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1950-03-25 第7回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年三月二十五日(土曜日) 午前十一時八分
開議
出席委員
委員長代理
理事
菅家
喜六君
理事
大泉
寛三君
理事
川西 清君
理事
川本 末治君
理事
野村專太郎
君
理事
久保田鶴松
君
理事
藤田 義光君
理事
立花
敏男
君
河原伊三郎
君
吉田吉太郎
君
龍野喜一郎
君
門司
亮君
床次
徳二
君 池田 峯雄君
井出一太郎
君
出席国務大臣
国 務 大 臣
本多
市郎
君
出席政府委員
地方自治政務次
官
小野
哲君
地方自治庁次長
荻田 保君
総理府事務官
(
地方自治庁財
政部材政課長
) 奥野
誠亮
君
委員外
の
出席者
專 門 員 有松 昇君 ――
―――――――――――
三月十三日
委員清水逸平
君
辞任
につき、その
補欠
として小
玉治行
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十六日
委員小玉治行
君
辞任
につき、その
補欠
として清
水逸平
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十四日
委員永田節
君
辞任
につき、その
補欠
として
栗山
長次郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十五日
委員栗山長次郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
永田節
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
三月二十三日
地方税法案
(
内閣提出
第一二三号) 同月十三日
公衆浴場営業者
に対する
事業税
を第三種に
変更
の
請願
(
大石ヨシエ
君
紹介
)(第一三八六号) 同(
立花敏男
君外一名
紹介
)(第一三八七号)
参議院議員選挙法
中一部
改正
に関する
請願
(二
階堂進
君外一名
紹介
)(第一四〇〇号)
地方財政平衡交付金
の配付に関する
請願
(
床次
徳二
君
紹介
)(第一四〇二号)
地方議会事務局
の
法制化促進
に関する
請願
(床 次
徳二
君
紹介
)(第一四〇三号)
地方公共団体予算科目
中「
会議費
」の目に
議会
関係
「
交際費
」
設定
の
請願
(
床次徳二
君
紹介
) (第一四〇四号)
地方公務員法制定反対
に関する
請願
(
立花敏男
君外三名
紹介
)(第一四二四号) 同(
上林與市郎
君外一名
紹介
)(第一四八七 号)
地方公務員
の
給與改訂
に関する
請願
(
青野武一
君
紹介
)(第一五〇七号) 同(
土橋一吉
君外一名
紹介
)(第一五二八号) 同(
今野武雄
君外一名
紹介
)(第一五二九号) 同(
堀川恭平
君
紹介
)(第一五三〇号) 同(石田一松君外一名
紹介
)(第一五三一号)
自家用自動車税
に関する
請願
(
川野芳滿
君紹 介)(第一四七二号) 同月十八日 私鉄に対する
地方税制改革
に関する
請願
(岡田 五郎君
紹介
)(第一五五九号)
地方公務員
の
給與改訂
に関する
請願
(
木村榮
君 外一名
紹介
)(第一五八二号) 同(
高田富之
君外一名
紹介
)(第一五八三号) 同(
堤ツルヨ
君外一名
紹介
)(第一五八四号) 同(
松澤兼人
君外一名
紹介
)(第一五八五号) 同(
並木芳雄
君外一名
紹介
)(第一五八六号) 同(
立花敏雄
君外一名
紹介
)(第一五八七号) 同(
増田連也君紹介
)(第一五八八号) 同(
佐伯宗義
君
紹介
)(第一五八九号) 同(
猪俣浩三
君
紹介
)(第一五九〇号) 同外一件(
中曽根康弘
君外一名
紹介
)(第一五 九一号) 同外一件(
米窪滿亮
君
紹介
)(第一五九二号) 同外二件(
小野孝
君
紹介
)(第一五九三号) 同(
黒田寿男
君
紹介
)(第一六一五号) 同(
