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1950-02-20 第7回国会 参議院 外務委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月二十日(月曜日) 午後二時二十一分開会 —
——
——
——
——
——
——
本日の会議に付した事件 ○
講和
に関連する諸般の
基本方策樹立
に関する
調査
の件 —
——
——
——
——
——
——
野田俊作
1
○
委員長
(
野田俊作
君)
只今
より
外務委員会
を開きます。 本日は
講和
に関連する
基本方策樹立
に関する
調査
の一部として
海運
問題を取上げたいと思います。
海運
問題は申すまでもなく
我が国
にと
つて
はその
立地條件
から見て現在及び将来に
亘つて
最も重要な問題の
一つ
であります。
日本
は
経済自立
の見地から
自国船舶
によ
つて
その必要とする
輸出入物資
を運び、併せて
世界
の
経済
にも貢献せねばなりません。十分な
海運力
を保有し、諸
外国
と円滑な交通、
貿易
に従事することは
占領下
の現在においても極めて要望されておるのでありまして、況んや、
講和
後においては十分な発展をなさねばなりません。
参議院
においては去る二月十七日
外航配船促進
に関する
決議
を満場一致を以て可決いたしましたが、これもひとえに
海運
問題が
我が国
にと
つて
最も重要で、
我が国
は
海運
に
頼つて
、今後は
自立
せねばならんことを認識した結果と存じます。本日はこの意味において
我が国船舶界
の
専門家
である
淺尾郵船社長
、並びに
一井三井船舶社長
を煩わして、種々御
意見
を伺うことにいたしました次第であります。本日は
運輸委員
の
方々
、外務省、運輸省の
担当官
も見えておりますので、お二人の
お話
の後に、時間の許す限り御
意見
の交換を願いたいと思います。先ず
淺尾郵船社長
にお願い申上げます。
淺尾新甫
2
○
参考人
(
淺尾新甫
君)
只今
御紹介頂きました
日本郵船
の
淺尾
でございます。
参議院
におかれまして
外航配船
の
促進
について御
決議
下す
つた
ことは、我々
海運
に
従つて
おるものにとりましては、誠に有難いことでございます。ここに厚く御礼申上げます。
日本海運
の
重要性
と申しますか、
日本
の
経済
上における
地位
という点について聊か申上げまして、そうして今
日本海運
がどういう点において束縛を受けているかというようなことについて、卑見を申上げて見たいと存じます。少しく古いことに亘りますが、先ず
戰前
から
日本
の
海運
が、
日本
の
産業
において如何なる
地位
にあ
つた
かというような点から
お話
して見たいと存じます。
戰前
におきましてはよく申されまするように、
日本
の
海運
は
世界
において第三位であ
つたの
であります。この第三位にな
つたの
は
昭和
にな
つて
からでございますが、今次大戰の勃発当時の
数字
を申上げますならば、一九三九年六月末の
数字
でございますが、その当時の
世界
全
船腹
は一千総
トン
以上の船だけを拾
つて
見ますと、総計六千八百万総
トン
であ
つた
わけでございます。この六千八百万総
トン
のうちに第一位を占めたのは
イギリス
でありまして、
イギリス本国
だけで約一千七百万総
トン
、それを自治領その他を入れますと二千万総
トン
以上に上
つて
おります。第二位が
アメリカ
でありまして、一千万総
トン
であります。尤もこの中の約二百万総
トン
というものは、湖水の中を航行している船でありますから、これは
貿易
上に
関係
ない
数字
であります。これを引きますと、
アメリカ
の
保有トン数
は八百数十万
トン
でありました。
日本
はと申しますと、一千総
トン
以上の船が当時五百六十万総
トン
あ
つた
わけであります。百
トン
以上の船で計算いたしますと、約六百万
トン
、こういう
数字
でございます。そういうふうな
世界
における第三位の
地位
を占めておりました。それで、その持
つて
いる船の
船質
から申しますと、
アメリカ
よりむしろ
日本
の方が優秀であ
つたの
であります。と申しますことは、当時
日本
におきましては、
世界
に稀な
貨物船
を沢山持
つて
おりまして、この
貨物船
が七つの海で働いてお
つたの
でありますから、
貿易関係
におきしては、むしろ
アメリカ
のよりも優位の
地位
にあ
つた
ということを申上げることができると思います。それで
日本
の
貿易
を申しますと、
戰前
いつも
日本
の
貿易
は
輸入超過
でありました。ところがこの
海運
の
収入
によりまして、
貿易
の
輸入超過
を消して参
つて
来たというのが、
日本
の
貿易
の実情であります。
日本
の
貿易
が
輸出超過
にな
つたの
は、前大戰の直後の期間でありまして、それ以外は毎年
輸入超過
を続けて来たところを、主としてこの
海運
の
収入
によりまして入超の
赤字
を消してお
つたの
であります。その
海運
の総
収入
は、
昭和
