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1950-03-25 第7回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月二十五日(土曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長代理 理事 菅家 喜六君    理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君    理事 川本 末治君 理事 野村專太郎君    理事 久保田鶴松君 理事 藤田 義光君    理事 立花 敏男君       河原伊三郎君    吉田吉太郎君       龍野喜一郎君    門司  亮君       床次 徳二君    池田 峯雄君       井出一太郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君         地方自治庁次長 荻田  保君         総理府事務官         (地方自治庁財         政部材政課長) 奥野 誠亮君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君     ――――――――――――― 三月十三日  委員清水逸平辞任につき、その補欠として小  玉治行君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員小玉治行辞任につき、その補欠として清  水逸平君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員永田節辞任につき、その補欠として栗山  長次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  委員栗山長次郎辞任につき、その補欠として  永田節君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十三日  地方税法案内閣提出第一二三号) 同月十三日  公衆浴場営業者に対する事業税を第三種に変更  の請願大石ヨシエ紹介)(第一三八六号)  同(立花敏男君外一名紹介)(第一三八七号)  参議院議員選挙法中一部改正に関する請願(二  階堂進君外一名紹介)(第一四〇〇号)  地方財政平衡交付金の配付に関する請願床次  徳二紹介)(第一四〇二号)  地方議会事務局法制化促進に関する請願(床  次徳二紹介)(第一四〇三号)  地方公共団体予算科目中「会議費」の目に議会  関係交際費設定請願床次徳二紹介)  (第一四〇四号)  地方公務員法制定反対に関する請願立花敏男  君外三名紹介)(第一四二四号)  同(上林與市郎君外一名紹介)(第一四八七  号)  地方公務員給與改訂に関する請願青野武一  君紹介)(第一五〇七号)  同(土橋一吉君外一名紹介)(第一五二八号)  同(今野武雄君外一名紹介)(第一五二九号)  同(堀川恭平紹介)(第一五三〇号)  同(石田一松君外一名紹介)(第一五三一号)  自家用自動車税に関する請願川野芳滿君紹  介)(第一四七二号) 同月十八日  私鉄に対する地方税制改革に関する請願(岡田  五郎君紹介)(第一五五九号)  地方公務員給與改訂に関する請願木村榮君  外一名紹介)(第一五八二号)  同(高田富之君外一名紹介)(第一五八三号)  同(堤ツルヨ君外一名紹介)(第一五八四号)  同(松澤兼人君外一名紹介)(第一五八五号)  同(並木芳雄君外一名紹介)(第一五八六号)  同(立花敏雄君外一名紹介)(第一五八七号)  同(増田連也君紹介)(第一五八八号)  同(佐伯宗義紹介)(第一五八九号)  同(猪俣浩三紹介)(第一五九〇号)  同外一件(中曽根康弘君外一名紹介)(第一五  九一号)  同外一件(米窪滿亮紹介)(第一五九二号)  同外二件(小野孝紹介)(第一五九三号)  同(黒田寿男紹介)(第一六一五号)  同(床次徳二紹介)(第一六四八号)  同(河田賢治君外二名紹介)(第一六九〇号)  地方自治法の一部改正に関する請願野村專太  郎君紹介)(第一五九八号)  スポーツ関係入場税減免に関する請願立花  敏男君外一名紹介)(第一六三四号)  土地及び家屋に対する固定資産税軽減に関する  請願大泉寛三君紹介)(第一六六〇号)  地方自治法附則二條改正請願井出一太郎  君紹介)(第一六六三号)  鉱山用主要坑道等に対する固定資産税免除の請  願(神田博紹介)(第一六六七号)  自動車運送業者に対する地方税軽減に関する請  願(井手光治紹介)(第一六七五号)  長期入院患者投票に関する請願土橋一吉君  紹介)(第一六七八号) 同月二十三日  地方公務員給與改訂に関する請願赤松勇君  紹介)(第一七一七号)  同(立花敏男君外一名紹介)(第一七一八号)  同外一件(大矢省三紹介)(第一七六九号)  同(門司亮紹介)(第一八〇七号)  同(小林信一紹介)(第一八二六号)  同(加藤鐐造君外七名紹介)(第一八二七号)  セメント工業に対する電気ガス税免除請願(  大泉寛三君紹介)(第一七八八号)  長期入院患者投票に関する請願淺利三朗君  紹介)(第一八二二号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十日  消防法及び消防組織法の一部改正に関する陳情  書  (第六〇七号)  電気税鉱産税及び木材引取税市町村税とし  て存置陳情書  (第六〇八号)  鉱産税市町村税として存置陳情書  (第六一六号)  自動車税改正反対に関する陳情書  (第六一八号)  盲人に対する附加価値税軽減陳情書  (第六二八号)  自動車税改正に関する陳情書  (第六三三  号)  電気ガス税府県税に編入の陳情書  (第六三九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  地方税法案内閣提出第一二三号)  連合審査会開会に関する件     ―――――――――――――
  2. 菅家喜六