床次徳二
君
紹介
)(第一六四八号) 同(
河田賢治
君外二名
紹介
)(第一六九〇号)
地方自治法
の一部
改正
に関する
請願
(
野村專太
郎君
紹介
)(第一五九八号)
スポーツ関係
の
入場税減免
に関する
請願
(
立花
敏男
君外一名
紹介
)(第一六三四号)
土地
及び
家屋
に対する
固定資産税軽減
に関する
請願
(
大泉寛
三君
紹介
)(第一六六〇号)
地方自治法附則
第
二條改正
の
請願
(
井出一太郎
君
紹介
)(第一六六三号)
鉱山用主要坑道等
に対する
固定資産税免除
の請 願(
神田博
君
紹介
)(第一六六七号)
自動車運送業者
に対する
地方税軽減
に関する請 願(
井手光治
君
紹介
)(第一六七五号)
長期入院患者
の
投票
に関する
請願
(
土橋一吉
君
紹介
)(第一六七八号) 同月二十三日
地方公務員
の
給與改訂
に関する
請願
(
赤松勇
君
紹介
)(第一七一七号) 同(
立花敏男
君外一名
紹介
)(第一七一八号) 同外一件(
大矢省三
君
紹介
)(第一七六九号) 同(
門司亮
君
紹介
)(第一八〇七号) 同(
小林信一
君
紹介
)(第一八二六号) 同(
加藤鐐造君外
七名
紹介
)(第一八二七号)
セメント工業
に対する
電気ガス税免除
の
請願
(
大泉寛
三君
紹介
)(第一七八八号)
長期入院患者
の
投票
に関する
請願
(
淺利三朗
君
紹介
)(第一八二二号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 同月二十日
消防法
及び
消防組織法
の一部
改正
に関する
陳情
書 (第六〇七号)
電気税
、
鉱産税
及び
木材引取税
を
市町村税
とし て
存置
の
陳情書
(第六〇八号)
鉱産税
を
市町村税
として
存置
の
陳情書
(第六一六号)
自動車税改正反対
に関する
陳情書
(第六一八号) 盲人に対する
附加価値税軽減
の
陳情書
(第六二八号)
自動車税
の
改正
に関する
陳情書
(第六三三 号)
電気ガス税
を
府県税
に編入の
陳情書
(第六三九号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
地方税法案
(
内閣提出
第一二三号)
連合審査会開会
に関する件 ――
―――――――――――
菅家喜六
1
○
菅家委員長代理
これより
会議
を開きます。
委員長
が病気のため、私が
委員長
の職務を代行いたします。 この際
委員長
より
政府側
の
所見
を二、三質しておきたいと思うのでありますが、それは去る二十二日の
理事会
におきまして、最近の
政府側
の態度がきわめて本
委員会
を軽視されるような傾向にあるのは遺憾であるという話合いがあ
つたの
であります。その
事例
としては、第一に
地方行政調査委員会議
の
委員
の
渡米
に関する件であります。第二には、去る十八日付の
地方税法実施
の
暫定措置
の
通牒
の件であります。この二つの
事例
は、
事前
に本
委員会
に報告なり、また適当なる
連絡処置
をとられるべき性質のものではないのか、こういうことが
理事会
で論議されたのでございます。御承知のごとく
地方行政調査委員会議
はできたばかりでありまして、これらの重要な
委員会
の諸君が
渡米
されるにあた
つて
は、
最高機関
である
国会
の
地方行政委員会
と何らの
連絡
もとられず、無断で行かれることは、法規的に別段何らの定めなきにいたしましても、まことに遺憾であるという趣意であります。 さらにまた
地方税法実施
の
暫定措置
の
通牒
の件にいたしましても、これは当然本
委員会
に
政府
としては報告なり、
事前了解
なりを得られることが適当ではないか。それが当然な
処置
ではないか。こういう
申合せ
でございます。この点に関して
政府側
の
所見
をただしたいと思います。
本多市郎
2
○
本多国務大臣
ただいま
委員長
から警告的な御質問のようにお伺いいたしましたが、
委員
の
方々
がさようなお気持をお持ちになるような
状況
