○菊川参考人 これは正常なる労働争議として
考えるにはどうかと思いますが、私の方で、ただいま全国でもうすでに七百名くらいハンストに入
つております。中には零下六度を越えるようなところで、もうやめよと言
つても、どうしてもやめない者もある。この危険な事態をほう
つておくわけに行かないから、副
委員長はただちに帰
つて来いと、再三電話がかか
つて来ておりますが、重大な会議でありますので、この帰趨を見守
つてから失礼いたしたいと思
つております。前田さんの御
質問に対して結論的に
お答え申し上げたいと思います。
三日間の
政府と
委員諸氏の
質疑応答を拜聽いたしまして、
政府の財政政策は、われわれの
考え方からすれば、ドツジ氏をあまりにも利用し過ぎて、労働階級を圧迫しているのであるという結論を得ました。これは
はつきり申し上げます。というのは、これは確かな筋から聞いたのでありますが、本
年度の
補正予算と来
年度の
予算をドツジさんに示す際に、今年もまたボーナス的なものを出す必要があるのではないかと念を押されたときに、
大蔵大臣は、そんなものは絶対必要ありません、自信がありますと言つた。そのことがこの
仲裁裁定実施の大きながんにな
つているということを、私は確かな筋から聞いたのでありますが、それを最近の新聞では、
関係方面に責任を転嫁するような宣伝をしているというふうなことを言われておりました。(「今の発言は責任持てるか」と呼ぶ者あり)確かに持てます。ただ名前を申し上げることは
ちよつと差控えたいと思いますが、これは責任を持てます。最後に、どこへおいで願
つても、これは
はつきり申し上げます。
次に
大屋運輸大臣、鈴木労働大臣の御答弁を聞いておりましても、私らの
考え方からいたしまするならば、
公共企業体労働関係法の立法
精神が、蹂躙されているというふうに
考えるのです。特に十六條の
解釈問題につきましては、あれが立法された当時に、われわれはたびたび方々の
意見を聞き、また労働省の
意見も聞いて参つたが、こういうふうにして出され、こういうふうにして付議されるのであるということを繰返して申された、そのことがなされないで、もしそのまま決議されるといたしまするならば、繰返して先ほ
ども申し上げましたように、われわれとしては、立法府の権限を侵すというようなことは毛頭
考えておりませんが、これが正しく運営されたかどうかということについては、やはり最高
裁判所に訴える権利が、国民としてあるのではないかと思います。その点われわれは十分研究いたしたいと
考えております。
昨日も申し上げましたように、この問題は単に日本国内の問題のみでなく、すでに外国の問題にまでな
つておりまして、イギリスに本部がございまする国際運輸
労働組合の書記長オルデン・ブルグ氏
——これは今度自由世界労連の書記長にも
なつたのでありますが、彼は
国鉄労働組合に、この
仲裁裁定が完全に履行されることを期待し、すでに彼からは、これに対して満腔の敬意を表して援助するという電報も参
つております。これは
国鉄にそのまま保存されております。しかも加藤君が私によこした便りによりますと、帰るのを少し延ばして、アメリカのAFLやCIOをまわ
つてこの
状態を報告して、その援助を求める。これは何も外国人の援助を借りるというやぼな
考えでなく、
労働組合は国際的たつながりを持つべきであるどいうのが、
労働組合の世界的な常識なのであります。しかも私たちは、すでに自由世界労連に加盟いたしておりますので、その一支部とも
考えられます。従いましてアメリカのAFLもその一支部であり、CIOも一支部である。そして対等の
立場において相互に援助し合おう。特にAFLは、そういうふうな関連において、世界各
組合に対し、争議の
資金までも貸すということを考慮しておるそうであります。しかしながらここでわれわれは、非合法運動に突入しようとは
考えない。相手が
法律を守れと、合法を強要する場合には、まずみずから
法律を守
つてかか
つて行かなければならない。こういうふうな観点に立ちまして、私はその線だけは守
つて行きたい。しかしながら相手が
法律を犯したというふうに
考えられる場合には、あくまでも責任を追究するだけの態度は捨てたくない、捨てるべきではない。そういうよう
なつもりでおるわけであります。
それから、これは最後に申し上げたいのでありますが、新聞等では、
国鉄の
労働組合は、もう三千円で納得するのだとか何とかいうようなデマ放送が、談話やその他の形で伝えられておりますが、決してそういうなまやさしい事態ではございませんで、
仲裁がああいうふうに示されたにかかわらず、十五億五百万円より渡らないのだという情報が全国へ伝えられまするや、これに対して反撥いたしまして、本部としてはもうあまりそういう行為は
考えておらないにもかかわりませず、どんどんハンガー・ストライキに入
つて行くということは、私正常な労働運動としては
考えなければならないと思いますが、しかし罷業権を行使するということは、先ほ
ども申しましたように、われわれは愼むべきである。従
つてそういう観点に立
つて事実を
考えるべきである。そういう点から
考えまして、ぜひとももう一ぺん最後にお願いしたいのでありますが、われわれが唯一のたよりとして期待していた
公共企業体労働関係法の立法
精神にもう一ぺん立ち返
つて、愼重なる御
審議を煩わして、われわれの納得できる結論を出していただく。特に末弘中裁
委員長が繰返して申し上げたのでございますが、なぜ出せないか、それを納得の行くように、
はつきりとお示し願われんことを特にお願いいたしまして、私の発言を終らせていただきたいと思います。