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北澤委員 次にお尋ねしたいのは、
日本の
貿易市場の転換の問題であります。御
承知のように
日本は戰前におきましては、
日本の輸出輸入とも東亜地域が
日本の
貿易の面におきまして、半ば以上の地位を占めてお
つたわけで反りますが、
終戰後におきましてはこれが非常にかわりまして、輸出輸入とも米国に依存する部分が非常に大きくな
つて来ている。最近では輸出の方は大体戰前にもどりまして、東亜地域が輸出の面におきまして
相当の部分を占めるようにな
つたのでありますが、まだ輸入の方におきましては、あいかわらず合衆国が
相当の部分を占めておるという
状況であります。これは
日本の国のアジアにおきまする地位というものを
考えまして、非常に不自然な
状態だと思うのであります。
歴史的にもあるいは
地理的にも、
日本と東亜の市場との
関係はきわめて密接でありますので、私は
日本の
貿易政策を推し進めて行く上におきましては、どうしても輸出あるいは輸入とも、従来の東亜地域の
関係というものを復活して、そうして東亜地域の
貿易に
重点を置いて行かなければならぬと思うのであります。特に
貿易に
お寺ましては、運賃というものは非常に重要な
意味を持
つております。従いまして
日本のようにアジアの諸国との距離の低い国におきましては、運賃において非常な有利な地位を持
つております。そういうわけでありますから、
日本はどこまでもアジア市場との
関係を復活する必要があると思うのであります。輸入の画において、昔のようなアジア市場との
関係を一体どう切りかえて行くかということについてお伺いしたいのであります。最近では
アメリカの方でも
日本とアジア地域との
貿易関係を、どうしても増推して行かなければならぬということで、現に
アメリカの陸軍次官の補佐官のウエストという人ですか、それと農務省のスタンドレー・アンドリユースという余事に
行つて、いろいろ研究しておるようでありますが、その目的も結局南方にできます食糧を
日本に蔵人する、従来
アメリカから輸入していた食糧を切りかえて、今度は南方から食糧を入れる、そして南方に購売力を與えて
日本の輸出をふやすというようなことで、現にその三八が現場に参りまして、いろいろ現地の調査研究をしておるようであります。それに対しましては、あるいは国際復興開発銀行というものを使
つて、その金融を利用して、
日本と南方との
貿易を促進しようというふうなことも
考えておるようであります。最近では
アメリカが南方地域に対しまして
相当の経済上の援助を與えて、きのうでありましたか、インドネシアに一億ドルの経済上の援助を與える、あるいは仏印のバオダイ政権にも経済援助を與える、あるいはまたビルマにも與えるというようなことで、南方諸地域におきましては、例のトルーマン
大統領の後進国
開発計画というものにより、また
一般的には共産主義が南方東南アジアに出るのを阻止するという
意味で、南方諸地域の経済上の開発を促進するということもあると思うのでありますが、そういうわけでいろいろな形におきまして、米国の東南アジアに、対する経済上の援助というものが、だんだんと具体化しつつ、あるわけであります。そういうわけでありますので、
日本としましてはこの上とも
日本の
貿易の主たる対象を南方に置きまして、そして
日本の
貿易の進展をはかることが必要と思うのでありますが、先ほど申しました
アメリカからの輸入を南方に切りかえるということにつきまして、通産
大臣の御所見を伺いたいと
考えます。