五年頃をと
つて
見ますと、約二億円に近く、そうして純
収入——海
外での支拂を差引いたのが
——
一億数千万円という
数字
にな
つて
おります。それから逐次 総
収入
及び純
収入
は殖えて参りまして、多い年におきましては二億万円以上が純
収入
であ
つたの
であります。こういう純
収入
を以て
日本
の
輸入超過
の
赤字
を消して参
つて
来たのであります。その当時
日本
の船が働いてお
つたの
は、勿論
日本
を中心とした
輸出輸入
の
荷物
を運んだのでありますが、それ以外に又
第三国
間に
配船
いたしまして、
第三国
間の
荷物
をも
積取り
まして、こういうふうな
外貨
の
収入
によ
つて
、いわゆる見えざる
輸出貿易
というものをや
つて
お
つたの
であります。
戰前
の
状況
は先ずそのくらいの概観にい止めまして、
戰後
に移るわけでありますが、
戰争中
に
日本
の
海運
の蒙
つた
打撃
は諸
産業
の中で第一位でございます。それは
戰前
に約六百万
トン
ばかり持
つて
いたのでありますが、
戰争中
に三百数十万
トン
の船を建造いたしまして、
戰前
の船と
戰争中
の
建造船腹
と合計いたしますと約一千万
トン
に近いものであります。そのうちから
戰争
によ
つて
喪失した
総トン数
は八百万
トン
以上に達しているのであります。今度の大戰によりまして一番多く船を
失つたの
は
イギリス
でありますが、
イギリス
の
失つた数字
は一千百万総
トン
、これを
イギリス
の
戰前
に持
つて
おりました一千七百万総
トン
に比べれば、まだ六百万
トン
が余
つて
いるということが言えるのです。ところが
日本
では、
戰前
には六百万総
トン
持
つて
いたものが八百万総
トン失つた
ので、
戰前
に持
つて
いたものにプラス二百万総
トン失つた
、こういう
状況
であります。そのような非常な
打撃
を蒙りまして
戰後
に持越し得た総
船腹
は百三十万総
トンそこそこ
という
状態
にな
つたの
であります。而もこの百三十万総
トン
の内容を見ますると、その七割は
戰争中
に急に作りましたいわゆる
戰時標準型繋船
でありまして、これは性能の非常に低いものであります。
残り
の三割が老
齡船
でありまして、これは老齡なるが故に
陸海軍
の徴用を免れたという恰好にな
つて
おります。免れた結果
生残つた
というわけでありまして、七割の戰標船と
残り
三割の老
齡船
、それ以外に残
つた
ものは五本の指を屈するくらい極くみじめな姿であ
つたの
であります。かような姿で
終戰
を迎えたのでありますが、
終戰後
に又ひどい
打撃
を
海運界
は蒙
つたの
であります。それは
戰時補償打切
りという形で現われて参
つたの
であります。これは戰時中に
船会社
が
沈没船
に対する
保險金
を収得してお
つた
か、或いは又
保險金
を請求する権利を持
つて
いたか、こういうすでに収得したものは貯金の形にな
つて
おりますし、尚収得しないものは
請求権
という形にな
つて
お
つたの
であります。これを
戰時補償打切
りという形で全部御破算にされてしまいました。この
金額
が当時の
金額
といたしまして二十数億円に達しておるのであります。
戰争
によ
つて所有船
は殆んど失い、その上に
戰時補償打切
りによ
つて
二十数億円のものをなくして
しまつたの
でありますから、
日本
のあらゆる
船会社
というものは文字通り
壊滅的状態
にな
つたの
であります。然るに
戰後
どうしても
日本
には
海運
がなくては
日本
の
経済再建
は
覚束
ないというので、
船会社
といたしましても、又
政府当局
といたしましても、どうにかしてこの壊滅した
海運
を再建して行かなくてはならんという決心の下に
新造船計画
を立てて参
つたの
でありますが、
戰争
直後におきましては、
日本
に
海運
を持たせることは再び
日本
に
潜在戰力
を持たせるのであるというふうな声が
連合国
の間にもまだあ
つたの
でありまして、従
つて新造船
計画
と申しましても思うように参らなか
つたの
であります。で、最初許されたのは二千
トン
以下の船、こういうふうな微々たる姿でありました。ところが
客観的情勢
の
好転
によりまして二千
トン
以上五千
トン
までは
造つて
もいいというふうな
状態
にはな
つて
参
つたの
であります。そういうふうな
状態
になりましたが、
船会社
の財政的の非力から申しまして、なかなか思うような
建造計画
も立ち得なか
つたの
であります。 そこで
政府当局
として、また
船会社
といたしましても、何とかしてこの困難な
状況
を打開しなくちやならんということで考えついたのが、
船舶公団
というものを作りまして、一部を
船舶公団
が保有し、一部を
民間
が保有するという共有の形式によ
つて新造船
を進めて
行つて参つたの
であります。しかしこの
船舶公団
というものにつきましてはいろんな批判も起こりまして、今年に至りまして
船舶公団廃止
ということも確定をみましたので、今後は
船会社
といたしましては自力で
新造船計画
に乘り出さなくてはならんということに相成
