○木村(武)
政府委員 お手元に農林五
公団業務運営状況の内部監査という
資料を
提出しておきましたので、それによ
つて御
説明申し上げたいと思います。大体御質問が箇條書にな
つておりますので、その
内容をこちらでとりまとめて申し上げた形にな
つておるわけであります。
最初は剰余金の内部留保の問題でございます。私
どもは二十三年の後期決算を
調査いたしたのでありますが、ここに書いてございますように、農林五
公団の全部にわたりまして、いわゆる内部留保はどういう形でや
つているかと申しますと、具体的相手方のない未拂い諸掛勘定というのを立てまして、それを一応決算で落しているわけであります。そしてそれを二十四年度に未拂い諸掛勘定として引継いでおる、こういうかつこうであるわけでありまして、これは具体的な相手方がありますれば、もちろん問題のない、正当な経理のやり方であります。それが具体的な相手方がないという点で、ちよつとぐあいが悪いと思うわけであります。しかしいずれも、こういう段階で発見されまして、ここに書いてございますように、二十四年度の雑益にそれを計上いたしましたり、あるいはまた肥料
公団のような場合には、二十三年度の後期の決算を全部改訂いたしまして、それを全部表へ出した、こういうかつこうでや
つたのもありまして、全部その経理上の始末
はついた。こういうかつこうにな
つております。
次に浮き貸しの問題のお尋ねがあ
つたのでありますが、私
どもは、これはもちろん刑事
事件になるわけでありますが、さような刑事
事件の問題まで掘り下げてみるというような行き方でなしに、むしろさようなことの起り得るような事情にあるというような点を掘り下げておる、こういうことであります。その点はむしろ四番の利子の支拂いについてというところの問題として、さようなことが起りがちな会計の事情であつたというふうに、お
考えおきを願いたいと思います。
次は運賃の支拂いの問題であります。これは私
どもが帳簿を見ました二十三年の後期ごろから、急速に賃率が下
つて行つたわけでありますが、この実勢にフォローして行けば、相当節減ができたというのにかかわらず、その節減がなされていないということにな
つております。一般の市場実勢でありますと、相当低いわけであります。そのかわり若干ぐあいが悪いのは、第二
会社的なものがおりまして、これが実際に引受けますものとの間に相当なさやとりにな
つておる。それが第二
会社の段階で、第二
会社に吸いとられておる、こういうかつこうにな
つておるのが相当にある。ここに書いてございますように、たとえば食料品
配給公団の乳製品局あるいは飼料
配給公団というようなものにこれが相当顯著に現われておる、こういう状況でございます。
次は利子の支拂いでございますが、これは浮き貸しなどの起りやすい会計がこういうところにあるということを物語
つておるわけでありまして、俗つぽく言えば、結果的にいえば銀行に非常にサービスしておるというようなことにな
つておるわけであります。ここに数字をあげておりますように相当巨額な手元の資金を、無利子で当座預金その他へ融通しておる。たとえば飼料
配給公団は九八%も当座預金にまわしておる。こういうふうな状況にな
つておるわけであります。それから利子の支拂いの状況が、受取り利息と比べまして相当ひどい
倍率にな
つておる。たとえば二十四年の前期で申し上げますと、油糧
配給公団の受取り利息と支拂い利息との
倍率は支拂い利息の方が三十倍にな
つており、肥料
配給公団で三十八倍、食料品
配給公団で三十四倍、飼料
配給公団で四十倍、こういうような状況にな
つておるのであります。この原因はここに書いてございますように、今の受取りの方は当座預金等で無利子で預金しておる。ところが片方、期限前に償還可能な相当の利付の短期負債を抱えておる。それから売掛金があるが、その売掛金はCOD売りが原則であるというので、ほとんど利息をと
つておらぬ状況で、さらに最近
公団の在滯貨が増加いたしまして、買掛金というような形で相当残
つておる。たとえば
食糧公団の場合でございますと、食管特別会計に借りにな
つておる。そこで食管特別会計に対しての利息は支拂わなければならぬ。これは二十五年度からは改善されますけれ
ども、そういうようなことが、さような事柄を物語
つておるわけであります。
次は今の問題のうらはらでありますが、お手元の表の(二)、(三)に掲げてございますように、現金手持高が非常に多くな
つておるのであります。
次は滯貨の状況でございますが、第(四)表の
通り、工場買取方式、出荷指示買取方式のものは、相当滯貨数がふえております。しかしこれは、従来のいろいろな例がございますので、そういう例に応じて、
公団が解散の際に背負いこまないようにということで、
関係当局でいろいろ努力しおります。
お尋ねの点につきましての私
どもの
調査資料は、大体さような状況でございます。