にありましたことは、まことに私といたしましても遺憾に存ずる次第でございます。決して軽視するとかいうことは毛頭ないのでありまして、この
地方行政委員会
の
委員
の
渡米
問題、その他職員の
渡米問題等
にいたしましても、
関係方面
の計画によ
つて
一方的に進行されたものでありますで、
政府側
からこれに対していろいろ
希望等
を申し上げる十分の機会がなか
つたの
であります。しかし実は私にも
渡米
の問題についての
話等
も出ました際、
国会
の
地方行政委員会
の諸公についても考慮されたいということは慫慂いたしておるのでございまするが、今後はつとめてこういう重要な地位にいられる
方々
の
渡米
が実現いたしますように、できるだけのことはいたしたいと考えておるのでございます。今日までのところはただいま申し上げましたような
事情
でございますので、決して軽視したわけではありませんけれども、結果において一方的に計画が進められるという点から、やむを得なかつた
事情
を御了承願いたいと存じます。 さらに
暫定措置
の問題については、この
改正税法
によ
つて
旧税が廃止されるか、あるいはまつたくその形態の改まるもの等があるのでございます。この
改正税法
の通るまでは、旧
税法
が現存するわけでありますから、この旧
税法
によ
つて地方
が
措置
することは、当然のことでありますけれども、私といたしましては暫定的に
地方
の配慮を
願つた方
がよろしいという点で
通牒
をいたしたのでございます。これは
自治委員会
にも
相談
をいたしてや
つたの
でありまして、この
暫定措置
の
通牒
については、さらに法律的な
方法
によ
つて
御
相談
申し上げる準備をいたしておるのでございます。近く
通牒
でなく、法律的な
措置
によ
つて
お諮りいたしたいと思
つて
おります。この
法律的措置
が、さらにまた四月一日に間に合わぬ場合も心配しなければなりません。私としては早く
通牒
を出してさらに急いで
法律的措置
を
委員会
にお諮りいたしまして、
国会
の議決によ
つて
講ずるという順序をとりたいと考えているのでございます。幾重にもただいま
お話
のような
軽視等
の面のないことを、御了承願いたいと存じます。
門司亮
3
○
門司委員
ついででございますので、ちよつと
本多国務大臣
の御
所見
をお伺いいたしておきたいと思いまするが、二、三日前の
新聞
を見ますと、大臣は四月初旬あるいは四月の中旬に
渡米
されるようなことが散見されるのでありますが、こういうことが事実であるかどうかということであります。私がこういうことをお聞きいたしまするのは、
地方税法
、さらには残されておりまする
平衡交付金法案
もまだ出ておりません。その他
地方税法関係
につきましても、きわめて重要な
法案
が山積いたしておりまして、まだこの
法案
の
審議
にも入らない
事前
において、四月の初旬あるいは中旬に
渡米
されることにつきまては、われわれ
法案
を
審議
いたします者として、きわめて不愉快に感じますとともに、また
法案
の
審議
の過程において支障がないとも限らない。もしこの
法案がかり
に非常な難関に逢着したような場合の
政治的責任
は、一体だれが負うのかという問題も出て参りますから、あらかじめこの際
新聞記事等
が間違いであつたかどうかということについての、一応の御
説明
を願いたいと思います。
本多市郎
4
○
本多国務大臣
私もこれは一応の交渉を受けただけでありまして、
司令部側
において
決定
発表されるまでは、私のことがどうなるかも私自身では
責任
を持
つて
答えることができないのでありますが、ただ
渡米
の場合についての
相談
につきましては、
お話
の通りに私も考えておりますので、その時期についてはこういう重要な案件の解決しないうちに離れることはできませんことをよく伝えてあるのでございます。向うからそれでは
重要法案等
が終了したころを見はから
つて
どうだという
お話
があつた
程度
でございます。
菅家喜六
5
○
菅家委員長代理
それでは一昨二十三
日本委員会
に付託に相なりました
地方税法案
、
内閣提出
