○
田嶋(好)
委員 それでは
先ほどの続きを申し上げます。
先ほど火災当日の
行動は、非常にその
放火と
関係があるような事実があが
つておるというところで打切
つておきましたが、これに
関連いたしまして、まことにいまわしいことでありますが、
米子市
警察におけるところの
捜査の第一線に立
つておりました
刑事部長に、
先ほどもちよつと名前を申し上げました
永富というのがおりますが、この
永富というのは、実に腐敗した
警察官でありまして、常に
市内の
暴力団、
窃盗団、博徒、
朝鮮連盟の
方々等と内通をいたして、
検察庁なり
警察が
犯罪を
検挙しようとした場合、この
検挙に妨害を與えてお
つたという事実が現われておるのであります。この
永富は遂にこうした事実が判明いたしまして、
捜査の途中でありますところの十月の十四日には
人権蹂躙の容疑で
検挙せられまして、現在
人権蹂躙事件といたしまして、裁判に係属をいたしておるのであります。こういうようなことがありましたために、
先ほどから申し上げましたところの事実がありながら、なかなか
検挙するに困難を来し、
捜査上も
捜査の線が非常にむずかしか
つたということがわかるのであります。
次にこの
永富を
検挙いたしました結果、
暴力団や窃盜団や博徒、
朝鮮連盟等の
活動状況が、
妨害者がいなくな
つたのでわかりやすくなりまして、市の
警察、
検察当局では、協力の上、遂にこれらの分子に対する一
齊検挙を行使いたしたのでありますが、その中に元市の刑事をしておりました某というのがおりまして、これが窃盜の
親分格と
なつて、臓物の
一手引受けをや
つてお
つたという
行動があが
つたのでありますが、この某が、
先ほどから申し上げおりますところの
朝鮮連盟の実質上の
支配者である
某氏が、
自分の知る範囲においては火をつけたのであるという
証言を、はつきりいたしておるのでありますが、それ以上追究いたしますと、どうも
自分の生命があぶなくなるから、これ以上は追究してもら
つては困るということで、ただつけたという事実だけを
証言いたしまして、こまかい事実は
証言を拒んでおるそうであります。これらも、この
事件を
放火とする上において非常に有力な
資料と
なつておるものと
考えます。また
米子地区には、御存じのように
朝鮮人がたくさん居住いたしまして、鳥取県下には
朝鮮人が三千名いるのでありますが、この三千名のうち三分の二が
米子を
中心として生活しておる。しかも
米子市にはそのうちの六百名が居住しておるというような
分布状況になり、またこの
米子地区を
中心といたしまして、ほとんど
手放しといつてもよいくらいの
状況におきまして、朝鮮と
日本との間に密貿易、密入国が行われておるという事実も現われております。
次にこの
米子地方におきましては、
裁判所、
検察庁の
火災ということばかりではなく、本年一月八日に
米子の保健所が全焼いたしておりますし、またわれわれの
調査に向いましたところの前の日、本年一月三十日には、食糧公団の
米子支所から
出火いたしまして全焼いたし、これもまだ犯人がわからない。こういうふうに公共建物の
火災という、ものが継続的に起
つておりまして、この公共建物の
火災というのは、
失火と見るよりも、継続的に起
つておる
関係上
放火ということを裏づける証拠になるものと存ずるのであります。右の事実のほかに、たまたま鳥取の
検察庁の
米子支部の庶務課長に正木というのがおるのでありますが、これは
昭和二十三年十二月二十六日に、公金二十数万円を窃盜して、現金公金一万円を横領したというかどで裁判になりまして、この裁判が
火災当時の
裁判所に係属いたしております。またこの正木庶務課長と
先ほどから申しておりますところの
朝鮮連盟の実質上の
支配者であるところの
某氏とは、日ごろから非常に懇意につき合
つてお
つたのであります。このように
放火と認めるところの
資料につきましては、事実があが
つておりまして、われわれといたしましても、この事実等を総合いたしますと、この
事件は
失火でなくして、どうしても
放火と見なければならないような気がいたすのであります。
それではこの
事件が多数の日月を費しながら、なぜ
検挙されないかと申しますと、まことに遺憾なのでありますが、
米子地方におきますところの
警察と
検察庁の問題、保安庁の問題等も一応
調査団といたしましては
報告する義務があるかのように
考えられます。
米子の
自治警察は、
先ほども少し触れたのでありますが、
刑事部長に
永富という男がありまして、これが地方の窃盜団、
暴力団、博徒、
朝鮮連盟等々と内通しておりました事実をも
つてもわかりますように、まことに一部の人間には腐敗があるのでありまして、遺憾ながら
放火当時には、この腐敗が是正されてなか
つた。だからして
公安委員会の威令等も必然的に行われず、
公安委員、
自治警察を通じまして、まことに遺憾な
