○三橋
政府委員 ただいまの
請願の中の一につきましては、先ほどお答えいたしましたことで、御了承願いたいと思います。
第二の点でございまするが、
退職後
一定の
期間内に
恩給を
支給する
義務を、
裁定官庁その他の
行政官庁に負わせるようにしてもらいたいということにつきましては、ただちにこの通り賛成しかねるところでございます。この
恩給を請求しますのは、その
恩給の
金額、
恩給の種類とか、いつから
支給されるように請求するのか、その
恩給の
権利の具体的な
内容が確定しなければならないのであります。ところでその
恩給の
権利の具体的な
内容は、
恩給の
支給さるべきいろいろな
條件が明らかにされなければならないのでありますが、この
條件につきましては、その
條件の
内容が
恩給を請求する人によ
つていろいろ違うわけであります。
従つてこの
條件の
内容を、
裁定官庁はよく
審査をいたしました上でないと、
恩給を
支拂いすることはできないわけであります。ところでこの
審査は、
恩給を請求しますところの
條件の
内容がいろいろ
違つておりまするから、あらかじめ
一定の
期日を
切つて審査をしてしまうことができない場合がままあるのであります。
従つて退職してから
一定の
期日以内に必ず
恩給の金を
支拂えというような
義務を、
裁定官庁その他の
行政官庁に負わせるということは無理があるのでなかろうかと考えております。
次に
審査の
裁定並びに
支拂いの
手続を簡素化してもらいたいという
要望でありますが、これにつきましては
当局としましては、すでに
審査の
裁定の
手続をできる限り簡素化し、また
恩給金額の
支拂いの
手続もでき得る限り簡單にするように努めておるところでございます。今後といえどもなお簡素化し得る点がございました場合におきましては、できる限り簡素化することにいたしたいと考えておりますが、今の
程度では相当簡素化しておるのでありまして、今大きな問題につきまして、簡素化し得る点を
はつきりと申し上げかねるところでございます。でき得る限り
当局といたしましては
手続を簡素化いたしまして、
受給者の満足を得るようにいたしたいと考えております。
その次に
退職時に
概算拂いをなし得る道を定めてもらいたいということでございまするが、この
概算拂いということは、
恩給の
金額が一応確定するということが、必要でなかろうかと思うのであります。
恩給金額が
はつきりと具体的にきまらないにいたしましても、
恩給権の
内容が具体的に確定しなければならないものと思います。ところで
恩給権の具体的な
内容というものは、
審査をして定めなければ確定しないのであります。その
審査に実はひまがかか
つて恩給の
支拂いが遅れている場合があるのであります。
恩給権の
内容が、具体的に確定いたしますれば、すぐに拂うのでありますから、
恩給権の
内容が具体的に確定して
しまつた後におきましては、
概算拂いの必要も、今のところないのではなかろうかと思
つております。現在におきましては、
恩給権の
内容が具体的に確定いたしますれば、大体二週間前後において
恩給の金は
支拂い得ることに
なつております。でありまするからして、
恩給の
概算拂いの道を講ずると言いましても、今申し上げるような
事情でありまするから
ちよつと困難なことではなかろうかと考えております。
次に
行政整理に伴いまして
退職したところの
公務員につきましては、すみやかに
恩給の
支給支拂い当局において善処してもらいたいということでありますが、これはもつともなことでございまして、実は
行政整理が昨年行われました際には、
恩給局は
各省と緊密な
連絡をとりまして、でき得る限りすみやかに
行政整理で
退職した
人々の
恩給の
裁定と、その
支拂いができますように
措置をいたしたのでございます。何と申しましても相当たくさんの
退職者を一時に出したことでありますから、若干普通の場合よりも
恩給の
裁定なり
支拂いが遅れたのでありますが、幸いにして
関係各省の非常な努力によりまして、今のところは大体済んでしま
つております。この
恩給事務は大体片づいております。ごく最近の私の方で調べましたところによりますと、全
各省を通じまして、私のところにまだ
行政整理の
関係で
恩給の
裁定を得ていない、私の方に出ていない
書類は、約三千件くらいある見込みでございます。これにつきましてはいろいろと督促をいたしまして、すみやかに私の方に
書類を出すようにとりはから
つておるのでありますが、これらの
人々の中に相当各
官庁をぐるぐると遍歴したというような人とか、その他
恩給を支団しまする前提となる
條件を調べるにつきまして、かなり手間取
つておるものもあるのでありまして、そういう
関係で実は遅れておるのが、大部分であります。これも間もなく片づくことと思うのでありまして、やがて
行政整理によ
つて退職した
恩給受給者の
恩給も近く
裁定をし、
恩給の金が
支拂えることになると考えております。