    菅家委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が病気のため、私が委員長の職務を代行いたします。  この際委員長より政府側所見を二、三質しておきたいと思うのでありますが、それは去る二十二日の理事会におきまして、最近の政府側の態度がきわめて本委員会を軽視されるような傾向にあるのは遺憾であるという話合いがあつたのであります。その事例としては、第一に地方行政調査委員会議委員渡米に関する件であります。第二には、去る十八日付の地方税法実施暫定措置通牒の件であります。この二つの事例は、事前に本委員会に報告なり、また適当なる連絡処置をとられるべき性質のものではないのか、こういうことが理事会で論議されたのでございます。御承知のごとく地方行政調査委員会議はできたばかりでありまして、これらの重要な委員会の諸君が渡米されるにあたつては、最高機関である国会地方行政委員会と何らの連絡もとられず、無断で行かれることは、法規的に別段何らの定めなきにいたしましても、まことに遺憾であるという趣意であります。  さらにまた地方税法実施暫定措置通牒の件にいたしましても、これは当然本委員会政府としては報告なり、事前了解なりを得られることが適当ではないか。それが当然な処置ではないか。こういう申合せでございます。この点に関して政府側所見をただしたいと思います。
  3. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいま委員長から警告的な御質問のようにお伺いいたしましたが、委員方々がさようなお気持をお持ちになるような状況にありましたことは、まことに私といたしましても遺憾に存ずる次第でございます。決して軽視するとかいうことは毛頭ないのでありまして、この地方行政委員会委員渡米問題、その他職員の渡米問題等にいたしましても、関係方面の計画によつて一方的に進行されたものでありますで、政府側からこれに対していろいろ希望等を申し上げる十分の機会がなかつたのであります。しかし実は私にも渡米の問題についての話等も出ました際、国会地方行政委員会の諸公についても考慮されたいということは慫慂いたしておるのでございまするが、今後はつとめてこういう重要な地位にいられる方々渡米が実現いたしますように、できるだけのことはいたしたいと考えておるのでございます。今日までのところはただいま申し上げましたような事情でございますので、決して軽視したわけではありませんけれども、結果において一方的に計画が進められるという点から、やむを得なかつた事情を御了承願いたいと存じます。  さらに暫定措置の問題については、この改正税法によつて旧税が廃止されるか、あるいはまつたくその形態の改まるもの等があるのでございます。この改正税法の通るまでは、旧税法が現存するわけでありますから、この旧税法によつて地方措置することは、当然のことでありますけれども、私といたしましては暫定的に地方の配慮を願つた方がよろしいという点で通牒をいたしたのでございます。これは自治委員会にも相談をいたしてやつたのでありまして、この暫定措置通牒については、さらに法律的な方法によつて相談申し上げる準備をいたしておるのでございます。近く通牒でなく、法律的な措置によつてお諮りいたしたいと思つております。この法律的措置が、さらにまた四月一日に間に合わぬ場合も心配しなければなりません。私としては早く通牒を出してさらに急いで法律的措置委員会にお諮りいたしまして、国会の議決によつて講ずるという順序をとりたいと考えているのでございます。幾重にもただいまお話のような軽視等の面のないことを、御了承願いたいと存じます。
  4. 門司亮

    門司委員 ついででございますので、ちよつと本多国務大臣の御所見をお伺いいたしておきたいと思いまするが、二、三日前の新聞を見ますと、大臣は四月初旬あるいは四月の中旬に渡米されるようなことが散見されるのでありますが、こういうことが事実であるかどうかということであります。私がこういうことをお聞きいたしまするのは、地方税法、さらには残されておりまする平衡交付金法案もまだ出ておりません。その他地方税法関係につきましても、きわめて重要な法案が山積いたしておりまして、まだこの法案審議にも入らない事前において、四月の初旬あるいは中旬に渡米されることにつきまては、われわれ法案審議いたします者として、きわめて不愉快に感じますとともに、また法案審議の過程において支障がないとも限らない。もしこの法案がかりに非常な難関に逢着したような場合の政治的責任は、一体だれが負うのかという問題も出て参りますから、あらかじめこの際新聞記事等が間違いであつたかどうかということについての、一応の御説明を願いたいと思います。
  5. 本多市郎

    本多国務大臣 私もこれは一応の交渉を受けただけでありまして、司令部側において決定発表されるまでは、私のことがどうなるかも私自身では責任を持つて答えることができないのでありますが、ただ渡米の場合についての相談につきましては、お話の通りに私も考えておりますので、その時期についてはこういう重要な案件の解決しないうちに離れることはできませんことをよく伝えてあるのでございます。向うからそれでは重要法案等が終了したころを見はからつてどうだというお話があつた程度でございます。
  6. 菅家喜六

    菅家委員長代理 それでは一昨二十三日本委員会に付託に相なりました地方税法案内閣提出、第一二三号を議題といたします。政府よりまず提案理由説明を聴取いたします。本多国務大臣
  7. 本多市郎

