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1950-04-13 第7回国会 衆議院 文部委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月十三日(木曜日)     午前十一時二十分開議  出席委員    委員長 長野 長廣君    理事 岡延右エ門君 理事 高木  章君    理事 圓谷 光衞君 理事 水谷  昇君    理事 若林 義孝君 理事 松本 七郎君    理事 小林 信一君       淺香 忠雄君    木村 公平君       千賀 康治君  出席政府委員         文部事務官         (初等中等教育         局長)     稻田 清助君         文部事務官         (調査普及局         長)      辻田  力君         文部事務官         (管理局長)  久保田藤麿君  委員外出席者        專  門  員 横田重左衞門君     ――――――――――――― 四月十二日  標準教育費法制定に関する請願田代文久君紹  介)(第二四〇八号)  同(松本七郎紹介)(第二四四二号)  同(寺島隆太郎紹介)(第二四六七号)  ユネスコ運動援助に関する請願森戸辰男君紹  介)(第二四三九号)  教育職員免許法及び同施行法の一部改正並びに  教職員教育費増額に関する請願外三十件(田  中織之進君紹介)(第二四四〇号)  同(早川崇紹介)(第二四四一号)  教職員給與改訂に関する請願松本七郎君紹  介)(第二四四三号) の審査を本委員会に付託された。 同月七月  元号存続に関する陳情書  (第七〇一号)  標準義務教育費に関する法律案反対陳情書外  二件  (第七〇七号)  標準義務教育費に関する法律制定陳情書  (第七一六号)  教育職員免許法改正陳情書  (第七一八号)  青少年教育に関する陳情書  (第七二七号)  標準義務教育費に関する法律案反対陳情書外  三件  (第七二九号)  同外一件  (第七五二号)  標準義務教育費に関する法律制定陳情書外六  件  (第七五三号)  六・三制完全実施のため国庫補助継続陳情書  (第七五六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  文部行政に関する件  請願  一 私学に対する国庫補助並びに貸付に関する    請願松谷天光光紹介)(第六六三号)  二 教職員給與改訂等に関する請願外九十五    件(早川崇紹介)(第六八一号)  三 同外四件(田中織之進君外一名紹介)(第    六八二号)  四 同外七件(田中織之進君紹介)(第六八三    号)  五 旧制高校卒業生の進学問題に関する請願(    圓谷光衞紹介)(第六八六号)  六 同(今野武雄君外三名紹介)(第七〇二    号)  八 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願田代文久君外二名紹介)(第七三    五号)  九 同(今野武雄君外二名紹介)(第七四六    号) 一〇 私学に対する国庫補助請願今野武雄君    外三名紹介)(第七三六号) 一一 教員定員増加並びに待遇改善に関する請    願(今野武雄君外一名紹介)(第七四四    号) 一二 六・三制校舎建設予算増額並びに教員の待    遇改善に関する請願谷口善太郎君外一名    紹介)(第七四五号) 一三 教育民主化徹底に関する請願(風早八十    二君外一名紹介)(第七四七号) 一四 教育予算増額等に関する請願今野武雄君    外三名紹介)(第七四八号) 二一 新制中学校建設費国庫補助増額請願(江    崎真澄紹介)(第八四八号) 二二 旧制高校卒業生の進学問題に関する請願(    松本七郎紹介)(第八九八号) 二三 育英資金増額請願松本七郎紹介)    (第九〇〇号) 二四 中川村に道立名寄高等農業学校分校設置の    請願河口陽一紹介)(第九六六号) 二五 五倫文庫設立に関する請願若林義孝君外    一名紹介)(第一〇四三号) 二六 教職員給與改訂に関する請願門脇勝太    郎君紹介)(第一〇九八号) 二七 同(米原昶君外一名紹介)(第一〇九九    号) 二八 同外一件(松本七郎紹介)(第一一〇〇    号)     ―――――――――――――
  2. 長野長廣

    長野委員長 これより会議を開きます。  日程を追加いたし、文部行政に関する件を議題といたします。前町本件議題といたした際に、給食問題に関して淺香忠雄君より発言を求められておりますので、これを許します。淺香君。
  3. 淺香忠雄

