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政府委員(
吉田晴二君) 第一点からお答えいたしますが、
只今收納未済のものが相当あるのについて、早くこれを
徴收すべきではないかということが第一点であると存じますが、これは誠に
お話の
通りでございまして、我々といたしましてもできるだけこの
徴收に努力をしておるわけでございますが、
何分にも
戰後厖大な
軍用財産の
急速処分、非常にこれを早く
処分いたしませんと、特にこれを
管理して行く上におきまして放
つて置きますと、非常にこれが痛みますので、取敢ずとにかく一時
使用等の形で以て、これを
使用させまして、その上で
漸次売拂をして行くというようなことにいたしておりまして
関係上、なかなかこの
收納が思うように参りません。特にこれは
税等と違いまして、
滯納処分というような
強行手段を取るわけに行きませんので、一々
民事訴訟の
手続によらなければならないものでございますから、多少金融が逼迫して参りますというと、特にこの点が非常に問題にな
つて來るわけでございますが、この点については特に今後一層
一つ力を入れまして、各
財務部を督励いたしまして、
收納に努力したいとこう思
つておる次第であります。
それから次に第二点の
建物とか、
船舶とか、こういうものの売拂の
代価が低過ぎるではないかという御
質問でございますが、これは一々具体的な
評価になりますので、
価格の問題は一々具体的な
評価に当りませんとまあはつきりしたことは申上げられないのでございますが、
一般的に申上げまして、特にこの旧
軍用財産というものについてはこれを普通の、何と言いますか、
一般産業に
利用する場合には非常に不便なところがあるわけでございます。例えば
建物の中に、
コンクリート造りであるが、柱が非常に多い。堅固ということを非常に重要視するために柱が非常に多い。そうしますと、これを
学校等に
利用する場合等においても、その柱を切らなければならんというようなことが起りますし、又或いは二階と三階がありまして、実際
利用する場合にはその二階の中の床を取
つてしまわないと
使用できないというようなこと等があります。又
船舶におきましても、特に現在の
状況におきましては、
軍用に使えば非常に効率はいいが、これを
一般の
輸送船に使う場合には大改造をしなければならんというよなのが非常に多いのでございますが、そういうような点からいたしまして、どうしても或る
程度これは値引きをしなければならん。
最初作つたときの
価格はむしろ高か
つたのでありますけれども、売拂う場合にはそういう
利用価値の点を考慮して下げなければならん。殊に又その
所在地におきましても旧
軍用財産というものは大体において
一般的に申上げまして、
割合に辺鄙な所、むしろ他の
産業と隔絶した所に間々ある例が多いのでありまして、そういうような
所在地の点から見ましても
利用価値か非常に落ちる。そのために
値段をどうしても引かないと売
拂いができないというような
状況であるわけでございまして、最近においては特にそういう点を考慮しまして
価格というものを決めて行こう。こういうふうに考えておる次第でございます。
それから次に
貸付先の
利用しておらないで、放
つたらかしておる所があるではないかという
お話なんでありますが、この点については誠に我々も遺憾に存じるおる次第でありまして、
貸付先の厖大な
面積を、そういうふうなものに
使用すると言いながら、あとで
利用していないという所については、特にその一々の
貸付先に当りまして、今まで一時そうしておりましたのを取消して他に
使用さして行きたい。こういうふうに考えておるのであります。例えばここで一番問題になりますのは
学校等でございまして、
学校など現在非常に経営か苦しくな
つて参りまして、
最初は学生が千人入るつもりでお
つたところが、百人くらいしか入
つて來ないというようなこともございます。又
運動場として非常に広い、我々から見ますとむしろそれ程必要でないと思われるくらいの広い
面積を確保しておるというような所もあるような次第であります。ただこれは教育の問題については非常にデリケートな問題を起しますので、
所管の文部省とも協議いたしまして、成るべくこれを必要なところに抑えて、それ以外の所は適当な他の
利用に任せるということで、
只今整理をいたしておる次第であります。尚
工場等につきましては先程からも
貸付先の
利用についての
変更ということについて……。ただ最近では非常に
中小企業が困難な
状況なのでありまして、仮にこれを
使用を停止しまして他に
使用させようとしても、なかなかそれを希望するところが出て來ないというような
状況も
只今多少現れておるわけでありまして、
場所によりましてはその点か非常に困難を加え、ただ出來る限り
只今申上げたような点は成るべく早く
一つ整理いたしたい。こう考えておるのであります。