○稻垣国務大臣 その前に中曽根さんにお答えいたしますが、観光収入は二十四年一月から十二月まで三十四万九千八百八十二ドルであります。
御
質問の産金
政策と、それから東南アジア
方面よりのブラントの
計画に対する対策をどうするかという御
質問についてお答えを申し上げます。
まず産金
政策の問題でありますが、この点につきましては、今日日本の産金額が大体三トンあるいは少しくそれを上まわ
つておりますが、そういつた昨
年度の産金の状態であります。本
年度は鴻ノ舞の選鉱場が完成いたしましたので、おそらくは四トンを越すだろうと存じております。われわれは今後三年間に、これが年間十トン
程度まで行くようにいたしたいというように
考えておるのであります。そこで今
ちよつと名前を言いました鴻ノ舞以下十三金属鉱山につきまして、その選鉱設備、あるいは青化製錬設備といつたようなものについては、通産省においてそれぞれの業者といろいろ協議をいたしておりまするこれらの人たちに選鉱場なり、あるいは青化製錬場を設けさせるというためには、この十トン
計画を遂行するためには、大体十二億円の
資金がいるものと想定されるのでありますが、そのうち、たとえば帝国鉱発とか、あるいは持越鉱山であるとか、あるいは千歳鉱山であるとか、こういう
方面については、
企業体自身が、
資金の融資を市中銀行から受けることは困難なような点も見受けられますので、この点については見返り
資金から、これが転用いたしたいということで、今
研究をいたしております。その他のものは大体市中銀行との間に、われわれの方であつせんすれば、十分融資を受け得るのではないかと
考えております。
それから問題は金の買上げ価格でありますが、御
承知のように国際金の価格、これは一オンス三十五ドルでありますが、これにさや寄せするという観点から申しますと、ただいま一グラム三百八十五円で日本は買入れておりますが、これが四百五円
程度になりますと、大体さや寄せされる。但しこれに対するチャージその他を
考えますれば、四百円
程度というようなことで買上げ価格についても目下検討いたしておる次第であります。それから最近の探鉱費につきましては、大体本
年度千四百万円の補助金をわれわれ通産省で
予算にと
つております。これは大体一メートル九千円といたしまして、一メートル四千五百円の半額の補助をするという想定から出ておるのであります。そういつた形で今後三年間に十トンの産金を
計画いたしたい。そういう品形で参
つておるのであります。戰時中非常に多く出しましたときが二十何トンであつたのでありまして、大体その見当で日本の産金ということからいえば、それ以上は今度は採算点の問題でいろいろ検討しなければならぬ。採算点が引合うのは大体十三
事業所というようなものではないか。かように
考えておるのであります。
その次に。プラントの問題でありますが、
中曽根委員の言われる。プラントという
意味の
範囲が
ちよつと私にははつきりしないのでありますけれ
ども、今東南アジア、たとえばパキスタンからプラントの設定をしてくれという場合には、いわゆる一つの紡績工場を向うへ建てるという
意味のプラントもあります。あるいはシャムあたりから来ておるところの、あるいはインドあたりから来ておるところの電気施設、これはゼネラル・デイヴエロツプメントとか、あるいはこれに対するところのプラントとかいうようなものを一括いたしまして、プラントと言
つても電気施設なら電気施設のいろいろなものがあり、
ちよつとそれはどの
程度をプラントというのかわかりませんが、大体プラントというものは非常に広義にも、狭義にも解釈できますので、通俗的に御返事をいたしたいと思うのであります。そこで今言つたようなプラントが南方
方面、あるいはその他の国から、たとえば最近に受けましたものでも、紡績工場を全部建ててくれ、あるいはシユガー・プラントを全部建ててくれというような希望があるのであります。それに対してしかしながら全部すぐ拂うわけには行かないから、これをある
程度五年のインスツルーメントとか、あるいは十年のインスツルーメントでひ
とつよこしてくれないか、といつた問題が提起されておるケースがあるのであります。こうなると、問題はまず二つ難点がある。一つは従来はたとえば日本でも三井物産とか、三菱商事とかいうものは、ロンストラクシヨン・デパートメントというものがあ
つて、ひ
とつそれができるようにや
つてくれと言
つても、すぐそれができ託る。ところが今は紡績工場は紡績工場、建築の方は建築、あるいは鉄鉱は鉄鉱というように、ばらばらにな
つております。これを一つのホール・プラントとして
計画することは、なかなか国難であります。こういつたものに対する一つの
計画を持つたところの会社か日本に一つもない。何かデイヴエロツプメント・コンパニーといつたような一つの会社の設立も必要ではないかということも
考えられます。そういう受入れ態勢が必要ではないかということも
考えられると思います。
それからまた第二の難点は、今申しましたように、インスツルーメントでやるということであります。一つの大きなプラントを建てる場合には
相当の金額がいるのであります。これをインスツルーメントでやるということで、はたして日本の商社が一体応じ得るかという大きな問題があるのであります。この点についてはある場合によれば外資を持
つて来まして、その外資によ
つてまかな
つて行くという
方法ができれば、一番いいと思
つておるのであります。あるいはまた先ほど
ちよつと
安本長官も御
質問に触れでおられました、南方
開発に対するアメリカの
資金というようなものが、ここでうまく何か利用できるという
方法があれば、なおけつこうであります。しかしながらその点については、なお私といたしましては、米国の民間のデイヴエロツプメント・コンパニーといつたようなものとの間の交渉も実は続けておりますし、あるいはまた何らか外貨をこれに利用できるかどうかということについも、いまなお
研究を続けておるような次第であります。
それから、今のは狭い
意味のプラントでありますが、もう少し
範囲を広くいたしまして、たとえば先般インドヘわれわれの方で通信ケーブルを出しました。これなんかたしか三十二万ドル何かしであつたと思いますが、これのごときは商売ができております。今後われわれがたとえばインドのインダストツアライズというような問題に対応いたすためには、本
年度においておそらく五百万ドルの電気設備というものが商売できるのではないか。それからまた通信
方面においては、百万ドルないし三百万ドルの商売ができるのではないかということを想定しておりますが、それがために、実はそれの
関係の住友とか、あるいは古河とか、そういう人たちに特に技術者を派遣してもら
つておるのでありまして、その技術者がこれの指導に当
つております。はなはだ話が余談になりますけれ
ども、たとえば今度とりました通信ケーブルのごときも、実際はインドのスペンフイケーシヨンは全部英国にな
つておりましたので、全部英国へやるということに
決定しておつたのであります。ところが日本の技術者を送り、これが説明をいたしました結果、千七百三十万にあたるところのアルミニウム送電線は、全部住友というか、日本側に
決定したというわけでありまして、こういう
方面についてはむしろ技術者をまず送り、われわれの技術の内容に対して十分知識を得さしめることが必要だと存ずるのであります。シヤムしかり。とにインドは今工業化を
考えましその
方向に進んでおりますので、われわれとしては、日本の会社が技術をも
つて、ある
程度日本からパーツを送
つて、向うで組み
立てるという工場設備に対して、今二つほど
計画を
立ておりますが、それをおせわしてこれは多分できるのではないか。工業化のおせわをする、そして日本の技術者をこ送り込む、また向うの技術者も日本工場に入れて教育する、
従つてまた日本の生産財に対する注文がふえて来る、こういうことがむしろ貿易を促進、する一番実際的な力強いやり方かと存じて、そういう
方法で進行しておるわけであります。