカバーして行きたい、こういうふうに
考え
ております。
安部定
37
○
安部定
君
直轄河川
の七十三
河川
というのは昨
年度
と同じ
程度
でありますか。増減がありますか。
目黒清雄
38
○
政府委員
(
目黒清雄
君) この
内訳
はまあ七十三
河川程度
でありましてまだはつきりいたしておらないのですが、大体昨年ここでいろいろ議論されまして問題になりました例の
直轄河川
を
府県
に
委讓
するということでいろいろ一年揉んで見ましたが、その
地方
に
委讓
した
河川
を再び又
直轄
に戻さなければならんという
河川
が二本ばかり現われました。これはまあ
事情
止むを得ないものとして又
直轄
に戻したいと
考え
ております。それから新
河川
はまあ一本かそこらを取上げて行きたいと
目下考慮
中であります。この
程度
で他は変つておりません。
安部定
39
○
安部定
君 昨
年度
の分で二本戻すというのでございますね。昨
年度
六本程
中止
とあ
つた
ように思うのですが、その休止ですか
中止
ですか、それはそのままでございますか。
目黒清雄
40
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
中止河川
は二本ありましたが、四本のうちで二本が
中止
ですが、その
中止河川
は結局一年間
調査
をしました結果、
調査施行方針
が決まりましたからこれは
中止
でなく復活いたしまして着工いたしたいという
考え
であります。
安部定
41
○
安部定
君 四本のうち二本を戻すのですね。
目黒清雄
42
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 四本のうち二本が
中止
、復活ですから、二本だけ結局
委讓
したというわけです。
安部定
43
○
安部定
君 二本だけ
府県委讓
を続けるのですか。
目黒清雄
44
○
政府委員
(
目黒清雄
君) はあ続けるのです。
安部定
45
○
安部定
君 その二本の
府県委讓
というのは完全に県に
委讓
いたしましたか。或いは
事業
は
建設省
、あなたの方でおやりになるのですか。
目黒清雄
46
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 現在の形はまだ
府県委讓
といいましても、二十四
年度
におきましてはそう金を
府県
につけておりません。
従つて
現在は一応来
年度
から完全に
府県
の手に渡る準備をいたしております。その間或いは現在の
直轄
の方に委託を受けておるというような形をとつておるところもあります。この永年やつて参りました
直轄
を
府県
に
委讓
する事務的な非常な複雑さもありますので、
相当
時間を要するもので来
年度
の四月からはつきりして参ると思うのであります。
安部定
47
○
安部定
君 更に続いてお尋ねしますが、昨
年度
はまあ整理して行こうということであ
つた
ときに、いろいろあなたの方の御
事情
も伺
つた
わけですが、二本を
中止
してお
つたの
は戻し、それから更に二本を
府県委讓
の分からも復活するということで、まあ六分の四だけ戻つて来るのですが、それは昨
年度
やろうと思いました
委讓
が元へ戻
つた
からですか。別に
理由
があるのでございますか。
目黒清雄
48
○
政府委員
(
目黒清雄
君)
理由
といたしましては、実際の形は
理想
といたしましてはできるだけ
地方自治
の尊重というわけで、
地方自治体
の力をつけて行き、
地方
が積極的に
河川改修
をやるような形に持つて行くことが
理想
なのでありますが、現在の
財政
上殊に
地方財政
上から
考え
て、なかなか
委讓
を受けてこれが遂行を計るには
財政
の点からいいましても非常に困るという実情なんであります。
理想
と実際とは非常にかけ離れておるというような現状であります。もう
一つ
は
地方民
が
地方自治体
に対する
信頼
の度と、国に対する
信頼
の度というものが非常に違つておるので、実際は自治体に対して
相当信頼
をすべきに拘わらず、そういうふうな形が現れて来るだろうと我々は
考え
てお
つたの
でありまするが、それとは反対に
中央
に対する
信頼
の度が
相当
厚いどういうことから
地方民
はどうしても
直轄
の方にやつてくれという声が強いのであります。この辺も昨年の
見通し
と実際経験した結果とは非常に差があるということを発見いたしましたような次第であります。
安部定
49
○
安部定
君
只今
の御
説明
で分りましたが、私はそういうことを昨年申したわけでありますが、なかなか
只今
御周到な御
答弁
で恐縮に思います。
理想
としてはというお言葉でしたからやはりそういうお
考え
は持つておられる。併し一年やつてみてやはり
地方民
が
地方自治体
よりも
中央
に非常に
信頼
しておるということが分
つた
という
お話
でしたが、そうしますと昨
年度
のあなたの方の
意気込
として、逐次これを拡大して行くというようなお
考え
であるたように御
答弁
もあ
つた
ように思うのですが、取敢ずその
理想
になかなか遠いから
方針
はとにかく変える、こういうことなんでございますね。昨
年度
、二十四
年度
にお
考え
に
なつ
ておられた、大体本年六本程こういうふうにやつて、そのまま縮小して行く
考え
である、尚
地方
の各
府県
の
土木当局
も
相当
技術
も進んだのであるからそれにやらして結構行けるのであるという
お話
であ
つたの
で、これは單に
信頼
の問題とは言い切れない、非常な
技術
の進歩を挙げられておられるんですけれども、