つたの
であります。 併し一方
客観的情勢
の
好転
に伴いまして、殊に
アメリカ側
の絶大なる
理解
と
援助
の下に五千総
トン
以上の船も
造つて
もいいということが去年初めて了解が得られまして、昨年度におきまして初めて五千総
トン
以上の船も造る
計画
を立て得たのであります。殊に見返
資金
をこれに流し込みまして、
半額
は見返
資金
により、
半額
は
船会社
の
資金
によ
つて
造るという
計画
を立てまして、昨年度の
計画
におきましては三十万総
トン
の
外航適格船
を造る
計画
を立て得るに
至つたの
であります。 そこで問題になりまするのは、かような
外航船
を
造つて
果して
外航
に
配船
ができるであろうかという点であります。この点につきましては現在非常な
制約
を加えられておるのであります。それは先ず
外国
に
配船
する場合には、勿論
日本
の旗を立ててはいけないのであります。これは
占領軍
の旗の下に
占領軍管理船
として
配船
されておるのであります。まずこれが
一つ
と、それから一
船ごと
に
外国
での
入港許可
を取得しなくてはならないのであります。この一
船ごと
の
入港許可
というのが
商売
の上から申しますと非常に
制約
になるのであります。と申しますことは、
一つ
の
荷物
について引受なり何なりをいたしますときに、いつも
入港許可
を
條件
としなくては
商売
の引受けができないということにな
つて
おりますから、商機を逸すること非常に大きいのであります。普通の
状態
におきましては、全面的の
入港許可
というものが
通商航海條
約の下においては得られるのであります。 次の
制限
と申しますのは、これは
貿易
上の
一般制限
と同様でございますが、
外国
に
店舖
を持
つて
営業することができない、こういうことであります。仮に
日本
人が
外国
に駐在して
店舖
を持たなくても、
外国商社
を
代理店
としてもいいわけでありますが、それも今はまだ許されない
状況
であるのであります。 それから更にいろいろな
制約
の
一つ
といたしましては、
外国
におきまして
石炭
なり
石油
なり船を動かす
燃料
を支給して貰うことができないという点であります。もう
一つ附加
えまするならば、船の
食糧
さえもまだ
外国
で支給を受けることができないというような
状況
であります。かような大きな
制約
がありますので、
外航
についての
配船
は目下の
状態
におきましては非常に困難な
状況
であるということが言えると思います。 そこで
参議院
でも御
決議願つた外航配船
の
促進
ということは、これらの
制約
を解いて頂くということであろうと私共は察しております。かような
制約
は
連合軍
総
司令部
におきましても、又
アメリカ政府
としても、できるだけ解いてやりたいという心持は十分あると思いますが、何せ
占領下
にありましては思うようになりませず、殊に
日本
の
海運
の復興につきましてはいろいろな
疑惑
を持
つて
いる
国々
もあるわけでありまして、
疑惑
或いは又今後の
競争相手
になるという点からする懸念からも来ておるのでありますが、さような
国々
におきましては
講和条約
が
締結
を見るまではなかなかさような
制約
を解いて呉れないのではないかということが容易に想像されるのであります。そういうわけでありますから私共といたしましては、いわゆる
單独講和
でもよいからどうにかして敵国という
状態
から抜け出して、そうして自由な
活動
に移りたいということを念願しておるわけであります。若しいわゆる
單独講和
即ち或る
特定国
を除く以外の国が
講和
に参加して呉れるならば、当然
講和
後には
通商航海條
約も
締結
を見るでしようし、そうしますると先程申上げましたような
制限
は撤廃されるものと信じておるわけであります。
終戰後アメリカ
から著名な
方々
がたびたびお見えになりまして、その
方々
と私はいつもお目にかかる機会を得ております。で、その際にはいつも
海運
問題を提起いたしまして、
日本
を
自立
させるというからには
日本
の
経済
の
自立
がなくてはならん、
日本
の
経済
の
自立
のためにはどうしても或る程度の
商船隊
を持たして貰わなくてはならん、この
商船隊
が海外で
活動
を許して呉れなければ
日本
に
自立
を許す
といつて
もそれはただ口先ばかりのことであ
つて
、本当に
日本
を
自立
させるとう
方策
を採
つて
おるものとは考えられないということを繰返し申上げますが、その
方々
は
日本
の
海運
問題には大いに同情する、併し今はまだいろいろな国際的なうるさい問題があるからなかなかそうはいかんのだということを言われるのであります。これは
ポーレー大使
にはお目にかかれませんでしたが、ストライク・ミッション以来ずつと来られる
方々
には私繰返して申上げたところであります。さようなわけでありまして、
アメリカ
の有識者としては
日本
の
海運
に対して非常な同情と
理解
とは持
つて
おられるわけであります。ただ
アメリカ
の船主の一部には
日本
の
