○河野(謙)
委員 私はこの
段階で、
畜産の少くとも五箇年はおろか、十箇年くらいの
計画があるべきだと思います。
政府がかねて立てました五箇年
計画をそのまま遂行いたしましても、私の
承知しておるとこるでは、アメリカあたりの一人の一日の蛋白質の攝取量の数十分の一だろうと思います。たしかアメリカでは一人あたり一日八十グラム以上の動物質蛋白を攝取しておるということを、私は聞いております。この五箇年
計画が遂行されましても、それの数十分の一だというような、こういう小さな
計画を立てておりまして、一方においては澱粉質中心の食生活から、蛋白質中心の食生活に切りかえるのだというのでは話が合わない。私はこれは決して夢じやないと思います。少くとも従来の農林省の食糧管理局が、農林省の全部を背負
つているような澱粉質の食糧中心の行政を、もう少し勇敢に
畜産局中心の方に切りかえることができなければ、農林省がかねがね言
つているところの食生活の切りかえというようなことはできないのです。口には食生活の切りかえを言
つておりながら、農林省の行政そのものの切りかえがちつともできていない。その
意味において、私は少くとも
畜産五箇年
計画なり十箇年
計画を立てる以上は、五箇年目なり十箇年月には、一日の
日本人の動物質蛋白の攝取量が、少くとも欧米の十分のなり五分の一というようなところに目標があるべきだと思います。さようなことを立てて、そしてこの行政の指導をしていただきたいということを、私は希望するわけであります。それと同時に、もう一つこの
機会にお願いするとともにお尋ねしておきたいことは、一応五箇年
計画というものを前提にいたしました場合に。その五箇年後の
計画が遂行いたしました場合には、牛乳その他肉の生産費が幾ら切下げられるか。私の
承知している範囲では、現在のように牛乳が一升四十五円も五十円もしてお
つたのでは、国際的に乳製品の価格が引き合いません。
政府の
施策には、必ず経済的な裏づけがなくちやいかぬと私は思います。少くとも牛乳の生産費が、現在の
段階におきましては、二十五円ぐらいのところまでに生産費が下り、しかも有畜農家が十分経済的に引き合うような
施策が必要だと私は思います。それに粗飼料、濃厚飼料の問題、また本日ここに
提案されました、
家畜の
改良増殖の問題、これらの問題が取上げられるのでありますが、
政府といたしましては、か
つて立てました五箇年
計画によりまして、経済的には、五箇年後においていかなる推移をたど
つて行くかということについて、参考資料があればこの際お聞かせ願いたいと思います。