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1950-04-29 第7回国会 衆議院 地方行政委員会 第32号
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会議録情報
0
昭和
二十五年四月二十九日(土曜日) 午後二時四十分
開議
出席委員
委員長
中島
守利君
理事
生田 和平君
理事
大泉 寛三君
理事
川西 清君
理事
川本
末治
君
理事
菅家
喜六
君
理事
野村專太郎
君
理事
藤田 義光君
理事
立花
敏男君
理事
大石ヨシエ
君
大西
弘君
河原伊三郎
君
黒澤富次郎
君 小玉
治行
君
小西
英雄
君 高橋 英吉君
塚田十一郎
君
船越
弘君
井出一太郎
君
床次
徳二君
大矢
省三君 門司 亮君 池田 峯雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣 本多 市郎君
出席政府委員
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁次長
荻田 保君
総理府事務官
(
地方自治庁連
絡行政部長
)
高辻
正巳君
委員外
の
出席者
專 門 員 有松 昇君 專 門 員 長橋 茂男君 四月二十八日
委員大西弘
君及び
船越弘
君
辞任
につき、その補 欠として
田中豊
君及び
吉田吉太郎
君が
議長
の指 名で
委員
に選任された。 同月二十九日
委員黒澤富次郎
君、
田中豊
君、
中川俊思君
、牧
野寛索
君、
吉田吉太郎
君及び
鈴木幹雄
君
辞任
に つき、その
補欠
として
川本末治
君、
小西英雄
君、
清水逸平
君、
龍野喜一郎
君、
船越弘
君及び橋本 金一君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員清水逸平
君、
龍野喜一郎
君及び
内藤友明
君
辞任
につき、その
補欠
として
黒澤富次郎
君、大
西弘
君及び
井出一太郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に 撰任された。 同日
川本末治
君及び
菅家喜六
君が
理事
に
補欠
当選し た。 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
理事
の互選 小
委員長
及び小
委員
の
補欠選任
に関する件
地方自治法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第三号)
地方財政平衡交付金法案
(
内閣提出
第一八四 号) —————————————
中島守利
1
○
中島委員長
それでは
会議
を開きます。
地方自治法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 本
法案
に対しては
質疑
も盡きたようでありますから、
質疑
はこれで打切ります。御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
2
○
中島委員長
本案に対する
質疑
は終局いたしました。これより
討論
に入ります。
討論
に入る前に、
中島委員長試案
とでも申しますか、
修正案
に対して私が簡單に
説明
を申し上げます。
皆様方
のお手元に配付しております
地方自治法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
修正案
の
要綱
を申し上げます。 第一は、
公安委員会
を明示することであります。
地方自治法
の
規定
中に「
選挙管理委員会
、
教育委員会
その他
法令
又は
條例
に基く
委員会
」と例示してある場合に、
公安委員会
が明示してないから、
公安委員
の
重要性
にかんがみ、「その他」の中に入れず、「
選挙管理委員会
」の下にこれを挿入明示すること。これは第七十五條第一項及び第三項、第百九十九條第五項に
関連
いたしております。 その二は、
地方議会
の
定例会
の
回数
であります。
普通地方公共団体
の
議会
の
定例会
は、毎年六回以上これを招集しなければならないことにな
つて
いるのが、
政府
の
改正案
は
都道府県
の
議会
についてのみ四回以上と改めようとしているのであります。現在の国情に照らしまして、
国会
においても
補正予算
その他の種々なる変革がありますので、当分の
間地方議会
の
重要性
にかんがみまして、なお
現行法通り
六回以上とするということであります。これは第百
二條
第二項に
関係
しております。 第三は、
地方議会
の
事務局
の
法制化
であります。
地方議会
の
事務局
に
法制
上の根拠な與えるため、第六章第十一節の
規定
を改めること。すなわち
都道府県
の
議会事務局
は
法律
上
必置
とし、市は
任意
に
條例
によ
つて
設置
することを得るものとし、
町村
は
従前
の通りろし、
事務局長
その他の職員は
議長
が選任するものとすること。第百三十
八條
の
関連
であります。
地方公共団体
の長の
不信任決議
をなす場合の
議会
の
定足数
。
地方議会
が
当該地方公共団体
の長の
不信任
の
議決
をする場合の
議決
の
定足数
について。
不信任
の
議決
をざれた長が
議会
の
解散
を行い、その
解散
後初めて招集された
議会
において再び
不信任
の
議決
をする場合には、
現行法
の四分の三以上というものを改めて
過半数
の
同意
をも
つて
足りるとすること。第百七十
八條
第三項であります。 次に五項は、
改正法
の
施項期日
であります。本
改正法案
の
施行期日
は
昭和
二十五年一月一日とな
つて
いるのを、
昭和
二十五年五月一日とすること。
附則
第一項であります。 次は国の
地方機関
の
廃止
に関する
画項
。
通商産業局出張所
は
昭和
二十五年三月三十一日限り
廃止
と
なつ
たのであるから、その所掌に属する
事務
で
都道府県知事
の
権限
に属するものを分掌させるために、当分の
間知事
は
條例
で
事務
所を置くものとするとの
規定
は不要と
なつ
たから、その
部分
の
規定
を削ること。
附則
第三項であります。 次は第七、
戰時中
合併した
市町村
の
分離手続
に関する
事項
。
附則
第五項。
地方自治法
の一部を
改正
する
法律
、
昭和
二十三年
法律
第百七十九号の
改正規定
に附加して、同法第
二條
すなわちいわゆる
戰時中
に合併した
市町村
の
分離
に関する
法律
上の
手続
に、左の二点において変更を加えるよう
改正
すること。
右市町村
の
分離
は、
関係住民
の
当該都道府県
の
議会
の
議決
において、
出席議員
四分の一以上の
同意
を得ることによ
つて
これを決するということであります。なお
右関係住民
の
投票
においては、
有効投票
の
過半数
の
同意
を得ることを要すというのを改めて、三分の以上の
同意
を得ることを要するものとする、こういう
修正
であります。右は同法第
二條
第五項前段であります。
市町村分離手続
の
改正法
の
経過規定
。
附則
第六項、第七項をそれぞれ第九項、第十項とし、第五項の
改正規定
の次に新たに六、七、八の三項を設け、その第六、七の二項をも
つて
前項の
戰時中
に合併した
市町村
の
分離
に関する
法規
の
改正規定
の適用についての
経過規定
とすること。すなわち
改正
される
新法実施
の際、すでに
分離
の
手続
を開始したものについては次のようにする。
新法実施
の際すでに
旧法
によ
つて手続
を開始した
分離
の
請求
については、そのまま
旧法
によ
つて
その
手続
を最後まで進めて行くこと。これは
附則
第六項であります。右一の場合においては、
旧法
の
規定
により
請求
をなしたものが、
議会
の
議決
において
出席議員
の
過半数
の
同意
を得られなかつたもの、または
旧法
の
規定
によ
つて手続
を開始している
請求
にかかるものは、そのいかなる段階にあるを問わず、
新法
によ
つて
新たな
請求
をしてもさしつかえないものとすること。これが
附則
第七項であります。
公職選挙法
の
施行
に伴う
事項
。
公職選挙法
の成立と
施行
とによ
つて
、
地方自治法
第四章の
選挙
に関する
規定
は削除されたので、
従前
この
選挙
に関する
規定
に
関連
を持
つて
お
つたむのについて
、これに応ずる
法文
上の
整理
を行うこと。第百二十
八條
の
改正規定
に関するものを削ること。第百四十四條の
改正規定
に関するものを削ること。
公職選挙法
の
施行
及びこれに伴う
関係法令
の
整理等
に関する
法律
の一部を
改正
すること。
附則
第八項。 以上が
修正案
の
要綱
であります。 この際
社会党
の諸君にお諮りしますが、
社会党
より提出されております
修正案
でありますが、そのうち
公安委員
の挿入であります。これはこの案と同じことであります。ですからこれはどうか御協調を願い、これを御撤回願いたいということであります。それから
社会党
の
修正案
は、この際私から
修正案
の内容を申し上げますが、
附則
第
二條
の
改正
のうち、これは
要綱
を申し上げるのであります。
社会党
の
修正案
は、
有効投票
が
当該選挙人
の
総数
の
過半数
で、
賛成
の
投票
が
過半数
でなければならぬ。そうして
府県会
の
議決
を削除するということであります。これは後に
議題
としてお諮りいたします。ただいま私の申し上げました
要綱
に対する
質疑
がありますので、これを許します。
大矢
君。
大矢省三
3
○
大矢委員
中島委員長
でなくても、
政府
の人でもけつこうですが、今度の
修正
された三分の二、さらに
府県会
においての四分の一の
同意
を要する。それによ
つて
実際問題としても七月一日までの間にどれだけ独立し、あるいは
分離
するという、具体的な府県なり、あるいはその数をおわかりならば、この際お聞きしたいと思います。
高辻正巳
4
○
高辻政府委員
ただいまの御質問に該当するようなものといたしましては、高岡、舞鶴、松山、呉、大分の竹田、その他若干のものがあるかと思います。
中島守利
5
○
中島委員長
それでは
討論
に入ります。
通告順
によ
つて
許します。
大矢
君。
大矢省三
6
○
大矢委員
私
ども
、残念ながら、ただいまの
委員長
からの
修正案
に対しては、
反対
の
意思
を表明したいと思います。新
憲法
なりあるいはあらゆる
地方自治法
、あるいは今
議会
において
議決
された多くの
地方自治体
に関する
関係法規
は、ことごとく
地方住民
の
意思
を尊重して、文字通り
自治
の拡充をはかるというのが題目であるにかかわらず、今度の
修正案
は
住民
の
意思
を、しかも
投票
によ
つて
決せられたその
意思
を、さらに
府県会
によ
つて
これが決せられるということは、これは二重
監督
と申しまするか、
住民
の
意思
を無規した
方法
であると思うのであります。私
ども
はあくまでも
住民
の
投票
をする限りには、つとめて
住民
の多数の
意見
をそこに反映すると同時に、それを尊重するという
建前
でなければならぬということは申すまでもないことでありまして、こういうふうな、しかも非常に不合理な、四分の一の
同意
というものは
——同意
ということは言葉はやわらかいのでありますけれ
ども
、それを表決するのはやはり
議決
であります。その
議決
した場合に、少数の者の
意見
が通るというこの
府県会
の
議決
の
部分
についても、きわめてあいまいで、われわれ納得の行かないものがふるのであります。それよりも私は三分の二以上というこの数をも
つて
決せられたものを、さらに
県会
の
同意
たり
議決
を要する必要は毛頭ないと思う。でありますから、私は、この二重
監督
といいますか、そういう
自治団体
に対する干渉をなくするという
意味
からも、これは單なる一時的な
処置
である。七月以降には無効でありますから、大したことはないと言われますけれ
ども
、本質的なものとして私たちは
反対
せざるを得ないのであります。特にこの
法案
を必要とするゆえんは、
戰時中住民
の
意思
を無視して、強制的に合併された問題がここに起きておるのでありますから、私は自由の
意思
によ
つて
、特に新
憲法下
における
地方自治
の
発展
であり、さらに
民主化
の基礎となるべき
地方団体
の
発展
にも、その
住民
の
意思
を十分に尊重するというこの
建前
を一貫して、私
ども
はこの
修正案
に
反対
をするものであります。
従つて社会党
は、残念ながら
修正案
の
府県会
の
議決
を要するという点については、
反対
の
意思表示
をするものであります。
中島守利
7
○
中島委員長
立花
君。
立花敏男
8
○
立花委員
私
ども
は
地方自治法
の一部
改正全般
に対しての
討論
をしたときにも申し上げましたが、この
地方自治法
の一部
改正
は、
地方自治
の伸張にむしろ
反対
の結果を生ずるという
意味
において、遺憾ながら
反対
せざるを得ない
立場
にあります。 まず第一に申し上げたいと思いますのは、第七十四條の二項の、
條例
の
制定
または
改廃
に対する
請求
の問題で、その
手続
の上に非常に
制約
が加えられておりますが、たとえて申しますと、
署名
をいたしましてから
署名簿
を提出いたしまして、
署名簿
に対する証明を求める。それに二十日の
期間
が必要である。さらにできました
署名簿
を
縦覧
に供する方に一週間の
期間
が必要である。こういうふうに
期間
の点から申しましても、従来にはない
規定
を置かれまして、
條例
の
改廃制定
のみならず、他の
一般
の
リコール
に対しても、これが当てはめられまして、
リコールそのもの
が非常に煩瑣な
手続
を要し、しかも多数の
議決
を要するという
規定
にな
つて
おりますので、私
ども潰憾
ながらこれには
賛成
いたしかねます。しかも
縦覧
の
規定
を置いたと申しますことは、私から言わせますと、たとえば
自治団体
の長に対する
リコール
の場合などは、長の
罷免要求
に対する
署名簿
に
署名
いたしました者の姓名の
署名
が、
一般
の
縦覧
に供されるというような場合には、
署名
をする者に対しまして、非常に大きな圧力になりまして、結局公正な
署名
が行われないじやないかと思われます。私
ども
はこういう点から、
署名権者
の権利の
行使
に重大な影響を與えると
考え
ますので、この点も私
ども
は
反対
でございます。その他いろいろ複雑な、あるいは煩瑣な
手続
が、
リコール
の
行使
の上に加えられておるのでありますが、さらに申し上げたいと思いますのは、
選挙管理委員会
と申しますものは、いわば
事務
的な
機関
でおる。その
選挙管理委員会
に対しまして、非常に大きな
権限
が與えられている。しかもいわば裁判所がやるよな、純司法的な
権限
が與えられておりまして、
署名
が詐欺、脅迫によ
つて
行われたかどうかということに対します
調査権
、あるいはその
決定権
、それによる
署名
の無効の宣言、こういう重要な、純司法的な処理が、
選挙管理委員会
でできるというにとがきめられておりますことは、私
ども
はある
意味
では
司法権
の侵害ではないかと
考え
ますので、單なる
事務機関
である
選挙管理委員会
に、こういう重大な
権限
を與えますことは、私
ども
は断じて
賛成
できません。しかもこういう問題に関しまして、
選挙法
の
罰則
を準用いたしまして、四年以下の懲役または禁錮、七万五千円以下の罰金というような
規定
が設けられておりますが、これも
リコール
の問題といたしましてはあまりに重きに失すると
考え
ますので、以上のような
選挙管理委員会
の
決定
にも
反対
でございますし、そういうふうな
