○
参事(丹羽寒月君)
ちよつとそれを併せて実情を申上げますと、配置の時期も増強の時期も分ると思います。一応取纏めて申上げたいと思います。私が下に参りましたときに、丁度木下議員が陸橋の上で演説されてお
つたわけであります。集まりました大衆は靜粛に聞いておられたのであります。木下議員の演説が終りました以後、私現に見てお
つたのでありますが、陸橋下から中え突込めというようなことで、
あとにおりました大衆が、大部分の人がこの陸橋下の穴を目がけて押かけられたのであります。で私はこれは事態容易ならぬことだと思いまして、陸橋の上からその
状況を審さに見てお
つたのであります。ところがそれを突込みますときには、竿を持
つてお
つた方は竿で突いて入
つたということでかか
つたわけであります。凡そあのときには警察官は陸橋の穴の下に約三十名おりまして、あの穴の中に入ることを防いでお
つたと、こういうことであります。それで裏庭の問題につきましては、過般
衆議院の例もございますので、裏庭の方には入
つて貰
つては困るということは、本日の午後に至りまして、今日お出でにな
つておる
国会共同鬪争の方の幹部の方を通じてよく徹底してお
つたと私は存ずるのでありますが、遺憾ながら木下議員の演説が終
つて、数分経ちまして、中へ突込めということでなだれ込んだわけであります。そのときには私は現に上から見ていたのでありますが、旗竿で突いて入られた方もあります。又棒で以てぶん毆
つて入られた方もあるのであります。三十名でありますから、あれだけの圧力がかかりますと、倒底押え切れぬわけであります。それで、
従つて警察官の方で、それに対応するというようなことに相成
つた事情を、私この目で見てお
つたのであります。それで派遣警察官の増強の問題でありますが、この問題につきましては、院内の建築物の中でありますれば、これは衞士が行うということにな
つてお
つたわけであります。それから建築物の外におきましては、これは派遣警察官が行う。その都度必要に応じて、内閣を通じまして派出警察官を要請する、こういうことに相成
つておりますので、建物の外におきましては、これは派出警察官の責任において……今の責任の問題を取消します。派出警察官をして警備に当らしめる、こういうことに相成るわけであります。先程も
議長から
お話がございました
通り、
衆議院の
状況は、これも私現場にお
つてこの目を以て見てお
つたのでありますが、必要な警察官の派遣増強につきましては、私の仄聞いたしておりまするところによりますれば、相当な警察官を、事態が惡化いたしました場合には増員をいたすということに話合いがな
つてお
つたように承知いたしておるのでありますが、その当時の
状況は、派出警察官がここへ到着いたす前に、あの中庭に侵入するとい
つた不祥事件が起きた次第でありますが、本院におきましては、その例に鑑みまして、先程
議長から
お話がありましたように、予め相当数の必要な派出警察官にこれは来て貰わなければいかぬ。こういう大体の先の
衆議院の例に鑑みまして、御方針を御決定に願
つたような次第であります。具体的にいつの時期に
如何なる派出警察官を必要とするかと申しますることは、大体こうした人がお集まりになる、これについては大体の見当は付けなければならん問題でありますが、なかなかこの見当は付けにくい問題であります。
衆議院の場合には、よもやあれだけの、或いは六千人と言い、或いは一万と言うくらいの
人数でありますが、これは実際には未だにはつきりした数字は分らないのでありますが、そのときには約一千名の警察官が
最後に派遣されてお
つたのであります。それにつきましては、
状況の判断が非常にむずかしいのであります。従いまして、その時々の
状況を判断いたしまして、必要な警察官を予めこちらに用意いたしますることが、不祥事態を私は未然に防止する元ではないかというふうに
考えてお
つた次第であります。従いまして必要な派出警察官を相当こちらに派出願うというような御方針を決定願
つてお
つたのであります。それで具体的な派出警察官のそのときの詳細の
状況は、これは
議長もお忙しいわけであります。特に本日のような事態になりますれば、いろいろな事務的なことを申上げることは殆んど御遠慮しなければならんような御繁忙の時期であ
つたわけであります。一応先程申上げました事態が起ります前に、約二百二十名の派出警察官をこちらが口頭で以て要請してお
つた次第であります。ところがその事態が先程申上げましたように、「突つ込め」、「中庭に入
つてしまえ」というような
状態に相成りましたので、それより派出警察官に更に来て頂くということに相成
つたわけでありまして、大約四百数十名、或いはまだ具体的に数えて見なければ分らぬわけでありますが、向うは隊の組織にな
つておるようであります。隊の欠員もありましようが、四百何十名であるかということは調査しなければ申上げることはできないと思います。四百何十名の者がこちらに現在お
つたと承知しておるわけであります。これも具体的に調べて見なければ、具体的な数字は分らぬと思
つておりますが、大体その程度だと思います。大体それで今の事態に
なつたわけでありますが、こういう不祥事態が起りましたことは遺憾なことと存ずる次第であります。大体以上申上げましたことにつきまして、お尋ねの点がありましたら又こちらから申上げたいと思います。