、第一二三号を
議題
といたします。
政府
よりまず
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
本多国務大臣
。
本多市郎
6
○
本多国務大臣
地方税法
の
改正案
の
提出
がまことに遅延してお
つたの
でございますが、ようやく
提案
の運びになり、ただいま
議題
に供せられたのでございまして、この際その
提案
の
理由
及び
内容
の概要を御
説明
申し上げたいと存じます。 言うまでもなく、
わが国
は
敗戰
による苦い体験から、
終戰後
いち早く新しい憲法のもとに、
民主主義
に基いて国政を運営する旨を確定いたしたのであります。もとより
民主政治
の
確立
は、軍に
政治運営
の形式を民主化するにとどめてはなりませず、
政治運営
に関する判断が、広く
国民
の中から生れて来るように仕向けて参らなければならないのであります。これがためには、すべて公事に関する問題は可及的に、その問題の周辺にあ
つて
、その問題から直接影響を受ける
人たち
の手によ
つて
責任
ある処理を行わせるようにして参らなければなりませんので、
民主政治
の
確立
と
地方自治
の
強化
とは、表裏一体をなす問題であります。 しこうして
地方自治
の
確立
を意図してすでに
地方自治法
が制定せられ、骨格は
整つたの
でありますが、その
事務
を豊富にし、
財政
を
強化
して、
内容
を充実させることこそ先決の問題であります。しかるに
地方公共団体
の
現状
は、相次いで負荷せられる任務の重いのに比べて、
財政力
は微弱であり、
地方自治
は
財政
的に破綻に瀕しているとまで極言せられているのであります。これを
税制
の面について申し上げますならば、すでに
地方団体
のうち七割を越えるものが
標準税率
を越えて
課税
しておりますし、
法定税目
のほかに、
地方団体
が
新税
の
設定
を余儀なくされておりますものが、
課税団体
で二千、
税目
で百種類を越えているのであります。たいていの
団体
がその
税率
で
課税
するものとして定められているはずの
標準税率
で
課税
している
団体
が、むしろ例外でありましたり、
法定税目そのもの
が、かなりむりなものを拾い上げて、
国民
に
圧迫感
を與えておることを恐れております際に、その上さらに多くの
団体
が幾多の
むりな税目
を設けざるを得ない
状況
に置かれているということは、
地方税收入
のはなはだしい不足を示すものであ
つて
そもそも
地方税制そのもの
が、破綻していると申さねばならないのであります。
現行地方税制
は、すでに
国税附加税
を捨てて、
独立税中心主義
をと
つて
いるのでありますが、中枢をなす
事業税
、地租及び
家屋税
の三
收益税
は、あるいは国の
所得税
や
法人税
と
課税標準
を同じくし、あるいは国の
決定
した
賃貸価格
を
課税標準
とする等、なお著しく国に依存する態勢を改めていないのであります。 そもそも
地方自治
の伸張そうとするならば、活動の源泉となるべき
財源
を豊富にするとともに、これを
地方団体
みずからの
責任
において確保させ、も
つて
自治運営
に対する
住民
の鋭い監視と批判とを求めるようにして行かねばならないのであります。よ
つて地方税收入
を拡充し、
地方税制
の
自主性
を
強化
して、
地方自治
の根基をつちかうことを、今次
地方税制改正
の第一の
目標
といたしているのであります。 次に
現行地方税
の主要な
税目
の個々について申し述べたいと存じます。 その一は
事業
に対する
課税
でありますが、
戰前地方税総額
の二〇%を占める
程度
であつたものが、
現行税制
で参りますと、
昭和
二十五
年度
には三五%
内外
を占めることになるのであります。しかも
事業税
のうち
個人
の
事業主
の
負担
いたしますものが、戰前の五〇%
内外
から九〇%
内外
に
増加
して参
つて
いるのであります。このことは
現行事業税
が二重の意味において不合理にな
つて
いるのでありまして、すなわち第一には他の
課税客体
に比べて
事業
の