罰則
を伴うことに対しましても、私
ども
は特に強く
反対
しておきたいと思います。 こういうことで
請求権
あるいは
リコール権
の制限をいたします前に、
政府
としては、あるいは
議会
としては、もつと改善しなければならない問題が、
現行
の
地方自治法
の
請求
の問題にあるということを私指摘しておきたいと思います。それは第七十四條でありますか、第七十四條では「
條例
の
制定
及び監査の
請求
」にな
つて
おりますが、この場合
條例
に関する
請求
ができますのは、ここに
規定
してありますように、
地方税
その他に関する
條例
についてはこの
改廃
の
請求
ができないことに
規定
されておるのでありますが、これには私
ども
大いに
異議
がございまして、
地方自治法
を改めるのであれば、これこそ改められなければならない
條文
ではないかと
考え
ます。御承知のように
地方税
が新しく改められまして、しかもそれが数倍の
地方税
にな
つて
来るというような状態のもとにおきまして、これから
地方税
その他の
條例
に関する
地方民
の
改廃
の
請求
は当然起
つて
来る問題だろうと思いますが、これをこういうふうに
法律
の中で禁止しておるということは、非常に非民主的なあり方でありまして、
地方
の
税法
の円満なる
施行
あるいは摩擦のない
施行
に対する大きな障害になるだろうと
考え
ます。しかもこのことは、初めにはなかつた
規定
なのでございますが、遺憾ながら一昨年の七月に
社会党
の方から提案されまして、この
地方税
に関する
條例
の
改廃
の
請求
ができないということにな
つて
おるのでありますが、これはどういたしましても、
自治法
の
改正
の場合には
まつ先
に改められなければいけない卑近な例ではないか、しかもこういう問題が看過されまして、かえ
つて
逆に
リコール
のいろいろな煩瑣な
手続
を加えまして、
リコールそのもの
を実質におきまして制限するという結果になりますことは、明らかに
地方
の
自治
の
制約
であり、あるいは
民主化
の
制約
であろうと
考え
ますので、遺憾ながらこの点は、
共産党
といたしましては
賛成
いたしかねます。 さらに
原案
におきましては、いわゆる
地方自治体
の
定例議会
の
回数
を減ずるという案がございますが、これも明らかに
民主化
の逆行でございまして、一方
定例会
の
回数
を減じておきながら、しかも
地方
の
理事者側
の
機関
は非常に拡充いたしまして、
知事
の
権限
を非常に
強化
する。また
知事
のプレーン・トラストと申しますか、いわゆる
知事室
というようなものを置きまして、
地方
の
官僚機構
を
強化
する、こういう形が
はつ
きり現われております。青森あるいは
東京
などにおきましては、すでに実質的に
知事室
が置かれております。
最初
この
法案
ができなす過程におきまして、
知事室
をつくるという
規定
がございましたが、
関係方面
との折衝の結果置かれなくなりました。しかし実質的には、今
言つたよう
に数
地方
で
知事室
が置かれまして、
地方官僚機構
の
強化
ということが
はつ
きり見られております。しかも
最初
に申し上げましたように、
地方
の
官僚機構
の
強化
と並行いたしまして、
地方議会
の
定例
の
回数
を減らして行くという形が
はつ
きり見られますので、この
傾向
は
中央
におきますところの、ただいま
国会
で審議しております
地方財政委員会
、
中央
における
地方自治
に関する官庁の
官僚化
、すなわち
地方財政委員会
の
官僚化
、あるいは
地方財政委員会
の強大なる
権限
を把握することによ
つて
、か
つて
の
内閣官僚
の復活という面とあわせまして、
中央
、
地方
を通じまして、大きな
官僚機構
の
強化
が企てられておる。しかも
片方リコール
が
制約
され、あるいは
府県会
、
市町村会
の
定例
の
回数
が減らされるというような
考え方
は、私
ども
といたしましては、現在の
日本
の
自治
体の歩むべき道からいたしまして、その
方向
からしてまつたく逆行した立案であると
考え
ますので、遺憾ながらこの点も
反対
せざるを得ないのでございます。 さらに
部局
の
改廃
でございますが、
最初
やはり
草案
と申しますか、
草案
を
自治庁
が御
説明
になりました場合に、
農地部
を
廃止
する。
農地部
をたしか
任意設置部門
か何かにするとおつしやいました。これは
農地改革
が完了したからそうするのだという御
説明
がありましたが、そういう
考え方
が一貫してやはり
政府
の
地方行政
に対する
考え方
の主流をなしておりまして、これは提出されました
原案
からは引込められておりますが、こういう
考え方自体
は、どういたしましても
地方自治庁
のお
考え
の中からきれいにぬぐい去
つて
いただきたいと思います。 さらに
公共事業部
な
ども
、どういうわけか、今度は
任意設置
にな
つて
おるのでありますが、私
ども
からいたしますと、これは
公共事業
を
民間
に譲渡することの道が開かれておるのではないか。これを
地方
の
財政
の
立場
から申しますと、現在におきましても、すでに
地方
は短期の融資を銀行その他の
金融機関
に仰いでおりますが、この形が将来ますます
強化
されて行くであろう。そうなりますと、どういたしましても
地方公共団体
が
経営
いたします
公共事業
というものは、ある程度そういう
金融資本
あるいは
外資
の脅威にさらされるであろう。その場合に
任意設置
にいたしまして、ある場合には、自由に
公共事業
を
民間
に譲渡するという形が自由に行われるような結果になるのではないか。こういう意図は、あるいは
自治庁
の方ではお持ちにな
つて
はいないかもしれませんが、結果においてそういうことになるおそれが多分にあると思います。
外国
におきまして
——外国
と言いましても主として
アメリカ
でございますが、
アメリカ
におきまして、
市電
とか、あるいはそういう
日本
で行
つて
おりますような
公共事業
はほとんど
民間
でございまして、しかもそれが非常に有利な投資の対象であるということを
考え
ますと、たとえば
東京
のバスあるいは大阪の
市電
というようなものが、必ずしもこういう
民間
の
経営
あるいは
外資
の
経営
に譲り渡されないとは、確言できないと思うのでありますが、こういう道が
公共事業部
を
任意設置
にいたしたということの中に含まれるのではないかと
考え
ます。私
ども
はこういう
部門
こそは
必置部門
にいたしまして、どういたしましても
公共企業体
で確保するという
方法
をと
つて
もらいたい。 さらに
部局
の問題でありますが、この
規定
の中に、
東京
都は特別の必要がある場合は、
建築局
を置くことができるというような
規定
がございますが、現在の
住民
の
住宅
の拂底という問題から
考え
ましても、あるいは
地方公共団体
がみずからの大きな努力を、
住民
の
住宅
の建設という
方向
に向けなければいけないという問題から
考え
ましても、この
建築局
の
設置
を、必要のある場合はというふうに限られたのは大きい誤りではないか。必要がある場合はということではなしに、必要があることは明らかなのでありまして、
東京
都が
建築局
を持
つて
住民
の
住宅確保
に邁進しなければいけないということは、必要がある場合はというような
考え方
ではなしに、これが明らかに必要であることはわか
つて
おりますので、
建築局
はどういたしましても
必置部門
にするようにしていただきたい。單に
法文
の上に
必置部門
にするだけではなしに、そういう
考え方
でやはりや
つて
いただかないと、いつまでた
つて
も
住宅
の復興はできないのではないか。
従つて住民
の
住宅
の問題は解消されないのではないかと思いますので、こういう点に現われた
自治庁
あるいは
政府
の
考え
を改めておいていただきたいと思います。 さらに
道府県
の
部局
の問題でございますが、
道府県
の
部局
の
設置
につきましても、現在農業問題あるいは中小企業問題は重大な問題でございます。特に
税法
の
改正
を受けまして、中小企業問題などは重大な問題でございますが、これがいずれも
必置部門
には置かれていない。しかも
農林部
を置ければ
商工部
を置いてはいけない、
商工部
を置けば
農林部
を置いてはいけないというような、まつたくわけのわからない
規定
がございまして、こういうことでは
政府
が農民あるいは
中小工業者
の生活に対して、ほんとうにまじめに
考え
ておるとは
考え
られないのでございまして、こういう
部門
をただちに
必置部門
にすることが、前の
建築局
の
必置
とあわせて、非常に重要な問題だろうと
考え
ます。こういう
考え方自体
、私はこの際
政府
に
はつ
きりと改めていただくことをお願いしておきたいと思います。 さらに
修正案
の問題でございますが、もちろん私
ども
はこの問題にな
つて
おります
市町村
の分合の問題に対しましては、
住民投票者
が
決定権
を持つべきであるという
考え方
は、基本的に曲げることはできないのでございまして、これに
府県会
が干渉し、さらにその四分の一の
賛成
をも
つて
決定
するというごとき
規定
は、明らかに民主的な原則に根本的に背馳しておると
考え
ますので、遺憾ながらこの点には
賛成
いたしかねます。
社会党
がお
出し
にな
つて
おります
修正案
、
住民投票
の場合、
総数
の
過半数
をも
つて
決定
し、
府県会
の
議決
を要せずという案には
賛成
でございます。さらに
社会党
がお
出し
にな
つて
おります
定例会
の
回数
の復元の提案にも、私
ども賛成
でございます。 以上述べました理由からいたしまして、
共産党
といたしましては、これら
自治法
の一連の
改惡
は、どういたしましても
改正
ではなくして、
改惡
でございまして、
日本
の
支配体制
全体が、
中央
、
地方
を通じて明らかに、何と申しますか、
官僚支配
が
強化
されつつあるという
傾向
が見えますので、
共産党
といたしましては、
自治法
の一部
改正
に
反対
の
意思
を表明いたします。
中島守利
9
○
中島委員長
床次
君。
床次徳二
10
○
床次委員
私は
国民民主党
を代表いたしまして、ただいまの
委員長
の
修正案
を含めましたところの
自治法
の
改正案
に対しまして、
賛成
の意を表するものであります。 この機会に数点、
要望事項
を申し述べたいと思うのでありまするが、第一は
住民
の直接
請求権
が拡充せられ、またその
手続
が明瞭になりましたことは、
相当
の進歩と思いますが、ただこの際特に要望いたしたいことは、その
運営
を上手にや
つて
いただきたいということでありまして、かなり
規定
がこまかくなりました
関係
上、ある程度までその
運営
ののいかんによりましては、その
請求権
の
行例
に
相当支障
があるのではないかというおそれもあるのでありまして、その点は十分に
関係当局
の注意を喚起いたしたいと思います。 第二点は、
都道府県
の
事務局
の
設置
にならいまして、市におきましても市会の
事務局
が
設置
せられましたことは、適当な
処置
であると思います。しかしながらこれによりまして費用が増大するということを、十分防止いたさなければならぬと同時に、
町村
におきましても、将来
町村議会
というものが、でき得る限り自主性を強くいたすことが必要なのでありまして、これは現在の
運営
状況から見ますと、もう少し助長してもいいのではないかというふうに
考え
られるのでありまして、今回の
改正
の趣旨に応じまして、やはり今後の取扱いを考慮すべきものと
考え
るのであります。 第三点といたしまして、府県の機構の
農地部
の問題であります。
農地部
は従来と同じように残されたのでありますが、現在の農村の状況から見ますると、農村の
民主化
並びに農村協同組合の、いわゆる共同事業の指導奨励という問題につきましては、なお多くの問題が残されておりまして、
農地部
が従来のままに、そのままに残
つて
おりましたならば、これは期待に反することが大きいのでありまして、十分この
農地部
の活用ということを心がけていただきたいと思うのであります。 最後に、これは特に
委員長
にもお願いし、また各
委員
の方々にも御賛同を得たいのでありまするが、現在の
地方自治
の拡充並びに行政権の簡素化を目的といたしまして、現在の
政府
の
地方
出先
機関
は、なお
相当
整理
廃合を要するものがあると思うのでありまして、これは前から提案にな
つて
おりますが、なかなかこれが進行いたさないのであります。本法に
関係
いたして、一部それが実行せられたのでありますが、なお今後におきまして急速と申しますか、すみやかにその実現を要するものが少くないと思います。なお各
都道府県
において
設置
しておりますところの
地方
事務
所におきましても、これは
相当
整理
廃合をなし得るというふうに認められるのでありまして、今後
政府
並びに
都道府県
におきましては、その趣旨におきまして
自治
の拡充並びに行政の簡素化という趣旨におきまして、できる限りその
整理等
に努むべきものと
考え
るのであります。当
委員会
においてその趣旨を明らかにしていただき、その促進をはか
つて
いただきたい。これは各
委員
の御賛同をぜひ得たいと思うのであります。以上私の要望を述べまして、本案に
賛成
するものであります。
中島守利
11
○
中島委員長
討論
はこれをも
つて
終局いたしました。 これより採決いたします。採決の順序については念のため申し上げます。 まず第一に
委員長
試案として提
出し
ました
修正案
中、
社会党
の提案の
修正案
と共通の
部分
、いわゆるこれをわかりよく申せば、
附則
第
二條
に
関連
する
戰時中
に合併した
町村
の
分離
問題を除きました
部分
であります。この
部分
に対して採決いたします。共通
部分
について
賛成
の諸君の御起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
中島守利
12
○
中島委員長
起立多数。よ
つて
共通
部分
は可決されました。 次にただいまの共通
部分
を除く
社会党
の
修正案
、分村の
手続
は有権者
総数
の
有効投票
が
過半数
なければいけないという
修正案
であります。これに
賛成
の諸君の御起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
中島守利
13
○
中島委員長
起立少数。 もう一応念のために申し上げますが、
中島
試案の
修正案
全体に対してもう一ぺん念のために採決いたします。
中島
修正案
に
賛成
の講席の起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
中島守利
14
○
中島委員長
起立多数であります。 次はお諮りいたします。ただいま可決されました
修正
部分
を除く
原案
に
賛成
の諸君の御起立を願います。
原案
全部に対して——
大石ヨシエ
15
○大石(ヨ)
委員
ちよつと
説明
してください。
中島守利
16
○
中島委員長
これは
中島
の
修正案
を除いた政瞬提出の
原案
——
修正
は、これは可決にな
つて
しまつたのですから、その以外の
部分
に
賛成
の諸君の御起立を願います。 〔
賛成
者起立〕
中島守利
17
○
中島委員長
起立多数であります。よ
つて
本案は
修正案
を加えて
修正
議決
になりました。 次にお諮りいたしますが、ただいま
床次委員
より
地方自治
の拡充と行政簡素化の徹底を期するために、
政府
においては、その
地方
出先
機関
をなるべくすみやかに
地方
に委譲するようにという一点であります。その次は、
都道府県
において、その
地方
事務