    淺香委員 過日の委員会の席上におきまして給食問題の質問をいたしたのでありまするが、当事者が欠席のために、本日になつたのでありまして、できるだけ簡単に質問をいたしたいと思いますが、担当者におかれましても、なるべく具体的に、徹底ができますように御答弁を願いたいと思います。  かねてから新聞紙上におきまして、児童の給食問題が報ぜられておりまするが、一向その後具体化されていないように見受けるのであります。その後それぞれの関係当局、あるいはその他に折衝いたされましたところの今日までの経過を、まずお聞きいたしたいとておりました、その問題だと了解するのでありますが、そうすると、その関係のころには、国内食糧わくでああしたことが実現できまいかという、実はかけ合いになつてつたのでございます。ところがその後関係方面の、特に食糧関係のところが、輸入食糧わくでそうしたことを解決したい、また輸入食糧関係から、そういうふうな操作をすべきだというような議論が、むしろ強くなつて来まして、国内わくと、その辺の関係が非常にややこしくなつたわけでございます。その後だんだん折衝を重ねました結果、ごく最近に向うからそれに対する覚書が出ることになりまして、一応国内的なわくとは関係なく、輸入食糧わく、ことにそれに対する代金の関係——後ほどまただんだん申し上げたいと思いますが、からんで来まして、まだメモランダムが出るところまでは行きませんが、ここ数日中にメモランダムが出るという段階に来ておるのでございます。
  4. 淺香忠雄

    淺香委員 実施期日の見通しは、いかがですか。
  5. 久保田藤麿

    久保田政府委員 ただいま申しましたように、向うメモランダムによつてきめられる関係がございますので、できるだけ早く、少くとも四月一日の新学期から始めたいと考えておりましたが、そのメモランダム関係で、遅くも今月中には解決してしまいたい、また今月中に始めるような手配にいたしたいと考えております。
  6. 淺香忠雄

    淺香委員 どんな方法でこれを実施されるのですか。
  7. 久保田藤麿

    久保田政府委員 この総額の分量が、二万七千四百六十トンの小麦粉をもらいまして、これを百二十七万七千二百六人の学童に、形はパンで渡したいと考えておるのでございます。この対象としますものは、六大都市のほかに、福岡と広島を加えたのでございます。これは数量によつて限られたために、一応やむを得ず六大都市と、あと二つ加えた八大都市といつたようなことになつて来たのでございますが、その分量のきめ方について、実は今まで非常に時間がかかつたという経過なのでございます。これは御存じ通り見返り資金を積むか積まぬかという問題がございますが、この場合には、見返り資金を積まなくてもよろしいということになりまして、実質的には、子供たちただのハンが配給できるという線に追い込んだわけでございます。たまたまこれは王国のプール計算をいたします関係で、麦でもらいますものと、幸いに粉でもらえる分と、またそれが横浜なり、神戸なりから、それぞれの地域に送られて行く運賃の問題がありまして、それらのものを一切プールして、そうした意味でやむを得ずかかります経費だけが、子供負担父兄負担ということになるわけであります。これの粉としての操作が、相当やつかいなことになるのでありますが、一応その粉は、日本子供たちに向つて給與されるものでございますので、その子供たちにかわつて文部省がこれを受取るという形になります。それを食糧庁の方に一応売り渡して、そうして食糧庁からそれを受ける單位として、県では給食を扱う給食会というものを組織しておりまして、この給食会が買い取る。その間は、ただ売り買いという形が一応法規上必要な手続として出て来るだけで、金の取引は、その間には一切ないのでございます。ただ食糧を売り渡し、またそれを受取るという取引手続が、売り買いという形にならなければならぬという形をとるだけで、実質面の金のやりとりというものは、ただいま申しました運賃なり、加工費といつたような経費だけでございます。そういう扱いをしまして、それぞれの県に、一応の割当数字をこしらえまして、私どもの方から、これこれの食糧のこれこれの分量のものが、あなたの方の割当に行つておるけれども、この切符をもつてそれを受取りなさいという指図書を出しますと、單位給食会がその粉を受取る。そしてそれぞれの責任で、それぞれのパン屋さんにお願いをしてパンをつくる。そのパンが事実上子供たちに配給されて行く、こういう形をとつているのでございます。
  8. 淺香忠雄

    淺香委員 今のお話を伺いますと、放出される粉は、先方では見返り資金を積み立てる必要はないと言つておるとの話でありますが、従つてこれはガリオア資金とか、エロア資金などに全然関係のないものですか。
  9. 久保田藤麿