    本多国務大臣 地方税法の改正案の提出がまことに遅延しておつたのでございますが、ようやく提案の運びになり、ただいま議題に供せられたのでございまして、この際その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げたいと存じます。  言うまでもなく、わが国は敗戰による苦い体験から、終戰後いち早く新しい憲法のもとに、民主主義に基いて国政を運営する旨を確定いたしたのであります。もとより民主政治の確立は、軍に政治運営の形式を民主化するにとどめてはなりませず、政治運営に関する判断が、広く国民の中から生れて来るように仕向けて参らなければならないのであります。これがためには、すべて公事に関する問題は可及的に、その問題の周辺にあつて、その問題から直接影響を受ける人たちの手によつて責任ある処理を行わせるようにして参らなければなりませんので、民主政治の確立と地方自治の強化とは、表裏一体をなす問題であります。  しこうして地方自治の確立を意図してすでに地方自治法が制定せられ、骨格は整つたのでありますが、その事務を豊富にし、財政を強化して、内容を充実させることこそ先決の問題であります。しかるに地方公共団体の現状は、相次いで負荷せられる任務の重いのに比べて、財政力は微弱であり、地方自治は財政的に破綻に瀕しているとまで極言せられているのであります。これを税制の面について申し上げますならば、すでに地方団体のうち七割を越えるものが標準税率を越えて課税しておりますし、法定税目のほかに、地方団体が新税の設定を余儀なくされておりますものが、課税団体で二千、税目で百種類を越えているのであります。たいていの団体がその税率で課税するものとして定められているはずの標準税率で課税している団体が、むしろ例外でありましたり、法定税目そのものが、かなりむりなものを拾い上げて、国民に圧迫感を與えておることを恐れております際に、その上さらに多くの団体が幾多のむりな税目を設けざるを得ない状況に置かれているということは、地方税收入のはなはだしい不足を示すものであつてそもそも地方税制そのものが、破綻していると申さねばならないのであります。  現行地方税制は、すでに国税附加税を捨てて、独立税中心主義をとつているのでありますが、中枢をなす事業税、地租及び家屋税の三收益税は、あるいは国の所得税や法人税と課税標準を同じくし、あるいは国の決定した賃貸価格課税標準とする等、なお著しく国に依存する態勢を改めていないのであります。  そもそも地方自治の伸張そうとするならば、活動の源泉となるべき財源を豊富にするとともに、これを地方団体みずからの責任において確保させ、もつて自治運営に対する住民の鋭い監視と批判とを求めるようにして行かねばならないのであります。よつて地方税收入を拡充し、地方税制の自主性を強化して、地方自治の根基をつちかうことを、今次地方税制改正の第一の目標といたしているのであります。  次に現行地方税の主要な税目の個々について申し述べたいと存じます。  その一は事業に対する課税でありますが、戰前地方税総額の二〇%を占める程度であつたものが、現行税制で参りますと、昭和二十五年度には三五%内外を占めることになるのであります。しかも事業税のうち個人の事業主の負担いたしますものが、戰前の五〇%内外から九〇%内外に増加して参つているのであります。このことは現行事業税が二重の意味において不合理になつているのでありまして、すなわち第一には他の課税客体に比べて事業の負担が重過ぎるということであり、第二には本来応益的に負担すべき事業税が、大企業に不当に軽課されているということであります。  その二は、土地及び家屋に対する課税でありますが、地代家賃統制令との関係があるからとはいえ、戰前地方税総額の三〇%を占めていたものが、現行税制で参りますと、昭和二十五年度ではようやく一〇%を占めるにすぎなくなるのであります。しかも他の税目と比べましても、かなり負担の均衡を欠いていることが感ぜられるのでありまして、営業用乗用車ですらその一台の負担は畑地三十七町歩、家屋八百数十坪の負担に匹敵しているのであります。  その三は、住民税であります。元来戸数割を廃止して住民税が設けられた当時は、收入を目的にはしないで、單に負担分任の精神を地方税制の上に存置しておくための、ごく少額のものであつたのであります。ところが地方財政の窮乏は、この税に相当多くの收入と弾力性とを求めざるを得なくなり、自然団体間においても課税額にかなり大きな幅ができ、標準税額の十数倍に達している町村も珍しくなくなつて来たのであります。こうなつて来ると、応能原則を重視すべき租税としてもはや放任しがたくなつてしまつたといわねばならないのであります。  このような現状にかんがみ、地方税制を根本的に改革して、国民の地方税負担の合理化及び均衡化を確保することを、今次地方税制改正の第二の目標といたしたのであります。しかしてこのような目標のもとに、のつとつた具体的な地方税改革の方針は、  第一には、財産課税の重課、流通課税の整理、消費課税減少軽減所得課税の増加、事業課税の軽減、雑税の整理等を行い、地方税全般にわたつて、その負担の合理化と均等化を徹底することであります。  第二には、課税標準、税率等に関する地方団体の権限を拡充して、地方税制の自主性を強化するとともに、道府県税市町村税とを完全に分離し、もつて税務行政の責任の帰属を明確にすることであります。これによつて道府県税としたものは、普通税で附加価値税、入場税、遊興飲食税自動車税、鉱区税、漁業権税及び狩猟者税の七税目、目的税で水利地益税であり、市町村税としたものは、普通税で市町村民税固定資産税自動車税、荷車税、電気ガス税、鉱産税、木材引取税、広告税、入湯税、及び接客人税、の十税目であり、目的税で水利地益税及び共同施設税であります。  