所をそれぞれ可及的すみやかに
整理
統合する必要がある、こういう要素があります。この要望もこれに付随したいと思います。これについて御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
18
○
中島委員長
御
異議
なければ、その通り
決定
いたします。 次にお諮りいたしますが、衆議院規則第八十六條による報告書作成の件等は、
委員長
に一任に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
19
○
中島委員長
御
異議
なしと認めましてさよう決します。 以上で
地方自治法
の一部を
改正
する
法律案
は終了いたしました。 —————————————
中島守利
20
○
中島委員長
続いて
地方財政平衡交付金法案
の
質疑
を続行したいと思います。
地方財政平衡交付金法案
を
議題
とし、
質疑
を続行いたします。どうか御退席にならないようにお願いいたします。本多国務大臣が御出席になりましたから、昨日保留にいたしておきました
床次
君の
質疑
を先に許します。
床次
君。
床次徳二
21
○
床次委員
平衡交付金に関しまして、大臣に二、三御質問申し上げたいと思いますが、本
條文
の御
説明
を伺
つて
みますと、本年度の平衡交付金の支給
方法
は、どうも本法そのものにのつと
つて
おらないように思うのであります。簡單に申し上げますと、総額がすでに予算できま
つて
おる。そうしてその内容を取扱いますのには、個々の
條文
の取扱いによらずに、本年だけはいわゆる規則によ
つて
定められるように見えるのであります。しかもこの規則が——規則できま
つて
も一向かまいませんが、
法律
の
建前
から申しますと、今年規則で定められましたならば、来年度のことがきま
つて
来るようになるわけでありますが、二十五年度の取扱いを見ますと、
條文
上には同じ規則と書いてありますが、実はさかのぼりまして、これが
決定
されるようにな
つて
おるという取扱いに見えるのでありまして、
附則
等を読んで参りましても、どうもその点が明瞭でないのであります。どうも今年に限りまして、さかのほ
つて
規則でも
つて
一切の、たとえば單位費用、あるいは基準
決定
が行われ、また
財政
委員会
の
決定
そのものも、本来でありますれば、総額について
財政
委員会
が
意見
を述べるわけでありますが、今年そういうことが
附則
にすでにきま
つて
しま
つて
おるというような取扱いの
関係
上、克明に
條文
通り
財政
委員会
が総額を
決定
することは、今年はできない形にな
つて
おるのであります。これは
規定
上から申しますならば、どうしてももう一條
附則
にそういうことをきめなければいけないと思うのでありますが、かかることは、本来の平衡交付金法の精神に反しておるものだと思う。従
つて
むしろこれは来年度以降適用するものにふさわしいのでありまして、今年はこのまま本法が通つたからとい
つて
、これで交付金が交付できる。本法によるところの交付金の交付が行われたというふうに解するのは、少しおかしいと私
ども
は思うのでありますが、大臣の御見解を承りたい。
本多市郎
22
○本多国務大臣 御質問の御趣旨は、この平衡交付金の概算見積りと申しますか、そうしたことが
地方財政委員会
によ
つて
なされ、その順序を経て検討してきまるべきものであるにかかわらず、本年は千五十億というも、のが、
地方財政委員会
法、さらに平衡交付金法等の
規定
によらずして、きま
つて
おるという点につきましては、お話の通りでございますが、これは
最初
の年でありますために、やむを得ないことかと存じます。従
つて
この交付
方法
につきましても、それぞれ概算交付をいたしますし、さらに測定單位当りの單位費用というようなものが、規則できま
つて
参りましたならば、正式に計算をいたしまして、それを概算佛いをしたものと相殺と申しますか、そういう計弊をすることにいたしておるわけでございます。
床次徳二
23
○
床次委員
ただ、いま大臣から御答弁がありましたが、その点は私少し疑義があると思うのであります。たとえば
附則
の第七項にありましては、
昭和
二十五年度に限り、第十四條第一項中この
法律
とあるのは、規則と読みかえるという形で、規則によ
つて
行えることにな
つて
おりますが、
法律
の
建前
から申しますと、十四條に
規定
せられましたことは、
国会
の審議を経てきめるという趣旨において、
法律
という字が使
つて
あるのだと思うのであります。ところが、これを規則でも
つて
やりますと、その内容について
国会
で検討せずに済んでしまうということにな
つて
しまうのでありまして、これを本法の
建前
から見ると、非常に精神を蹂躙しておるものではないかという疑念を私は持
つて
おるのであります。 それから、次に第八項でありますが、第八項で「
昭和
二十五年度に限り、
道府県
に対し四月及び六月に交付すべき交付金の額並びに
市町村
に対し四月及び七月に交付すべき交付金の額は、第十六條第一項の
規定
にかかわらず、規則で定めるというようにな
つて
おります。しかしこの八項に
規定
してありますことは、大体この
條文
にありますごとく、四月と六月、そういう季節の問題、それから分割
方法
のようなことを本来の十六條一項できめておるのでありまして、本法の根本でありますところの單位費用の金額を幾らにするかとか、基準をどういうふうにするかということは、当然この八項では読めないのだと思うのであります。従
つて
二十五年度の
経過規定
と申しますか、特別の取扱いとしてこういう
附則
がありますが、これだけでは本法のほんとうの精神からいうと、抜けてしま
つて
おるのではないかと思うのであります。むしろ
附則
をお置きになるのでありますならば、
昭和
二十五年度は本法の適用を受けないというところまでたらなければ、おかしいのではないかという疑念を持
つて
おる次第であります。なお
財政
委員会
の、先ほど大臣から御答弁がありましたが、第四條の第一項のごときは、本来は
財政
委員
でも
つて
、毎年度交付すべき交付金の総額を見積る。今年はきま
つて
お
つて
、初年度であるから確かに不可能でありますが、初年度においては、この
規定
は当然動かないのだということは、やはり本法の中に
附則
の
経過規定
としておる方がほんとうではないかという疑念を持つのであります。以上のように今年の取扱いは非常に変則でありまして、本法ができたから、ただちに平衡交付金の精神によ
つて
、交付金が配分されるというようには受取れないのであります。その点根本的に少し疑義を持
つて
おるのでありますが、これについてはいかがでありますか。重ねてお伺いしたい。
本多市郎
24
○本多国務大臣 本年度予算に計上されております千五十億という平衡交付金を、本法によ
つて
交付するという趣旨でございます。すなわち本年度の配付には、平衡交付金の交付はこの平衡交付金法によ
つて
配付をするというのでございまして、本年度の分に適用になるのでございます。ただただいまお話もありました通りに、測定單位の單位当り費用と申しますか、そういうものが本年は今ただちに法定できませんので、これは
地方
財政
委員
の規則に本年だけまかしていただくことをお認めただきたい。そうしで、来年はもちろん
法律
によらなければならぬことでございますから、それぞれ單位費用というものを
法律
で定めていただいて、来年からはそれによるということになります。本年は当初概算渡しをして行かなければならぬ
関係
で、
最初
からは適用できないのでございますけれ
ども
、これらの規則等がそろいました上で、正確なる本法による交付金の額を、定め、それとすでに前渡したものとを総合的に計算をするということにいたすほかはないと
考え
ております。
床次徳二
25
○
床次委員
ただいま大臣の答弁の通り、確かに
政府
のお
考え
としては、本年度は本法によ
つて
交付されるわけであります。その点は認めるのでございますが、本年度の交付の仕方は、本来の本法の
建前
から行きますと、非常に例外的であるということが
考え
られるのでありまして、この点は私
ども
ことしの交付金をはたして本法の企図するような目的のもとに配分し得るかというところに、大きな疑念を特
つて
おるのであります。すなわち額が足らないのじやないかということを懸念しておりますばかりに、実はそういうことを申し上げるのであります。先ほ
ども
文部
委員会
との連合のときに疑義がありましたが、当然
地方
の
自治
体の自主性を害しない程度に、交付金は運用すべきである。その点は明らかでありますが、文部
委員
その他で疑義を持
つて
おりますのは、金額が少いために、どうも教育なら教育が十分行えないのではないかという懸念を持
つて
おりますので、特にああいう
法律
がほしいのだという
意見
が出て来るのであります。その点ことしの交付金の金額の基礎というものが明瞭でないために起る疑問であるというふうに
考え
ます。昨日も私は本年度の交付金の金額の数字と、従来の交付いたしました数字と、はたして單位費用においてどのくらいの開きがあるか。従来と同じ基準でも
つて
受けられるか。あるいはことしはそれよりももつと増額して楽にな
つて
おる。あるいはことしは惡くな
つて
おるということを、十分納得の行く程度に、これを検討いたしたいという気持において、それをお尋ねしたわけであります。総額がふえておるから、実質上において教育の
経営
が昨年よりも楽にな
つて
おる。そう簡單には結論が出ないと私
ども
思います。その疑義が十分晴れるように御
説明
をいただきますれば、けつこうだと思います。
荻田保
26
○荻田
政府
委員
確かにおつしやいますように、この千五十億の総額を見積りましたのは、この
法律
施行
前でございますから、この
法律
にのつと
つて
おりません。しかし大体これを予想いたしまして、千五十億という数字は見積られておるのでございまして、その千五十億の根拠については、たびたび申し上げましたように、昨年度四千億ばかりの歳出を、四千八百億に増加する。そういう前提のもとに、
地方税
の増税その他の歳入の見積り等をいたしまして、結局千五十億あればそれだけの仕事がや
つて
行けるという数字であります。ただその総額の見積りについては、この
法律
によ
つて
いないかもしれませんが、個々の団体に交付いたしますときには、これはこの
法律
によ
つて
受けるのでありまして、ただ單位費用というものを現在的確に算定することができませんので、
法律
に今年度限り
規定
いたしません。今後研究いたしましてから、
地方財政委員会
できめるのでありますが、その数字も、千五十億を見積りましたときの根拠とこれとは、そう開きのないものがございますから、形式的にはいかにも規則があとになるようでございますが、実質的には大体当初予定しておりましたと同じような配分になるものだと
考え
ております。
床次徳二
27
○
床次委員
結局教育費を中心といたしまして、本年度の交付金によ
つて
、内容が低下せずに済むのだという確信が得られる程度の具体的な材料を、重ねてこの機会にお願いいたしまして、一応私の質問はこれでも
つて
打切らせていただきたいと思います。
本多市郎
28
○本多国務大臣 これは四千八百億という
地方
財政
計画の見通しに誤りがないといたしますと、大体
財政
需要額に対する収入不足は千五十億と一致する性格のものでございます。そういう性質のものでございますが、実際單位当りの單位費用を
法律
でも
つて
算定いたします場合には、その單位当りの
決定
の仕方によ
つて
違
つて
参りますから、従
つて
税法
の税率等も変更になる場合には違
つて
参りますから、また違
つて
来る面も生じようと思いますけれ
ども
、本年度はそうした基準が
法律
としては間に合いませんので、
財政
計画の上から平衡交付金の総額を見積
つて
あるというので、これはやむを得ないことと存じます。さらにまたすべての行政費がどの租度に緩和されるか。教育費な
ども
はたして緩和されるかというお話でありますが、この八百億程度総
財政
計画において拡充されておりますから、その範囲内においてどの方面にも緩和されることと
考え
ております。
床次徳二
29
○
床次委員
ただいまお言葉がありましたが、そういう趣旨で参りますと、結局
財政
委員会
等でも
つて
、変則的でありますが、
意見
を述べて、大体これが
町村
の実情に合うように運ばれることと思うのであります。これは
政府
の予想の通りかもしれませんが、もしもその予想が違いましたときには、不足の金額が出て来る場合がある。結局追加予算も必要とするということになろうと思います。午前中文部
委員会
でも質問がありましたが、
財政
委員会
がいよいよ單位費用あるいは測定單位等の計算によ
つて
多少不当だ、少な過ぎる、もう少し増額を要するというような
意見
が出て参りますと、総額において増加を要するということになろうと思います。この点は
政府
においても当然追加予算ということが——額のいかんでありますが、
相当
額に上りました場合には、追加予算を必要とするのではないか。今日から当然これは予想するもやむを得ないことだと私
ども
考え
ておるのであります。この点すでに大臣が御答弁になりましたから、重ねて御答弁はなくてもけつこうでありますが、当然追加予算は私たちは必要だと
考え
ておることを明らにいたしたいと思います。
池田峯雄
30
○池田(峯)
委員
先ほど大臣が、平衡交付金というのは財源を
地方
に與えることによ
つて
だんだん減らして行けるものだ。こういうふうに言われましたけれ
ども
、そういう
考え方
の中に、財源を
地方
に譲
つて
行けば行くほど、
地方
の
財政
というものがゆたかになるという
考え方
があると思うのですが、現実にはそういうふうにはなかなか行かないと思うのです。なぜならば、富というものがだんだん
中央
に集中して来ておるのが現実でありまして、大資本は小資本をどんどん駆逐して行きまして、いわゆる独占資本というものがだんだん大きくな
つて
来る。あるいは国家がそういつた小企業を買い上げて、そうして国家資本というものをどんどん大きくして行くとか、こういうことにな
つて
来るのが、現在の資本主義の原則なのでありまして、財源というものは、そう無制限にあるものではない。その財源がある一部の者に独占されるか、あるいは
中央
に集中されるということになりますと、大衆の生活はますます窮迫して来る。その上にかける財源、これが
地方
に委譲されて来るというようなことになるのじやないか。つまりない財源をむりにつくり上げて、そうしてこれを
地方
に與える。だからこれはとれない財源で、結局大衆課税になるということになるのではないか。こういうふうにわれわれは
考え
られるのでありますが、その点いかがでございましようか。
本多市郎
31
○本多国務大臣 財源を
地方
に委譲するとい
つて
も、現実は
東京
等にそうした財源が集中して来るのじやないかという
意味
に御質問に
なつ
たように思いますが、
地方税
の面におきましては、
東京
その他の大都市も、すべて
地方税
の財源でございまして、これはそういう御
意味
でございますと、もう一ぺん御考慮を願いたいと思います。
池田峯雄
32
○池田(峯)
委員
そうじやない。富が現実に少数の者に集中して来ているのではないか。たとえば戰後農村の預貯金というものが、非常に激増いたしましたけれ
ども
、現実には最近急激に農村の窮乏というものがはげしくな
つて
来ておる。労働者の給料というようなものも、戰後にはストライキその他労働組合の自由などが與えられましたために、三倍、四倍というような賃金値上げがどんどん通
つて
行つた。中小商工業者も、戰後はインフレーシヨンによ
つて
相当
潤つた過去の経験を持
つて
おる。ところが現実にはどうかというと、農民は窮乏しておる、労働者も窮乏しておる。中小商工業者も、今倒産の寸前にあるということは、これは何かというと、富が一部の者に、一箇所に集中しておるという事実じやないか。それはたとえば国家
