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政府委員(
石井昭正君) 死退蔵
物品を
鉄道弘済会に拂下げしたという点でございますが、これは当時多種多様に亘る死退蔵
物品がございまして、本当に真の需要者に対しましてこれを拂下げるということでは非常に長期を要します。又相当残
つているものもあり、従いまして処理としてはここに申す一山幾らというような
やり方で一応拂下げした方が極めて短期間に処理がつくということも一つでございます。それからそういう場合におきまして、若し非常に拂下げを受けましたものが利益を得た場合におきましては、いわば省が非常に損を見たということになるわけでありまして、その場合は弘済会は
鉄道の外廓団体でございますので、その利益は
国鉄に関連するいわゆる
国有鉄道の
職員なり、その他の利益になるような費途に充当するという條件を附ければ、仮にその間多少の利益があ
つても、これを有益に使えるのじやないかというような考え方、これは良いか惡いかは御批判の余地があるのでありますが、当時といたしましては、さような考え方で弘済会に特命拂下げをなしたのでございます。
値引率が非常にひどいという点もございまするが、新品にいたしましても、
鉄道の
物品は独特の
物品で市場性が少いために、相当加工しなければならん。又当時の
状態としてどんどん
インフレーシヨンが進んでおりまするので、
運搬費や人件費の経費が相当見込まれる、それも或る
程度見込んでおかなくちやいかんというようなこともございますし、又中古品や破損品などにいたしましても、改修をしなければ売れない。或いは潰し値でなければ売れないというようなものもあるというような
意味で、新品は二割引き、中古以下につきましては五割乃至八割引きをなし得ることといたしたのであります。二十三
年度におきましては、それを改めまして、一律に新品価格の五分引きとしたわけであります。併しその後はいろいろ世上の御非難もあ
つたようでありますし検査院の御
指摘もありますので、売却の
方法を変更いたしまして、無割引きで競争でやるというふうに改めた次第でございます。
それから同会に対しまして
鉄道高架下の末
使用地を
使用承認しておる問題でありますが、これは戰争中非常に住宅、店舗等が燒失いたしました
関係で、高架下の利用価値が非常に高ま
つて参りまして、それまでは一括弘済会に
使用承認してお
つたのでありますが、非常に価値が高ま
つて参
つたので、とかくの問題も起るというようなこともよろしくないと思いまして、方針を改めまして、省、
只今では
国鉄公社でございますが、それが
使用承認を與えることに改めておるのでございます。
それから同会が利益があるということでありますが、これは借入金の返済などに充当するもの、或いは
戰災の方の施設などに充当いたすべきもので、一応利益として出ておりますが、真の
意味の利益ではないと、かように考える次第でございます。
その次に貯蔵品の整理が惡いという御
指摘でございますが、これは二十二
年度から新
会計制度に移
つたのでございます。これは御
承知のようなときに、まだ
鉄道の
職員の何といいますか、戰後の荒れておるというような態勢がすつかりまだ直
つておらないとき、非常に事務に不慣れの者が多いというとき、思い切
つてこういう新制度を
実施いたしました
関係で、非常に
手続きの不慣れ或いは貯蔵品の延着、不着等がございまして、輸送事故等によりまして登記のできない場分もございますので、そういう督励も指示する等、いろいろ不符号の発生の防止に努めたのであります。併しながらなかなか輸送
事情が、当時としては御
承知のような石炭の
事情で余り條件がよくなか
つたため、現品の送付書と現在の異動とに時間的なズレがありますので、しよつちゆう不符号があ
つたのでございます。何とかこれを訂正しなければならんということで、二十三
年度末には
物品出納簿の
金額を基準といたしまして、結局元帳、貯蔵
金額と照合いたしまして、不符号を未整理項目といたしまして、これを繰越しまして、そうして
保管転換の途中にある貯蔵
金額であることを明らかにいたしまして、その後逐次
物品送付書の到着によ
つて、その都度整理することにいたしまして、そうして元帳との完全一致を図るように事務規定を改正してや
つておる次第であります。事務不慣れのためかような結果が出まして、誠に恐縮しておるような次第であります。