○奥野
政府委員 附加価値税の収入を見込みます場合に、その
基礎といたしまして安本で調査いたしてあります
国民所得を
基礎にして推計いたしましたものと、
昭和二十三
年度現実に国税として
課税いたしました実績を
基礎として推計いたしましたもの、お手元に配付いたしております
昭和三十五
年度の国税の收入見込額を
基礎として推計いたしましたもの、この三つを実はや
つてみたわけなあであります。ただ皆さんたちの御
審議の便宜上、国税につきましては
昭和二十五
年度の収入見込額に関する
資料が
提出されておりますので、それと並行するために
昭和二十五
年度の国税の收入見込額を
基礎とする推計を差上げたわけであります。国税の
数字は
大蔵省から出しております
昭和三十五
年度租税及び印紙収入の
予算の説明という
資料から
とつたわけであります。以前から差上げております
地方財政に関する参考計数
資料の四ページのところに一
昭和二十五
年度附加価値税収入
見込み額調がございます。これに関する説明のための参考
資料として、ただいま「
昭和二十五
年度附加価値税収入
見込み額調べの
基礎資料の説明」というものを差上げたわけであります。その
二つについて御説明申し上げたいと思います。
最初の
事業所得の問題でありますが、ただいま差上げた
基礎資料の説明を見ていただきたいと思います。
事業所得のうちで、個人分の
昭和二十五
年度所得税の
課税所得の
見込み額五千七百七十七億九十六百万円というのは、先ほ申し上げました
大蔵省から出ております
資料をそのまま
とつたわけであります。ところがその
数字は
課税所得の
見込み額でありますので、算定三の失格分として控除されたものが、千三百三十億余りあります。また
基礎控除分として控除されておりますものが、千五百四十数億あるのであります。扶養控除されておりますものが、二千三百五十数億あるわけであります。
附加価値税の
課税標準の
基礎といたしましては、これらを合算しなければならないので、計をとりますと一兆一千十五億二千百万円という
数字が出るわけであります竹ところがこれは国税の方では申告納税にかかる分と、源泉
徴收にかかる分と、
所得税の
課税所得を
二つに大別しておるわけであります。ところが申告納税にかかります分も、
附加価値税では
課税の
対象になりませんところの農業の分や、林業の分や、鉱産税の分や、あるいは一時
所得の分が、相当たくさん入
つておるわけであります。それでこれらを区別いたしますために、
昭和二十三
年度の
所得税の
課税実績があるわけであります。
所得別の実績が出ておるのでありまして、その国税庁の
数字を
基礎にいたしまして、この一兆一千十数億の金額に按分しだわけであります。またそけ按分の結果が、次に掲げてございます
昭和二十三
年度所得税の
課税の
基礎と
なつた
所得の六千八百九十二億のうち、
附加価値税第
一種に該当するものが二千九百六十億であります。第二種に該当するものが百七十二億であります。第三種に該当するものが三百五十三億という
数字になるわけであります。これを按分しました結果が、その下の欄の第
一種、第二種、第三種、計五千五百七十一億九千九百万円という
数字があが
つております。ところが国税の方では、
課税所得はこれだけあるが、二十五
年度に収入されるものはそのうちの七〇%だという
数字をあげておるわけであります。ところが実際は、
予算にあが
つております申告納税の額につきましても、今日なお徴収実績が相当下まわ
つているようであります。しかしながら
大蔵省から出されております
数字そのままを使いまして、一応計算をいたしております。その結果が、右の側にあが
つておひます第
一種が三千三百億幾ら、第二種が百九十億幾ら、第三種が三百九十億幾ら、合計いたしまして、三千九百億幾らという
数字になるわけであります。それから元の参考計数
資料2の四ページのところにもどるわけでありますが、以上が個人分のところを申し上げたわけなのであります。その三千九百億という
数字と合うわけであります。次の法人の分を御説明いたしますが、また元へもどりまして
基礎資料の説明をごらんいただきたいと思います。
基礎資料の説明の法人の分でありますが、普通法人の
昭和二十五
年度法人税の収入見込みの
基礎とされた
所得が一千四十一億ということにな
つております。さらに特別法人、公益法人を合せまして一千五十五億八千九百万円ということになります。これをさらに
一種、二種、三種に按分しなければならぬわけでありますが、それが
昭和二十三
年度法人税り
課税の
基礎と
なつた
所得が五百二十億であります。その五百二十億のうちで
一種、二種、三種のものがその下に掲げてある
数字であります。これに按分しました結果が左側の一番下のところであります。
一種が千二十一億、二種が十九億、三種が十四億、合計して一千五十五億ということにな