海運
が復興すると
日本
と
自分達
の
競争
が殖えるわけでありますからこれを好まん向きもあるわけでありますが、
アメリカ
の
海運界
の
人々
に対しても個人的に会いますと
日本
に
海運
を持たせるということは当然であるということはよく言われるところであります。それからまた
イギリス
からも
海運人
がときどき訪れるのでございますが、さような
人々
にも私は個人的に接触いたしまして
日本
の
海運
を、
商船隊
を持たせないということは正義に反するのではないかということを、議論をふつかけますと、それは誠にその通りだということを申しておるわけであります。さようなわけでありますから、どうぞ皆さんのご
援助
を得まして、一日も早く
日本
の
海運
が自由に
外国
において
活動
できるような
状態
が立至らんことを一重に希望しておる次第であります。尚私の申上げましたことについて御
質問等
でもございましたならば知るかぎりにつきましてお答え申上げたいと存じます。誠に有難うございました。
野田俊作
3
○
委員長
(
野田俊作
君) それでは続いて
一井三井船舶社長
。
一井保造
4
○
参考人
(
一井保造
君) 私
三井船舶
の
社長
一井でございます。
只今淺尾
さんから
戰前
戰後
の
世界
及び
日本
の
海運
の
一般状況
及び
日本船
を
外国航路
に
配船
する
必要性等
につきして詳細な御
説明
がございました。私がこれに対して蛇足を加える必要はございませんが、尚私の考えを少々申上げまして、又
資料等
につきましても今手許にございますものはここで御
説明
し、尚又必要なのものがございましたなら作成して差上げたい存じております。
日本船
を
外航
に
配船
するという
必要性
につきましては、
外貨
を獲得して、いわゆる
国際収支
の改善を図ることと、それから
日本近海
における
船腹
を調整する必要があるということ、尚
我が国
の
貿易
を振興するためには是非とも
日本
の
海運
を振興し、
日本船
を
外国航路
に持
つて
行く必要がある、このような
理由
がございまして、これはすでにしばしば多くの人によ
つて
唱えられております。事実
日本船
を
外航
に
配船
することは
我が国海運業者
の齊しく希望するところでございまして、
海運界
に関しまする一切の問題は、
邦船
の
外航配船
に問題が集中しておると
言つて
も過言ではないと存じます。ところがこの問題の実現が非常に困難である、そのゆえんは
一つ
は
講和條
約が未だ
締結
されていない、或いは
通商航海
に関する
各国
との協定が結ばれていない、これが
原因
でございまして、又この外に如何に我々が
外航配船
を希望いたしましても、事実
外航
に
配船
し得る
適船
が少い点が指摘されまして、これらが
外航配船
に対する困難を形成いたしております。ところが第五次
新造船計画
並びに
戰標A型船
の
改造計画
及び
在来船
中
大型優秀船
につきまして大修理を施し
船級
を獲得する、これらの
方法
が併用されまして、次第にいわゆる
外航配船
も増加して参
つたの
であります。これを具体的に申上げますると、現在いわゆる
外航敵船
即ち
船級
を持
つて
おりますものが
総トン数
九万二千三百七十三
トン
、
デッド
・
ウエイト
十四万四千
トン
でございますが、
昭和
二十五年度中に
外航就航
の資格を取得いたします
予想船腹
を申上げますと、
総トン数
は
貨物船
で約四十八万
トン
、
タンカー
で約二十万
トン
、
重量トン数貨物船
約七十五万
トン
、
タンカー
で約三十一万
トン
ございまして、
昭和
二十六年三月末現在では
貨物船
、
タンカー
を含めまして
合計総トン数
約七十七万
トン
、
重量トン数
約百二十万
トン
を予想されます。かように
船腹
は増加して参りますので、
従つて外航配船
に関して
適船
が少いという点につきましてはこの
船腹
の問題は解消いたされます。残る問題は
邦船
を
外国航路
に
配船
するために
航行区域
に関してまして包括的な
承認
が與えられていない。尚
積荷
の取決めにつきましてもこれが
引合い
とか、或いは
運賃
の取決め等につきまして未だ自由な裁量が與えられていない。少なくとも現在のように
運賃
につきましても一々
承認
を得る必要があり、この点は
戰前
のように自由に
引合い
をし、自由に
運賃
を取決め、これを事後報告するような
方法
に変えなければ自由な、円滑な
外航配船
がむずかしいと存じます。又先程
淺尾
さんからも
お話
がございましたが、外地に
日本
の
海運会社
の支店、或いは
代理店等
がない。これらも
外航配船
に関して自由な
活動
を阻害する
一つ
の
原因
でございます。又先刻
お話
がございましたが、
外航配船
の場合に、
日本船
に対して
食糧
、或いは
燃料等
の補給につきましても円滑に参るように措置をしなければならんのでありす。 次に
外航配船
につきまして問題になりますのは、
目下世界
の
運賃市況
の惡い、香ばしくないということでございます。
従つて
高い
船価
の新
造船
を
配船