財政
の面からいいましても、とにかく千二百億に上る厖大なものを、債務償還として
金融機関
に與えておる。こういう事実からい
つて
も、富というものはとにかく一部の者に集中しておるということが言えるじやないか。一部の者に集中していないとしても、大衆の富というものが、現実に貧乏にな
つて
おる。富がどんどん縮小しつつあるという事実は、これは
はつ
きり認めなければならないじやないか。
地方
にこういう財源を與えるということは、これはこういつたこの貧乏な大衆から取上げる税金、こういうことになるのじやないか。たとえば固定資産税をかける。なるほど土地というものは、これはたとい百姓が貧乏にな
つて
も農村にございまして、
東京
に集中して来ちやおりません。しかしながらその土地に税金をかける場合、あるいは家屋に税金をかける湯谷でも、その農民がゆたかであるならば、それは家屋に住ま
つて
おる者、家屋を所有している者の所得が潤沢であるならば、何ら痛痒を感じないであろうけれ
ども
、貧乏であるということによ
つて
、その土地に税金をかける、家屋に税金をかける、あるいは自転車に税金をかけるということが、これは非常に苦しい状態に立ち至
つて
来るのである。だから
地方
に財源を渡すと言うけれ
ども
、所得税というものをそうした
地方
の財源として、どんどん渡して行くというならば、これは
考え
る点もありましようけれ
ども
、所得税は国庫が徴収しておいて、そうしてその他の財源、あるいは固定資産税とか、そういつたものを
地方
に委譲するということは、これは大衆課税になるのではなかろうか、こういうことを言
つて
おるのです。
本多市郎
33
○本多国務大臣 御
意見
は、税金のとり方の問題ではないかと思います。つまり負担力に応じた税をとるべきであるという御趣旨ではないかと思います。これは私
ども
といたしまして、わが国の現段階においては、今回
中央
地方
を通じて改革いたしました税制、この税制が最も妥当ではないかと
考え
ておる次第でございます。所得税そのものを委譲しない限り、
地方税
において応能負担にならないではないかという御
意見
は、まことにごもつともであるとは存じますが、これを全面的に委譲するというようなことでは、各
地方団体
間の
財政
調整の平衡交付金等の支出にも支障を来す。また今日のわが国の行政規模におきましては、
中央
といたしまして、御承知の通りの予算を要するような事情でありますので、ここまでは今日行きかねると存じますけれ
ども
、しかし今回
中央
のとりまする所得税を軽減して、そうして所得割の
市町村
民税等がありますことは、これは結局一面において、
地方
の所得税の税源を
地方
に委議したというようなことも言えるわけであります。またその所得税は、所得割として昔からあつたものでありますが、その所得割であろうと、あるいは固定資産税であろうと、結局負担する者は、
市町村
民においてほかにはないのでありますから、その一部の人のふところから出る金で、国のとる分を少しでも減らして、
地方
の方によけいとる。つまり同じ人間か負担するわけでありますから、出せる限度内において、国のとるものが減
つて
、
地方
のとるものがふえるということは、財源を委譲したというふうにも
考え
られると
考え
ております。さらに将来の
地方税
の拡充というようなことは、国と府県、
市町村
との
事務
の再配分等、そうしたことを考慮して、さらに研究して行きたいと
考え
ております。
池田峯雄
34
○池田(峯)
委員
そういたしますと、今後たとえば平衡交付金を少くして、そうしてあなた方の言う、
住民
が、税金が何に使われるかを知るという必要を感ずることから、
地方自治
に対する関心を高め、
地方自治
を確立して行くという
意味
において、平衡交付金というものは、だんだんなくして行つた方がよいという
考え
だと思うのですが、先ほどの大臣のお話から行きましても、それでは財源を
地方
に與えて行くという場合には、一体どういう財源を
地方
に與えて行つたらいいか。その点どういう
考え
を持
つて
おるのか。現在の
地方
の
住民
から
考え
まして、税金としてとられるものは、もうほとんどとり盡されておるのではないか。税金は、電気にも、ガスにも、何にもかか
つて
おりまして、もうかからないものといつたら、畳と障子と窓ぐらいで、それらがまだ税金がかか
つて
おらないというようなところじやないか。ですから財源を與えると言いますけれ
ども
、実はこれは残
つて
いるものは、そういうもの、あるいは水と空気、こういうものしかないじやないか。こういう現実の事態をどういうふうにお
考え
にな
つて
おられましようか。これをどう展開する、つまり平衡交付金を減らすために、どう展開されますか。
本多市郎
35
○本多国務大臣 平衡交付金をなくするというふうに、全国の
地方団体
の
財政
の均衡がとれるようなことは、なかなか期待できないことだろうと思いますので、むしろ私といたしましては、その平衡交付金によ
つて
、
地方
の
財政
の調整は、できるだけのものを
中央
で確保しなければならない、かように
考え
ております。さらにただいまのところでは、この税制で
中央
地方
の配分が適当であると
考え
ておりますが、それでは
地方
に財源を付與する場合に、どういう税目を考慮するかというお話につきましては、今ただちにお答えするだけの研究、結論に達しておらないのでございます。しかし一
方法
を
考え
るといたしましたならば、まさに御期待の趣旨に沿うものでありまして、国においてさらに行政機構その他
事務
の簡素化等をやりまして、所得税を軽減する。そうして
市町村
民税の中の所得割というものを、
市町村
においてよけいと
つて
も、納める人もつらくないというような
方法
によ
つて
、財源委譲ができるということが
考え
られます。
池田峯雄
36
○池田(峯)
委員
地方団体
として最も痛切に要求し、現にそのために悩んでいる
財政
需要は、第一に災害復旧費、あるいはその他の土木費、それから教育費、警察費、大体こういうものじやなかろうかと思うのであります。
地方団体
として、こういつた費用を負担しなくても、災害復旧は国庫でや
つて
くれる、道路な
ども
国庫で直してくれる、教育費も国庫で持
つて
くれるということならば、別に自転車税その他の財源を国庫の方から譲
つて
くれなくても、
地方
はきわめてのんきにや
つて
行けるのではないかと
考え
られるのでありますが、この点いかがでありましようか。
本多市郎
37
○本多国務大臣 従来そういうふ、うな思想が強かつたように思いますが、その結果は、何もかも国費でということで、
中央
の
財政
に依存する。
中央
の
財政
に依存する結果は、
中央
で多くの税をとらざるを得ないということにな
つて
、これが
地方
の
財政
的
自治
の発達を阻害していたのではなかろうかと思われるのであります。今回不慮の災害等は全額国庫負担とし、さらにまた普通の状態において
地方行政
を
運営
するための経費は、みずからとる税でまかな
つて
、さらに国庫の交付金等によ
つて
満たされるわけでありますから、こういう
方法
によ
つて
運営
して行つたならば、従来のような弊害は是正されて行くものであると
考え
ております。
池田峯雄
38
○池田(峯)
委員
それで教育費の問題ですが、この
原案
によりますと、
道府県
の教育費の測定單位、それから
市町村
の教育費の測定單位というものは、大体同じような單位基準できめられるようでありますが、全体の教育費の中で、
道府県
がどれだけ負担し、
市町村
かどれだけ負担するということになるのでありますか。この点については、たとえば義務教育費国庫負担法があ
つて
、それにのつと
つて
やられるとすれば、従来通りということになるのでありますが、義務教育費国庫負担法がなくなるとすると、県の負担と
市町村
の負担をどういう割振りにいたしますか。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
荻田保
39
○荻田
政府
委員
先ほ
ども
御答弁いたしましたように、大体八百億の教育費がございまするが、うち六百億は
道府県
で、二百億が
市町村
でございます。
池田峯雄
40
○池田(峯)
委員
そういたしますと、それは現在の義務教育費国庫負担法によ
つて
、そういう配分をやられるわけですか。そうじやなく、
道府県
の六百億という費用は、先生たちのどういう
部分
をまかたうための六百億なんですか。これが
はつ
きり報告されているととがございますか。ひとつその点をお聞かせ願いたいと思います。
本多市郎
41
○本多国務大臣 これは
法文
化されたものではございません。
財政
計画上大体八百億が教育費でありますが、その教育費の
地方
の総額は、
道府県
の分が六百億、
市町村
の分が二百億という割合になると
考え
ております。これは
財政
計画であります。ただいま義務教育費の国庫負担ということについてお話がありましたが、本年度から義務教育費の国庫負担ということはやらない
考え
でございます。
廃止
する
法律案
は、標準義務教育費
法案
の
附則
として提案する予定でございますが、これがもし遅れました場合には、この義務教育費国庫負担法は、その
廃止
が
国会
できまりますまで、本年は適用しないでおくつもりでございます。
池田峯雄
42
○池田(峯)
委員
その点は非常に重大な問題だと思うのです。たとえば県の教育費負担額が六百億、
市町村
が二百億というようにきま
つて
おりますが、山県はこの六百億の中から、教員の給料を負担しなければならないというような
規定
が何にもないということになりますと、非常に困つた事態が生じて来るのではないかと思うが、その点いかがなのですか。
荻田保
43
○荻田
政府
委員
義務教育は
市町村
の負担において行うという
法律
がございます。そのうち教員の俸給等につきましては、
道府県
において負担するという
法律
がございますから、たとい国庫負担法が
廃止
になりましても、その注律には影響ありませんから、明瞭な根拠がございます。
池田峯雄
44
○池田(峯)
委員
もう一つは、今度
地方
総合開発計画ということで、
地方
の計倒を方々で行う。たとえば
都道府県
などが一つのブロックで行うという計画があると思うのです。現に只見川がとか、いろいろ方々にそういう計画があるが、
民間
の資本、あるいは
地方
の
財政
からも
出し
、一部国庫負担も加えて、そういつた計画を遂行して行くという場合に、平衡交付金もそういつたものに特に増額交付するという用意があるかどうか。それをお聞きしておきます。
荻田保
45
○荻田
政府
委員
総合開発計画と申しますのは、字のごとく総合の計画でありますから、中に含まれております河川改修、あるいは道路のそれぞれの行政が、この平衡交付金法の基準行政難中の中に入ります限り、平衡交付金の対象になるわけであります。
池田峯雄
46
○池田(峯)
委員
そういたしますと、十
二條
による測定單位を補正する十三條の項目の中には、そういうようなことは書いてないようであります。一つのブロックで特にそういう
地方
計画をやる場合には、平衡交付金を増額するという補正の措置はないようですが、特に平衡交付金を増額交付する用意があるのかどうか。
荻田保
47
○荻田
政府
委員
その県が総合開発計画をやるとかやらないとかいうことによりまして、平衝交付金を多くしたり少くすることは適当ではないと思いますから、全然含んでおりません。ことに総合計画の中心であります発電計画のごときは、いわゆる公企業的なものでございまして、税負担になるべきものではなくて、独立採算のできるものでございますから、そういうものは全然計算の中に入りません。
池田峯雄
48
○池田(峯)
委員
もう一つそれに
関連
して、たとえば別府国際観光温泉文化都市建設法、伊東国際観光温泉文化都市建設法というようなものができておりまするが、こういうものに持に平衡交付金を出すという用意がありますかどうか。
荻田保
49
○荻田
政府
委員
考え
ておりません。
池田峯雄
50
○池田(峯)
委員
もう一つお聞きしたいのです。それははなはだ重大なことなんですが、この間
地方
へ参りましたところが、何でも自由党のある代議士さんが、お前は
共産党
などと同調してや
つて
いると、平衡交付金を減してやるぞ、ある
市町村
や町
会議
員さんにそういう放言をされたわけなんです。たいへん驚きましてへそういうことがあるのですかと私に聞いた。この間青森県の方へ参りましたら、青森県の
知事
さんが自由党にお入りに
なつ
た。それは何でも平衡交付金の今度の暫定支拂いが、宮城県に四億幾ら来て、青森県は一億幾らしか来ておらぬ。青森県が民主党だから、そういうふうに少ししか行かないんじやないか。そのために自由党へ入つたのだ。あるいはまたそういうふうに平衡交付金が少ししか来ないから、そこで今度りんご税の復活をどうしてもやりたい。昨年いろいろむりしてりんご税をや
つて
おつたのだけれ
ども
、今年もまたりんご税をとれるようにお願いしたい、こういう運動が起
つて
おるようであります。そこで私はこの平衡交付金がそういう不公平に支給されるということのないように、
政府
に対して厳重に要求しておきたい。ところでやろうと思えばできるじやないか。特に基準
財政
収入額というようなものは、これはきわめて算定困難であ
つて
漠然たるものであります。附加価値税にいたしましても、まつたく今まで世界中どこでもや
つて
いない税金ですから、それが幾らとれるかということは、や
つて
みなければわからない問題であります。捕捉困難でありますし、固定資産税などというものも、陳腐化の度合いとか、あるいは数箇
市町村
に影響を及ばす固定資産に対しては、
財政
委員会
がこれをきめて、また配分する。こういうようなことですから、いわんや今恐慌が押し寄せまして、中小企業や何かがぱたぱたと倒れているという、こういう状態で、税がどのくらい確保できるものかという見通しは、きわめて困難であります。こういう困難な條件下において、ある県に対しては
財政
収入額を多く見積り、ある県に対しては
財政
収入額を少く見積る。こういうことをやりますと、平衡交付金の多寡というものは、自由自在に机の上であやつることができるのではないか。こういう点を防止するための保障は、この
法案
には何にもないと思う。そういうことをわれわれが研究し、これならそういう不公平がないということを保障できる
條文
は何一つないと思うのですが、いかがでございましよう
荻田保
51
○荻田
政府
委員
平衡交付金の全体を通じまして、今おつしやいましたような心配を極力防止するためにできております。それからその
地方団体
の行政を何党がや
つて
おりましようと、別に平衡交付金の額に対しまして、そのために差額が生ずるようなことはございません。しかし何党がや
つて
おりましようと、健全なる
財政
の計画もなしに、でたらめな金の使い方をいたしましたり、取るべき税金を取りません場合は、平衡交付金を取上げるという
地方
財政
法の
規定
がございます。それから青森県と宮城県でございますが、配付税の比較がございましたが、これは従来青森県におきましてりんご税をと
つて
おりましたために、それだけ少かつたのでございまして、今後は平衡交付金法においては、かような法定外独立税のことは全然考慮に入れませんから、その点は改まることになると思います。
池田峯雄
52
○池田(峯)
委員
今
財政
委員会
のあれで、とるべき税金をとらない場合には、平衡交付金を取上げる。そういうふうにお聞きしたのですが、とるべき税金というのはどういうことですか。
荻田保
53
○荻田
政府
委員
地方税
法において定ま
つて
おりまする法定税目でございます。
池田峯雄
54
○池田(峯)
委員
私が不公平になるだろうと言いましたのは、付加価値税というようなものはどのくらいとれるか
