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伊東隆治君 私の先程の
質問に対しまして、
政務次官並びに
管理局長の答弁、大体そういう
程度にしか
政府は言えないと思うのでありますが、何としましても、我がこの三千万余に上る
過剰人口を、
世界の文運の発展のために
一つ協力せしめるためには、今までのような観念の
移民に非ずして、やはりこの優秀、優秀という言葉は語弊がありますが、勤勉なる
日本人を
一つそういう方面に参與せしめる。これは私、公平に
世界国際正義からみて、私は必要なことだと信ずるものであります。今までの
移民は棄民というくらいに、ここに何万かの人を或る地域に持
つて行
つて、そして棄てるがごとくにそこに置いて、そこの
土地を耕さして、生命を漸く保たしめるような生活をせしめて、これで
人口問題の一部を
解決したというような一人よがりの、実に姑息な手段でありましたが、今後の、
一つ我が国民の
海外への移植はそういうことであ
つてはならんことは、過去の過ちによ
つて、我々は
はつきりとこれを認識しなければならん。その当時から言われてお
つたことは、先程
管理局長さんも言われた
通りに、この技術、当時技術
移民という言葉もあ
つたくらいに技術者を先ず出す。優秀なる人を
海外に入れて、その周辺に、それらの
関係者、
関係業務を持
つた者が段々出て行くという、そういうことで、根拠ある
海外発展、例えば、南米のドイツ
国民の発展とか、またそれに次いで出ているイタリー
国民の発展、
海外移住というような例をよく見ましても、あの過去の
移民の
方法はとにかく惡か
つた。それは
移民に対する先進国のやはり例も参考して、今
我が国は、特に
外務当局におきましては、最も重要なるところのこの問題について、例えば地域的に、その
土地の習慣と
我が国の習慣とを大いに比較
研究して、大体のもくろみを付ける。例えば技術
移民というならば、技術者方面との
連絡も積極的に取
つて講和條約ができまして、我々が必ずや講和條約において人種の平等、或いは我々の
海外への各地との交通自由、そういうものは完全に許されるということを我々は確信するものでありますからして、外務省は
一つそういうことに遅れずして、特に最も重要な
海外への
日本人の移植の問題、これを
一つ科学的に、そうして又非常な力を入れられて
研究して頂きたい。又今後ともこの問題につきましては、私たびたび
質問もいたし、又国論も漸次これに向けて、真面目に
一つ海外に我々が段々行けるようになければならんと思うのであります。今回は大体こういう雑駁なる
程度の
質問にいたして置きたいのでありますが、
政府当局におきましても、この点に一層留意せられて、緊急いよいよの時が来た場合に、手遅れにならんように準備して頂きたいという希望も加えて申上げたいのであります。この点に関して倭島局長、何かさつきの問題についてお答えすることがありましたらお願いしたいと思います。