○米原
委員 私の聞いているところについては一つもお答えにならないで、顧みて他を言う返事でありますが、これから私の
質問することについてはさような返事はしていただきたくないのであります。時間の
関係もありますからできるだけ簡單にやります。
第一に本日の各
新聞にも出ております、昨日の参議院の外務
委員会における首相の答弁についてでありますが、この点については前にこの
委員会で尾崎
委員からの
質問に対しても同様な返事があ
つたと思います。大体私は
新聞を読んだだけで速記録は見ておりませんが、間違いないと思うのです。首相のおつしや
つているのでは、現在軍事基地の問題がいろいろ言われているが、占領下にある限り、軍事基地というものができても、それに対してわれわれはとやかく干渉できないというような意味のことを答えられておられるようであります。この点についてでありますが、現在
日本は占領下にある。しかし占領軍がどういう意味で今
日本に進駐しているか。これは言うまでもなく明らかにポツダム宣言に基いて駐屯しておるのだとわれわれは思います。ポツダム宣言を無
條件に受諾した意味においてわれわれは無
條件降伏したのであると思うのであります。そうすれば進駐軍の
日本に駐屯しておる目標は、言うまでもなくポツダム宣言に載せられておるところの
日本の民主化であり、
日本の非軍事化が
目的であると了解するのであります。それ以上の任務は進駐軍にはないと思うのであります。現在
国内で軍事基地とかそういうことが問題にな
つておるのは、言うまでもなく、
新聞紙にも二、三出ておりますが、横須賀の基地が恒久的な軍事基地になるとか、こういうことが出るために――もちろん
新聞の記事に何も首相が答弁される必要はないと思いますが、今そういうことが問題とな
つておるがために
国民が不安を感じておるのであります。そういう
日本の民主化とか非軍事化という範囲における駐屯ということは、ポツダム宣言に規定されておることである。しかしそれ以上の必要があるかないか。これはないはずであります。
日本は現在すでに軍隊も解散されてから何年もた
つてしま
つた。現在この進駐軍の力に対して、
日本国内で武装してこれと戰うというようなものはまずゼロに近いわけであります。
国内の治安維持、
国内の民主化、非軍事化という意味では、それほど問題になるような軍事基地というものはあり得ないと思うのであります。
一般の
国民が軍事基地を問題にしてるのは、それ以上のものがつくられつつあるのじやないか、この点であります。こういう点について首相は、そういうことに対しては
日本として干渉することができない。干渉するというか、それに対して抗議するというかそれはわかりませんが、抗議することができないとおつしや
つておるようでありますが、首相がよく言われるように、これはポツダム宣言の範囲を逸脱してるとか、ポツダム宣言の趣旨に違反してるという意味で、抗議する権利はないかもしれないが、そういう意思表示をすることはできるし、またやらなければならないじやないかと思うのでありますが、この点について首相の明快なる答弁を希望するものであります。