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森国務大臣 みそ、
しようゆの問題でありますが、これはもう全部自由にいたしたい
考えを持
つているのであります。今十五万トンの大豆が輸入されておりまして、これが
みそ、
しようゆの原料にな
つておる
ためにただちにこれを自由になし得ないというような
立場にありまして、非常に
政府としては迷惑をいたしているのであります。もう今日
みそ、
しようゆなんというものは自由にした方が妥当であるということは、
政府としては十分
考えておるのでありますが、何分原料をアメリカからもら
つております以上、アメリカのおつしやることをむげにするわけに行きませんので、ごこしばらくは、
みそ、
しようゆの自由なる措置に出得ないということにな
つておるわけであります。
それから最後にお話になりました問題につきましては、決して上司も知らぬ顔はしておらぬのであります。知らぬ顔はしておらぬのでありますが、できるだけこういう実情であるということを、
検察庁にはよく了解させまして、悪いことをした者は、あくまでも悪いことをしたとして追及すべきでありますが、しかしながらそれが
ために
食糧配給の問題においてさしつかえがあるということがあ
つてはならぬから、できるだけ早く問題の中心をつかまえて、
解決を急ぐということに努力をいたしており、また
法務総裁に対しましても、進言をいたしておるわけであります。
なお
肥料の問題につきましては、
農林大臣において
輸出入の
権限がもちろんあります。ありますが、その輸入
状態におきましても、こつちが欲しなくとも、
日本の
輸出入の
関係として、今日は自由的な措置を許さない場合においては、
硫安なり
硝安なんかの輸入を計画されるのであります。できるだけ
日本は
硫安なんかいらぬから、お断りいたしたいと思
つておりましても、今年の
食糧の
生産計画と、
肥料の
生産計画とを科学的ににらみ合せて、
日本の
肥料が二十万トン足らぬ、それだから
硫安を輸入してやる、こういうので
硫安の二十万トン輸入が計画されておる。今回
日本が
肥料公団を
廃止して、自由な
立場に置く、こういうことに
なつたら、そんなら自由になるなら、余
つたときに
南方諸国に
輸出しろ、こういう
考えを
向うは持
つておるわけであります。
河野委員もか
つての
委員会におきましては、今の
日本の
肥料は余
つて余
つて困
つておる。もうどうもこうもしようがない。余
つておるのだから、これを自由にしてもいいのだ、こういう御議論もあ
つたわけでありますがその余
つたものを
海外に
輸出しろ—これは
委員会の速記はすぐ
司令部に
行つておりまするから、そこまで
委員会において言われたときに、
肥料が余
つておるならば、この際
日本は
南方諸国に
肥料の販路を拡張したがいいじやないか。その措置をと
つておいた方がいいじやないか。こういうことが
司令部として
考えられるのであります。私は
日本の
肥料は、二百二十万トンの窒素質
肥料の
生産がありましても、決して完全無欠に
行つていると思いません。ただ
化学肥料のみに依存することはいけませんから、今後有機質
肥料によ
つて行きたい、土質の改良に行きたいということを
考えますけれども、それのできない以上は、
化学肥料の二百万トンの
生産は必要だと、かように
考えておるのでありますが、この国会の
委員会等の動きが
司令部に反映いたしまして—
肥料が余
つておる、余
つておるからもうすでに
公団は
廃止して自由にした方がいい。もう百姓は
肥料の高いことについては、買う力もないし、もう
どんどん余
つて困
つてしまう。だからこんな高い
肥料は
配給する必要がなくなるというような、この国会の意見も、相当
司令部に反映しておると私は聞いておるのであります。しかしながら私といたしましては、さような事実があるといたしましても、今日
日本の
肥料を
海外に
どんどんと
輸出いたしまして—それは
メーカーとしては利益がありましよう、利益がありましようけれども、
日本の
食糧増産に対して
肥料が欠乏するというようなことがあ
つてはたいへんだという
気持で、できるだけこの
海外輸出に対しては防遏の
態度をも
つております。
農林大臣は、お話の
通り肥料の
輸出入に対しての
権限は持
つておりますが、今日の
日本の
事情といたしましては、
輸出入の貿易の
事情といたしまして、連合軍がかくあるべしだという断定を下した上におきましては、総理
大臣の
権限もある意味において抑制されるような
状態でありますので、私はこの
肥料の問題について、非常な痛心をいたしておるわけであります。しかしながら
硫安を
輸出いたしまして
硝安を輸入するというようなことは、
日本の国土に合いませんので、できるだけごの
硫安の
輸出に対しましては慎重な
態度をも
つてお断りをいたしたい、かような
考え方を持
つておるのであります。しからば国家が
肥料に対して
統制を持続するか、七月で打切
つてしまうではないか、七月で打切
つてしまえばもう自由ではないか。自由な
立場にあれば、どこへ出せと連合軍が命令した
つて、
日本はそれを拒む理由がないではないか、こういうのが今日の
段階にな
つておりますので、
政府といたしましては、非常に苦慮いたしておるわけであります。しかしながら七月において
皆さんの御希望のごとき、またお
考えのごとき相当の施設ができますならば、特別会計を設けまして、
肥料の需給調整のこともできますので、それさえできますれば、やはり相当
日本の必要な
肥料だけは確保し得られると思うのでありますが、今日の
段階といたしましては、さような
事情のもとに今
政府は置かれておりますので、この
肥料の問題は非常な苦慮をいたしておるわけでありますから、この点は十分御了承を得まして、
委員会といたしましても、先ほど御決定になりましたあの問題の実現に対して、
政府も非常に協力いたしておるわけでありますが、
皆さんの御希望の達成せられるよう、一段の御配慮をお願いしたいと存ずるわけであります。