第三には、有力な直接税を市町村税としてその收入の強化をはかるとともに、住民の市町村行政に対する関心の増大を求め、もつて、地方自治の基盤をつちかうとともに、民主政治の推進を期することであります。  第四は、特別徴收に関する規定を整備すること、納税秩序を強化すること等により、税收入確保の方途を講ずることであります。  第五は、税率を全税目にわたつて明確に規定することにより、地域間における地方税貞担の衡平化を期することであります。  かくして地方税法を全文にわたつて改正したのでありますが、これによつて、昭和二十五年度において、地方団体が收入することのできる税額は千九百八億円となる見込みであります。昭和二十四年度千五百二十四億円と比較すると三百八十四億円の増税ということになります。この地方税のほかに地方財政平衡交付金の創設、災害復旧費全額国庫負担等を行いますので、相当の財源が増加になりますが、もちろんこれにより地方財源ははなはだしく潤沢になつたということはいえませんが、現下の国民租税負担の現状にかんがみ、地方税としてはこの程度の増收にとどめることをもつて、適当すると考えた次第であります。  以下新税の創設、既存税目の変更、徴税手続の合理化の順に従つて、新地方税法の内容を御説明申し上げます。  まず新設された税目についての説明でありますが、その第一は、附加価値税であります。附加価値税事業税及び特別所得税を廃止するとともに、これらの課税客体であつた事業の附加価値に対し、附加価値額課税標準として、事業所または事務所所在の道府県において課税するものであります。  ここに附加価値と申しますのは、当該事業がその段階において、国民総所得に附加した価値を指すものでありまして、生産国民所得の観念で申しますならば、一定期間における当該事業の総売上金額より、他の事業から購入した土地、建物、機械設備、原材料、商品、動力等を控除したものを言い、逆にこれを分配国民所得の観念で申しますならば、賃銀、地代、利子及び企業者利潤を合算したものと言えましよう。このような附加価値額課税標準とするところの附加価値税を、従来の事業税にかえて創設するゆえんは、  第一に、従来の事業税でありますと、まず收益課税たる本質上、非転嫁的なものでありますがゆえに、今日の、ごとく所得の上に累積的に課税されているときにおいては、事業に対する負担が耐えがたいまでに重くなること。  第二に、事業税課税標準は所得であるがゆえに、必然的に国税たる所得税及び法人税の課税標準の算定の結果に追随せざるを得ないこととなり、事業税課税についての責任の帰属を不明確にすること。  第三に、事業税によるときは、所得のないものは常に課税を免かれるが、事業を継続している以上は、常に地方団体の施設の恩惠に浴しているのであるから、事業はすべて応分の地方税負担をすべきであることなどの欠陥を有するのに対して、附加価値税においては、これらのいずれ地方欠陷をも一応克服できる上に、取引高税のごとく重複課税とならないこと、企業の垂直的結合を促進するがごとき欠陥を有しないことなどの長所があり、さらに進んで固定設備購入代金課税標準から控除されますがゆえに、現下のわが国経済にとつて最も必要であるところの産業の有機的構成の高度化を促進するという効果もまた期待できるのであります。  しかして附加価値税は、農業、林業並びに鉱物の掘採及び採取の事業に対しては、非課税の取扱いといたしたいと考えております。その由は、前二者につきましては、主として固定資産税の負担が相当重くなつていることによるものであり、後者につきましては、別途鉱産税が存置されているからであります。  次に附加価値税の税率は、標準税率を四%とし、最高税率を八%としているのでありますが、原始産業自由業等につきましては、標準税率を三%、最高税率を六%とし、免税点はいずれも附加価値額の総額が、十二月分として九万円を原則といたしております。さらに附加価値税徴收手続は、申告納付の方法によるものとしております。すなわち、法人にありましては、各事業年度における附加価値額の実績により、個人にありましては、各年の附加価値額の実績によつて、それぞれ所定の手続に従いまして申告納付するものであります。ただ六箇月を越える事業年度を定める法人にあつては、六箇月を越えてから一箇月以内に、個人にあつては五月及び九月に、いずれも前事業年度または前年の実績を基礎として、概算納付することといたしおります。  しかして、これらの場合におきまして、二以上の道府県にわたつて事務所または事業所を設けて事業を行う者は、附加価値の総額を事務所または事業所所在道府県ごとに、みずから法定の分割基準に従つて分割し、その分割した附加価値額課税標準として申告納付するものとし、更正及び決定は、主たる事務所または事業所所在道府県知事が、地方財政委員会の指示に基いて行い、これに関する関係道府県知事の異議も、同様の方法によつて決定することとなつております。  なおこれと関連しまして、附加価値税につきましても、青色申告書の制度を採用することとし、納税義務者地方財政委員会規則で定める帳簿書類を備えつけて、これに附加価値の計算について必要な事項を記載しているときは、青色申告書によつて申告させることができるものとし、その者については原則としてその帳簿書類によらなければ更正または決定ができないものとしたのであります。  また、昭和二十五年度限りの課税標準算定の特例として、金融業、運送業及び倉庫業につきましては、その選択によつて、総売上金額の一定額をもつて附加価値額とすることができるものとしておりますが、その理由は主としてさしあたり負担の急変を避けようとする趣旨に出たものであります。この附加価値税の收入見込額は、昭和二十五年度四百十九億円、平年度四百四十一億であります。  所税のその二は市町村民税であります。同じ税目は従前にも存していたわけでありますが、その性格を一変しているのでありまして市町村内に住所を有する個人に対しては、均等割及び所得割により、事務所、事業所または家、屋敷を有する個人、及び事務所または事業所を有する法人に対しては、均等割によつて課税せられるところの税であります。  