はつ
きりしない。とるべき税金であるか、とらざるべき税金であるか、どこへ行つた
つて
とてもこれを完全に掌握し得るような税金じやないのです。固定資産税もやはり私青森県へ行きましたけれ
ども
、あそこで昔戰争中に使つたドックを——函館船渠株式会社というのが、これはもと海軍の使つたものですが、それを使
つて
造船や船の修理をや
つて
おりますが、ああいうふうなものは、昔でさえ何十億という金を
出し
てつくつた固定資産です。ああいう固定資産を国から借りてや
つて
おるのでありますから、おそらくこれは固定資産税がかかる。そういうことになるだろうと思う。そういつたものが遊休しているというような場合には、これはかからないということになると、固定資産税というようなものも、あれにはかけないで、これにはかけるというような措置が、
財政
委員会
として幾らでもできるのでありまして、そういつた観点から言いますと、付加価値税にしても、固定資産税にしても、どこからどこまでがとるべき税金で、どこからどこまでがとらざるべき税金であるかということは、これははなはだ算定がむずかしいのではないか。その対象となるものも漠然としておりますし、それは見積り額というものも漠然としておりますし、どこからどこまで漠然としておるのでありますから、
財政
委員会
が全国の
市町村
全体の固定資産にわた
つて
、これを一分一厘の間違いなく査定するというのはできつこはない。これをやや適性に近い程度に掌握し得るかというと、これはむずかしいのでないかというふうに
考え
るのであります。そういう場合に、一方においてはたんぼとか畑とか家屋とか、こういつたようなものは掌握が簡單でありますから、こういう点で算定されますと、ある
市町村
と他の
市町村
においては
相当
財政
収入基準、
財政
收入額というものの差が出て来るのではないか、不公平が出て来るのではないか。さらに
財政
委員会
がそれをやろうと思えば、ある一部の運動によ
つて
、この不公平をさらに拡大してやろうと思えば、これもできるのではないか。それを防止する何らの保障もない。こういうふうに
考え
るのでありますが、いかがでしようか。
本多市郎
55
○本多国務大臣 いろいろな前提のもとに、不公平が生ずるような場合がありはせぬかというお話でございますが、その前提のもとならば、不公平の場合を生ずることがあるかもしれません。しかしただいまのところその不公平を防止し、適正に行わせるためのこの制度と、
地方財政委員会
の機構でございます。これをも
つて
でき得る限りこれを適正に行わせるという趣旨でございまして、いずれの行政
事務
にいたしましても、もしその裁断を下す
立場
にある者が、不公平なことをやろうという心を持
つて
いるものだということを前提にした場合、行政
事務
はまつたく保障されないことになるのでありますけれ
ども
、これはその人の問題にいたしましても、
政府
といたしましても、
地方団体
といたしましても、でき得る限り
地方
財政
に識見を有する公正な人を選びまして、これを
国会
にも諮
つて
決定
するわけでありまして、ただいまのお話の点はさらにこれをこうすれば、さらに不公平を防止することができるではないかという名案がもし現われましたならば、また他日の
改正
の資料にでもいたしたいと存じます。さらに研究いたして行きたいと存じます。ことに平衡交付金における基準、收入基準需要を捕捉するという問題のごとき、今後さらに研究して、よい標準が見当りましたならば、そうしたものをとらえるということに努めて行かなければならないものと存じます。
藤田義光
56
○藤田
委員
要点だけをお尋ねしたいと思いますが、先ほど池田君の質問の中に、平衡交付金に
関連
した青森県
知事
の入党の問題がございましたが、これは自由党の政策に共鳴して入党したのであろうというふうにわれわれは
考え
ております。か
つて
の同志として、その人柄に敬意を表しておりましたので、おそらく主義、主張に共鳴しての入党であろうというふうに私は想像いたしております。 まず第一にお伺いしたいことは、六條の
規定
でございますが、毎年の交付金の総額を算定する基礎でございまするが、この点に関しましては、ここに一応四項目にわけてやや詳細に明示されております。 〔
委員長
退席、生田
委員長
代理着席〕 しかしながらこの
規定
で参りますと、政党
政府
である限りにおきましては、おそらく空文に帰するのではないかと思います。まず
財政
委員会
で必要な資料を集めまして、翌年度の交付金の総額を
決定
いたしまして、内閣に勧告いたしまして、内閣がその総額を変更してしまつたような場合におきましては、おそらくその総額を復旧させる
方法
はないではないか。
政府
即
国会
の多数党という
議会
政治の実情からいたしまして、これは單なる空文に終るのではないか。いま少し強く総額を保障する
規定
が必要ではないかと思うのでありますが、その点に関しましては、むしろ従来の配付税制度におきましては、一定の税收のわくを確保しておりましたので、私はこの交付金の総額に関しましても、国庫の歳入のある
部分
をわくとして確保するというような、法的措置をとる必要があるのではないか。しからざれば、年々この点に関しまして、
政府
対
財政
委員会
の
相当
重大なる
意見
の食い違いを来すのではないかと思いますが、この
法律
の
運営
上、いかにしてかかる弊害を除去されるお気持でありますか、お伺いしたいと思います。
本多市郎
57
○本多国務大臣 従来の
地方
配付税でありますと、国税の一定割合を配付するということにな
つて
おります。そのために
地方
の
財政
計画等が、
一般
社会の景況によ
つて
、国税が幾らあがるかということに支配される結果、不安定なものになる。これらの事情については藤田さんがすでに御承知のことでありますので、詳しくは申し上げませんが、今回の六條の
規定
により、平衡交付金を
地方財政委員会
において算定をした場合、これを最後まで確保せしめるの道を他に
考え
る余地はないかという御質問でございますが、これは
政府
といたしましても、でき得る限り
地方財政委員会
の
意見
は尊重したい
考え
であり、さらにまた
地方
の
財政
需要のうち、不足する
部分
は補填してやりたいという方針をも
つて
、全力を盡します。それでもなお全然
意見
の合わなかつた場合は、最後的に
国会
できめていただく。
国会
の判断が政党内閣である場合、
政府
の
意見
と
国会
の最後的
決定
とは常に符合するではないかということになりますと、
政府
によ
つて
決定
されてしまうようになりますけれ
ども
、それは
国会
と
政府
とはやはり異
なつ
た
立場
で、独自の判断をしていただくものという
建前
に立
つて
いる次第であります。
藤田義光
58
○藤田
委員
次にお伺いしたいのは、交付金の総額を毎年国の予算で
決定
するということになりますと、
国会
で国の予算審議の途中において新年度が始まり、あるいは新年度直前に
国会
で交付金の総額がきまつたというような場合におきましては、
地方自治体
においては年間収入計画というものは立たないのではないか。骨格予算を毎年編成するという弊害を生じやしないか。大体少くとも毎年一月ないし二月までに交付金の総額が
決定
しないと、
地方公共団体
におきましては、年間の全收入計画というものが立たぬのではないか。この点はいかにして補正されるか、お伺いしたいと思います。
荻田保
59
○荻田
政府
委員
もちろん
国会
におきまして、予算額が最後的に
決定
いたしませんと、的確な個々の団体に対しまする配分額も算定できないわけであります。しかしながらこの
法律
全体をごらんになりましておわかりになります通りに、基準
財政
需要なり基準
財政
收入なりの算定
方法
は、今年はだめでございますけれ
ども
、二十六年度以降は、すでに出ておりまする
法律
なり規則によりまして、各団体みずから算定することができるようにな
つて
おります。従いましてその差額だけは一応交付金をもらえるという計算が自分で立ちますから、この点におきましてはかえ
つて
前の配付税より進歩したものと
考え
ております。もちろん的確なことは、予算が通りまして、正式に
財政
委員会
におきまして交付金額の算定をいたしませんとできませんが、今申しましたように、大体の見当
はつ
くようになりますから、そう予算編成に困るようなことはないと思います。
藤田義光
60
○藤田
委員
第五條の最後の項目に、基準
財政
需要の中に含まれる経費にかかる
地方行政
に
関係
がある国の行政
機関
が、資料を提出することにな
つて
おります。そうしますと提出された資料に関しまして、
財政
委員会
は大蔵省と同様に資料の査定ができるかどうか。この点をお伺いしたいと思います。たとへば百億という資料が出た場合に、これを八十億に査定する、あるいは百二十億にする——ふやすことは大体予想されませんが、査定権ありやいなやということをお伺いしたいと思います。
荻田保
61
○荻田
政府
委員
交付金の総額を算定いたします最終の責任は、もちろん
財政
委員会
にあるわけでありまして、この五條の五項の
規定
も、
財政
委員会
が必要と認めた場合に資料の提出を求めることができるようにな
つて
いるわけでありまして、積極的にほかの役所から
財政
委員会
に対しまして資料を
出し
まして、これによれというようなことは言えないわけであります。従いまして、受取りました資料につきましても、
財政
委員会
は十分に検討いたしまして、自分が適当と認める数を基礎といたしまして、交付金の総額の見積りを内閣に提出することになります。
藤田義光
62
○藤田
委員
この
法案
の古い案によりますと、交付金を
都道府県
と
市町村
に区別しておりましたが、むしろ
はつ
きりと区別して、
地方税
と軌を一にした一つのわくをつくる方が、すつきりするのではないかと思いますが、本法におきましてはその区別が除去されているが、何か特別な理由がありますかどうか、お伺いしたいと思います。
荻田保
63
○荻田
政府
委員
初めそのようなことも
考え
ておりましたが、その場合も配付税のときのように、何分の一をも
つて
道府県
に配分するというふうに頭からきめませんで、やはり個々の
財政
需要と
財政
收入との差額を計算して、その積んだものをも
つて
道府県
分と
市町村
分にするというやり方でございまから、この最後案のようにかわりましても、そう大した遠いはないと
考え
ております。
藤田義光
64
○藤田
委員
お答えでございまするが、少くとも
市町村
のうち、
自治法
百五十五條による都市は、何か
一般
の
市町村
とは別扱いにした方が、すつきりするのじやないかと思います。この点将来において、ぜひともお
考え
願いたいと思うのでありますが、お答え願いたいと思います。 それと十
二條
、十三條に
関連
しまして、先ほど池田君からも御質問がありましたが、たとえば国家の権威によりまして、
昭和
二十三年安本、二十四年建設省で、全国の十地区を総合開発特別地区に指定しておる。あるいは厚生省におきましては、国立公園地区を指定しておる。こういうところにおきまして、国家の権威に基く指定に即応する施設その他の計画を
自治
体がする場合におきまして、何かこの十
二條
、十三條の運用上、多少の考慮をしていただける
方法
はないかどうかということをお伺いしたいのであります。むしろ
附則
にあります十分の一の特別交付金は、捕捉しがたい
財政
需要でや
つて
いただけますかどうか。この点お伺いしたいと思います。
荻田保
65
○荻田
政府
委員
御質問の前段の、大都市を特別に扱うということでございますが、この測定單位を計算する場合に、大都市と市、
町村
とを三つ別々に
考え
ておつたのでございますが、やはりこれはあらかじめ
市町村
を三つにわけることは必ずしも適当でないと
考え
ましたので、一本にしたのでありまするが、そのかわりに第十三條の第三号におきまして、「測定單位の数値の帰属する
市町村
の規模」これによりまして大都市、市、
町村
、あるいはもつと人口段階別にいたしましても、この数値に差等をつけたいと
考え
ておりまするから、おつしやいましたような目的は達すると思います。 それから第二点でありまするが、やはり個々の団体がしもちろん、国家の認めた計画ではございまするが、特殊な
考え
によりまして、普通のところにありません潤沢な開発施設を
施行
するのでありまするが、それに対しまして平衡交付金をそういうところにたくさんやるのだということは、どうしても平衡交付金法の根本に反すると思います。しかし消極的な
意味
におきまして、どうしてもそれだけのことをしなければ、その団体が
一般
並になれないのだというような種類の施設がございますならば、それにつきましてこの十
二條
、十三條あたりの
一般
の算定でまかない切れないものは、御説のように
附則
の特別交付金をもちまして考慮するよりほかしかたがないと
考え
ております。
藤田義光
66
○藤田
委員
この点、実は国立公園法が
施行
されまして十数年になりますが、いろいろな義務が課せられております。たとえば新制中学をつくろうとする場合に、国立公園の地区の森林伐採に非常に強烈な制限がございます。この際ぜひとも平衡交付金におきまして、義務に即応した何か恩典を本多国務大臣時代にお
考え
願いたいというふうに
考え
ております。おそらくこれは大きな政治になるのではないか。観光地帯と申しますか、何か特別なわくをお
考え
願いたいと思います。 次はこれも
原案
にありましたが、二十五年度、二十六年度は、
税法
の
改正
あるいは平衡交付金法の創設等によりまして、
相当
地方
財政
の激変が予想され、従
つて
十分の一の特別平衡交付金のほかに、臨時調整交付金というものは本年度は五%、二十六年度は三%というふうに、一応
原案
に非常に妙味のある
規定
がございますが、この最後案におきましてはそれがとれております。何らか臨時
国会
その他におきまして、臨時に調整する財源がどうしても必要にな
つて
来るのじやないか。平衡交付金の追加予算を組むことによ
つて
やるよりも、むしろごの
法律
に臨時調整の用をなす交付金を予定された方がよかつたのじやないかと思いまするが、この点はどういう理由で削除されましたか、お伺いしたいと思います。
本多市郎
67
○本多国務大臣 平衡交付金のうち、その一部を予備費的に保留しておいて、その後の事情による調整にまつべきではないかという御趣旨でございますが、この点研究をいたしたのでございますけれ
ども
、一割程度の特別交付金に保留しておりまするそれをもちまして、でき得る限り御趣旨のような場合にも充てたいと
考え
ております。従いまして今後の問題としてはさらに研究いたしたいと存じております。
藤田義光
68
○藤田
委員
この際平衡交付金の大きなわくができてはおりまするが、それと
関連
しまして、
地方
債の問題を簡單にお伺いしておきたいと思います。大蔵省方面の構想によりますと、先般二厘ずつ下げました
地方
債の利子を、さらに八分に引下げ、年間八分の利子にしたい。償還年限についても考究中であるということを拝聽いたしましたが、
自治庁
はそういう御計画がありますかどうか、お伺いいたす次第であります。
本多市郎
69
○本多国務大臣 簡單にお答えいたしますと、そういう
方向
へ努力いたしたいとは
考え
ておりますが、具体的にまだ進行しておらない状態でございます。さらにまた非常に御関心を持
つて
おられまする
地方
起債のわくにつきましても、シャウプ勧告の線まで、さらに五十億ばかりぜひとも実現をしたい。さらにまた預金部からの融資は、この
地方
起債をどこまでも優先的に
考え
てもらうようにというような点につきまして、努力いたしておるのでございますが、これはぜひ実現するように最後まで努力いたします。
藤田義光
70
○藤田
委員
本多国務大臣の非常に謙虚な御答弁がございましたが、実は本年度の
地方
