○生田
委員 今
大臣から
遊興飲食税等の
地方委譲のことをお話になりましたが、これはやはりお説のごとく、国税を
地方に委譲してけつこうであります。しかし従来とても弾力性のある
税種は、すべて国でと
つておるのであります。
地方で持
つておりまするものに弾力性のあるものは
一つもないのであります。今度の
遊興飲食税につきましても、デフレ傾向にある現在としては、私は相当收入が減りやしないかと思うのであります。国が
地方に委譲しても、こういうふうな弾力性のないものだけを
地方べ従来も委譲しておるのでありまして、ほんとうにたくさんの取れる税は全部国が持
つておる。特に酒、タバコ及び
所得税のごとき国富が増進するに従いまして、消費も増大し、収入の増す国税は全部国が持
つておる。ー国が持つのは当然でありますが、どうしてもそこに割込んで、一部でも国が委譲することが私は適当だと思うのであります。單に
遊興飲食税のごとき微細なものを委譲しても、
地方財政がそれによ
つて潤うとは決して言えないと思います。またしばしば申しておりまする
通りに、酒及びタバコは国民多数が、都市及び
市町村あるいは山間のところを論じませんで、日常消費いたしておりますから、その売上金あるいは税收を
地方に委譲するということは、決してりくつの合わぬことじやない。従来ややもすれば直接税あるいは間接税、ーまして直接税は
地方に委譲すべきものではないという議論を、大蔵省の人かち聞くのでありますけれども、そういう末端の議論にはわれわれは
同意することができないのでありまして、国民が納めたる租税は、どの租税にかかわらず、私は共通のものであると思うのであります。これを国と
地方と共通の観念に立ちますときには、
地方財政というものは必ず確立して来ると思うのであります。またこれには先刻申し上げました
通り、
地方の
市町村の組織、構成の
改正も必要でありましようが、税制の上におきましても、どうしてももう少し国の大きな税を
地方に委譲する必要があると思うのであります。今回
平衡交付金として一千五十億を
地方に委譲しておりまするが、さらにこれを増額する必要が生じて来ると私は思います。ところが
中央の大蔵省の
考え方におきましては、一千五十億も渡しておる。またこの上に
地方から取りに来るのか。これは従来の
交付金制度、あるいは配付金制度のときにもしばしば聞く議論でありまして、何か
地方から税を取りに来る。こういうふうな
考えを、大蔵省は常に持
つておるのであります。でありますから、われわれは
平衡交付金の必要は感じるのでありますが、あれをさらに倍額にしようとか、五割増しとかいう議論よりは、国の根本にな
つておるところの組税を、
部分的にでも
地方に委譲することを望ましいと
考えておるのであります。おそらくは今回の税制の
改革も一時の彌縫的税制でないかと私は思うのです。かりにこれが標準税でありまして、ときどきこれを増加し得るといたしましても、それは搾取にとどまり、苛斂誅求にとどまるものでありまして、
地方財政を根本から、ここにお
考えにな
つておるように、つちかうということは、も
つてのほかのことだと思うのです。これらの
改正につきましては、本年度はすでに
地方税法も御提出になり、間に合わないと思うのでありますけれども、今後
政府当局はこの点を十分御留意をお願いをいたしたいと思うのです。
次にはさつき
ちよつと申しかけておりまするが、昨年の税制審
議会のときにおきましても、
入場税、自転車税、荷車税、広告税、接客人税、船舶税以下これらの小さい
税種は全部これを廃止すべしとの
意見書を提出したのでありますが、これらを見ますると、ま
つたくわれわれの
意見と一致するのでありまして、消費税以下幾つかの税を撤廃したことは、まことに喜ばしいことと思いますが、なぜこの機会に
入場税、自転車税、荷車税、広告税、接客人税等の少額の租税を、おやめにならなか
つたかということが、ふしぎでたまらぬのであります。その総額を計算いたしましても、わずかに三十億円内外の金であると思うのであります。
〔
菅家委員長代理退席、大泉
委員長代理着席〕
数千億の租税中これらの少額
課税を全免いたしましても、大したる
影響はないと思います。特に自転車税のごときは一般大衆の足であるし、げたであり、くつである。また荷車税の中には農家、の日々使用しておりますところの荷車、あるいはリヤカーのごときものも含まれているのであります。また接客人税については、先刻も御説明のうちに、あるいは芸者に類するものであるとか、あるいは人を待遇する仕事に対する
課税であるとかいう御
意見もありましたが、かりにそれらのものが芸者に類する行為でありましても、わずかに一億五千万円ぐらいの税の収入を得んがために、これらの勤労者とい
つてもいいくらいの営業に対して、どうして
政府が免税をしなか
つたかという疑いを持つものであります。これらの租税を保留したという特別な事由がありますれば、御説明をお願いいたします。