    久保田政府委員 それはガリオア資金関係するものでありまして、ガリオア資金とは直接の関係を持つ。向う側で買い取るという形においては、ガリオア資金であります。こちらの側では、一般ガリオア資金立場で申せば、見返り資金を積むのが当然でありますが、その見返り資金を積むことを免除される。逆に申せば、子供に関する限りにおいてはただになる。日本輸入全体から言えば、同じことになるわけでございますが、子供関係から申せば、これはただになるという結果になるわけでございます。
  10. 淺香忠雄

    淺香委員 玄麦で来るものと、それから製粉して来るものとがある。それをプールして、そしてその加工賃学童負担さすような話でありましたが、その加工賃というものは、どの程度学童負担にたるものか、計数が出ておれば、お示しを願いたいと思います。
  11. 久保田藤麿

    久保田政府委員 非常にこまかいところの数字を、用意いたしておりませんが、玄麦の製粉のためというよりは、むしろ運賃パン加工の方に、こうした金が割りに要するのでございまして、ただいま私ども承知しております最高が、大体三円足らずだと覚えております。
  12. 淺香忠雄

    淺香委員 御答弁を聞いておりますと、受入れ機関につきましては、何だか審議機関でもあり、商行為を行い得るような機関でもあるように伺えますが、その点いかがでありましようか。
  13. 久保田藤麿

    久保田政府委員 取引をします関係が、実はそれぞれ一人々々の子供がやるのが一番整つた形になるわけでありますが、これは事実問題としてできませんので、先方給食に対する扱い方の要請としましては、文部省が面接受取りをすると同時に、受渡しをする責任者になれということであります。しかしこれはいろいろな意味で、法律的にも予算的にも非常にむりがありますので、やむを得ず、私どもとしては、財団法人をこしらえて、その財団法人がそうした主体になるのが、常識的な法律論として、便利ではあるまいかと考えて、その線で一応折衝しておつたわけでありますが、先方はそうした財団法人といつたものが、従来の公団あたりとよく似た性格を持つて——いわば向う公団に対する見方財団法人に対する見方とが、ある程度混同しておるのだと私どもは了解しておりますが、どうしても財団法人で行く方法を許してくれませんので、やむを得ず第一回の扱いとしましては、東京都の教育長が、全国の八大都市学童を代表した形にしまして、東京都の教育長がこの仕事を引受けてくれて、それの実務を、財団法人といたしましての学校給食会せわをする、こういうやつかいなことに一応相なりました。それだから、これは商行為と申すよりも、むしろ形式上の事務手続を満たす法律上の人格者がだれになるかというだけの問題でございます。
  14. 淺香忠雄

    淺香委員 その受入れ機関の問題について、今のお話を伺つておりますと、先方としては、財団法人としては公団にまぎらわしいから、これを許せないということで、文部省においては、東京都の教育長委員長としたところの給食委員会なるものをつくつて、これが文部省代行機関として、この問題を取扱わすかの話のように聞きましたが、しかしこの受入れ機関というものは、当然商行為を行わなければならない立場にある機関として、従来食糧行政については、別に現存した機関がありますのに、なぜこうした二元的な行政機関を、ここに必要とするのかということに対し、私は疑念を持つのであります。この点について、もう少しく明快な御答弁をお願いいたしたいと思います。
  15. 久保田藤麿

    久保田政府委員 これは、ただいま一番最初に申し上げましたように、事実上金取引が必要であれば、また別な見方がされると思いますが、最初に申しましたように、金の関係は一切事実において引起す必要がないのでございます。ただ地方に行きまして、子供パンとして受取るについて、パン加工なり輸送なりといつた問題がからんで来ます。その部分を商行為として押えれば、押えられぬことはないのでありますが、むしろガリオアでこちらに入つた食糧を、そういうふうに流して行く過程の問題は、商行為とは考えておらないのでございます。
  16. 淺香忠雄

    淺香委員 この受入れ機関が一切金を扱わないという今の御答弁でありましたが、しからば、この受入れ機関というものの経常費捻出方法はどこから出るのか、ひとつお答え願いたいと思います。
  17. 久保田藤麿

    久保田政府委員 ただいまちよつと触れたと思いますが、学校給食会がある程度実務をいたしますが、これもいつ何日どこどこでどれだけの分量を受取りました、どれだけのものをどんなふうに渡しますといつた手続だけでございまして、それから先の、先ほどちよつと触れましたが、地方に送り出して、地方でもつて加工をしたり、あるいは地方へ移しますための輸送とかいつた関係の分の経常費は、少し必要でありますので、それはそれぞれの給食会、また地方では財団法人給食会が、その費用をまかなわなければならぬ形になります。それから東京都の教育長が代表して受入れます関係においては、簡單に申せば、受渡しの書類の紙をつくるという程度のものでありまして、すぐに経常費の問題を引起すことにはならぬと考えております。
  18. 淺香忠雄