して果して採算がとれるかということが一応問題になると存じます。併しながら無
條件
で
戰前
のような
外国配船
が許される場合におきましては、
各国
の
海運
の間に差別的な待遇がない限り
日本
の
海運業者
としましても、
市況
が惡い
といつて
、みずからの
外航配船
に関する
経営
を否定する
理由
はないのであります。尤も自由な統制のない
外国航路
において
活動
するためにはできるだけ低い
コスト
で、よいサービスを提供する必要がございます。これをしなければ到底
世界
の
海運界
において
活動
ができない、生存ができないということは自明でございます。
コスト
を引下げるためには、新
造船価
を下げる必要がございます。尚この外に新
造船
の
船価
以外にも重要な問題としまして、
船舶金融
の金利の引下げ、その他
船舶
の定員の問題、或いは
船体
に対する
船体保險料
の問題、或いは
燃料費
の
問題等
沢山ございます。これらにつきましては一々これを研究し、これを改善いたす必要がございます。尚又先刻申上げましたが、この外に有利に
配船
するためには、自由な
引合い
をし、自由に
運賃
を取決める必要がございます。又高い
船価
の新
造船
だけで
経営
することはそこに無理がありますので、低い
船価
の
在来船
を使用して
コスト
を平均的に引下げるということも考えられます。或いは又安い
船価
の
外国船
の購入、あるいは
傭船等
の問題もございまするが、これにつきましては、
日本
の
海運政策
の根本的問題としまして、十分に周囲の
状況
或いは環境、
荷物
の
出工合等
を考えまして、その辺に
価値判断
に余程の考慮を加えなければ可なりむずかし問題が発生すると存じまするが、併しながら少なくとも
世界
の
海運界
に出て行く以上におきましては、
経済
的には何らかこれらにつきましては総合的に考えなければならない時期が来るように存じます。
日本船
の
外航配船
につきましては、幸いに現在積取
荷物
並びに
航行区域等
につきましても、漸次これが拡張を見まして、段々と改善されております。尚一歩を進めまして、
日本
の
配船
についての
積荷
、或いは
航路等
につきましても、更にこの範囲を伸し、自由が與えられて、
民間
の
経営
に移される日の一日も早からんことを希望しておる次第であります。尚必要な
資料等
につきまして御
質問
がございますれば申上げたいと存じます。
野田俊作
5
○
委員長
(
野田俊作
君) 有難うございました。何か、どうぞ御質疑を。
早川愼一
6
○
委員外議員
(
早川愼一君
) 今までアラビアの原油を
積取り
に行
つた
り、或いは
タイ米
を
積取り
に行
つた
りする
許可
は、あれはその都度々々
許可
が下りているのですか。それからあれは
日本
の
輸出向け
のものを積んで向うへ行くのでありますから、空つぽで行くのですか。
淺尾新甫
7
○
参考人
(
淺尾新甫
君)
バーレン
へ行く油の
積取り
は
タンカー
ですから行けない
荷物
は何もないです。それから
タイ米積取り
とか何とかになりますと、
日本
からの
荷物
も取
つて行つて
いいわけです。いわゆる
雑貨
ですね。
セメント
とか何とかまとま
つた
荷物
以外は
雑貨
を積みますと
外国
の
船会社
から非常な抗議が出まして、今後はそういう
雑貨
を積んじやならんということを言われたのです。
雑貨
と申しますと
定期船
の
荷物
ですから……ただ
セメント
とか、まとま
つた
ものになりますと、
定期船
だけでは積取れませんから、それは積んでもいい、こういうことにな
つて
おるわけです。
早川愼一
8
○
委員外議員
(
早川愼一君
) それから今までにどのくらい
許可
されているのですか。例えば
タイ米
を
輸入
する全部を
日本船
で積取
つて
もよろしいということにな
つて
おるのですか。
淺尾新甫
9
○
参考人
(
淺尾新甫
君) そうな
つて
いないのです。その都度、例えばこういうことなんです。今度五万
トン
タイ米
を
輸入
する、その
輸入
が決ま
つた
ときに、これは全部
日本船
であるとか、或いは半分は
日本船
で積取
つて
いいとか、そのときどきに決めて行くわけです。この間の例えば
開らん炭
が三十万
トン
入るということになりましたが、これは
日本船
は駄目で、一切
英船
で決まりましたが、その
商売
の
度ごと
に決めて行くのです。
早川愼一
10
○
委員外議員
(
早川愼一君
) 現在までにどのくらいの船が、その今の
積取り
に出たのですか。
淺尾新甫
11
○
参考人
(
淺尾新甫
君) 延べにすると非常にむずかしいのですが……。
朝田靜夫
12
○
説明員
(
朝田靜夫
君) 最近の
外航配船状況
を御
説明
いたします。
朝鮮
には大体
石炭
の
輸出
が、
日本
からの
輸出
が多いのであります。これが最近の
配船事情
ではA型と申上げまして、
戰時標準
型の、約
デッド
・
ウエイト
にいたしまして一万
トン
ばかりの船が一杯、それからE型と称しまする、やはり
戰時標準
型の船が二杯出ております。それから
フイリピン方面