状態が見受けられるのであります。しからば
国家警察はどうであるかと申しますと、
国家警察は内部的には腐敗の事実はなか
つたようでありますが、
国家警察と
自治警察がわかれました当初から、どうも人員の配置問題、設備の利用問題等から感情に齟齬を来しまして、以後
自治警察と
国家警察との間に協力態勢というものが確立されていなか
つたという事実が認められるのであります。
検察庁はどうであ
つたかと申しますと、
検察庁は前
支部長でありますところの角田検事当時には、とかくその個人的
行動に対しまして市民の批評があり、芳ばしからざるうわさも立
つたようでありますが、新しく赴任されました
梶川検事は非常に明朗にして手腕家で、事務をよく遂行する方とだれにも言われておりまして、私
どもお会いいたしましたが、その点が認められるのであります。
梶川検事の赴任以来
相当検挙件数もあり、
相当に事務的な方面も整理されたようでありますが、やはりこれにも遺憾ながら
自治警察等の内部と同じように、事務官の一部に、
先ほど申し上げましたように不正が現われておりまして、いまだその
関係が全面的に是正されたかどうかということに対しましては、一応の疑問がなければならないのであります。そういうような
関係からいたしまして、
事件当時におきましては、
検察庁と
自治警察、
国家警察の密接なる協力態勢というものが確立をされていなか
つた、これも欠いていると認めざるを得ません。海上保安に至りましては、ま
つたく手放しで密貿易を許しておるような
状態でありまして、協力しなければならない海上保安と
自治警察、
国家警察との間の協力も全然できておりません。こういうような協力態勢を欠いておるという大きな事実があるために、前述いたしました
放火と認められるところの証拠がありながら、いまだ
検挙に至らないという遺憾な
状態があるものとわれわれは
考えなければならないのであります。以上が
米子地方を
調査いたしましたところの
調査団の
報告の事実であります。
次に
金沢刑務所、
福井刑務所の集団逃走
事件につきまして、御
報告を申し上げます。この集団逃走
事件は、当時
福井市におきましては、
相当やかましく言われまして、人心を撹乱したところの
事件でありますが、その
事件の内容として当時言われた事柄はこういうようなことであります。
福井の刑務所に收容せられております男に窪田暹というのがおりますが、この窪田暹という男は前科数犯、しかもこの前科は傷害、恐喝というような前科が数犯あるのでありまして、現在も恐喝のために一年半の懲役刑を受けまして服罪いたしております。この男の身分
関係はと申しますと、今
福井県下で一番大きな
暴力団の親分として言われておる団体に津一家というのがありまして、これは津原某が主宰しておるようでありますが、窪田はその津原の兄弟分に当
つております。この窪田が主謀者となりまして、当時
福井刑務所に收容をせられておりました、既決囚ではございません被告を
中心といたしまして、集団逃走の計画が樹立されたということであります。集団逃走の計画をいたしました連中は、常に刑務所内の休憩遊戯場を利用し、また書信場を利用いたしまして、
放火につきましての打合せを行
つてお
つたようであります。この
放火についての打合せが一応完了いたしますや、彼らは昨年の十月十六日を期しまして、窪田が外部の団体と連絡をいたし、外部からはピストルをも
つてこれが
応援に当
つた。内部の者はこれに呼応して房を破壊いたしまして、集団
行動をも
つて、監視等に暴力を加えてその抵抗をはばみ、刑務所に
放火をいたしますと同時に、全員が火の中をくぐ
つて逃走するという計画があるものといわれてお
つたのであります。この事実を確めるがために、私たちは窪田を
中心にいたしましていろいろと
調査いたしましたが、その
調査の結果こういうような事実が判明いたしました。窪田は刑務所に入
つております
共産党員であるところの千震昊、新田某という連中と、運動場におきましてしばしば面接をして、何か話をしていたばかりでなく、窪田は
共産党入党を勧められたような事実もあるばかりでなく、
共産党入党の決意をいたしまして、これが手続をする必要も
考えられるのでありますが、
共産党の
福井地区委員でありますところの小林義親という者に刑務所から書面を出しまして、小林義親を呼びまして、九月の十二日に小林と窪田が面接をいたしておるのであります。面接の問答はあとで御
報告申し上げます。なお窪田は
先ほど申し上げましたように、津一家の兄弟分であります
関係上、その十六日を
中心といたしまして、津一家の連中とひんぴんとして面接が行われております。まず津の親分でありますところの津原が窪田のところに今まで来ていなか
つたのに、その日を
中心といたしまして二回面会をいたしております。津原の妻も面会をいたしております。また
先ほど法務総裁から団体等規正令に触れるものとして
解散を受けた和田組というのが
