○
米窪委員 ただいまの長官の御
説明で、大した支障がないようですが、これは汽車に船をつけて太平洋から
日本海に持
つて来るということもできませんから、これはおそらく遠い距離をまわ
つて行かなければならぬ。実際民間産業に対する脅威というものは、非常なものがあると思います。
さらに
お尋ねしたい点は、むしろ
海上行政と
陸上行政と必ずマツチしなければならぬという
考え方が間違
つておる。特殊な観念から参らなければならぬ。長官の御
説明によると、
ちようど戦争中の広域
陸上行政の、あの
機関のアイデアがこびりついておるじやないかと思う。たとえば当時においては
大阪、広島、仙台、そういう
方面に
六つの
陸上の広域
行政の
本部があ
つて、そのもとへすべての
行政機関を持
つて行
つた、その場合においては
陸上も
海上も、人民の不便、土地の
事情、そういうことを全然
考えずに持
つて行
つた。今回のこの
改正も、ややそういう
考えと同じでございます。もしもそういうお
考えでおやりになるなれば、東京、京都なんというところへ置かれて、そこから命令を下すということでさしつかえないと思うのですが、
横浜へ置くかと思うと、今度は
大阪へ置く。それからせつかく門司に施設があるにかかわらず、門司をやめて福岡へ置く。案外
海上保安という
行政は、海運と密接なる
関係があるのでございます。すなわち
太平洋岸においては、せつかく
神戸というりつぱな港があり、そこに港湾施設もあり、従来港湾
行政の役所もそこにあ
つて、円滑にや
つて参
つた。また九州では門司という交通の便利な、
機動性を発揮し得るに必要十分である港があるにかかわらず、わざわざこれを奥の方へひつぱり込んで、福岡へ持
つて行かなければならぬ、一体どこにそういう
理由があるか。何べん御
説明を伺
つても、私はわからない。しかも附則の二へ持
つて行
つて、「
海上保安庁長官は、当分の間、第十二條第二項の規定にかかわらず、第四
管区海上保安本部及び第六
管区海上保安本部をそれぞれ
神戸市及び門司市に置くことができる。」この「当分の間」という意味もわかりませんし、またその必要が何で起
つて来るか、
大阪及び福岡にただちに置くことができないからこそ、当分の間
神戸市及び門司市に置くということにな
つて来る。しからば察するところ、施設が足らない、あるいはその他の
行政的な
関係で、今ただちに
大阪及び福岡に置けないという
理由のために、当分の間
神戸及び門司に置くということになるのか。そうすると経費の点はかわりはない、予算には
関係はないとおつしやりながらも、これはやはり本年度は予算には
関係はなくても、来年度からは必ず予算が膨脹するため、これもやむを得ない予算の膨脹ならば、
海上保安のために必要だと思うのですが、結局これは
神戸及び門司で間に合うものを、わざわざ
大阪及び福岡に施設を来年度から設けてそこへ持
つて行く。しかもその出入についてははなはだ不便である。これは
神戸と
大阪の比較論、門司と福岡の比較は常識上、潮流の
関係から、風の
関係から言
つても、港の施設から言
つても、どちらが
海上人にと
つて便利であるかということは、おそらく日本の国民としてだれ一人
大阪よりも福岡がまさ
つておる。福岡より門司がまさ
つておるということは当然のことで、三歳の童子といえ
どもわか
つておる。しかるに施設が足らないところを明年度あるいは本年度予算をかけて
大阪に施設をつくり、あるいは福岡に施設をつくる。そういう手続をしてまで
大阪及び福岡に持
つて行かなければならぬ
理由がどこにあるか。その点をお伺いしたいと思います。