におきましてはA型が四、D型としまして約四千五百
トン
ぐらいの
重量トン
と持ちますところの船が一杯、
戰後新造
されましたB型という船が三杯、C型が同じように
戰後新造
されましたものが二杯
配船
されておるのであります。
近海
三区につきましては、シヤム、ビルマの米の
輸入
の
配船
に当てられておりますところのものが、A型及び
戰後新造
のB型、同じくC型及びD型を合せまして約又
在来船
の
デッド
・
ウエイト
六千
トン
以上のものも合せまして十三杯
配船
されておるようなわけであります。合計致しますと
バーレン
の先程
お話
のありました
石油
の
積取り
に参
つて
おります
タンカー
も合せますと約三十八隻、二十七万五千
重量トン
の
船舶
が
外国方面
に
配船
されておるような
状況
でございます。
野田俊作
13
○
委員長
(
野田俊作
君) そうするとさつきの
お話
のように
日本
から何も積んで行かず、積んで行くものは向うから……、例えば
朝鮮
に
石炭
を持
つて
行くと、
朝鮮
から
日本
に持
つて
来るものは勿論積んで帰るのですか。
朝田靜夫
14
○
説明員
(
朝田靜夫
君) 原則といたしましては片荷でございまして、先程
淺尾社長
から
お話
がございましたように、
定期船
の、
ライナー・カーゴー
と称しますものは
外国船会社
の苦情も出ますので、往航には
ライナー・カーゴー
は積取ることを現在のところでは遠慮しなければならんという
状況
にな
つて
おるのでございます。先程の
数字
は三十八隻、二十七万五千
重量トン
というものは
貨物船カーゴー
の
トン数
だけであります。
タンカー
はその外に十六隻、二十一万七千
重量トン
、これが別に
バーレン
の油
積取り
に
配船
をされておる
状況
でございます。
伊達源一郎
15
○伊達源一郎君 今大型の船の建造
状態
はどういうふうなことにな
つて
おりますか。
淺尾新甫
16
○
参考人
(
淺尾新甫
君) 先程ちよつと申上げました二十四年度の
造船計画
が、いわゆる第五次
造船計画
と申しまして、これが四十二隻、三十万総
トン
だけ建造中です。これができ上るのが来年の一、二月頃に全部でき上
つて
しまう。早いのは今年の秋早々から就航できます。
伊達源一郎
17
○伊達源一郎君 大きなのは……。
淺尾新甫
18
○
参考人
(
淺尾新甫
君)
タンカー
で一万二千
トン
、
貨物船
は七千
トン
ぐらいでしよう。
野田俊作
19
○
委員長
(
野田俊作
君) 新谷君何か……委員外でも結構ですから。
伊達源一郎
20
○伊達源一郎君
海運
の立場からい
つて
講和
会議に一番要求したい、希望したいことはどういう点が一番大きなことですか。
淺尾新甫
21
○
参考人
(
淺尾新甫
君) 先ず第一に
日本
の保有
船腹
に
制限
を加えないということ、船型、速力に
制限
を加えないこと、それから後は
通商航海條
約によ
つて
各国
と自由に交通ができる。こういう点を希望しております。
新谷寅三郎
22
○
委員外議員
(新谷寅三郎君) 今までの御
説明
を伺わなか
つたの
でありますが、私一番心配しておりますのは、本年の五月頃から相当大型船が沢山でき上
つて
来るという
状況
に相成
つて
おります。これは勿論総
司令部
の方の好意によ
つて
許可
されておるわけですが、これらの船ができ上りました場合に、一体それをどういうふうに
配船
するかということについて現状では今非常に不安なのです。今の
日本
の
船価
が高いということも
原因
いたしますが、こういう船を仮に
外航
を許されましても多少
外国航路
に従事する、そうして
外航
貨物を運ぶというようになりましても、おそらくこういう新
造船
では採算割れになるのではないかということも考えなければならないと思うのでありますが、第一に
配船
計画
についてどういうふうな
計画
をお持ちにな
つて
おりますか。 それからそれぞれに
配船
された場合に、現在の
世界
の
海運
状況
からい
つて
果して採算がとれるものであるか。又今のような例えばフイリピンの鉄鉱石とか、アンガウルの燐鉱石というものを持
つて
来ておるだけで採算になるか。やはりこういう新
造船
というものは或る程度
雑貨
というような、いわばライナーとして活用をしないと本当の
経営
ができないのではないか。こういうことを心配をするのであります。先般
参議院
で
外航配船促進
決議
を出しましたのも、こういう点から来ておると思うのでありますが、この辺について
淺尾
さんや一井さんか忌憚のない御
意見
を……。
淺尾新甫
23
○
参考人
(
淺尾新甫
君) 新
造船
が採算とれないということは先程一井君も言われたのです。それで新
造船
だけを取
つて
見ますと、トランパーとしては無論採算はとれませんし、仮に定期航路に入
つて
見ても採算が相当むずかしいのではないか。その採算をよくする
條件
といたしましては現在背負
つて
おる金利が非常に高い、この
造船
船価
が高いということは、これは契約済ですから、これを安くするわけに行かない、金利の高い点をもつと金利を引下げると相当負担が軽くなります。現在の金利は五〇%が見返