従来の市町村民税と異なりますのは、第一には、世帯主を納税義務者とする家族主義的な構成になつていたものを、所得のある限りは成年者をすべて納税義務者とする個人主義的な構成をとつていることであり、第二には、均等割、資産割及び所得割の三者によつて課税していたのを、資産割を廃止して、均等割と所得割の二者によつて課税することとしたことであります。第三には、法人に対しては均等割しか課税しないこととしたことであります。  しかして均等割の額は、人口五十万以上の市において、個人は八百円を標準とし最高一千円、法人は二千四百円を標準とし、最高四千円、人口五万以上五十万未満の市において、個人は六百円を標準とし、最高七百五十円、法人は千八百円を標準とし、最高三千円、これら以外の市町村において、個人は四百円を標準とし、最高五百円、法人は千二百円を標準とし、最高二千円としているのであります。他方、所得割につきましては、前年の所得税額を課税標準とじ、その百分の十八を標準とし、百分の二十を最高とする方式、及び前年の課税総所得金額を課税標準とし、百分の十を最高とする方式、並びに前年の課税総所得金額から所得税額を控除した後の金額を課税標準とし、百分の二十を最高とする方式の、三方式のいずれかを選択し得るものとしておりますが、昭和二十五年度におきましては、第一の方式のみを採用することとしております。  なお市町村民税は、前年において所得がなかつた者及び生活保護法の適用を受けている者、並びに不具者及び未成年者に対してはその全部を、同居の妻に対しては均等割を課さないものとしております。ただ未成年者及び不具者であつても、一定額以上の資産所得または事業所得を有し、かつ独立の生計を営む場合、または同居の妻であつても、その夫が市町村民税納税義務者でない場合においでは、非課税の取扱いを受けないのであります。  課税団体は、六月一日現在において住所または事務所、事業所もしくは家、屋敷が所在した市町村で、その課税方法は賦課処分によるものとし、納期は原則として、均等割のみを納付するものは七月、その他のものは七月、九月、十二月及び二月の四回としております。また收入見込額は、昭和二十五年度において五百七十五億円、平年度において四百八十七億円であります。新税のその三は固定資産税であります。固定資産税は、土地、家屋及び減価償却の可能な有形固定資産に対し、その価格を標準として、原則として所有者に課するところの税であります。これは従来の地租、家屋税を拡充したものでありまして、そのおもな相異点は、課税客体が土地、家屋のほかに、償却資産の加えられていること、課税標準賃貸価格と異なり、価格であることであります。  しかしてその価格は、毎年一月一日の時価を基準としておおむね各市町村に設置される固定資産評価員の行う評価に基き、市町村長が決定いたします。この市町村長が決定した価格は、固定資産税の課税の必要上、市町村に作成を義務づけられた固定資産課税台帳に登録し、一定期間関係者の縦覧に供して確定することとしております。但し、昭和二十五年分の固定資産税課税標準に限り、農地以外の土地及び家屋については、賃貸価格の九百倍の額、農地については、自作農創設特別措置法による買收農地の対価に二十二・五を乗じて得た額とするものとしております。  また、償却資産の価格については、資産評価法の規定によつて再評価を行つた場合における再評価額の限度額と、同法の規定によつて償却資産の所有者が現実に行つた再評価額、または再評価を行わない場合にあつては、その資産の張簿価格とをにらみ合せて市町村長が決定するのでありますが、原則として資産再評価法による再評価額の限度額を、課税標準たる価格とするよう指導すべきものと考えております。  固定資産税の税率は百分の一・七五を標準としておりますが、当分の間百分の三を最高とし、かつ昭和二十五年度分に限りまして、百分の一・七五に一定したのであります。いずれも課税の一條件を同一にすることによつて課税標準額について存する不均衡の所在を明確にし、次の機会における固定資産の公正な評価を容易ならしめようとする趣旨であります。  なお、大規模の工場や発電施設が、近隣の市町村の公共費の支出に直接かつ重要な影響を與えたり、これらの地方における経済と直接かつ重要な関連を有する場合においては、地方財政委員会がこれらの固定資産を指定し、これを評価してその価格を決定し、固定資産の存する市町村のいかんにかかわらず、その価額を関係市町村に配分することができるものといたしておりますのは、税源の極端な偏在を防止しようとする趣旨にほかならないものであります。  また船舶、車輌その他二以上の市町村にわたつて使用される移動性もしくは可動性償却資産及び鉄軌道、発送配電施設その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産のうち、地方財政委員会が指定したものについては、地方財政委員会が価格を決定し、その価格を関係市町村に配分するものとしておりますが、その趣旨は、主として関係市町村間における評価の適正を期そうとするところにあるわけであります。固定費産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とし、納期は原則として四月、六月、八月及び十一月の四回としておりますが、昭和二十五年度分の償却資産に対する固定資産税に限り一月一回と定めております。この税の收入見込額は、昭和二十五年度において約五百二十億円であり、平年度において五百七十八億円であります。  第二は、既存税目に対して加えられた変更に関する説明でありますが、その一は入場税に関するものであります。第一点は、税率を従来の十五割の部分を十割に、また従来の六割の部分を四割に、それぞれ三分の一づつ引下げることであります。