○
増田国務大臣 内海さんに
お答え申し上げます。御指摘の点はごもつともでございます。しかしながら先ほど
深澤君にも
お答え申し上げた
通り、
政府においては相当
多額の
拓殖費を昔から
北海道に毎年々々使用いたしておるのでありまして、これらの
拓殖費を科学的に総合的に
調和のある使い方をいたしたい。たとえて申しますと、例は悪いかもしれませんが、あるいは
内地にも適用されることかもしれませんけれ
ども、石狩川なら石狩川の流域についての
開発をするという場合に、河川改修——もつとも
北海道の河川は
内地の河川と違いまして、ろくな改修はしておりませんことは内海さん御存じの
通りであります。とにかく石狩の河川改修、石狩附近の開田開畑、それから上の方に参りまして
水力資源の
開発、それから治山
関係、それから石狩の出口には石狩港という港もございます。こういうような
関係も総合一貫した
調和のとれた
開発計画がないのでありまして、しかも
国費をおのがじし投下しておる。
建設省が投下し、漁港
関係や治山の
関係は農林省が投下し、開田開畑は農林省の農地局、昔なら開拓局がやる。しかもいずれも
国費を直接投下し、これを使用するものは
北海道においては国の役人が使
つておるのであります。
内地におきましては御
承知のごとく、たとえば宮城県にいたしましても、岩手県にいたしましても、県の知事以下の吏員がこれを使用いたしておりますが、
北海道においては
国費関係は現在でも国の役人が使
つております。こういうような意味からもすでに
特殊性は御想像でき得ることと思いまするが、
多額の
国費を
調和のとれた使い方をしなければ、
国費の不合理的使用ということは国民に対しても相済まぬというような感じから、実はずつと前から、去年もおととしも、ずつと前から実は設けたか
つたのでありますが、内海さんも御存じの
通り、各
関係省庁の争いもございまして、いわゆる官僚のなわ張りと言いますか、そういうようなこともございまして、今日こういう結論に達するまでにはなかなか時間がとれたのでございます。歴代
内閣を決して私は非難いたしません、こういう結論には到達しにくい
各種の事情があ
つたのでございまするから。今日幸いにこういう結論に到達いたしまして、
開発庁を設け、そうして
特殊性のある
北海道の
開発を急速に積極的にこれを展開して、
内地及び
北海道八千万の
国民生活の安定に
寄與いたしたいこういう
見地でございまして、内海さんの御
承知のごとく、
東北のごときは、もとより大いに力を入れてやる必要があると思
つておりました。私も昔役人をしておりました当時、
東北庁の設置を提唱し、それがだんだん
東北事務局となり、最後には
東北振興ぐらいにな
つてしま
つたことは、今日でも提唱者の一人として遺憾に存じておる次第であります。しかしながら
内地全体は、まだ総合的な
調和のとれた
開発計画はできていないのでありまするが、
北海道は、どちらかと申しますと、
特殊性はありまするが、またこじんまりしております。
一つの道で仕事をいたしております。こういう
関係から、まずこちらから始めるというわけで、将来おそらく
国家企画庁とい
つたようなものができると、私は想像いたしておりまするが、そのときでも
北海道開発庁は別個であるとい
つたような
考えまでは、今日固執いたしておりませんが、とりあえず、できるところから、小口からどしどし
開発をして、そうして
国民生活の安定に
寄與いたしたいという念願にほかならない次第でございます。