債のわく三百七十五億を、さらに五百億にするというようなこと、それから利子の引下げが、
相当
進展しておるやに拝聽いたしましたが、大蔵省の預金部でも
相当
積極的のようでございますから、いずれこれは少ししさいにわたりまするが、渡米前に御調査願いまして、至急善処していただきますると、先ほど私がお願いいたしました臨時調整交付金のようなものは、それによ
つて
十分まかなえるというふうに私は
考え
るのであります。 最後にこまかい点をお伺いしたいのでありまするが、この
地方財政委員会
の
事務局
の機構でございます。規則できめる点も多々ございましようが、運用の責任に当る
事務局
の機構といいますか、われわれの非常に重大な関心の的にな
つて
おります課名だけでもお伺いしたいと思います。
本多市郎
71
○本多国務大臣
地方財政委員会
の
事務局
の機構につきましては、ただいま財務部、税務部の両部を設け、局長を置くということだけが機構としてはきま
つて
いるのでございまして、課名につきましては、従来
地方自治庁
にありましたものが、大体そのまま移るのではないかと
考え
ております。官房はあることにな
つて
おります。まだ実はその課につきましても、多きに失しないように、また不便がないように
考え
まして、今検討中でございます。
生田和平
72
○生田
委員長
代理
通告順
は
塚田十一郎
君でありますが、
立花
君よりごく簡單であるからという発言を求めております。
立花
君は質問を打切つた次第もありますから、この際五分間の時間を付して発言を許します。
立花敏男
73
○
立花委員
打切
つて
おりません。譲つたので、あとでやるということにな
つて
おります。しかしなるべく簡單にやります。それは午前中の本多さんの御答弁ですが、「必要且つ充分」という文句は形容詞だとおつしやつたのですが、その真意を
はつ
きりしておいていただきたいと思うのです。この平衡交金法では一番重要な点でありまして、「必要且つ充分」ということが
法案
の中にうたわれておりますので、実は私
ども
も安心しておりますし、
地方
も安心しているだろうと思うのでありますが、その「必要且つ充分」という言葉が形容詞だということになりますと、これはとんでもない
法案
にな
つて
しまいますので、その点をひとつ、御失言なら御失言として
はつ
きり取消していただくか、もつと納得の行く御
説明
をいただきませんと、とうてい納得することができないのですが、それをひとつ御
説明
願いたい。
本多市郎
74
○本多国務大臣 この「必要且つ充分」と申しますのは、客観的に見て「必要且つ充分」の
意味
でございます。午前中の質問に「必要且つ充分」という、かりに算出された金があつた場合、その金額と一銭一厘違わないのでなければ、「必要且つ充分」ということができないかということにつきまして、それはその合致しない差額の程度がどの程度であるかということによ
つて
、判断しなければなりません。かように申し上げたのでございます。二銭一厘でも違えば、「必要且つ充分」という言葉そのものに合致しないかどうかということについては、これは疑問がありますから、そういう一銭一厘違えば「必要且つ充分」ということができないという前提ならば、そういう場合には「必要且つ充分」という言葉は形容詞になると思います。すなわち特にそれで支障を来さないという程度の「必要且つ充分」であるという
意味
でございます。
立花敏男
75
○
立花委員
一銭一厘というような計算は、おそらく国家
財政
の計算にはないと思いますので、そういうことはもちろん常識外の御答弁だと思う。それよりも実質的に「必要且つ充分」という言葉が、どういう拘束力を持
つて
いるか。たとえば
政府
が、あるいは
地方財政委員会
が総額をお見積りになる場合、あるいは交付なさる場合、どういう実質的な拘束力を持
つて
いるのか。あるいは
国会
が政策
委員会
の
出し
ましたものに基いて審議いたします場合に、
国会
に対してどれだけの拘束力を持
つて
いるか。この点を
はつ
きりしておいていただきたいと思います。單に形容詞であるか。実質的にどういう拘束力を持
つて
いるか。これを
はつ
きりしていただきませんと、一銭一厘という問題ではありませんので、そういう実際の行政をおやりになる場合の、この言葉の持
つて
いる効果をお尋ねしておきたい。
本多市郎
76
○本多国務大臣 平衡交付金算定の
方法
は、「必要且つ充分」ということを目標に、各
條文
の條項によ
つて
算定せられます。その算定せられた金額をも
つて
、「必要且つ充分」と言い表わしているわけでございます。
立花敏男
77
○
立花委員
そういたしますと、それと異
なつ
た金額が国の予算できめられます場合は、この
法文
は訂正されなければいけないのかどうか。その点をひとつ承
つて
おきたいと思います。あるいは不足の
部分
は、追
つて
措置をしなければいけないのかどうか。その点をひとつ伺いたいと思います。
本多市郎
78
○本多国務大臣
国会
で
政府
原案
の平衡交付金予算が増額される場合、あるいは減額される場合があるでありましよう。その場合
国会
におきましてその減額、増額された
修正
の金額が、「必要且つ充分」な額と認められたものと
考え
ます。
立花敏男
79
○
立花委員
それから特別平衡交付金の問題でございますが、特別平衡交付金につきましては、あまり今まで触れられておりません。と申しますのは、配分の基準もわかりませんし、それが足りなく
なつ
た場合にはどうするかということもわかりませんし、どういうふうにして出すのかということもわかりませんので、こういう点を
はつ
きりしておきませんと、百五十億という金の使途が、まつたくわからないということになるのでございますから、この点を具体的に御
説明
願いたいと思います。たとえば特別の需要と申しましても、これは一箇年を通じて見ませんと、国家全体で、一万の
町村
でどれだけの特別の需要が起るかということがわからないはずであり、これをどういう基準に従
つて
、どういう順序で渡して行くか、あるいはそれが足りなく
なつ
た場合にはどうするかということを、
はつ
きりしていただきたい。
本多市郎
80
○本多国務大臣 これはまことに困難なことでございまして、大体この一割秘度の特別交付金を保留しておきますことによ
つて
、不慮の災害等によりました場合の
財政
調整に充てて行く、こういう次第でございまして、この平衡交付金を算定した後に生じた事情による、負担の増加の緩和に充てて行くのであります従
つて
あらかじめどこにどういうふうにやるかということはきめにくい問題でございます。
立花敏男
81
○
立花委員
それでは困ると思うのです。そうすると先にとつたら得だということにたりまして、あとの方で災害が起りましても、なく
なつ
た場合にはもらえないということになる。そういうでたらめなことでは困るので、
はつ
きりしていただきたい。
本多市郎
82
○本多国務大臣 これはお話の通り、年間を通じて、総合的に計算しなければならぬと思います。従
つて
一月までに起きました事情について算定をいたしまして、二月に交付いたします。さらに二月、三月分については、次年度にまた持ち越すということになります。
立花敏男
83
○
立花委員
その基準はどうなのでございますか。交付の基準は何もきま
つて
いないのですか。
荻田保
84
○荻田
政府
委員
これは非常にいろいろな事情がございますから、
法律
でもちましてそれをきめてしまうことはできません。従
つて
法律
では「測定單位によ
つて
は捕そくし難い特別の
財政
需要」これが一つ。もう一つは、その算定の期日後に生じた新たな
財政
需要、つまりたとえば災害など、こういう二つの大きな項目によりまして、交付することになります。
立花敏男
85
○
立花委員
最後に一つ、これは暫定措置というふうに書いてありますが、二十六年度からはやらないのかどうか。それから提案理由の
説明
の中におきましては、特別交付金を設けるのは、初年度にあた
つて
十分な捕捉ができないから、暫定措置として特別交付金を置くということにな
つて
いるのでありますが、今までの御
説明
によりますと、絶えずそういう突発事故がありますので、絶えず置かなければならない金になるのでありますから、ここに大きな矛盾があると思うのです。特別の問題はいつでも起りますし、それはいつの年も予測できないから、いつの年でも特別交付金を置かなければならないと思います。ここに
政府
の言
つて
おられることと、御
説明
にな
つて
いることとに矛盾があると思いますので、
はつ
きり御
説明
を願います。
本多市郎
86
○本多国務大臣 特別交付金の制度を、ただいま提案いたしておりますような形式で実行いたしますのは、二十五年、二十六年の暫定措置でございますが、そのような制度をその後もどういうふうに
運営
して行く方がいいかということにつきましては、その間に研究をいたしまして、恒久的な制度をさらに続けて立てたいという趣旨でございます。 〔生田
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 おそらく二十六年度以降におきましても、平衡交付金を算定いたしました後における事情によりまして、そうした特別交付金のような制度による、やむを得ざる調整の必要があることと存じますので、その後の制度につきましては、その後に
決定
をいたしたい。とりあえず二十五年度、二十六年度は、そうした制度に対応する制度として、そのような
方法
で行きたいという趣旨でございます。
立花敏男
87
○
立花委員
これは非常にあいまいでございまして、これは私
ども
に言わせますと、配付の基準もわからなければ、
説明
の趣旨も食い違
つて
おりますし、
政府
並びに自由党の機密費のようにも
考え
られますが、そいつたことにお使いになるのではありませんか。その点をお伺いしたい。
本多市郎
88
○本多国務大臣 自由党の機密費ではございません。
大矢省三
89
○
大矢委員
時間が迫
つて
おりますから、ごく簡單に私から質問申し上げたいと思います。私はこの
説明
があつた直後に、この
法文
の中にしばしば表われておる「規則」という文字、大体
草案
でもけつこうだから
出し
てもらいたい、こう申したのであります。最も重要文補正、あるいはまた
市町村
長が資料を提出するということを、規則で定める。こういう場合にいかなるりつぱな
法律
ができましても、その
運営
の基礎となるべき規則が、大体アウト・ラインだけでも出ていなければ、この
法律
はどういうように
運営
されるかわからぬから、非常に危険であります。それを私劈頭に資料としてお願いしたのですが、いまだに出てないようでありますが、しかし答弁を聞いておりますと、自主的な民主的に選ばれた
委員会
の
意思
というものを尊重する。しかもそこがこしらえるのだから、信用してもらいたいということでありますが、今までに
法文
の中で、この
委員会
を時に尊重するという
法律
の字句まで入れてあるにかかわらず、その
委員会
の
意思
がしばしば無視されておる。これの一番いい例は人事院の問題、人事院の
意見
は尊重すると書きながら、しばしば無視されておる。しばしば尊重されておらない。もちろん占領下にあ
つて
、なかなか困難な事情もよくわか
つて
おりますが、しかしもしそういう事情があるならば、
法律
の中にそういう字句を
規定
しておりながら尊重しないということは、法の権威にかかわる。法に対する遵法精神が人民になくなるということを非常に憂うるのであります。この
法案
のねらいとするところは、
説明
にもありますように、配付税にかわるべきものであると同時に、努めて
地方自治
団体の先ほど問題に
なつ
た「必要且つ充分」なるということでありますが、この大臣の
説明
によりますると、そういう抽象的な言葉じやなく「豊富潤沢なる」と第一に述べてある。「豊富潤沢なる」ということは、この「必要且つ充分」というような抽象的なことじやない。これをやろう。従
つて
これはもらうことであるから、
地方
は喜ぶに違いない。できるだけ早く私たちも通したい。しかしその内容を見ますと、実にわれわれは安心できない。はたして大臣の
説明
の通りに実現をするかどうかということは、はなはだ疑わしいのであります。私はごく簡單に、
法文
に表われたその字句について、あるいはわれわれの解釈について申し上げたいのであります。第三條でありますが、第三項に「常に各
地方団体
の
財政
状況の的確なは握に努め、」的確な把握に努めてこそ、初めて公平にやり得るのでありまして、これは最む重要なことである。ところが
委員会
の構成というものは、ごく少数の人員しかない。さらに加えてこの重要な五人の
委員
は、非常勤であります。
自治庁
が今日まで、従来内務省があれだけの手を打
つて
もなかなか手が届かないで、完全に把握することができないにかかわらず、この
法案
の三條には、
自治
の実情を完全に把握することに努めて公平にやるということでありますが、この
委員会
の構成、
委員長
の非常勤、こういうことでありますが、この
委員会
の構成、
委員長
の非常動、こういうことから
考え
て、それが完全に行われるかどうか。結局は空文に終
つて
、実質は先ほど来しばしば問題になりましたように、いわゆる官僚が支配して、結局は表面だけをそういう形式を整えるだけにすぎないじやないか、こう思いますが、構成並びに
委員
の非常勤、この数において、
地方
治体の
財政
をはたして完全把握することができる自信があるかどうかということを、まずお聞きしたい。
本多市郎
90
○本多国務大臣 前段の御質問でございますが、しばしば
委員会
等の
意見
が、
政府
の
意思
によ
つて
曲げられる場合があるというお話でございますが、これは平衡交付金の
法律
で定めてある場合の
事項
を政令等でやりますと、まさにその通りになるおそれがございますので、実は
法律
もしくは
地方自治
委員会
の規則、かようにいたした次第でございまして、
地方自治
委員会
が
法律
の定める
権限
に基きまして、立法行為を自主的にできるという精神でございまして、そのできる範囲内においては、
政府
が尊重するもしないもないのでございます。勧告とかいうような場合に、
政府
がそれに
反対
の場合には、これは
国会
までかかるのでございますけれ
ども
、自主的に立法のできる範囲内におきましては、規則はまつたく私は、
政府
の圧迫とか、国の
意思
の圧迫により曲げられるということがないように、自主的に
運営
できるものだと
考え
ております。 さらに
委員
構成の問題でございましたが、これはお話によりますと、非常勤というように解釈していられるようでありますが、実は常勤であります。ただ特別職である点において、
一般
公務員と違うだけでございまして、常勤の特別職であります。五名をも
つて
、全国の
市町村
の
財政
状況をことごとく自分で把握できるか。これはどういう場合でも、責任者はそういう
立場
に立つのでございますが、スタップの問題でございまして、ただいまも御
説明
申し上げましたように、専門的な職員を
相当
数置くことによりまして、それを通じて十分調査はでき得ると
考え
ております。
大矢省三
91
○
大矢委員
相当
数の専門者を置くということでありますが、私
ども
参考資料から見ると、二十五人くらいである。参考書類に明らかに非常勤と書いてある。今常勤であるということであるが、
市町村
代表でありますから、
市町村
の現職にある者が選ばれて来るものと見なければならない。その人が常勤をや
つて
、それで
市町村
の代表が務まるかどうか。どこからか
修正
意見
が出ておつたようでありますが、はたしてそういう常勤ができるか。非常に人が少い。それからいわゆる勧告を無視しないということを申し上げましたが、第六條に「翌年度における交付金の総額を算定し、これを国の予算に計上するように内閣に勧告しなければならない。」内閣に勧告するところが内閣がこれに応じなかつた場合には、それと同時に同じものを
国会