第二点は、新たに参課税除外の規定を設けたことでありまして学校、社会教育団体、社会事業の経営者等が主催する学生、生徒、児童またはしろうとの行う催しが行われる場所への入場に対しては、その催物の純益がすべて学校、社会教育、社会事業等のため支出され、かつ、関係者が何らの報酬を受けない場合に限つて入場税を課さないことができるものとしたのであります。第三点は、催物の主催者等に所定の入場券または利用券の発行義務を課するとともに、入場者が入場しまたは利用者が利用する際に、その入場券または利用券の一半を切り取つて他の上半を入場者または利用者に交付する事務を課したこと、及び全員を無料で入場させた場合であつても、その状況により経費を課税標準として課することができるものとしたこと等、徴收の強化をはかつた点であります。  その二代遊興飲食税に関するものであります。第一点は、現行の税率十五割、八割、五割及び二割を十割、四割及び二割に引下げ、もつて負担の軽減徴税の適正化をはからんとしたことであります。第二点は、條例で領收書発行及び証紙使用の義務を課し得るものとし、乱れがちな遊興飲食税の徴收を確保する道を規定したことであります。  その三は、自動車税漁業権税、自転車税、荷重税、広告税、入場税、及び接客人税についても、新たに標準税率を定め、もつて地域間の負担の均衡化をはかるとともに、その課税手続、救済、罰則等に関する所要の規定を整備して、納税者の理解に便ならしめようとしたことであります。  第三は、賦課徴收について改正を加えました諸点に関する説明であります。  その一は、過納にかかる地方団体の徴收金を納税者に環付し、または未納の徴收金に充当する場合において加算金の制度を創設し、もつて納税者の権利の保護に欠けるところのないようにしたことであります。  その二は、納税者または特別徴收義務者について滞納処分、強制執行、破産宣告等があつたときは、地方団体は、その徴收金について交付要求をなし得るものとし、もつて税收入の確保に遺憾なきを期したことであります。  その三は、納税者に交付すべき徴税令書には課税の基礎及び税額算定の根拠を明確に示さなければならないものとし、もつて納税者の保護とその納税への協力を期したことであります。  その四は、入場税、遊興飲食税電気ガス税木材引取税等を特別徴收によつて徴收させるときは、特別微收義務者にその徴收にかかる税金を申告納入させることとするとともに、入場税遊興飲食税特別徴收義務者が特別徴收をする場合においては、そのことを明示する証票の交付方を地方団体の長に申請するものとし、その交付を受けた証票を店頭その他公衆の見やすい個所に貼付しなければならないものとし、もつてこの種租税徴收の強化をはかつたことであります。  その五は、納税義務者申告納付し、または特別徴收義務者が申告納入する場合においては、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金の制度を、また督促状を交付した場合においては、延滞加算金の制度をそれぞれ新たに設け、もつて納税意識の高揚と滞納の絶滅を期したことであります。  その六は、所要の罰則規定を整備して、徴收の強化をはかつたことであります。なお今次改正によつて廃止される税は、さきに成立いたしました地方税法の一部を改正する法律と合せ、道府県民税、地租、家屋税、事業税特別所得税、不動産所得税、酒消費税、電話税、軌道税、電柱税、船舶税、舟税、金庫税、と畜税、使用人税、漁業権の取得に対する漁業権税、自動車の取得に対する自動車税、自転車の取得に対する自転車税、荷車の取得に対する荷車税、都市計画税等の多数に上るのであります。  以上を要するに、今次改正案は実に我が国の地法税制の創始以来の画期的なものであり、特に附加価値税固定資産税及び市町村民税の三大新税の創設、道府県税体系と、市町村税体系との明確な分離、及び賦課徴收手続の明確化等の諸点においてきわめてすぐれた特色を有し、地方財政の確立ないし地方自治強化のために偉大なる貢献をなすべきことが期待されるのでありますが、反面それだけに、新地方税制の実施にあたつては、幾多の困難と障害とが予想されるのでありまして、一言いたしたいのは、国民大衆に今次の国及び地方を通ずるところの税制改革において、租税負担の軽減を衷心より希望し、かつ、現に国税については所得税及び法人税において相当の減税が実現される見通しにあるにもかかわらず、ひとり地方税のみが逆に負担が重くなるということはきわめて解しがたいという意見と、地方団体の徴税能力では、新たな地方税法の運用にあたつてはきわめて無力であり、その結果地方税收入の確保も期し得ないし、また地方住民の受ける圧迫感も増大するであらうという意見についてであります。この二の意見の中に、前者については、冒頭に述べましたような地方財政の現実の下において、国政民主化の推進力ともいうべき地方自治の基盤を確立しなければならぬという至高の要請にかんがみ、地方財政を確立するために当然避け得られないところともいうべきでありまして、この点、地方税負担の重くなることは、まことに遺憾でありますが、わが国政治の発展を期待する上からは、真にやむを得ないところであると御了解いただきたいのであります。また後者につきましては、確かに現在の地方税務機構をもつて足れりとは考えていないのでありまして、要員の急速な充足ないし教養訓練の徹底によつて、質量ともにすぐれた税務機構を確立するよう都道府県、市町村ともにせつかく努力していることを申し上げておきたいと存じます。私といたしましては、新地方税制が国民朝野の絶大なる理解と協力のものとによくその所期の目的を達成し、もつて地方自治の確立を通して、国政民主化の上に一大金字塔を打ち立てんことを望んでやまないものがあります。  以上改正法律案の提案理由について、御説明申上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決あらんことを望みます。
  8. 菅家喜六

