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樋貝国務大臣 実は私
ども警察の方を担当しておりますが、御
承知の
通り警察方面は、
ひとり国内関係のみならず、
国際事情においても重要な
関係に立
つておりますので、全部のことを申し上げる自由を持
つておらぬのを遺憾と思います。しかし昨年私が
就職いたしまして以来、実は内部的で、外部に現わすことはできなか
つたとはいえ、いろいろの
方面で
研究もし、苦心もいたしてお
つたわけであります。あのときは
ちようど私は歯が痛いから歯医者に行くと
言つて出かけましたけれ
ども、
ちよつと行
つたところで出て来たやつを
新聞記者につかま
つたというようなことも一再ならずありまして、非常に
機微を要する問題でありながら、注意の的でありましたけれ
ども、しかし私帰るまで自分が何をしているかを申し上げなか
つたゆえんでもあるのですしかし非常に
機微であるけれ
ども、言いかえれば
日本の
警察力に何を問うべきかということも、今日国際上においても重要でありましようし、今までにおいてはもつと重要であ
つたと思います。大体において今日腹はきま
つておりましようけれ
ども、しかしそれを口外することはできないと申し上げたわけであります。今日の新しい
警察制度において、いいこともあるけれ
ども、われわれ非常に
研究しなければならぬものもあります。たとえば自治体においての配分についても、人口基準にしてやりますが、その人口というものが、昭和二十二年十月一日の人口を基準にして、自治体の
警察でも配分されております。昭和二十五年の場合にはできるならば二十四年の人口くらいは基準にしたいと
考えておりますが、現在な
つておりますのは、そうではない、数年前の人口、言いかえれば
日本があの空襲を受けた直後におけるところの人口を標準にして人が分配されておる。しかもトータルにおいては、九万五千という、あれがいいか
惡いかは別問題といたしまして、今日においては、九万五千という制限を受けておるという
状態でありますので、その間においては、それが改められざる限りは、分配を是正することはできないというようなありさまであります。また地方自治体におきましても、財政の点でも、今日
相当苦しんでおるというような
状態でありまして、
従つて捜査能力その他につきましても、私
どもは
考えなければならぬ点が幾つとなくありますので、それらの点を
研究はしておりますけれ
ども、今の
日本の
状態として思うままになすことはできない
状態であります。その結果今日まで遅れておるような
状態であります。昨年末におきましても、その点についてはいろいろ交渉したのでありますが、しばらく待てということで、待
つているような
状態であります。
従つて與えられた條件が何であ
つても、今日の條件として最高の
能力を発揮しようというようなことで、あるいは装備の点において、あるいは通信の点において、あるいは自動車の点において改良に改良を加えなければならぬ。あるいは
警察官の訓練におきましても、ほとんど昔日の感はないというような
状態にな
つて参りました現在の
日本の治安
状態を保
つて行きたいということを
考えておるわけで、
従つてその目的において
努力をいたしておるゆえんであります。こういうことは、われわれとしても根本的に
考えなければならぬことを
考えないでおるわけではないのであります。それはそれ、これはこれで、別途に進行しておるのが事実であります。
なおただいま、あるいは
警察方面と
法務方面と
食い違いがあるではないかというお尋ねでありましたが、しかしこれは司法、
警察両方ともに
捜査権を持
つておるわけであります。私の方は行政
警察と司法
警察と両方持
つておりますけれ
ども、しかし大体においては、行政から出発しましての司法
警察ということを
考えておるようなわけで、
捜査主任がや
つております
仕事は
程度は違うであろうと思います。
従つて具体的に申しますと、
法務方面と
警察方面とはやり方の
程度は違
つておると思いますが、一応
警察では、同じく犯罪の形をと
つて来たものは、それを検挙することについては一致の部分があると思います。その点において見解を異にすれば、ただいま
お話のごとく、あるいは
下山事件においては、一方においては他殺である、一方においては自殺であるというようなことについて、おのずと意見が相違して来たと思いますが、われわれは客観的の
事情に
従つて、どちらが何と主張し、その主張が違
つてお
つても、客観的な事実を発見することに
努力いたしておるような次第であります。もしそういうような真相を発見することを阻むようなものがあれば、その点については十分の考慮をしたいということを
考えておるわけであります。いろいろ
制度等の問題につきましては、多々
考えなければならぬことがあるのを非常に遺憾と思いますが、長い間に根本的に
考える時期が来ると
考えております。