負担
が重過ぎるということであり、第二には本来応益的に
負担
すべき
事業税
が、大
企業
に不当に軽課されているということであります。 その二は、
土地
及び
家屋
に対する
課税
でありますが、
地代家賃統制令
との
関係
があるからとはいえ、
戰前地方税総額
の三〇%を占めていたものが、
現行税制
で参りますと、
昭和
二十五
年度
ではようやく一〇%を占めるにすぎなくなるのであります。しかも他の
税目
と比べましても、かなり
負担
の
均衡
を欠いていることが感ぜられるのでありまして、
営業用乗用車
ですらその一台の
負担
は畑地三十七町歩、
家屋
八百数十坪の
負担
に匹敵しているのであります。 その三は、
住民税
であります。元来戸数割を廃止して
住民税
が設けられた当時は、
收入
を
目的
にはしないで、單に
負担分任
の精神を
地方税制
の上に
存置
しておくための、ごく少額のものであ
つたの
であります。ところが
地方財政
の窮乏は、この税に相当多くの
收入
と
弾力性
とを求めざるを得なくなり、
自然団体
間においても
課税額
にかなり大きな幅ができ、
標準税額
の十数倍に達している町村も珍しくなくな
つて
来たのであります。こうな
つて
来ると、
応能原則
を重視すべき
租税
としてもはや放任しがたくな
つて
しまつたといわねばならないのであります。 このような
現状
にかんがみ、
地方税制
を根本的に改革して、
国民
の
地方税負担
の
合理化
及び
均衡化
を確保することを、今次
地方税制改正
の第二の
目標
といたしたのであります。しかしてこのような
目標
のもとに、のつ
とつ
た具体的な
地方税改革
の方針は、 第一には、
財産課税
の
重課
、
流通課税
の
整理
、
消費課税
の
減少軽減
、
所得課税
の
増加
、
事業課税
の
軽減
、雑税の
整理等
を行い、
地方税全般
にわた
つて
、その
負担
の
合理化
と
均等化
を徹底することであります。 第二には、
課税標準
、
税率等
に関する
地方団体
の権限を拡充して、
地方税制
の
自主性
を
強化
するとともに、
道府県税
と
市町村税
とを完全に分離し、も
つて
税務行政
の
責任
の
帰属
を明確にすることであります。これによ
つて道府県税
としたものは、
普通税
で
附加価値税
、
入場税
、
遊興飲食税
、
自動車税
、
鉱区税
、
漁業権税
及び
狩猟者税
の七
税目
、
目的税
で
水利地益税
であり、
市町村税
としたものは、
普通税
で
市町村民税
、
固定資産税
、
自動車税
、
荷車税
、
電気ガス税
、
鉱産税
、
木材引取税
、
広告税
、
入湯税
、及び
接客人税
、の十
税目
であり、
目的税
で
水利地益税
及び
共同施設税
であります。 第三には、有力な直接税を
市町村税
としてその
收入
の
強化
をはかるとともに、
住民
の
市町村行政
に対する関心の増大を求め、も
つて
、
地方自治
の基盤をつちかうとともに、
民主政治
の推進を期することであります。 第四は、
特別徴收
に関する規定を整備すること、
納税秩序
を
強化
すること等により、
税收
入確保の方途を講ずることであります。 第五は、
税率
を全
税目
にわた
つて
明確に規定することにより、地域間における
地方税貞担
の
衡平化
を期することであります。 かくして
地方税法
を全文にわた
つて
改正
したのでありますが、これによ
つて
、
昭和
二十五
年度
において、
地方団体
が
收入
することのできる
税額
は千九百八億円となる見込みであります。
昭和
二十四
年度
千五百二十四億円と比較すると三百八十四億円の増税ということになります。この
地方税
のほかに
地方財政平衡交付金
の
創設
、
災害復旧費全額国庫負担等
を行いますので、相当の
財源
が
増加
になりますが、もちろんこれにより
地方財源
ははなはだしく潤沢に
なつ
たということはいえませんが、
現下
の
国民租税負担
の
現状
にかんがみ、
地方税
としてはこの
程度
の
増收
にとどめることをも
つて
、適当すると考えた次第であります。 以下