    菅家委員長代理 これをもつて政府説明は終りました。本案に対する質疑の通告がございます。これを許します。川本委員
  9. 川本末治

    ○川本委員 一言政府当局にお尋ねしたいと思います。  今回の画期的地方税法改正に関しまして、あらゆる業者の方面から陳情書などがわれわれの手元に山積しておるのであります。この点につきまして、政府はこれらの業者の陳情をもちろん受けておられることと思いまするが、この改正法案につきましてそれらの意見を十分に織り込まれたものであるかどうかという点を、まず一点お伺いしたいと思います。  それからその次に私ども委員会といたしましては、国民の声としてこれらの陳情を十分尊重して、この改正法案の中に織り込んで行きたいという考えを持つておりまするので、これらの陳情整理などにつきましては、目下專門員の方で行つておりまするが、こういう陳情書類などが出て参りますると、従つて法案審議にあたりましても、相当の反響を與えることと思いまするが、これにつきまして政府は十分これらの案に対し、委員会の案に対しまして御協力を願えるものか、政府としましては現在提出されましたこの法案より一歩も動かすことができないというのか、一応この二点を承りたいと思います。
  10. 本多市郎

    本多国務大臣 政府がここまで法律案をまとめるにつきましては、いろいろな陳情にも接したのでございまして、その陳情もここまでまとまる段階におきまして、政府として研究し、相当陳情の趣旨もこの中に実現されておるものもあるのでございます。政府といたしまして、今日までの研究の結果、陳情の趣旨が政府の意見として結論において一致するというようなものは、今までにこれは含まれておるのであります。さらに今後委員会等において陳情あるいはそれらの御研究、御審議の結果、なおこれに修正を加えるというような、意見がお出になりました際、政府といたしましては、ただいまはこれ以上の案は出すことができないのでございますから、最善と考えておりますけれども、そのときに御相談にあずかりまして、もちろんさらによくするという方向へは、御協力を申し上げて行きたいと存じます。
  11. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま川本委員から御質問がありました点に関しましては、川本委員の立場から非常に政府当局に好意のある御質問がございましたが、われわれは少くとも全国民の代表として、冷静、愼重に本法案審議したいと考えておるのであります。従いまして本国会も三十有余日を余すのみでございまして、おそらくこの会期中に審議しても審議しきれないのじやないかということを、われわれは恐れております。この際本格的な審議に入ります前に、簡單にお伺いしたいことがございます。  第一には、先ほど資料でいただきました暫定措置要領のうちの第六項目でございますが、年度当初における歳計現金の不足を緩和するため、四月中に地方配付税または地方財政平衡交付金の一部を概算交付するということになつております。なるほど当初予算は目下参議院で審議中てありまして、大体間に合うだろうと思いますが、その予算措置をする法律的な根拠は、何によつてされるのであるか、いまだに平衡交付金法は本委員会にも上程されておりません。従いまして地方自治体としましては、非常に危惧の念を抱いているのじやないかというふうに想像いたしております。この点が第一の質問でございます。  第二の点はただいま質問しましたことに関連しますが、平衡交付金法及びこの重大な新しい税法と平衡交付金を操作いたしまする地方財政委員会の組織法は、いつごろ政府としては本委員会に出されるのか、お伺いしたいと思います。
  12. 本多市郎

    本多国務大臣 これは地方財政委員会がその権限を持つわけでありまして、地方財政委員会がやはりできるだけ早く実現することを政府としては期待しておるわけでありまするが、しかし事実はいまだに提案にならない状態でありまして、これは非常に心配をいたしておるのでございますが、地方財政委員会が設置されましたならば、そこでこの平衡交付金の処置はできることでありますから、それによつてはからいたいと考えておる次第であります。
  13. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま御答弁の中に私の質問した第一点が抜けておるようでございますが、荻田政府委員からでも御答弁願いたいと思います。
  14. 荻田保

    ○荻田政府委員 平衡交付金法及び地方財政委員会法が国会を通過して成立いたしませんと、この平衡交付金の交付ができないわけで、非常に地方団体の会計経理としまして支障があるわけでございます。非常に便法ではございまするが、予算さえ成立いたしまするならば、平衛交付金法あるいは財政委員会法が成立いたしませんでも、一般の政府の支出金と考えまして、これを概算交付する措置を講じたいと、目下研究中でございます。
  15. 藤田義光

    ○藤田委員 この審議に入ります前に、本多さんから一言二実は言明をいただきたいと思います。それは今回の地方税法は国務大臣たる本多さんとしても非常に不如意である、不十分である、関係方面との折衝の結果も十分でなかつたということを認めておられるかどうか。この担当大臣のお答えによりまして、委員会としても一層真劍に内容審議して行きたいというふうに思いますので、單刀直入にひとつ法案に対する感想をお伺いしたいと思います。この趣旨説明の中には大分自面自讃に過ぎた点が多いようでございますから、その点本多さんの明快なる御答弁をお願いします。
  16. 本多市郎

