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池田(峯)
委員 待たせることと言
つておりますが、事実はそうではございません。また
東京都の
條例でも、そういうことは全然書いてありません。私、先ほど事実をあなたの方の
次長に申し上げましたが、また煩雑をきらわず若干繰返しますと、七日の
成城警察署は日映演の
東宝砧撮影所に対して、
組合大会や職場の
会議もこれから届け出なければいかぬ。五人以上一緒に歩いたら
デモとみなして
取締る、外部の
団体が応援に来てもこれを
取締る、こういうようなことを言
つておる。一体どこにこういう
法律がありますか。あるいはまた六日の午後七時、港区
白金三光町というところでは、平和を守る会の結成
大会をやろうとしたら——これはキ
リスト教徒もまじ
つている。何ら社会不安をかもし出すところではない。平和を守る会である。平和を守る会——これくらい最高の
会議はない。そういう会に
高輪警察署で
中止命令を出しておる。こういうことをや
つておる。あるいはまた
城東警察署では日立の
亀戸工場の
労組に対して、行列は今後はお祭りであ
つても一切
許可制にする。
組合内の
定期総会はもちろん、
執行委員会に至るまで一切の
会合に
請書を出さなければならぬ。こういう
法律はないのです。
東京都の
公安委員会の
條例を見た
つてそんなものはないのです。一体
組合の
執行委員会に至るまで、全部届出書を出さなければならぬという
法律はないのです。そんなことは
憲法上はもちろんないのです。あるいはまた
請書を出さない
集会はただちに解散を命ずる、こういうことはない。
東京都の公安
條例は
集団行進及び
集団示威運動に関する
條例なんですが、これは
集団示威運動ではない。
デモンストレーシヨンじやない。
組合の
執行委員会が
デモンストレーシヨンであるという解釈はどこにも成立たぬ。それから
請書には
警官の臨席を認めること、
発言中煽動的なものがあるときは、
警官の
中止命令。これはまさに人権の蹂躙である。それから目黒の
碑文谷警察署は、今後二人以上の
集会は
PTAの会でも
禁止する、こういうことである。一体こういうことが
憲法違反でも何でもないということになるならば、これは昔の東條やあるいはそれ以前の
政府がと
つた対策とどこが異なりますか。三・一五や四・一六当時の
日本の
警察、従
つてポツダム宣言によ
つて禁止された
日本の
警察活動とどこが違いますか。あなたはアメリカの「四つの自由」という映画を見たことがありますか。あの「四つの自由」という映画は
言論、
集会の自由、思想信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由、この四つの自由を
日本に與えるために、世界の人民大衆が武器をと
つて血を流したということが、「四つの自由」という映画の
内容です。そういうふうに、
日本の人民大衆に四つの自由を與えるということが、はつきり内外の民主的な勢力によ
つて與えられておる。それに基いて
ポツダム宣言ができ、極東
委員会の十六
原則というのができておる。あなた、十六
原則なんか見たことがありますか。おそらく見たことがないでしよう。それにはどう書いてあるかといえば、
警察その他の諸機関が労働者のストライキをすることを
スパイし、または正当な労働
組合の活動を抑圧することはできないと書いてある。ところがあなたなんかの指令では、ちやんと
デモンストレーシヨン、そういう中に入
つて、そうして
スパイしろというようないろいろな指令が出ておる。それから
青年新聞の問題だが、さつき
次長に聞いたら、これはうそだから取消しを
要求しておるというようなことでありましたが、火のないところに煙は立たぬという昔の言葉があるのです。こういうのが出るからには、これはまんざらうそではない。ここに何と書いてあるかといえば、分裂工作を採用しなければならぬ、
共産党の中にあなたたちの
スパイを入れて、そうして
共産党の中を撹乱しなければならぬ。あるいはまた新たに入れる
工作員に工作させなければならぬ。分裂させるために必要な
手段はとれるだけとるが、この
可能性はある。こういうようなことを出しておる。まるであなたたちのやること、これこそが社会不安をかもし出す原因である。われわれの
調査しておるところによれば、五・三〇
事件にした
つて、あなたたちの部下があの
集会の中に私服で入り込んでメモをと
つておる。そういうことをや
つたから問題がああいうふうにな
つておる。そういうことをやらなければいいじやないか。やらなければ、あんな大騒ぎは起きなか
つた。あの五・三〇
大会のときだ
つて、
集会の届出を出せば、あの日は何かはかの用で使うから使
つてはいかぬ、何だとかかんだとか言
つて、そうして占領軍がそういう
命令を出しておるとかいうことであるが、聞いてみたら、出していない。それで当日ああいう
大会を開くことができるようにな
つたけれ
ども、何か
大会を開くとか、あるいは労働
組合が
役員会を開くとか、そうするとすぐにそれは社会不安ということに持
つて行くのがあなたたちの常套
手段である。これは加波山
事件にしても、あるいは米騒動にしても、実際は
日本の
警察や軍隊が
挑発的な行動に出なければ、それほどの大騒ぎは起きなか
つた。福島のあの何とかいう県令——三島県令、ああいうのが非常な悪い
政治をやりましたために、民衆がこれに対して滔々たる運動を起そうとした。当時自由党は、あなたたちの前身じやないのです。あなたたちは血を引いていないのですが、その当時の自由党がそういう運動をや
つた。その
自由民権運動を彈圧した。彈圧されたから、そこで武器をと
つて圧制
政府と闘わなければならぬということで加波山
事件にな
つた。米騒動だ
つて政府の
やり方が悪い。米の値段をどんどんつり上げて、穀屋にもうけさせるようなことをした。だからこれに対して民衆が
大会を開き、そうして
政府の反省を求めようとする。そうすると
政府は穀屋に味方して、資本家に味方して、この
大会を解散させる、彈圧する、こう出るから、そこでますます民衆が激昂してあんな大騒ぎにな
つた。今度の
警視庁の
やり方はま
つたくこれと同じです。社会不安を故意にかもし出しておるのはあなたたちである。そこで、
共産党が煽動しておるから
共産党をぶつつぶし、労働
組合をぶつつぶして、あなたたちの言うなりの国民に仕立て上げようとしてこんなことをや
つておる。だから平和的な秩序を乱し、社会不安をかもし出し、
暴力をも
つて政治をやろうとしておるのはあなたたちである。こう断ぜざるを得ない。われわれはこれに対して民主的な、平和を守る運動を展開しておるのであ
つて、決してわれわれが
暴力をや
つておるのではない、こういうふうに
考える。そこで私はあなたに質問したいが、
憲法にそういうことがあるのか。これをもつとはつきり確認してもらいたい。そういうことをや
つてよろしいという規定が
憲法にあるのか。
ポツダム宣言、極東
委員会の十六
原則をどう解釈するか。あるいは
東京都の公安
條例にしても、そういうことを
警視庁にや
つてよろしいということは書いてないのだが、それをあなたはどう解釈するか。この点を明確にあなたは本
委員会で表明してもらいたい。あなたは
大臣という
責任において、
治安閣僚の一人として大いにこの問題について明言していただきたいと思います。いいかげんなことは言わないでもらいたい。