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栗山良夫君 そういたしますと私は更にもう一点だけ申上げます。
衆議院が優位に立
つておる。いわゆる一般
法律案に対しましても、
参議院は余程精力を傾けてこれを
審議し、或いは
衆議院の抑制機関としての公正なる任務を果そうと思いましても、
法律上なかなかむずかしいのでありますが、幸いにこういうような
裁定問題というものは、
両院が平等の立場に立
つて審議して、そうして
意思を決定する立場にあるわけであります。併しながら今朝の読売新聞の社説を御覽に
なつたと思いますが、
国鉄裁定、或いは專売
裁定に執
つた政府の態度というものは痛烈に批判されておるのであります。権威ある
裁定を蹂躙して、そうして
政府が何ら支拂の努力をしないでこの
国会に臨んでおる態度については、誠に完膚なきまでに痛撃されておる。そういうような
政府のと
つておる態度に対して、
参議院が少くとも国民の
意思を代表いたしましてああいう結論を出して、そうして何らかの国民の期待に応えようとしておりますときに、多数を
衆議院の多数を占めている党の
意思によ
つて一方的に決定されましたそのことが、そのまま通
つて行くということになりまするならば、今後とももう目の先に見えておる專売公社の
裁定の問題にしましても、私たち全く同じ運命を迫ることは明らかであります。そういうときにあなたは、今後私共が極めて熱を入れてや
つておりますこういうような問題について、如何なる結論が
参議院で出ましても、すべて全部
衆議院のああいう一方的な
意思、いわゆる多数党の
意思によ
つて決定されて、国民の全く批判の中にありながらもその結論が実行される。そういうことについて甚だ危惧を抱かざるを得ないのでありますが、それでも
参議院はそういうような誠に腑甲斐ない、くらげのような態度をとる
参議院であ
つても一向
差支ない、そういう工合にあなたはお
考えになりますか。又それを今後どういう工合にして、それでも今の
状態において
参議院の
意思というものを尊重して、そうしてこれを権威を高めて国民の期待に応えるように実際的になし得る方法があるのかどうか。その点をどういう工合にお
考えになるか。この二点を先ず伺いたい。