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山口(武)
委員 ただいまの
答弁は私はきわめて
農地改革の精神を忘れた
答弁だと思うのであります。と申しまするのは、開放面積の推定がどうこうというのは、これまでの
政府の推定が誤
つていたというだけの話でありまして、何らほかの
意味はない。そのようなことを持ち出して
説明されるということは、きわめて誠実を欠いておる。なぜかならば、あなた自身も御承知のように、どのくらい
土地取上げが起
つているのか、これは御承知のはずだ。この問題にことさらに目をおおうとしている。それから市町村の農地
委員会が、これはなるほどやむを得ない
法律であつたからや
つたのであります。しかしながらこれをいかに妨害しようとしたかということは、だれでも知
つていることであります。先ほど申しましたように、
連合軍もこの点を指摘したはずである。こういう事実をあなたは知らない顔していようと思
つても、なおこのようなことが行われているときに、今回の買収の一応の打切りというような形が出て来て、これを市町村の渡譲計画に譲るというようなことは
——農地改革の案が発表されただけで、私はおそらくこれはどのような形に行われて来るかもわかりませんが、少くとも
農地改革に相反する傾向を助長することになることは明瞭だ。あなたはそのことに、ことさらに目をおおうておられますが、そうは行かない。それから問題を簡単にするとい
つておりますが、農地問題を、そのように簡単にするというようなことで片づけていいものかどうか。これが日本のきわめて大き一な変革であるという点から見ても、事を簡単に済ますなどとい
つていいものかどうか、たとい部分的であるとは申しましても、金納小作料というものか相当残存している。あるいは違法の行為がしばしば行われている。このようなことは、なお現在
農村におきまして、封建的な身分関係が力強く残存しておる。これが
基礎とな
つてこのようなことが行われているのだという点を見ましたとふた、一体今
答弁なさつたような態度で、この
成果を保持できるものかどうか、しかもさらにそれに加えまして、最近の
農村の不況という問題が加わ
つているときに、あなたはこの
成果をこのような
法律によ
つて、恒久的に保持できるとほんとうに
考えているのかどうか、
森農林大臣のもとにあるから、やむを得ずそのような
答弁をなさつたかどうか、はつきりお聞きしておきたい。