新税
の
創設
、
既存税目
の
変更
、
徴税手続
の
合理化
の順に
従つて
、新
地方税法
の
内容
を御
説明
申し上げます。 まず新設された
税目
についての
説明
でありますが、その第一は、
附加価値税
であります。
附加価値税
は
事業税
及び
特別所得税
を廃止するとともに、これらの
課税客体
であつた
事業
の
附加価値
に対し、
附加価値額
を
課税標準
として、
事業所
または
事務所所在
の
道府県
において
課税
するものであります。 ここに
附加価値
と申しますのは、
当該事業
がその段階において、
国民
総
所得
に附加した
価値
を指すものでありまして、
生産国民所得
の
観念
で申しますならば、
一定期間
における
当該事業
の総
売上金額
より、他の
事業
から購入した
土地
、建物、
機械設備
、原材料、商品、
動力等
を控除したものを言い、逆にこれを
分配国民所得
の
観念
で申しますならば、賃銀、
地代
、利子及び
企業者利潤
を合算したものと言えましよう。このような
附加価値額
を
課税標準
とするところの
附加価値税
を、従来の
事業税
にかえて
創設
するゆえんは、 第一に、従来の
事業税
でありますと、まず
收益課税
たる本質上、非転嫁的なものでありますがゆえに、今日の、ごとく
所得
の上に累積的に
課税
されているときにおいては、
事業
に対する
負担
が耐えがたいまでに重くなること。 第二に、
事業税
の
課税標準
は
所得
であるがゆえに、必然的に
国税
たる
所得税
及び
法人税
の
課税標準
の
算定
の結果に追随せざるを得ないこととなり、
事業税課税
についての
責任
の
帰属
を不明確にすること。 第三に、
事業税
によるときは、
所得
のないものは常に
課税
を免かれるが、
事業
を継続している以上は、常に
地方団体
の
施設
の
恩惠
に浴しているのであるから、
事業
はすべて応分の
地方税負担
をすべきであることなどの
欠陥
を有するのに対して、
附加価値税
においては、これらのいずれ
地方欠陷
をも一応克服できる上に、
取引高税
のごとく
重複課税
とならないこと、
企業
の
垂直的結合
を促進するがごとき
欠陥
を有しないことなどの長所があり、さらに進んで
固定設備
の
購入代金
が
課税標準
から控除されますがゆえに、
現下
の
わが国経済
にと
つて
最も必要であるところの
産業
の
有機的構成
の
高度化
を促進するという効果もまた期待できるのであります。 しかして
附加価値税
は、農業、林業並びに鉱物の掘採及び採取の
事業
に対しては、非
課税
の取扱いといたしたいと考えております。その由は、前二者につきましては、主として
固定資産税
の
負担
が相当重くな
つて
いることによるものであり、後者につきましては、別途
鉱産税
が
存置
されているからであります。 次に
附加価値税
の
税率
は、
標準税率
を四%とし、
最高税率
を八%としているのでありますが、
原始産業
、
自由業等
につきましては、
標準税率
を三%、
最高税率
を六%とし、
免税点
はいずれも
附加価値額
の
総額
が、十二月分として九万円を
原則
といたしております。さらに
附加価値税
の
徴收手続
は、
申告納付
の
方法
によるものとしております。すなわち、
法人
にありましては、各
事業年度
における
附加価値額
の
実績
により、
個人
にありましては、各年の
附加価値額
の
実績
によ
つて
、それぞれ所定の
手続
に従いまして
申告納付
するものであります。ただ六箇月を越える
事業年度
を定める
法人
にあ
つて
は、六箇月を越えてから一箇月以内に、
個人
にあ
つて
は五月及び九月に、いずれも前
事業年度
または前年の
実績
を基礎として、概算納付することといたしおります。 しかして、これらの場合におきまして、二以上の
道府県
にわた
つて
事務所
または
事業所
を設けて
事業
を行う者は、
附加価値
の
総額
を
事務所
または
事業所所在
の
道府県ごと
に、みずから
法定
の
分割基準
に
従つて