資金
から借りておりまして、これの金利が7分五厘、それ以外は市中銀行から借りておりまして、これの平均は一割一分くらいになるらしいのであります。一割一分という金利は
世界
の金利に比べますと約三倍以上にな
つて
おります。大体英米の金利としても二分から三分程度ではないかと思います。ですから三倍以上の金利を背負
つて
おり、
競争
力が弱い。この金利が三分金利の水準までと申さなくても、仮に五分近くの引下げになると相当な
競争
力ができて来る。それ以上に、先程一井君がちよつと
説明
して置きましたが、新
造船
だけでは採算は割れても、外に安い船で埋め合せて対抗して
配船
すればどうにかな
つて
行くのではないか。こういう考えであります。その安い船で埋め合せるという意味においては、今後
外国
の安い船、中古船の安いのを
輸入
するとか、或いは又
外国
産の安い船で裸傭船をするとかいうことも今後あり得るようにな
つて
来ると思います。 それからトランパーに新
造船
を直ぐに持
つて
行くということが第一異例でありまして、新
造船
をどうしても消化するにはライナーでなくちや消化しにくいと思うのであります。ライナーにすると、同盟という厄介な問題があるのであります。この同盟に
日本
が入れるか入れないかということも
一つ
の問題ではありますが、従来同盟のメンバーであ
つた
会社が復帰するのは割合に容易ではないかと私は見ております。
新谷寅三郎
24
○
委員外議員
(新谷寅三郎君)
只今淺尾
さんの御
説明
で、やりようによ
つて
はこれは採算割れもしないし、
外航
にも出す途があるように了承しました。そこで一番後で
お話
になりましたように、仮に
講和條
約というものができ、或いは
講和條
約ができたと同じ
状態
ができたといたしましても、問題になるのはその後に来る
通商航海條
約であり、更に一番ビジネスとして問題になるのは、今の同盟の問題であろうと思うのであります。この点については各航路別にこれは相当違
つた
状況
にありますし、
戰後
特にその
状況
が変
つて
おると思うのであります。それについては、何か
船会社
相互間において、或いはこれは外務省とか、
海運
局あたりが中心にな
つて
相当今から
調査
もし、それに対する対策も立てて置かないと、容易に実際の
荷物
の
積取り
はできないという結果にいなるのではないかと思うのですが、この点について御
意見
があれば伺いたいし、又外務省や
海運
局の方で何かお考えにな
つて
おるところがありますれば、伺いたいと思います。尤もこれは非常に国際的に今むずかしい問題であろうと思います。併し一方で外交交渉を何らかの形においてして頂くことと並行いたしまして、これはやはり国内的にもこの態勢を整えて置かないと、如何に外交交渉が進んでも……又国内態勢が整いましても、それに応じた外交交渉を一面や
つて
頂かないと、実現できないような結果になるのではないかと思いますが、お考えがありましたら伺いたいと思います。
一井保造
25
○
参考人
(
一井保造
君) 今新谷さんの
お話
の点は、先程
お話
の点は、一番むずかしく、而も一番大事な点であろうと思います。これに対しまして、
淺尾
さんから
お話
がありましたが、私も全然同感であります。これを逆に申しますると、段々と
日本
の
海運
を再建するためにいい船が必要であるということで、
新造船計画
を立てて、而も着々実現しつつありますが、
條件
が未だ熟さないうちに、言い換えれば、
日本
の
外航配船
が完全に認められないとうふうなうちに、それを
船会社
の自分の採算においてやれというふうな事態に
なつ
た場合には困るというような考え方が
海運業者
の中に非常に濃厚であるということを
一つ
この際申上げたいと思います。これは決して
船会社
が我利我利でそういうことを
言つて
いるのではない。事実そういう
状態
にあることを心配しているという向きがあるということを申上げて置きます。但し先刻も申し上げましたが、若しも
條件
が與えられて、そして、我々が自由にやり得るならば、これは採算上も惡いという点は、度外視しても、
一つ
の企業者として、自分の力で以て倒れてもやるという気概とその精神は必要であるということは先程も申上げた通りでありますので、その点は
一つ
誤解のないようにして頂きたいと思います。
朝田靜夫
26
○
説明員
(
朝田靜夫
君)
只今
の
通商航海條
約が若しできましても、ライナーとしてのコンフアレンスの同盟等の問題があ
つて
、自由に貨物が積取れないというお説に対しましては至極尤もなんでありますが、現在の段階から申上げますというと、まだそこまで行く前に政府としてもいろいろ現実の
外航配船
に対しまするところの
制約
が余りに強く、又数の多いリストリクシヨンの下に置かれておりますから、これを先ず外務省その他
関係
の機関とも十分打合せをいたして今から準備をしなければならない問題であると考えております。
新谷寅三郎
27
○
委員外議員
(新谷寅三郎君) 御尤もだと思うのです。それで今直ぐにどういう対策があるか、今どういう手を打
つて