    淺香委員 この受入れ機関経常費の出どころということにつきまして、あまり明快な御答弁がないようであります。また給食会がこの経常費負担するかのような話でもありましたけれども、結局この経常費がどこからか出なければならぬ。何かの機関がそこに存続するならば、その機関がその経費をどこから出すかどいうことにつきまして、依然として私は了解のできにくい点があるのですが、もう少し明快にお答えしていただけぬものでしようか。
  19. 久保田藤麿

    久保田政府委員 御質問焦点を私はちつと勘違いしておつたかと思うのでありますが、東京都の教育長がやつてくれます事務についての経常費の問題と、主として了解したのでありますが、その点は特に申し上げなくても、あえて経費を要しないものだということは、おわかりいただけると思います。財団法人給食会の場合、それから地方給食会が、どうした方法によつてそれらの経常費を出して行くかというところに焦点が置かれているのかと思い事が、これは、たまたま小麦粉粉だけを扱う種類のものではございませんで、御存じ通り粉ミルクのおせわもいたしておりますし、ユニセフ関係のおせわもいたしておりますから、そうしたもの一切とからんで、たまたまある程度前金をもらつております。たとえば、今度の粉ミルクにつきましては、一応前金でもつて農林省にある時期までに金を納めるということが一つ要件になつておりまして、その間の金利はまことにわずかなものでありますが、そこの事務費をまかなう主たるものになつております。
  20. 淺香忠雄

    淺香委員 今も同僚議員から、この問題はこの程度にしたらどうだという御注意も出ておりまするが、しかしこの問題は、御承知通り大都市小学生全体を対象としたところの給食という大きな問題でありますし、なおかつ、私が今局長さんに執拗に質問いたしておりますのは、御承知通り私もこの業界関係者の一人でありますが、相当この受入れ機関につきましてはデマが乱れ飛んでおります。従つて、その真意というものをこの際に明らかにしておくことの方が、文部当局立場が、ひいては明らかになるのではないかというような、善意な意味におきまして、質問をいたしておりますことを御了承願いたいと思うのです。  一応受入れ機関の問題はこの程度にいたしまして、小学生だけを対象にしたその理由と、またひいては八大都市に限つたその理由、それから、できればパンにした場合の規格、あるいはパン工場選定方法、それともう一つは、もし各小学校の方で、パンで配給してもらうのはいやだ、自分の学校工場設備をやろう、従つて粉だけを配給してくれ、またはうどん、その他のもので給食をするので、原料だけでこれを配給してくれ、こういう場合に、どういうように処置をなさるか、承つておきたいと思います。
  21. 久保田藤麿

    久保田政府委員 第一の、なぜ八大都市小学校に限つたかという質問でありますが、これは、全体の分量から来た問題と、ただいまお話施設関係とからみまして、ある程度設備を持つておることを、私どもとしては一つ要件にしたい。それは、パンにしました理由とまた相通ずるわけでありますが、うどんでも、また粉のまま渡してもいいじやないかという考え方一も、一応得心の行くことではありますが、これは計量の問題、またこれを保管します関係、それらとからみますと、なるたけパンにして置くことが非常に処理がしやすい。また受けます子供たちの方から申しましても、一応同じようなものが同じ形でもらえるといつたようなところに利点がありはしないかと考えております。先ほど御指摘のように、施設なり何なりの関係から、うどんにしたい、また粉のままでほしいというような場面が起つて来ました場合には、実情をよく調べ、またその方がまことに適切だという場合には、府県給食会なり教育長の方で御相談に乗つて、始末をしてよろしいということにしてございますが、私どもの方としては、なるたけパンで、均一な形で、子供たちに受入れやすいような形で渡してやりたいと考えておる次第でございます。それとまた粉乳と一緒に配給されて行きます関係上、その方が好都合であろうと考えておるのでございます。
  22. 淺香忠雄

    淺香委員 最後にもう一つ、この父兄負担と、それから都道府県負担はどの程度になりますか、もうちよつと具体的にお話願えませんか。
  23. 久保田藤麿

    久保田政府委員 このパンに関します分については、先ほど申しましたように、現在許されております価格統制から見て、一番最高を押えて三円をちよつと割つておる数字だと心得えております。
  24. 淺香忠雄

