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砂間委員 今菊池
政府委員の申されるところに上りますと、たまたまその沿道に飛行場があ
つたというふうに申されまして、そうして沿道の住民も必ずしも反対しておられないという御
説明でありましたけれ
ども、私
どもはたまたま偶然にそこに飛行場があ
つたというふうには考えられないのであります。むしろ意識的、
計画的に、そういう道路の改築をや
つておられるというふうにしか考えられない。これは客観的に見てそうであります。これは何もこの道路一本じやありません。たとえば横浜から八王子の方に行
つている道路にいたしましても、あそこの付近には厚木飛行場がある。こつちの方には機械化部隊がある。こつちの方には何とかの部隊が駐屯しているというふうな連繋がありまして、そうしてあの道路はほとんど進駐軍の專用の道路であります。
日本の馬車や自動車はあまり通
つていない。私
どもは先だ
つて視察に行
つて参りましたがあまり通
つておらないのであります。そうしてぽつりぽつりと切れたところはありますが、いざ緊急となると、ずつと機械をも
つて、ただちに直線道路として連結して遠くの方まで、富士のすそ野の戰車の練習場の方まで結びつき得るような構想が、地図の上で客観的に見ますと、一見してわかるのであります。そういうふうな何か目に見えないような、隠されたことが、
公共事業という
計画のもとになされているということにつきましては、私
どもどうしても合点の行かない多大の疑念を、持たざるを得ないのであります。特に今日国際情勢がいろいろ逼迫しておりまして、
日本を反共の前進基地にするとか、あるいは極東におけるアメリカの前進基地にするとか、軍事基地にするというふうなことが叫ばれているときにおきまして、私
どもは
日本をそういう一つの国に偏した戰争の基地に巻き込まれるようなことは、極力避けたいという希望を持
つているのであります。これは平和を愛好する
国民の切なる熱望であると思うのでありますが、そういう時期に際しては、いやしくも
国民の誤解を生むような、そういう道路
計画は、ひとつ愼重にお考え願いたい。マッカーサー元帥の道路整備
計画の覚書に、どういうふうに言うて来ているか知りませんけれ
ども、少くとも
日本の
建設省は
日本の国の利益ということを考えまして、そうして緩急よろしきを得て、今農民や一般の人民が必要とする
方面に、尊い国の
予算を先にまわしまして、そうしてそういう観光道路や、あるいはりつぱな道路を鋪装するというようなことは、これはまたもつと先へ行
つて、国がゆたかに
なつて、十分
予算にも余力ができて来たときに、なされてけつこうじやないか。それを今急にそつちの方を先にやるということは、多大の疑惑を
国民に抱かせるという点を御忠告いたしまして、あわせて私のそういう希望を述べまして、この道路についての
質問を打切ります。