おるかということを申上げておるわけではないのです。これは
海運
局でも、外務省でも御承知だと思いますが、A型の改
造船
だけを見ましても、五月には一万
トン
、六月には七万六千
トン
、七月には十三万六千
トン
、八月には七万六千
トン
、九月にいは四万四千
トン
というふうに改
造船
ができ上
つて
おる。一方又これは全然違
つた
船でありますが、各社で工夫をされた大型の新
造船
が七月から二月の間に
デッド
・
ウエイト
三十万
トン
くらいのものは出て来るのであります。先程一井さんから言われましたように、
外航船
の全然希望もなし、又これをどう国内で
配船
するかという
計画
も的確に立たないでこういう船ができ上
つて
来て、それは船主の採算でこれをやれと言われても、これは殆ど
日本
の
海運
を破滅に導くだろうという気がするのであります。恐らく
関係
方面でもこういう大型船の新造乃至改造を許されたということは、やはり
適船
適航主義で、適当な航路にこれを
配船
させることについての考慮があるものと考えざるを得ないのでありますが、それについてこの船のでき上
つて
来るのを待たないで、今からでき上る期日は明瞭ですから、外務省とか運輸省においてこれを如何に
外航
に使
つて
行くかということについての真劍な折衝と御考慮を願いたいと思います。そうしないとでき上
つて
からやりましてもやはり数ケ月間は船ができ上
つて
も繋船しなければならないということにな
つて
は
船会社
といたしましても非常に困るのみならず、
日本
の
海運
のこれは破滅の
原因
になるというふうに考えられるのでありますから、特にこの点は、希望に過ぎないかも知れませんが、是非真劍に折衝を急いで頂きたいと思います。これは
参議院
の
決議
の趣旨でもあると思いますから、是非お願いしたいと思います。 それから先程
淺尾
さんからの
お話
にもございましたが、やはり
外航
に
配船
するという前提でものを考えて参りますと、船の性能もございましようし、私から申上げましたようなコンフアレンスへの加入の問題もございましようが、一面においてやはり
日本
の船費、或いは
船価
を安くする
方法
を考えて行かなければならない。私の間違
つた
ニユースかも知れませんが、私の聞くところによりますと、
只今
日本
に
各国
から船の建造についての照会がある。入札まで行
つて
おるかどうか知りませんが、
イギリス
等と比べますと、やはり二、三割は
日本
の方が高いというような事実もあるように聞いておるのであります。こういう
状態
でありますと、やはり
造船
の
船価
につきましても合理化すべきものは合理化して、如何にして
船価
を安くするかということを考えなければならん。又国内において最近において船の修繕料を見ましても、
造船
所によ
つて
は或る
造船
所の数倍、乃至多いのになると十倍くらいの入札をしておるところがあるようであります。修繕費等についてもこういう開きが出るのですから、新
造船
について相当会社として自分の採算を土台にすると大きな開きができる。そこに
世界
海運
とのいわゆる
競争
力という点についてはまだまだ考えなければならん点が沢山残されておるという気がするのでありますから、ですから
船価
の問題についてももつと真劍な考慮を拂
つて
行かないととても
外航
に乘り出すだけの準備はできないのじやないかという気がいたします。また船費の方におきましても船員のマンニングの問題や、給與の問題、いろいろありまして、これについても同じような意味においてやはり考えるべき点があろうかと考えます。 又先程特に
淺尾
さんが指摘されましたが、金利の問題でございます。
只今
見返
資金
等の使用を許されて、
資金
は相当潤沢に廻るような端緒ができたのでありますけれども、如何にも金利が高いためにこれではとても
外国
との
競争
にはならい。どこへ行
つて
も
日本船
は高くて売れないという結果になるのじやないかという心配があります。又直接補助金を出して建造させるというような
方法
は
日本
では今採れないということは分るのですけれども、
従つて
船舶
に対する低利金融というものは、これは
各国
とも共通の政策だろうと思うのであります。これには成るべく近い機会に明確な政策を示して
日本
の
海運
の行くべき方向についての目処を與えるということがこの際是非必要であるかと私は考えているのであります。これは御答弁がしにくか
つた
ら御答弁は要りませんけれども、是非この点について真劍な政策の立案に当
つて
頂きたい。それを
促進
して頂きたいということを特に希望いたす次第であります。
野田俊作
28
○
委員長
(
野田俊作
君) 別にご発言もなければ、本日はこの程度で散会いたします。 午後三時二十二分散会 出席者は左の通り。
委員長
野田 俊作君 委員 金子 洋文君 淺井 一郎君 伊達源一郎君 佐藤 尚武君
委員外議員
新谷寅三郎君 早川 愼一君 政府委員 外務事務官 (政務局長) 島津 久大君
説明員
運輸事務官 (
海運
局輸送課 長) 朝田 靜夫君
参考人
三井船舶
株式会 社々長 一井 保造君
日本郵船
株式会 社々長
淺尾
新甫君