従つて
今後この線を拡張して行くというように私共伺つていたのですけれども、取敢ず
只今
の御
答弁
の
通り
、一応要するに二十四年の
方針
を変えられたことになりますね。かように
承知
いたしていいですか。
目黒清雄
50
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 実はその問題は非常に重大な問題でして、今
河川
だけ
考え
て
理想
の形に持つて行こうとしたことが実際とは合わなか
つた
ということなんでありまして、
地方自治体
の今後のあり方というようなことが今
目下委員会
で審議されて研究中でありますが、これがはつきりいたしますればその線に副つて行きたいと
考え
ております。それが完全にできない以上は我々としては現在
考え
おりまする、先程申上げました
中央
に
財政
的にも
信頼
があるという
地方民
の声を尊重して行くのが
本当
であろうと
考え
ております。併しながら若し
地方自治
の形が
財政
的にも制度的にも立ち変るということになりますれば、我々の方ではこれに副つて
河川
法改正というような問題も起りましようと
考え
ております。そのときまでは現状のような先程申上げた
考え
方で進んで参りたいと
考え
ております。
赤木正雄
51
○
赤木正雄
君 今の問題からしましてこれは
河川
法改正になりますが、一体
河川
というものをこんなあり方でいいかという非常に大きな問題です。これにつきましては私は委員会として皆さんお集りのときにどういうふうに日本の
河川
を持つて行
つた
らいいか、場合によつては
政府委員
以外のお方の專門家の御意見を聞いてもいい。現にこの間農林委員会で大学の先生なんか呼んで非常にいい話を聞きました。ああいうこともありますからして、この委員会として将来日本の
河川
をどういうふうに持つて行くか、これを実は一応研究する
機会
を
委員長
の方でお作り願いたいと思う。
中川幸平
52
○
委員長
(
中川幸平
君) 結構ですね。それから先程の
お話
の
継続事業
の方に、一年々々でそんなものは進むわけじやないのだから、それらの点についてもこれは非常に委員会としても……。
赤木正雄
53
○
赤木正雄
君 でありますからそれは先ず以てこの委員会でやつぱり審議して、そうして
政府委員
の方も来て頂いてよく検討したい。そう
考え
ます。
久松定武
54
○
久松定武
君
災害復旧費
についてお伺いします。全額
国庫
補助
の対象は
河川
、
道路
の外どうい
つた
ものがありますか。もう
一つ
は全額
補助
に関する法律が
建設省
から提出とならなか
つた
理由
、この二つをお伺いしたい。
目黒清雄
55
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 全額
補助
の問題は非常に困難な問題でありまして、今の範囲をどうするかということが先ず第一番に議論があるので、それで我々の立場から申上げますると、農林省
関係
とは別である、公共性の
程度
からいつても
相当
強いフアクターがあるので、我々に関する公共支出に対しては、全額である場合は農林省
関係
の他の
事業
はこれと違
つた
行き方をとつて貰いたいという希望は多分に持つておるのでありますが、その辺のところがなかなか複雑なのであります。そこで、いずれこれは法律案が提出されると思いますが、その辺のところが結局議論の中心になるのではないかと我々は想像しております。で、今のところは、原案の気持は公共性の強い、而も
地方
公共団体が施行しておる範囲というふうに
考え
ておるようでありまするが、その線をどこまでにするかというようなことは、なかなか今後の委員会の審議に俟つ点が多いと思います。それからどうして
建設省
がこれを出さなか
つた
かと申しますのは、そういう点におきましてはそれは各省に共通したものである、我々のところだけが全額になるということの線がはつきりいたしますれば、我々のところで
予算
、法律案を出すべきだとおもいますが、その辺のところがなかなかはつきりいたしません。勿論我々のところ以外に、例えば港湾というような問題も当然公共性の点からいつても強いフアクターを持つておりますから、やはり各省共通の法案といたしまして、今のところは
地方自治
庁が、
地方財政
の見地からこれをまとめて出そうというような話合に
なつ
ておるのであります。
久松定武
56
○
久松定武
君 そうすると今のところでは
河川
と
道路
の外は何々ということは確定してないわけですか。
目黒清雄
57
○
政府委員
(
目黒清雄
君) 今のところはまだはつきりいたしておりません。
久松定武
58
○
久松定武
君 この間の
建設次官
の
お話
にありましたが、二十五
年度
の
災害
に対しては全額
国庫
負担をやるという予定だ
つた
という
お話
でありましたが、どうして二十五
年度
に限つてそういう全額
国庫
負担ということにな
つたの
ですか。
目黒清雄
59
○
政府委員
(
目黒清雄
君) ちよつと速記を止めて頂きたいのですが……。
中川幸平
60
○
委員長
(
中川幸平
君) 速記を止めて下さい。 〔速記
中止
〕
中川幸平
61
○
委員長
(
中川幸平
君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
中川 幸平君 理事 仲子 隆君 赤木 正雄君 岩崎正三郎君 委員 堀 末治君 安部 定君 久松 定武君
政府委員
建設事務官 (
大臣
官房会計 課長) 植田 俊雄君 建 設 技 官 (
河川
局長) 目黒 清雄君