○奧村
政府委員 いろいろのお尋ねでございまして、その中に脱税
関係に
調査庁が協力するというようなことを、前回の国会でありますか、御
答弁申し上げたかのような
お話がございました。私の
承知いたしております限りでは、国税庁の方から、密造酒の検挙につきまして、協力してくれというふうな話が、昨年であ
つたかありました。そのときに、それではこちらの方が余力の限度において協力しようということで、
全国で一、二個所、その問題についてこちらが加勢した事例があ
つたように記憶しております。脱税一般につきまして、
調査庁といたしまして、これに協力すると申しますか、
仕事の重点を向けて行くというふうに
考えたことは、今までなか
つたのであります。何かこちらの
説明が不十分でそういう印象を與えてお
つたことと思いますが、従来の私どもの
考え方を申し上げまして、御了承願いたいと思う次第でございます。
それから私どもの方の
構成員でございますが、当初でき上りましたときに、ただいまお示しのように、大体経済統制の励行ということで、経済警察がなくなりましたその空白を埋めて行くとい
つたような使命も、初めは若干ございました。但し警察とは違う、
行政的にこれをやるのだというふうなことが、非常にやかましく言われておりましたし、そういうふうな
関係で、警察、司法方面の
事務になれている人を、若干
職員として保有しておく必要があるという
関係から、警察及び検察庁の前歴を有する者を、若干入れたわけであります。その後数回の整理によ
つて、そういう者の数はだんだん減
つて来ておりました。現在のところでは総員数の一割七、八分くらいに相な
つております。今後の整理におきましても、ただいま
本多大臣から
お話もございましたように、新しい
仕事の
方向と、人間の前歴、能力というふうなものを適当に勘案にいたしまして、お示しのような
方向に努力いたしたい、かように
考えております。
それから私どもの
仕事のことでございますが、初めは先刻申し上げたようなことで出発いたしまして、その後いろいろ
仕事をやつ参りますと、当時私どもの言葉で監査、査察と呼んでおりますが、役所の方の監査と、それから統制に
関係いたします民間と申しますか、業界の方を対象にいたしました
調査、大体そういう
方向でや
つて参
つたのでございます。いろいろや
つて参りました経験に徴しますと、統制の
段階におきましても、官庁方面にいろいろ問題がたくさんある。たとえて申しますならば、これは古い話になりますが、配給の問題にいたしましても、切符の発行でありますとか、それの現物の裏づけであるとか、主として官辺の操作にまたなければならないような事柄に、どうも問題がたくさんあるというような印象を強くいたしました。その後実際の動きといたしましては、
調査庁の主力をおおむねその
方向に向けて行
つたのでございますが、統制の幅がだんだん縮小されるようになりまして、ますますその傾向を強くして参
つたのでございますが、経済統制の中心にあ
つて、
行政機関方面の
事務を調べておりますうちに、自然他の方面にも触れて参るわけであります。いろいろかれこれ私どもの印象といたしましては、今後はこの経済統制のみならず、重要なる法令をも
つて指示されました経済政策、そういう方面の、
政府なり国会の御意思とされるところと、実行面とのずれ、それをできるだけ直す
方向を進めて行く、これが
一つく御報公するゆえんではないかというふうな
考えになりました。従来とも
行政監査方面の
仕事はいたしてお
つたのでございますが、その主軸になります法令を、統制法令のほかに、一般経済
関係法令というふうに、広く
範囲を改めることに、今回改正をお願いいたしました。その方に重点をおきまして、
調査庁の
仕事を
施行して参りたい、かように
考えている次第でございます。