    淺香委員 たいへんこの問題で時間を費しましたことを、他の委員皆さん方に恐縮をいたしておりまするが、先ほども申し上げましたように、ただ單に給食という問題ではなく、八大都市学童全体に、週に五日間にもわたるところの給食を実施するということにつきましては、ただいままで質問いたしましたように、カロリーの点とか、あるいはパン規格とか、工場選定とか、あるいは学校によりましては、設備を持つことによつて玄麦によつて配給してもらえるかどうかというような、いろいろな問題が、各地方におきましては問題となつております際であります。しかもそれを実施するということが、三月一日からやるのだというような内示も、何か各府県にあつたので、いまだに実施されないのはどうしたのだというので、各府県では迷つております関係上、こういつた点を明らかにしたいという意図のもとに御質問を申し上げたのでありまするし、同時にまた、劈頭に質問をいたしました受入れ機関の点は、審議機関なればいいけれども商行為をするような機関であるならば、もつとほかに方法があるのではないか、もつと愼重に研究を要する問題ではないかというように、この食糧を扱つておりますところの業者機関から、いろいろな点を聞いておるわけであります。従つてその内容を今日まであまり明らかにいたしておらなかつた関係上、疑心暗鬼を生みしまて、デマが乱れ飛んでおりますので、この際にこの点も明らかにしておきたいと考えたのであります。  以上、私が質問いたしました趣旨をよく御了承いただきまして、今後に問題を残さないように、とくと御注意を願いたいと思います。さらに、もう少しく專門的に、詳しく質問もし、答弁も願いたいと思うのでありまするが、時間も許されないのでありまして、何らかの機会に、日をあらためまして、さらに具体的に内容を明らかにしていただきたいことを希望いたしまして、本日の私の質問を終ることにいたします。     —————————————
  25. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 これより請願日程審査に入ります。日程の順序により逐次議題といたし、審査を進めます。  日程第一、私学に対する国庫補助並びに貸付に関する請願議題といたします。紹介議員説明を願います。
  26. 小林信一

    小林(信)委員 本請願は、早稻田大学学生自治会堀越稔君からの請願でありまして、請願要旨は、私学振興のための金融機関設立に関する決議案がたな上げになつたのは、文部大臣の十一月二十六日の衆議院文部委員会答弁において、同法案は憲法第八十九條とはまつた関係なく、單に財政的な理由で実現不可能になつたものであるとあるので、憲法第八十九條との関連において、私学校を必要とするという政府側答弁をくつがえすものである。従つて左理由から、官僚統制のない国庫補助金並びに貸付を交付されたというのである、一、父兄経済的破綻に伴う学生生活危機学生生活危機に根ざす学校経営破綻、二、教職員生活低下は、教育内容事務能力低下をもたらし、また研究設備も図書館も荒廃している、三、厚生施設の不備、四、学生寮の経営困難、という趣旨でありますが、御採択願いたいと思います。
  27. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 次に、政府意見を聽取いたします。
  28. 久保田藤麿

    久保田政府委員 御存じ通り、二十四年度、二十王年度私学に対します貸付金予算は、戰災復旧貸付金に限られておりまして、ここにありますうちの大半を占めております経営関係のための貸付といつたものは、一応落ちておるわけでございます。たまたま私立学校法施行になりまして、これらの点を充足して行かなければならぬ関係に相なつておりますので、今私学の方と私どもと、寄り寄り協議をしまして、私学に対する金融をつけて行く方法、さらに進んでは、この経常関係についての補助金を交付して行くという方法について、研究をいたしておりますので、だんだんこの趣旨に沿うた処置がとられて行けるものと考えております。     —————————————
  29. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第二、第三、第四は、いずれも教職員給與改訂等に関する請願でありますので一括して議題といたします。紹介者の御説明を願います。
  30. 小林信一

    小林(信)委員 紹介議員にかわつて申し上げます。  本請願要旨は、教職員の生計は、現在の給與ベースではとうてい維持することができない。これでは後顧の憂いなく、子弟の教育活動に沒頭し、教育の安定をはかることは困難である。ついては、すみやかに、教職員給與改訂し、かつ目前の年末を控えて苦慮する状態であるから、この実情を察せられて、最低二箇月分の越年資金を支給されたいというのであります。よろしく御採決を願います。
  31. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 政府意見を聽取いたします。
  32. 稻田清助

