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川上委員 ここでは、今のようなはなはだ不適当な
答弁ではありますが、適当な
答弁ができましよう。実際の状態は、ここでの
答弁で解決するものではないと私は思うのです。これは非常に重大な問題であ
つて、
大臣ははなはだ自信があるように申されましたから私はこれを覚えておきますが、なおこれについて今もせつかく折衝中であるとか、努力しておるとか言われますが、そういう間に
日本はどういうことになりおるか。せつかくや
つておる間にどうか。たとえば山梨県なんかでは、
中小企業の機業家が全部今閉鎖しております。これは工場を開く
見通しはもうありません。県下全部です。破産、倒産、まくらを並べております。大阪では
中小企業と商店が連日のように、工場と店をしめて、税金を負けてもらいたいという運動を展開しております。大阪で商店が店をしめて、税金の苛酷なことを訴えた歴史はいまだか
つてありません。一家心中の記事が続続として
新聞に載
つておる。農民は食糧の輸入で大動揺しております。労働者は御承知の
通りです。
政府の方では安定というようなことを、しきりに施政演説その他でも言われましたが、事態はかくのごとき状態にな
つている。そしてこの銀行等の債券発行等に関する法律案は出ておりますが、この裏づけをする
見返り資金の問題について、せつかく折衝中である。まだ金額を言う段取りにな
つておらぬと言うておるが、この間に一体
日本はどうなりおるのか。これで安閑としておれるのか。もしもこういうことがだんだんと行われぬようにな
つて――今の
大蔵大臣の御
答弁では、心配はない、悲観する必要はないと申されますけれ
ども、その予定の
通りに行かず、設備
資金計画、一般
資金計画もくずれるというような形になりますならば、一体
日本はどうなるのか。この
日本の
経済、あるいは人民の生活はどうなるのか。この点についてどうも私は、
大蔵大臣、吉田内閣全体が、はなはだ
責任を持
つておられないと思う。こうして、たとえば
中小企業に対しては、ああいうようなやり方をしておりながら、五十二億という
見返り資金を
住宅建築に使う。こういう
計画を、まことにけつこうだと思うからや
つたという
大蔵大臣の御
答弁であります。これは決して
日本の全体の――
産業家をも含めての
国民は、納得しないだろうと私は思います。