に内閣を通じて出すというのであるから、
出し
たからとい
つて
、そういうことを聞かれるとは限らない。なぜ私がこういうことを言うかというと、今までの
運営
の
方法
が、そうでないからである。従
つて
これは勧告ということがあ
つて
も、結局は聞き及ぶ。それによ
つて
かわつたことをなし得ないものという今日までの想像で、特に劈頭それを申し上げた。それではそうしますと言えばそれまでのことでありまして、今後の
運営
いかんによるのでありまして、これ以上言いません。 次に先ほ
ども
問題に
なつ
た
地方
の
自治
権というものを非常に尊重するとい
つて
おきながら、ここには特に六大都市をのけた
地方
の
市町村
に向
つて
は、
知事
が審査権を持
つて
おる。これは第五條でありまするが、「
都道府県知事
は、前項の
規定
により提出された資料を審査し、
意見
をつけて
委員会
に送付しなければならない。」こういうことである。そうすると
市町村
は直接
委員会
でなくて、
都道府県
の
知事
に向
つて
これを提
出し
、審査してもら
つて
、さらにその上に
委員会
で審査してもらう。これまた審査でありますから、更正することもできる。むしろそれに対しては更正する
意見
を加え、
市町村
に通知しなければならないと書いてありますが、
事務
的の
権限
は必要かもしれぬが、こういつた
知事
にどうして一体こんな
権限
を與え、複雑な審査までして、審査の変更の更正権まで與えるということは、それがはたして先ほど言つた
地方自治体
の尊重であるか。ほんとうの
地方
の
自治
権を尊重しておるゆえんのものかどうか。こういうことを
地方自治
のためにはなはだ遺憾に思うのでありますが、どういう事情からそうしなければならぬのであるか。もちろん最近の府県
知事
は公選によるのでありますから、それは前とは違うというような
考え
を持
つて
おられるかもしれませんが、しかしながら二重
監督
を受けるということには間違いありません。そういうことで私はぜひともこういうことは、今後においても廃すべきだと
考え
ております。特に審査権、更正権、さらにこれに対してこういう
市町村
に向
つて
、二重
監督
の支配をやるということについての
政府
の
考え方
、また実情を私はお聞きしたいと思います。
本多市郎
92
○本多国務大臣
地方財政委員会
の職員数は、百名を越えます。それからどういうわけで指示をして、第一段階において資料の収集
機関
に用いるかという点でありますが、支配するというようなことでありますと、まことに弊害がございますけれ
ども
、全国の
市町村
の数は一万を越えますので、直接これの資料を集めますということも容易でありませんので、一旦
知事
のところでまとめてもら
つて
、
地方財政委員会
に提出をする。その際
知事
があやまちであるというようなことを発見いたしましたときには、一応下見をして、
意見
を付してもらうというわけでございまして、決して
知事
が数字などを更正するとか、変更するとかいう
権限
を持
つて
おるわけではないのです。
大矢省三
93
○
大矢委員
それでは今の答弁のように、ただ單に
事務
的に扱う、それから
事務
的な間違いについて訂正するのであ
つて
、決してそういう支配とか、あるいはまた
監督
とか、その
委員会
で更正するような
意味
ではないというように私
ども
了解し、解釈いたします。 その次に先ほど申しました内閣に対して勧告するということでありますが、これは勧告でありますから、もちろんそう強制力は持
つて
おらないと
考え
ます。あるいは特にそうした
委員会
の性質上、当然尊重すべきだというのでありますから、
相当
に重要に扱われると思いますが、先ほど申しましたように、今までの取扱いから行きますと、しばしば蹂躪されておるのでありまして、その点は特にこの
法案
の性質、しかも非常に利害
関係
の大きい
財政
の問題でありますから、特に私はこの
法文
の精神を、あるいは大臣の
説明
を生かすためにも、これを十分に
運営
の上において考慮されたいということを申し上げたいのであります。 それから次に第五條でありますが、先ほ
ども
申しました
市町村
長は規則で定めるところにより、これを
都道府県知事
に届けなければならぬ。あるいはまた、ただいま申しました
都道府県知事
、特別市の市長は、規則によ
つて
資料を提
出し
なければならぬ。この提出の時期は、まだ規則がないからこれ以上申しませんが、これをいつごろまでに提
出し
ろという規則をつくる場合、
自治庁
の方はその
期間
をどれくらいと見ておるか、御
説明
願いたい。というのは、算定を四月一日ということにしております。四月一日を算定の基礎とするということは、あとで
法律
に出ておりますが、その資料の出る
期間
をどのくらいと見ておられるか。これは規則がないのですが、その点を一応お伺いいたします。
荻田保
94
○荻田
政府
委員
これは一年に大体二回になると思います。と申しますのは、前年度におきまして、国の予算をつくります前の資料でありまして、こういうものはきわめて簡單なものにな
つて
おるのであります。それから第二は、実際の交付にあたりましての資料でありますが、これは大体四月一日で交付いたしますが、前年度の決算等が
相当
重要になりますので、やはり五月の出納閉鎖期を過ぎてからでなければできないと思います。それ以後におきまして、八月ごろに大体の
決定
をいたしたいと
考え
ておりますので、大体その時期くらいまでに資料の提出を求めることに相なると思います。
大矢省三
95
○
大矢委員
たいてい
地方自治体
では、年度がわりは四月でありますから、十二月から三月にかけて
地方議会
が開かれるのです。そこで予算を編成する。その予算の編成にあた
つて
、交付金をどの程度に算定するかということが重要であります。これは前年度に比べてやるのでありますが、最近のような変動の多いときには、これは非常に困難なことで、勢い向うとすればつとめて大きい数を希望し、あるいは予算もそういうようなことを考慮に入れて編成する。そのために実際問題として、確実な予算を把握するのに困難なのではないか。特に四月の一日を基礎として、来年八月三十一日以降にこれを支給することは、実際問題として
地方議会
なり、あるいは予算の上で非常に困るのではないか。今年は暫定措置としてどういうことを行うお
考え
であるか。特に前年度に残る配付税の三百億というようなものも、何らかの御考慮があるかということをどなたか御質問がありましたが、そういうことでこの期日というものは、
地方議会
の
運営
にどういう影響があるかどいうことを考慮に入れられたかどうか。それをひとつお聞きしたいと思います。
荻田保
96
○荻田
政府
委員
この点も先ほどお答えしたのでありますが、正確に計算いたしますと、今申したような
手続
で、当該年度の七月以降になると思います。しかしながらその前に国の予算編成にあたりまして、総額を
決定
いたします場合は、この測定單位、これに対します補正係数、それから單位費用というものがきまるのでありますから、これがこの
法律
にもございますように、
一般
に公表されます。従
つて
その
地方公共団体
におきましては、それぞれそれによりまして自分のもらえる交付金の額というものは、大体十二月ごろまでにはきまるわけであります。従いまして
地方団体
が翌年度の予算を編成いたします場合には、その額を平衡交付金として計上することができますから、その数字もおそらく実際に
決定
いたしますのと、そう狂いのないものだと
考え
られます。予算の編成執行にさしさわりはないと
考え
ております。
大矢省三
97
○
大矢委員
時間がないからごく簡單にしておきますが、いろいろ交付金の基準を定めるにあたりまして、税収入を百分の七十と押えておる。これは大体の平均をとられてこういうことをしたと想像するのですが、もしこれが非常にまじめにこの税率だけをとろうとする
町村
があ
つて
、これ以上率を多く徴収した場合には、すなわち交付金が少なくなる。結局そういう全体のバランスから、収入と支出とのその差額について出すということになりますから、そういうことになりますと、非常に困難な事情もございましようけれ
ども
、いわゆる税の七〇%までとらなかつたところにはよけい行くという、非常に矛盾した結果になることを危惧するのですが、その点はないか。そうしてどうしてこれを七〇%に押えたかという理由を伺いたいと思います。
本多市郎
98
○本多国務大臣 税率の七〇%で基準
財政
収入額を算定し、これをも
つて
平衡交付金算定の基礎にしております趣旨は、実はそこに三割というものの余裕を残しておきまして、これによ
つて
地方
の徴税意欲を考慮いたしたわけでございます。本来ならば徴税額の一〇〇%をも
つて
やることが、ちようど一致するわけでありますけれ
ども
、そこに自分のところでまじめに税金をとれば、平衡交付金以外にそれだけ財源がふえるという面で、三割の余裕を残してある。かように
考え
ていただけば御了解願えると思います。
大矢省三
99
○
大矢委員
それはよくわかります。それではもし百分の七十以上にと
つて
、そこに
財政
はよくなると言いますけれ
ども
、それだけに収入が多くな
つて
のでありまするから、交付金を算定する場合に収入がそれだけふえておる。勢い率としては少なくなる。それとは
関係
ないことなんです。これはいかによけいと
つて
も七十と押えるのだ、その差額をわたすのだということならばわかりますが、しかし明らかに収入ということが算定の基礎に書いてあります。勢いそれが幾らとられたか、税収入が幾らあつたかということは、必ずそこに数字的に現われて参りますから、勢い七十以上とれまい。とれば結局それだけよけい平衡交付金を減らされる。結局
住民
が困るということになりますから、私はそういうことをせずして、それによらずに交付金を出すということならば、それはあえてさしつかえないが、そのことは間違いありませんかどうか。
荻田保
100
○荻田
政府
委員
そうです。
大矢省三
101
○
大矢委員
それからもう最後ですが、この点は実に今度の
法律
の妙味のあるところで、もし不服があつた場合には、申し出たら聽聞をやる。ところがここでいつ聞いてもその通りなんですが、一体
政府
が認めておらなければ、さして聞きもしない。これは私はこのまま適用されるとは思いませんけれ
ども
、一体自分が判決したものが間違つたら取消しますという、こういう聽聞の制度というものはありません。これは特別の
機関
がそういう聽聞をして、公平な
立場
に立
つて
判断するならば、この制度というものは非常にいいのです。しかし聽聞の結果、申出に正当な理由があつたと認めるときは、この
決定
の処分を取消す。だれが悪かつたということを認めるか。自分のやつたことが悪かつたと認めるものはない。この
規定
をほんとうに有効に活用しようとするならば、特別な
機関
を設けて、ごく三者的な公平な
意見
、なるほど
委員会
の
決定
にはむりがあつたということを、何らとらわれない
立場
に立
つて
これを聞いて、正統なりと認めるとか認めないとかいうことを
決定
するならばいいが、
委員会
が自分で
決定
しておいて、また認めるということは、自分が間違つたことをやりますということを前提に、こういう規則ができたのではないかということまで
考え
られるので、これらの制度というものに対しては私は
反対
であります。もしこれを徹底してやるならば、
委員会
にあらざる他の
部門
でも
つて
これを聽聞し、正当な理由があつたと認めた場合はこれをやる。自分でやつたことを正当でないと認めるということは、なかなか困難です。これはひとつそういうことは別な
機関
でやるか、あるいは
委員会
で
異議
の申立てがあつたときにやる。それからこの制度で
市町村
長もみな
異議
があつたときは、聽聞をやります。これははたしてやれるのかどうか。やれぬから、先ほど申しましたように、
地方
の
都道府県知事
に委任したんだと言いながら、これだけは大いに直接やると言う。やるのが今申しました間違つた本人がや
つて
それを改める、こういう非常に、こつけいなことでありますが、これもはたしてどういうことになるのか、一応お聞きしておきたいと思います。私はこれをも
つて
終りますが、なおこのことは重要でありますから、この
運営
について特にお聞きしたい。
本多市郎
102
○本多国務大臣 まことにごもつともな御
意見
であると思いますが、多くは係数等の誤りを是正する場合が多かろうと存じます。事が判明いたしましたならば、しかもそれが公開の席上において判明いたしましたならば、必ず
財政
委員会
において自分のやつたあやまちであ
つて
も是正されるであろうと期待している次第でございます。さらに特にこれに対しまして、別に
機関
を設けるというようなことも
考え
られるのでございまするけれ
ども
、問題がたいていの場合係数に属することでございますので、おのずから判明する場合が多いと存じますので、機構簡素化の趣旨からも、かような制度をも
つて
や
つて
みたいと
考え
ておる次第でございます。
大矢省三
103
○
大矢委員
大体答弁を聞きまして、私が劈頭申し上げましたように、これは
運営
いかんにあるのでありますから、事経済上に関することは、神方
自治
の
財政
に非常な影響もあり、神経もおのずから過敏にな
つて
参りましようし、そのことの取扱いいかんによ
つて
は、
地方
の
発展
の上に非常な大きな影響があることは申すまでもない。大臣の御
説明
の通りであります。これはぜひともひとつ
運営
にあた
つて
、あるいは規則をつくるにあた
つて
は、長い間
自治
に
関係
されている
自治庁
のごときは、従来の弊害を繰返さないように特に私はお願いして、規約の点は出ておらないということはやむを得ないが、そのことを強く申しまして、私の質問を打切ることにします。
塚田十一郎
104
○塚田
委員
たいへん時間が過ぎておりまするのに、野党の皆さん方に御迷惑かと存じますが、若干時間をおかしいただきたいと思います。もう大体野党の各位から
質疑
が出まして、ほとんど重要な点は行われておりますので、重複点は全部避けまして、まず第一にお尋ねいたしたいのは、今度のこの
地方
財政
干衡交付金というものと、
昭和
二十五年度のこの予算に載
つて
おる千五十億というもの、この千五十億がこの
法律
によ
つて
できたものだというように解されては、われわれは非常に困ると思うのでありまして、少くともこの千五十億の税率
施行
までの段階、つまりこの
地方
財政
平衡交付金法の予算に計上にする額が出て来るまでの段階は、この
法律
によ
つて
おらないんだということを、私は明らかにしておいていただく必要があるのではないか。つまり
附則
におきまして、二十五年度の分についてはこれとこれとこれの分は適用を受けておらぬのだ、こういうようにわれわれは書いてもらわないと困るのでありますが、その点はどういうようにお
考え
でありますか。
本多市郎
105
○本多国務大臣 誤解があります点は、まことにその通りでありまして、この点は明らかにしておかなければならぬと存じます。これは
財政
計画の面から出た平衡交付金の額でございまして、その
意味
はもし千五十億というものが交付されなかつたならば、収入額と需要額の差、すなわち需要額の予算の不足は、千五十億になるという数字であります。でありますから平衡交付金の算定
方法
によ
つて
算
出し
た場合、大体においてこれと一致しなければならぬという性質を持
つて
おるわけであります。総額においてはそういう
意味
でございまして、この平衡交付金の
制定
前に、平衡交付金によ
つて
算定もできるわけでもありませんので、お話の通りこれは平衡交付金法によ
つて
算
出し
た金額ではございません。
塚田十一郎
106
○塚田
委員
これは本来ならば、
附則
にそういうように書いていただきたいのでありますけれ
ども
、大臣の御釈明がありますから、これはそういうふうに了承いたしておきます。 次に千五十億という数字の出た根拠を、いろいろ他の