武生にあるのでありますが、この和田組の主宰者和田が同様窪田に面会をいたしまして、いろいろと話をいたしておる事実も上
つております。和田ばかりでなく、津の一家に伊加賀その他
暴力団の一方の親分があるのでありますが、これらも
放火の日を
中心にして窪田に面接しておる。今まで面接の少か
つた窪田が、その日を
中心にして津一家の
暴力団とひんぴんとして連絡がとられてお
つた。どういう話が行われたかわかりませんが、連絡話合いが行われてお
つた。こういう事実が現われておるのであります。また窪田は
朝鮮連盟に属しておりますところの
共産党員である千震昊、それからこれは
共産党員でないのでありますが、洪成杓、それから林銀洙というような人間とは、この刑務所の中においてしばしば交渉が行われ、連絡がとられてお
つた事実が
調査の結果わかりました。この事実のみによりましては、やはり
先ほど言われましたところの集団
放火逃走というような、まだ裁判となるべき
資料は現われておりませんので、
検察当局といたしましても、
放火等の嫌疑に対する起訴はできなか
つたものと見えまして、一応はつきりした事実のもとに、これらの
事件は
福井刑務所の集団逃走未遂
事件といたしまして起訴をされておるようであります。その人たちは窪田の指図に従
つたというところの茂住金太郎、森川國夫、
朝鮮人の林銀洙、岩本政一、橋本稔、正木安夫、藤井澄太というような人間にた
つております。起訴状の事実は、その被告人等はいずれも
福井刑務所に勾留中の未決または既決の囚人であるが、共謀の上
昭和二十四年十月十四日夜十二時を期し、同所から逃走することを企て、被告人茂住金太郎が竹製のはし、または帯皮の金具、金属破片等を使用して、第一舎未決房第十四房の表壁の一部を破損したのが発覚し、その目的を遂げなか
つたものであるという事実に
なつております。こういうようなはつきりした事実で現在裁判が係属いたしておりますが、その他の事実につきましては、いまだ
捜査当局において
捜査中とわれわれは
報告を受けました。以上が
福井刑務所の集団逃走
事件の
報告すべき事実であります。次に
福井県の
今立国家警察署の
放火事件でありますが、これは先般
武生裁判所、
検察庁の
放火事件で
検挙せられまして、唯一の自白者であり、有力なる
放火の被告人の一人に林好視というのがおりましたことは、この前
報告した
通りであります。この林好視が
武生同様に
今立国家警察署にも
放火をしたという自白をいたしておりまして、これ一人が
放火犯人として現在裁判に
なつております。だが
今立国家警察署の
放火は、事務室の廊下に火をつけておりまして、この廊下の火つけは一箇所でなく、二箇所に同時に火をつけております。しかもこの火つけはまきを持
つて参りまして、そのまきにガソリン様の液体をぶつかけてそうして火をつけておりまして、しかもこの事務所は一階でなく、二階の事務所に火をつけておるのでありますから、これを運搬するためには、はたして一人で可能なりやいなやという疑問が起
つて参ります。また二階でございますから、どうしても上
つて行くためにははしごをかけなければなりません。はしごをかけて行くとすれば、はしごを上
つて行くのに、火つけのまきの束を持
つて、ガソリンを入れた一升ビンを下げて、はたして二箇所に
放火ができるかどうかという、常識では判断することのできない事実がありますので、この事実と、林一人でや
つたという林の言い分とはくつつかない点が多分に出て参りまして、林一人というので現在林一人が裁判に
なつておりますが、これも
捜査当局におきましては、林一人じやないのじやないかというような疑いを持ちまして、いまだ
捜査は継続中であると承
つております。これが
今立国家警察署における
放火事件の簡單な
報告でございます。
最後に
武生の問題でありますが、これは先般詳しく御
報告申し上げましたので、詳しい
報告は今回は一応省略させていただきますが、われわれ
調査団が
武生に乘り込みました当時、
武生においては青年団、婦人会が
中心になりまして、市長、市
会議員に対するリコール問題が持ち上
つておりました。私たちはこれを非常に興味深く眺めますと同時に、その真相をただしたのでありますが、このリコールは非常にまじめな分子がまじめに行われたということを確認するに至りました。しかもこのリコールは、われわれ国会の
調査員が
武生に参りまして、その
調査をいたしました結果がこの国会で
報告されると同時に、新聞社の御協力を得まして
武生市民、
日本全国に伝えられ、ためにここに籍を持つところの青年男女はこのボス政治を退治いたしますと同時に、
武生から
暴力団的勢力を駆逐して、明朗な民主政治を確立するために蹶起したという事実も現われて参りました。
調査団の
調査の
結論がここまで生れましたことを、われわれは喜んだ次第であります。これもひとえに
調査団のみでなく、新しい国をつくるがために、
日本全国に盛り上
