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田代委員 政府当局は、現在今の瞬間にどうな
つておるか、これはまだ入
つて来ておりませんというような
答弁をなさることによりまして、このつくらんとする
法律は正しいのだというふうな
説明が常に出るのでありますが、われわれが
法律をつくります場合におきましては、現在の
実情はもちろんのこと、将来これがどうなるかということがむしろより重要なる意味を持つのでありまして、私たちが外資が
日本の
資本を握る、
日本の
経済界の心臓部を握るということを申し上げますのは、そういう
可能性が非常に多いし、それが着々として進められつつあるというところに問題がある。また政治家としましてはその見通しを持つことなくしては、これは立法の意味がないのでありまして、ほんの
ちよつぴり出て来ておる外資の入
つて来る来方、それを見たならばその背後にどういう意図があるか、またそれによ
つて将来
日本の
産業がどうなるかということを見きわめて
法律をつくらないことには、
日本の
産業にとりましては、実に危險きわまりないのであります。われわれは非常に国際事情にうといので、ぼやつとしておりますけれ
ども、世界的にいろいろの文献その他から見ますと、
日本の実際の
経済というものは、
日本自体によ
つて運営されているのではない、もうすでに八〇%は外国の
資本によ
つて押えられておるのだということが、国際的に言われております。また事実私たちが、これは実感の上で、ほんとうに
日本の政治あるいは
経済というものが、自主性のあるわれわれの手によ
つて、
日本の発展のためにひとしくこれがやられておるかどうかということに対しましては、常に危惧しておるのであります。またパテントの問題なんかにいたしましても、それはまだ公々然たる形において條約によ
つてそれができていないから、
従つてこの
法案は通過することにな
つても、外国の
資本によ
つてこれが
運営されるとか、何とかいうことは御心配いりませんというような御
見解のようであります。この点はなはだ遺憾である、またそれは
法律をつくるのに対しまして最も危險な
考え方であるといわねばならないのであります。将来現なまの形で入るにしましても、あるいは技術導入、あるいはパテントの問題、こういうような形で入るにいたしましても、そういうことがだんだん
日本の
経済界に実質的に食い込んで来る。たとえば技術の導入、あるいはパテントの輸入というようなことがどんどん進められているということになりますと、これは非常に危險にな
つて来るのでありまして、これが現物出資の形で入
つて来てそうして実際そういう向うのパテントなんかというような、食えもしなければあるいは着ることもできないようなものが、結局現物出資とな
つてその
会社を握
つてしまう、非常に発言権を大きくするという形にな
つて来るのでありますが、この心配に対して、これが
行き過ぎであるかどうか、われわれはそういうことに対してはほんとうに安心していいかどうかという点を、重ねて御
質問いたします。