委員
からの質問で、当局が御
説明
にな
つて
おるのを承
つて
、どうもあれは国全体を見てお
つて
、ずつと去年よりこれくらい
地方
財政
の予算がふえれば、大体必要が満たされるのだという頭から、あの数字が出ているように思う。ところが実際にこの
法律
の運用によりまして、七〇%を
財政
収入基準のところに押えておられるので、そういたしますと今度の
地方税
法のぐあいでも
つて
、おそらく七〇%までとれば十分な府県もしくは
市町村
が出て来るのじやないか。そうするとそういうところは結局標準税率までとらないだろう。またとらないようになることをわれわれは希望しておるのですが、そうすると国全体の平均の頭で
考え
られてお
つて
、これくらい今度の
税法
でふえるのだから、これくらい平衡交付金をやれば、国全体の
地方
財政
の向上が得られるというようにお
考え
に
なつ
たのか。実際徴税の上になりますと、これは大分狂いが出て来るのではないかという感じをするのであります。標準税率でも
つて
平均してこれくらいという概算を立てておられて、実際は今度七〇%ということにな
つて
、現実の徴収が七〇%とな
つて
いつた場合に、結局とらない府県なり
市町村
で収入減をしました分が、やはりどこかにそれがかぶさ
つて
行
つて
、それだけどこかが少くなるのではないか、こういうふうに感じるのですが、これは現実に積み上げられて行つたものであると、私
ども
はそういう感じを持たないのであります。その辺はどういうぐあいにお
考え
になりますか。
本多市郎
107
○本多国務大臣
政府
委員
から補足さしたいと思いますが、その点は全国標準税率の七〇%で算定をいたします。そうして今度は
財政
需要額の点におきましても、やはり補助金、手数料等による
部分
を除いて、さらにあとの分の七〇%を
財政
需要額として算定いたします。七〇%を基準
財政
収入においても基準
財政
需要においても押えて、その差額を補填するというようなことでありますけれ
ども
、それはその差額を算定することによ
つて
、この各
地方団体
に対する交付の基準が出るわけであります。その基準に基いて按分する次第でございます。でありますから、
財政
計画において、その規模の
財政
計画をやるとすれば、幾ら
財政
的欠陥があるという金額を按分することによ
つて
、不足額が補填される、こういうふうに見て行くわけでありますが、なお
政府
委員
からもう少し詳しく御
説明
申し上げます。
荻田保
108
○荻田
政府
委員
確かにおつしやいましたように、本年度に限りまして、先に総額がきまりまして、あとからその算定の
方法
を規則等で書くことになりますので、そういうことを御質問にたりますのも、ごもつともだと思います。従いまして率直に申し上げますれば、この千五十億をもちましてこの
法案
を運用——初めに千五十億がなかつたと仮定いたしまして、下から計算いたしまして、
出し
た額が千五十億になるように、あとの規則等をつくるというふうな運用に実際問題としてはなると思います。第二に、七〇%でありまするが、しかしそれはあくまでもほんとうに最低の経費でございますから、七〇%ではなかなかや
つて
行けないと思いまして、やはり標準税率を持ちました額だけは大体とらなければ、や
つて
行けないものだと
考え
ております。それからなおでこぼこがあ
つて
、他のところでとり足らないところは、結局ほかに移
つて
、ほかの負担になるということも、ごもつともな御心配だと思いますが、それは結局各団体の
財政
需要にぴつたり合うように、今後の配分の規則等をつくらなければならないという問題になると思いますが、またそのようになるように規則等をつく
つて
運用したいと思います。
塚田十一郎
109
○塚田
委員
まだ十分のみ込めないのでありますが、この程度にいたしておきまして、次に第三條四項に、使途の制限をしてはならないという
規定
があるのですが、そういたしますと、この
財政
需要を計算するときに、十
二條
で計算をして、たとえば土木費のいち道路費に幾ら、また教育費のうち小学校費に幾らというふうにして出て来て、その合計で出来たものを、実際に今度もらつた交付金その他の収入でも
つて
、
市町村
がそれぞれの費目に計算したときに出たように支
出し
ないでもいいのか。もつと極端に言いますれば、土木費のうちで、道路費にもらつた費用を、道路費に全然出さないでもさしつかえないのかどうか、その辺を……。
本多市郎
110
○本多国務大臣 道路費に全然出さないでもと言われますと、そうは行かぬと思いますけれ
ども
、この某準
財政
需要額の平衡交付金法による算定には、全然とらわれないでいい趣旨でございます。まつたく自由に、最も重点的にこの予算を使
つて
さしつかえないということであります。
塚田十一郎
111
○塚田
委員
次に、しばしば同僚
委員
から問題になりました「必要且つ充分な額」という言葉でありますが、私はおそらくこの平衡交付金の問題をめぐ
つて
、将来の
国会
において最も論争になるのは、この三條の表現をめぐ
つて
だと
考え
るのであります。必ず與党と野党の間、もしくは
地方
財政
と国家
財政
との間に、一方はこれで充分でない、一方は充分だとい
つて
、必ず問題を起すと思うのであります。先般来
政府
当局の御
説明
を伺
つて
おりますと、これはなるほど、私もよく
考え
てみたら、充分という字は、これは非常に微妙な字で、どつちにでも
考え
られる。今
日本
の経済状態もしくは国力がこれくらいしかないのだから、これでたくさんだ、お前これでしんぼうして、おけ、これで充分だという
意味
の充分ならば、
政府
のおつしやるように、まさにこれは「必要且つ充分」ということになるのですが、ほんとうに
地方
財政
の苦しい状態というものを客観的に見て、この状態においてはこれくらいはやらなければならない、これくらいは必要だし、これだけあれば充分だという
意味
に行くと、おそらくそういうぐあいに出て来たものが勧告にな
つて
、また
政府
がどうでも自由にできるという
考え方
からすると、ぶつかる。これはどんなに御
説明
にな
つて
も、必ずぶつかる。だから私は、こんなに「必要且つ充分な額」をやるのだなどとおつしやらずに、いつそのこと
はつ
きりと、必要であり、かつ適当であると思う額までならやるというようにお直しに
なつ
た方が、これは議論のできる余地を残して置かれて、非常にいいのだと、こういうように思うのですが、この点どういうお
考え
か……。
本多市郎
112
○本多国務大臣 これはただ表現の相違にすぎないと思います。充分な額ということと、適当な額ということは、全然内容は同じであり、ただ表現の仕方が違うだけで、充分でない額は不充分な額でありまして、不充分な額は適当な額でないと
考え
ます。表現の相違であると
考え
ます。
塚田十一郎
113
○塚田
委員
まあこれはその辺にいたしておきまして、次に、補正係数の問題でありますが、実際私
ども
は、ただこれだけの
法律案
をいただいて、まだ資料ができないとおつしやられたのでは、この
法律案
を安心して通すわけには行かぬのであります。ただ時期が迫
つて
おりますので、やむを得ずこれは通さざるを得ないと思
つて
おるのでありますが、せめて第十三條の第四号にあります寒冷度及び積雪度——これは私は、寒冷地帯、積雲地帯の人間でありますので、この補正係数が、この前の費目、たとえば
道府県
の費目にどういうふうに——どの費目には、この積雪度もしくは寒冷度というものが影響するのだというようにお
考え
にな
つて
いるのか。それともこれは全部の費目にやつぱり影響するのだというようにお
考え
にな
つて
おるのか。その点をひとつ……
荻田保
114
○荻田
政府
委員
建前
といたしましては、全部に一律に適用するという
考え
でございます。それぞれの費目につきましての係数を
出し
たと思います。しかし大体全般的に見まして、四号の補正
方法
によるこれは、おそらく大
部分
のものに適用しなければならないと思います。御承知のように使途に対しましては、必ず寒冷地手当でございますとか、石炭手当というようなものがついておるのでありますから、使途のある限りにおきましては、必ず差等がなければならないと思います。物件費等におきましても、必ず寒冷
地方
におきましては、それだけ経費がかさみますから、大
部分
のものにつきまして、率は違いますけれ
ども
、適用になるものだと
考え
ております。
塚田十一郎
115
○塚田
委員
それからまことにうかつな質問をいたしますが、その次の五号の「面積、河川の延長その他測定單位の基礎をなすものの種別」というものが、補正係数になると書いてあるのですが、よく
意味
がのみ込めないので、それをひとつ御
説明
願います。
荻田保
116
○荻田
政府
委員
非常にまずい表現でございまして、御迷惑をかけます。が、たとえば道路の面積なら面積で、それにつきまして、国道と府県道と
市町村
道との数値をかえるとか、それからたとえば
一般
の面積でございまするが、その中で山林と田畑と宅地をかえるとか、そういつた
意味
でございます。
塚田十一郎
117
○塚田
委員
次にお尋ねしたいのは、第十五條二項の基準税率でありますが、ここには基準税率というのは、標準税率の七〇%だというふうに響いておられて、しかしその標準税率は、
地方税
法の第一條第一項第五号にいう標準税率だと書いておられる。ところが第一條第五号を読んでみると、あそこには、標準税率の定義は書いてあるけれ
ども
、別に標準税率幾らということが書いてない。幾らと書いてないものの百分の七十というものが、何か数字で出て来るとは私には思えない。ところがここは基準税率の定義を書いたものではなしに、おそらくわれわれはここで引用した数字がすぐにある税率の七〇%、従
つて
それは幾らというように出て来なければならないのじやないかと思うのですが、その点どういうようにお
考え
にな
つて
おりますか。
荻田保
118
○荻田
政府
委員
地方税
法によりまして、確かに第一條第一項第五号では、單に抽象的に標準税率の定義を
出し
ておるだけでございます。個々の税につきましての標準税率は、それぞれの税の箇所に書いてございますから、それの百分の七十ということでございます。たとえば附加価値税でございましたら、百分の四の七〇%、それがここにいう基準税率に相なるわけでございます。
塚田十一郎
119
○塚田
委員
それは常識的には、そうならなければならぬし、そうなるのですが、この表現でそういうように
法律
的にと
つて
行けるかどうかということを、私は非常に疑う。第一條第一項第五号は、定義を書いただけのものですから、何もそこに税率のないものの百分の七十というものは、一向に具体的に数字で出て来ない。むしろ個々の、附加価値税なら附加価値税の標準税率をきめたものをここで引用して来られないと、私は
法律
にならないのじやないかと思うのですが、その点はどうでございますか。
荻田保
120
○荻田
政府
委員
標準税率の百分の七十とただ言いますと、かえ
つて
わかることになるのかと思いますが、それを念を入れまして、標準税率とは
地方税
法で言
つて
おりますところの標準税率であるということを言つた場合でございまして、むしろこれによ
つて
大体正確に表現できるのじやないかと
考え
ております。
塚田十一郎
121
○塚田
委員
次にお尋ねいたしたいのは、特別交付金でありますが、まあ一割——ただいま
共産党
の諸君から、自由党の機密費に頂戴した一割でありますが、この分配の仕方が、第十
二條
の測定單位によ
つて
捕捉しがたい特別の
財政
需要があること、交付金の額の算定期日後に生じた災害等のため特別の需要があること、その他特別の事情があることによ
つて
、交付金の額が
財政
需要に比して過少であると認められる
地方団体
に対して、これはやるんだ。そうすると、ここに書いてある事情がないと、一割は結局頂戴せずに済むということになるのかどうか。もしそういう事情がどこにもでなかつたら、これは当初わけたような比率で、またおわけくださるのかどうか。これはよほどしつかりおきめ願
つて
おかないと、一割を抜いて十分だとお
考え
にな
つて
お
つて
、それはこの上にさらにプラスにやるのだ、ことに災害のために出て来るのだというようなことであれば、その災害ももちろん平均して毎年出て来るものを頭に置いてあるから、これで十分なんだとおつしやれば別だが、私はこの特別の交付金というものは、普通の、平衡交付金本来の性質のものの上に出ていないとならぬのだと思うのですが、そうすれば、そういう事情が生じなければ、翌年持ち越しで、これはやらないで済むのだというようなこともあり得ると思うのですが、その点をどうお
考え
にな
つて
おるのですか。
荻田保
122
○荻田
政府
委員
この
考え
では、との百分の十は一応基準
財政
需要の中と
考え
ております。ただそれを計算する場合に、一割だけは、何と申しますか、予備金として残しておくという
考え
でございますから、これがわけないでそのまま済むというようなことは、全然予想しておりません。この額だけは必ず当該年度において交付されるものと予想しております。
塚田十一郎
123
○塚田
委員
そう予想しておられるのですが、それはどういうぐあいに——予想通り出て来なかつたときに、当初の比率でわけていただけるのだということなんですか。
荻田保
124
○荻田
政府
委員
今申しましたように、基準
財政
需要の中と
考え
ておりますから、いわゆる特別の事情としてその中から出すものが、かりにこの百分の十に
相当
する額だけございませんでしたら、それは結局元の基準需要にもどして、かつこうは特別交付金でありますが、全体にわけることに相なると思います。
塚田十一郎
125
○塚田
委員
これで終ります。 —————————————
中島守利
126
○
中島委員長
この際お諮りいたします。
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
理事
菅家喜六
君及び
川本末治
君が、去る二十七日二十八日にそれぞれ
委員
を
辞任
いたされ、欠員とな
つて
おりますので、これより
理事
の
補欠選任
を行いたいと思いますが、これは
投票
の
手続
を省略しまして、
委員長
において
指名
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
127
○
中島委員長
御
異議
なしと認め、
指名
いたします。
菅家
喜六
君
川本
末治
君 次にお諮りいたしまする小
委員長
選任についてであります。消防に関する小
委員長
及び競犬
法案
起草小
委員長
が、それぞれ
委員
辞任
に伴い、欠員にな
つて
おりますので、これら小
委員長
の選任を行いたいと存じますが、これは
委員長
より
指名
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
128
○
中島委員長
御
異議
なしと認めます。 消防に関する小
委員長
に
川本
末治
君 競犬
法案
起草小
委員長
に
野村專太郎
君を
指名
いたします。 次に請願小
委員
の
補欠選任
についてお諮りいたします。すなわち
川本末治
君、
菅家喜六
君及び
野村專太郎
君の各
委員
の
辞任
に伴い、欠員を生じておりますので、これよりその
補欠選任
を行いたいと思いますが、
委員長
より
指名
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
129
○
中島委員長
御
異議
なしと認め
川本
末治
君
菅家
喜六
君
野村專太郎
君以上
指名
いたします。 本日は
質疑
をこの程度にいたしておきまして、明日はなるべく簡單な
質疑
を許す程度にいたし、明
日本
案の終局まで行きたいと思います。明日は午前十時より
委員会
を開きます。 本日はこれで散会いたします。 午後五時二十八分散会