    ○稻田政府委員 この給與ベース改訂の問題は、一般国家公務員地方公務員全体の関連において考慮いたすほかはない問題だと考えております。なお他の一点でありまする年末の給與支給の問題につきましては、その時期においてある程度支給いたしておるわけでございます。     —————————————
  33. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第五、第六及び第二二は、いずれも旧制高校卒業生の進学問題に関する請願でありますので、一括して議題といたします。  本請願はすでに前会審査した請願と同一趣旨でありますので、紹介者説明及び政府意見聽取を省略いたします。      ————◇—————
  34. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第七は、当該政府委員ただいま出席しておりませんから、これはあとまわしにいたします。     —————————————
  35. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第八、第九は、いずれも教育予算増額並びに定員定学制廃止に関する請願でありますので、一括して議題といたします。  本請願は、すでに前会審査した請願と同一趣旨でありますので、紹介者説明及び政府意見聽取を省略いたします。     —————————————
  36. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第一〇、私学に対する国庫補助請願議題といたします。紹介者説明を願います。
  37. 松本七郎

    松本(七)委員 本請願要旨は、戰災によりまして、戰後の資金難がよいいよはなはだしくなり、私学経営者は、その財源難を授業料の値上げに求めましたが、学生はその父兄生活の窮乏化に伴いまして、学生生活が一層窮乏し、アルバイトの不足、育英資金の制限等によつて、血を売つてまでその生活を支えておる状態であります。一方学校側といたしましては、授業料未納学生の大量退学処分、あるいは経営難を理由とする有能教授の強制退職等を行つておる事実もございます。ついては、その独自の教育方針によつて、わが国教育史上に多くの貢献をなして参りました私学の救済と健全な発達のため、十分な国庫補助を與えられたいというのであります。何とぞ御採択をお願いいたします。
  38. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 政府委員意見を聽取いたします。
  39. 久保田藤麿

    久保田政府委員 先ほどの私学の補助関係とまつたく同一趣旨の問題でございまして、先ほど申しました通り金融関係なり、あるいは経営費の関係なり、補助金関係なり、特別に努力をいたして行きたいと考えております。     —————————————
  40. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第一一、教員定員増加並びに待遇改善に関する請願議題といたします。紹介者説明を求めます。
  41. 小林信一

    小林(信)委員 紹介議員にかわつて申し上げます。本請願要旨は、教員の定員定額制を、一律に事情を異にする各県に実施することは、実情を無視したものである。高知県のごとく交通不便の地方では、自然小校分散となり、学校数も他県に比し著しく多い。かかる状態で、定員による教育の完全を期することはおろか、現在の病欠職員等の補欠さえもできない状態であり、またその待遇は辛うじて日常生活を維持する程度であるから、教育の発展はとうてい望むことができない。ついては教員の定員を増加して、その待遇改善をはかられたいというのであります。
  42. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 政府意見を求めます。
  43. 稻田清助

    ○稻田政府委員 御承知のごとく、教員のいわゆる定員定学制は、本年度においては、もうすでにこれを行わないことになつておるのでありまするけれども、新しく出発いたしまする平衡交付金制度の関連におきまして、計算といたしましては、昨年の小学校五十分の一・三五を一五に上げ、中学校を五十分の一・五を一・七に上げ、そのほかに結核教員の分をその外に見込む等、十分その改善をはかつておるわけでございまして、その実施につきまして、地域的の特質に応じまする問題につきましては、地域別係数を適当に算定いたしまして、地方々々に適当ならしめたいと考えております。     —————————————
  44. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第一二、六・三制校舎建設予算増額並びに教員待遇改善に関する請願議題といたします。  本請願はすでに前会審査した請願と同一趣旨でありますので、紹介者説明及び政府意見聽取を省略いたします。     —————————————
  45. 水谷昇

    水谷(昇)委員長代理 日程第一三、教育民主化徹底に関する請願議題といたします。紹介者説明を求めます。
  46. 小林信一

    小林(信)委員 紹介議員にかわつて申し上げます。本請願要旨は、東京教育委員会委員長成田千里氏の部下殴打事件は、教育民主化を無視した暴力主義であり、教育民主化に一大暗影を投じたものである。このような暴力礼讃的、軍国主義的なことが同都中野区多田小学校長帖佐純義氏によつても行われ、部下職員を圧迫して独善独裁をほしいままにしている。ついては近く教員整理が行われるようであるが、このような校長の報告や、教育委員のもとで行われる整理は取り止めて、設備の改善、教員の増員、待遇の改善、教育民主化徹底教育の向上を計ら