つております。ところが法人税の
昭和二十五
年度における徴収見込みの
基礎と
なつた徴収率が八〇%という
数字を用いておりまする従
つてこれをそのまま使いまして右側に
昭和二十五
年度附加価値税の収入見込みの
基礎として見込んだ
所得が
一種が八百十六億、二種が十五一億、三種が十一億、合計しまして八百四十四億、これが参考計数
資料2の四ページの
事業所得の法人分の欄であります。合計いたしまして
事業所得が四千七百四十五億一千万円ということにな
つておるわけであります。その次の欄の勤労
所得の御説明をいたしたいと思います。
基礎資料の説明の二ページであります。
昭和二十五
年度の
所得税、給與
所得に対するものでありますが、これの
課税所得の見込額が四千二百六十五億一千二層万円、この算出上失格分として控除されたものが四百四十二億六千八百万円、勤労控除分として控除されたものが消えているようですが、これが一千五百五十六億七千三百万円であります。
基礎控除分として控除されたものが二千四百九十三億
ちようどであります。扶養控除分として控除されたものが二千三百六十七億三午九百万円であります。これらをすべて合計いたしますと一兆一千百二十四億九千二百万円という
数字になります。この中にはたとえば官公吏の給與の
部分も含んでおりますし、あるいは非
課税に該当します
事業から受ける勤労
所得も含んでいるわけであります。それらを控除しなければなりませんので、備考の欄に書いてあります
昭和二十五
年度国民所得推計、安本調査によるものであります。その勤労
所得の区分によりまして第
一種から第三種のものに按分したわけであります。勤労
所得の受取つた先の区分による区別は、安本調査の
国民所得推計によるよりほかはありませんので、
昭和二十五
年度のその見込額を
基礎として、
一種、二種、三種に按分したわけであります。そうしますと
一種に該当するものは九千二百五十六億五千七百万円、二種に該当するものが三百七十一億九千万円、三種に該当するものが八百六十七億五午万円ということになるわけであります。ところが実はこの
資料をつくりましたときの
基礎が、その後さらに動いて参
つております。従
つてこの
数字が一千億円以上見込み過ぎておる。收入見込みが従
つて相当下まわるということに実はな
つて来ておるわけでありますが、当時見込みました
基礎をそのままここに使
つておりますために、そういうその後の
数字の変化が起
つて来ております。これにつきましては国税の方では九七・八五%の徴収率を見込んでおりますので、申告納税よりもはるかに成績がいいわけであります。従
つてそれをそのまま使
つて、右側に第
一種が九千五十七億、第二種が三百六十三億、第三種が八百四十八億、合計いたしまして一兆二百七十億三千九百万円、こういうふうに計算をいたしたわけであります。
その次に減価償却額の問題であります。
所得を計算いたします際には、減価償却額を経費として控除しておるわけであります。しかし
附加価値税の
課税の場合は控除いたしませんから、一応それらを合算いたさなければならぬのであります。減価償却額の
見方は、旧法による法人分の減価償却額を五十二億というふうに国税の方で見込んでおります。さらに資産再
評価による増加見込額を五百二十三億二千百万円と見込んでおりますので、合計五百七十五億二千百万円であります。そのうち
昭和二十五
年度において法人税の
課税の
対象となるものは八六%だけでありますので“さらにそれに八六%をかけた四百四十九億九千六百万円、こういう計算をしたのであります。さらに、これは法人分でありまして、個人分を推計しなければならないわけであります。個人分の推計は適当なものがありませんので——資産再
評価見込みで、法人と個人の区分がありますので——その
比率を用いたわけであります。すなわちそのわくの中に書いてありますように、一番下の計を見ていただきます。と、法人の資産再
評価見込額が八千二百十七億三千四百万円、個人の資産再
評価の見込額が一千百十六億、この割合が
ちようど一〇〇と一四・一一六ということになるわけであります。従
つて個人分の減価償却見込額は法人分の四百四十九億九千六百万円に百分の一四・一一六をかけたわけであります。そうしますと六十三億五千二百万円という
数字が出るのであります。これと法人分、個人分を合せて五百十三億四千八百万円ということになるのであります。これが参考計数
資料2の四ページに上
つております減価償却額の
数字と合うわけであります。合計いたしますと一兆五千五百二十八億八千八百万円ということになるわけでありますが、これからさらに控除しなければならないものに、
附加価値税の場合には
固定資産を
基礎としました場合には、これをまるく支出金額として落してしまうわけであります。そこで
固定資産の取得額が幾らあるだろうかという見込みでありますが、