つております民主政治実現のための国民の熱意の現われとして、われわれは
日本が徐々ながら明るい面に向いつつあることを感じまして、この国民の傾向に対して敬意を表しますと同時に、こうした国政
調査に国会が乗り出して、
検察当局や
警察の手の届かない点に対して、乱れたるところの
治安を回復する意味において、大いに努めなければならぬという確信を深めた次第でございます。
以上が
調査をいたしました事実の内容でございます。
調査団としてはこれを要するに今の
報告で皆さんにも御了解を得たかと思いますが、この四つの
事件は切り離して
考えられる点もあるが——地域的には切り離されておるにかかわらず、内容的には切り離して
考えられないところの相関性があるという点を重視する者であります。その相関性と申しますのは、まことに遺憾なことで言いにくいことでありますが、こうした
事件の
捜査にあたりましては、
事件に
関係があるかないかは別問題として、いつも
捜査線上に某政党と某
解散団体が浮んで参るということであります。またこれは
相当重大視されなければならぬことでありますが、この
事件を追究して参りますと、副産物として、第二にはその
地区の
自治警察の腐敗ということが正面に出て参る。また私たち相接
関係のある官庁でありまして、非常に言いにくいことであり、まことに遺憾なことでありますが、それに付随して、その
地区に駐在するところの
検察事務官の腐敗ということが、その前後に現われて来る。また
自治警察と
暴力団のつながり、
自治警察と不良分子のつながりといういうことがどの
事件にも現われて来る。こうしたことは地域的に離れておりながら、この
事件全体を通じて類似的なものとして見なければならないところの一つの
関連性を持つ
事件であるということであります。こういうような
調査団の
結論的なものからいたしまして、私はここにまた
政府の方も御出席でございますから、
政府に一言を申し上げたいのでありますが、どうしてもこうした
事件を断たなければ、
日本の民主化ははかれないのでありまして、こうした
事件を断
つための方法を真剣に検討しなければならないのであります。
その検討をするにつきまして、第一に
考えていただかなければならないことは、
検察庁と
国家警察と
自治警察の三者の協力
関係というものができてない。従
つてこれらの
事件をなくするためには、
検察庁と
国家警察と
自治警察の三者の協力態勢を
強化しなければならぬ。もし必要があるなれば、この協力態勢に対する立法的な処置も考慮する必要があるんじやないかということが
考えられます。
第二は小都市におきますところの
自治警察というものは、いまだ民主的な態勢がととのえられておらないきらいがあるのでありまして、常にボスや
暴力団との惡因縁が断ち切られておりません。常に惡因縁がありまして、いまだこの
関係が断ち切られておりませんので、どうしても検察力、
警察力
強化のためには、特に小都市における
自治警察のボスと
暴力団との惡因縁を断つという何らか強い方途を講じなければならないということが
考えられます。
第三は、どこにもあることでありますが、
警察が
国家警察と
自治警察に分離いたしまして、そのときの人員の配置とか、設備の利用問題で両者の感情の行き違いが生れてお
つたのでありますが、この感情の行き違いというものはいまだ直りきれない。いまだ
国家警察と
自治警察との間には感情の行き違いが介在をいたしまして、これがために非常に
治安の確保に憂慮すべき点がありますので、この感情の行き違いを一日も早く是正すると同時に、装備におきましても、厚生施設におきましても、待遇の問題にいたしましても、人事の交流にいたしましても、私は双方を平等の
立場に立たして、不均衡を是正するという方面に、国家としては思い切
つた態度をとらなければならぬじやないか、こういうように第三の点として言
つてみたいのであります。
第四は、
裏日本の問題でありますが、
裏日本におきましては、こうした
調査で事実がわかりましたように、常に
事件の主謀者というものに、遺憾でありますが
朝鮮人が含まれております。
事件の主謀者に
朝鮮人が含まれるということは、
朝鮮人問題に対する対策というものが、
治安にとりまして大事であるということが言われると思うのであります。つきましては、この問題を解決するためには、
日本国家として不法入国、密貿易の取締りを今よりもつと
強化する必要がある。今のままの手放し的な不法入国に対する方途、密貿易に対する方途では、とうてい
裏日本の
治安は確保されない。
裏日本の
治安を確保するためには、ぜひともこの点を強く
政府がお取上げになられまして、これに対する十分なる対策を必要とする、こう
考えるのであります。
以上が
調査団の
調査いたしました
結論から生れまするところの、
政府当局に対する私たちの主張であります。以上をもちまして今回の
調査の
報告といたします。