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本多国務大臣 前段の御
意見でございますが、私どもは今回の
国税地方税を通じての改革は、昨年度の当初
予算に比較いたしますと
国税において九百億、
地方税において標準税率をも
つてすれば四百億の増税には相なりますが、差引いたしまして五百億の
減税となり、さらに
地方におきましては今日まで寄付という名目で
負担をいたしておりましたのか四百億近くあり、そのうちの三百億ぐらいは寄付
負担が減少するものと考えておりますから、そういう点まで見込みますと八百億ぐらいの
減税になるものと考えております。但し税制の根本的改革でありますので、個々の納税者にとりましては、その比率をも
つてしては
減税にはならない、あるいは増税にぼるという面も出て参ろうと思うのでありますけれども、総括的に考えますと、以上のような結果になるものと考えております。但し
地方税は標準税率が大部分を占めておりますので、その
地方によりまして
負担力もあり、さらに事業量も増したいというところにおいては、従来よりも制限税率までは増徴される場合も出て来るかもしれないのであります。しかし経費の節減等に努力し、その節減を実現することができますと、標準税率以下をと
つて運営することもできるのでございまして、この点につきましては
相当伸縮に自主性のあるものであるといわなければならぬと存じます。以上のような
関係でございますので、今回の中央、
地方を通じての税制改革は、究極において以上申し上げましたような
減税になるものと考えるものでございますが、さらに
税法の個々の税率、倍率等について未決定な点についてはどういう
意見を持
つておるかというお話でございますが、附加価値税に対しましては標準税率を附加価値の百分の四、これが第一種でございまして、二種一三種は百分の三、これは大体
シヤウプ勧告の
趣旨に基く税率であります。私どもいろいろ
收入の見込額について計算をいたしておるのでありますが、いま少しく、百分の三・五くらいに下げても、予定
收入額を得られるのではなかろうかという考えをも
つて研究をいたしております。しかしまだこれにつきましては結論に達しておらないのでございます。一種が三・五となると、二種の三は二・五というふうになるわけであります。これはいまだ結論に到達しておらないことを御
承知おき願いたいと存じます。
もう
一つは固定資産税におきまして、固定資産税のうち土地家屋の
課税標準価格の評価の倍数の問題でありますが、これは公簿上の賃貸価格をも
つてこれを基準とし、これの何倍をも
つて時価とみなすという計算
方法をとるようにというシヤウプ博士の勧告でありますが、これは二十五年度に限
つてり応急的手段でありまして、これによ
つて二十五年度を計算し、二十六年度からは真に時価というものを調査して、均衡をとるようにという
趣旨でございます。この土地家屋の倍数につきましてシヤウプ博士は一千倍というものを示しておられるのでありますが、これを八百倍ぐらいまでは下げても、予定収入が得られるのではないか、この点についてやはり
関係方面と、収入見込がはたして確保できるかいなかという計数の根拠につきまして突き合したり、折衝を続けておるような次第でございます。
さらにこの固定資産税につきましては、二十五年度に限りまして定税率と申しますか、一定税率をも
つて徴收することに
なつております。これも二十六年度からは標準税率になるわけでありますけれども、百分の一・七五という定税率でとることに
なつておる点につきまして、私どもは
地方自治体においてそれぞれ行政費の節約に努力した結果、財源に余裕を生ずるという見込みのあるようなところでは、これも定率の必要なく、二十五年度もやはり標準税率として、余裕のあるところは下も徴税し得るようにすべきではないかという
意見を持
つております。こうした点について、最後的な司令部方面の了解並びに
政府の結論に達しておらないのでございます。
もう一点は市町村民の税率についてでありますが、市町村民税は、従来資産割、所得割、均等割の三本建に
なつておりましたのを、この新
税法案によりまして、均等割と所得割の二本建にいたしたいと考えております。そのうちの所得割の税率につきまして、税額の百分の十八というのがシヤウプ博士の勧告でありますが、これも所得割というものは
ちようど
所得税に対する附加税的性質を持
つておりますので、こういうものはできるだけ
收入に欠陥を生じない限り、引下げるのが妥当ではなかろうか。これにつきましても
研究中であり、折衝中であるのでございます。こうした点について、いまだ司令部
関係に置きましても結論に到達いたしておりませんために、提案が非常に遅れて恐縮いたしておるのでございますが、これもここ二、三日のうちには結論が出る見通しで折衝を続けておるような次第でございます。