基礎資料の説明の二ページの一番下のところであります。
固定資産の取得額が、家屋につきましては
事業の占める割合が五三・三%でありますので、
固定資産税の収入見込みの
基礎と
なつた改訂価格一兆三千五百四十九億九千万円に五三・主%を乗じたわけであむます。そうしますと七千二百十八億という
数字が出ます。平均耐用年数が三十年でありますから、三十年に一回ずつ更新される。従
つてこれの三十分の一として二十五
年度一年間の取得額は二百四十億六千万円である、こういう
数字を出したわけであります。ところがきのう
塚田さんから
固定資産の取得額見込みが少いというお話があつたそうであります。実はわれわれもそういう
考え方を持
つておるわけでありますが、いろいろな計数と合せますためにこの部かは
固定資産税から見ておるわけであります。
固定資産税の家屋の坪当り価格というものは、工場や店舗でありますと
賃貸価格の九百倍でありますから五、六千円であります。
現実坪当りの建設費というものは五千円や一万円ぐらいでできるものではないと思
つておりますが、便宜上その
数字を用いたのであります。従いましてこの
数字はもつと大きな
数字に実はなるのでありますが、一応数学的に
関連を持たせます止めに、そのまま使
つて行つたわけであります。
償却資産につきましては、その次の欄に出ております。なお申し落しましたが、たとえば家屋の耐用年数といたしましても、戦後の家屋は大体十五年ぐらいにな
つておりまして、コンクリート家屋でありますと、もつと大きくなるわけでありますが、平均して三十年というふうに見込んでおるわけであります。ただ
昭和二十丑
年度、二十六
年度は、戦災復旧のために
固定資産の取得額が、非常に大きいのではないかとやうことも
考えておるのであります。しかしそういうものは全然この
数字の中には見込んでいないわけであります。従
つて塚田さんのような疑問も出るのももつともだというふうに
考えております。こういう計算で
固定資産の取得額を出しますと、参考計数
資料非常に厚い前にお配りした
資料でありますが、その参考計数
資料の四ページにもどりたいと思いますが、その
固定資産の取得額の一千三百七十三億三千二百万円という
数字と合うわけであります。以下参考計数
資料の2の四ページについて申し上げたいと思います。上のわくの右の端に書いてあります点であります。が「左のうち赤字
附加価値として繰越以外のものB、九七%推計、これは三%だけは、
固定資産を取得しましても、
固定資産の取得額として控除し過ぎる、いわゆる赤字
附加価値にな
つてしまうのであります。赤字
附加価値に
なつたものは翌年に繰越されますので、赤字
附加価値まで控除しますと、控除し過ぎることになります。初
年度はやはり全額を見込まないで九七%しか見込むべきではない、こういう計算をいたしたわけであります。従
つて固定資産の取得額の一千三百七十三億三千二百万円に九七%を乗じまして、一千三百三十二億一千二百万円にな
つて、控除すべきでないという計算をいたしたのであります。わくの二段目の左の端、これは上の欄の「計のA」から今申しました九七%と推計しましたBの欄を差引きました額、この一番下の
数字が一兆四千百九十六億七千六百万円となるわけであります。ところが国税としてはこれだけ捕捉できるだろうが、
地方団体としては初めてのことでありますので、初
年度におきましては
地方団体としてはその能力から
考えまして、一〇〇%見込むことは危険であるということから、捉可能
附加価値を九〇%
程度を見込んだわけであります。さらにこのうちで
免税点以下の
附加価値があるわけでありますが、その
部分はこの欄から落さなければならぬわけであります。それを二百八十二億二千七百万円と見たわけでありますが、これは午前中
次長からお話があつた
通り、
昭和三十三
年度の
所得税のうちで、
所得額四万円以下のものを
基礎として落しておるわけであります。四万円に
所得額の増加率を乗じて行きますと、二十五
年度では七万四千円くらいになります。大体その金額に対する
所得額の割合と
附加価値額の割合は、大きな企業になればなるほどその差は大きくな
つて来ますが、小さい企業のところでありますと、似たり寄つたりだと思います。そういうところから一応四万円という
昭和二十三
年度の
所得額以下のところを押えたわけであります。これを控除いたしますと、
課税標準額が一兆二千四百九十四万七千九百万円となるわけでありまして、これに
税率を乗じまして、捕捉可能の差額が四百八十四億八千百万円となるわけであります。そのうち徴収可能税額徴収率九〇%と押えまして、四百三十六億三千二百万円となるわけであります。が初
年度において手ぎわよく進むことが不可能でありますから、
徴收率をその九六%強と押えまして、四百十九億六千四百万円という
数字を出したわけであります。