    本多国務大臣 ここまでまとめます間には、シヤウプ氏の原則は全面的に賛成であるけれども、実際面においてこういうふうにしたらばというような意見も、いろいろ持つたのでございます。それで折衝いたしたのでございますが、結論においてこの税法地方自治強化のために最善のものである。この税法の実行には、根本的な改革でありまするから、末端においては摩擦を生ずるところも多少あるとは考えますけれども、しかし大局的に見て、これはぜひこの際実行すべきりつぱな税制であるという結論でございまして、私といたしましても今日の段階において、これ以上どこをどう直すというところのない最善の案であると申し上げてさしつかえないと思います。
  17. 藤田義光

    ○藤田委員 これは質問ではございませんが、ただいまの本多さんの御答弁は、私の感想とはまつたく正反対でございます。現在の段階においてけ最悪の案であるというふうにわれわれは見ております。いろいろ御質問したいこともありますが、内容に入りますので、委員長におかれましては、ひとつ本日はこの程度でお打切り願いまして、準備期間を置いていただきたいと思います。
  18. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 本案の審議に入ります前に、先ほどの国務大臣の説明の中にも、わが国地方税制の創始以来の画期的なものであるということをうたつておられますが、七百数十箇條に及ぶ厖大なる自治法案であり、しかもいろいろな意味において、経済的にも政治的にも、この際国民の注視の的になつておる法案でありますので、これを審議するわれわれ委員の責務は、実に重大なるものでなければならぬと思うのであります。それで本法案審議するにあたりましては、十分なる時間と用意とが必要ではないかと思うのであります。つきましては委員長におかれまして、この法案をどういう順序をもつて審議して行くか、たとえば今後本委員会を一週何回程度開かれ、公聽会等をどういうふうに持つて行くかという委員会の運営についての、委員長のお心組みをこの際承りたいと存ずるのであります。
  19. 菅家喜六

    菅家委員長代理 ただいまの龍野委員よりの御質問にお答えいたします。本日理事会を開きまして、今お話の通り本法案の重要性にかんがみまして、この審議方法決定いたした次第であります。まず今日はこの程度にとどめまして、二十九日の午前十時より本格的な質疑に入りたい。大体そのときまた理事会を開くことにいたしたのでありますが、本会議とにらみ合せて一週間に四回ぐらい開会したい。それから後ほどお諮りをしようと思つてつたのでありますが、大蔵委員会より連合審査会の要求もございます。その他水産、通産委員会等よりも、連合審査の要求があるかと思いますので、それらはその都度理事会を開いて、連合審査の日取等を決定しよう。しかして公聽会でありますが、大体五回ぐらい公聽会を開いたらよろしいか、その時間、範囲、人選等につきましても、明後日の月曜日あたりに理事会を開きまして、公聽会の審査方法をとりきめよう、こういうことで、本日の理事会は閉じた次第であります。さよう御了承を願いたいと思います。
  20. 床次徳二

    床次委員 ただいま藤田委員から御質問がありましたので、関連してちよつとお伺いいたします。新地方税法の施行までの暫定措置を講ぜられることになつておりますが、その準備が必要かと思うのであります。これにつきましてはなお法制化を要する場合もあり得るというお話が先ほどありましたが、法制化の内容について、大体の概要をお聞きしておくことが、やはりこの時間の切迫しましたときた、地方税法審議する場合に非常に必要だと存じますので、この機会に一応内容を伺いたいと思います。
  21. 本多市郎

    本多国務大臣 これはお話の通りでございまして、閣議決定をいたしまして、関係方面提出いたしておりますが、非常に急を要することでございますから、急速に承認を得られ、提案できることと存じております。その内容につきましては、荻田次長から説明をいたさせます。
  22. 荻田保

    ○荻田政府委員 お配りしております暫定措置に関する要綱と大体同じ内容でございます。ただ一つ違つておりますのは、地租附加税、家屋税附加税もやはり徴收を延期させたい点が一点でございます。ほかは大体書いてあります通りにいたしたいと思います。
  23. 門司亮

    門司委員 これは要望でありますが、この前の委員会にも私要望いたしたのでありますが、実はこの次の委員会には、ぜひ大蔵大臣あるいは安本長官の御出席を願いたいということを、特に委員長から御注意願いたいと思います。これは單なる税法の改革ではありませんで、税の国民観念との違いも相当あるように考えられますし、従つてこれが及ぼします影響は、直ちに物価、国民生活に非常に大きな影響を及ぼす可能性を持つておりますので、それらの経済閣僚の御出席を要望いたします。
  24. 菅家喜六

    菅家委員長代理 了承いたしました。  お諮りいたします。本日はこの程度で質疑をとどめたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 菅家喜六

    菅家委員長代理 御異議がありませんから、この程度で本日は質疑をとどめます。  なおお諮りいたします。地方税法案に関しまして、大蔵委員会より本委員会と連合審査会を開きたい旨の申入れがありました。本委員会といたしましても、本案は非常に重要な案件でありますし、その内容、性質上、大蔵委員会ときわめて密接な関係がありますので、大蔵委員会と連合審査会を開くに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 菅家喜六

    菅家委員長代理 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。  開会の日時、その他手続につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、いかがでありますか。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 菅家喜六

    菅家委員長代理 それではさようにいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時五分散会