分割し、その分割した
附加価値額
を
課税標準
として
申告納付
するものとし、
更正
及び
決定
は、主たる
事務所
または
事業所所在
の
道府県知事
が、
地方財政委員会
の指示に基いて行い、これに関する
関係道府県知事
の異議も、同様の
方法
によ
つて
決定
することとな
つて
おります。 なおこれと関連しまして、
附加価値税
につきましても、
青色申告書
の制度を採用することとし、
納税義務者
が
地方財政委員会規則
で定める
帳簿書類
を備えつけて、これに
附加価値
の計算について必要な事項を記載しているときは、
青色申告書
によ
つて
申告させることができるものとし、その者については
原則
としてその
帳簿書類
によらなければ
更正
または
決定
ができないものとしたのであります。 また、
昭和
二十五
年度
限りの
課税標準算定
の特例として、
金融業
、
運送業
及び
倉庫業
につきましては、その選択によ
つて
、総
売上金額
の
一定額
をも
つて
附加価値額
とすることができるものとしておりますが、その
理由
は主としてさしあたり
負担
の急変を避けようとする趣旨に出たものであります。この
附加価値税
の
收入
見込額
は、
昭和
二十五
年度
四百十九億円、平
年度
四百四十一億であります。
所税
のその二は
市町村民税
であります。同じ
税目
は従前にも存していたわけでありますが、その性格を一変しているのでありまして
市町村
内に住所を有する
個人
に対しては、
均等割
及び
所得割
により、
事務所
、
事業所
または家、屋敷を有する
個人
、及び
事務所
または
事業所
を有する
法人
に対しては、
均等割
によ
つて
課税
せられるところの税であります。 従来の
市町村民税
と異なりますのは、第一には、
世帯主
を
納税義務者
とする家族主義的な
構成
にな
つて
いたものを、
所得
のある限りは
成年者
をすべて
納税義務者
とする
個人
主義的な
構成
をと
つて
いることであり、第二には、
均等割
、
資産割
及び
所得割
の三者によ
つて
課税
していたのを、
資産割
を廃止して、
均等割
と
所得割
の二者によ
つて
課税
することとしたことであります。第三には、
法人
に対しては
均等割
しか
課税
しないこととしたことであります。 しかして
均等割
の額は、人口五十万以上の市において、
個人
は八百円を標準とし最高一千円、
法人
は二千四百円を標準とし、最高四千円、人口五万以上五十万未満の市において、
個人
は六百円を標準とし、最高七百五十円、
法人
は千八百円を標準とし、最高三千円、これら以外の
市町村
において、
個人
は四百円を標準とし、最高五百円、
法人
は千二百円を標準とし、最高二千円としているのであります。他方、
所得割
につきましては、前年の
所得税
額を
課税標準
とじ、その百分の十八を標準とし、百分の二十を最高とする方式、及び前年の
課税
総
所得
金額を
課税標準
とし、百分の十を最高とする方式、並びに前年の
課税
総
所得
金額から
所得税
額を控除した後の金額を
課税標準
とし、百分の二十を最高とする方式の、三方式のいずれかを選択し得るものとしておりますが、
昭和
二十五
年度
におきましては、第一の方式のみを採用することとしております。 なお
市町村民税
は、前年において
所得
がなかつた者及び生活保護法の適用を受けている者、並びに不具者及び未
成年者
に対してはその全部を、同居の妻に対しては
均等割
を課さないものとしております。ただ未
成年者
及び不具者であ
つて
も、
一定額
以上の資産
所得
または
事業所
得を有し、かつ独立の生計を営む場合、または同居の妻であ
つて
も、その夫が
市町村民税
の
納税義務者
でない場合においでは、非
課税
の取扱いを受けないのであります。
課税団体
は、六月一日現在において住所または
事務所
、
事業所
もしくは家、屋敷が所在した
市町村
で、その
課税
方法
は賦課処分によるものとし、納期は
原則
として、
均等割
のみを納付するものは七月、その他のものは七月、九月、十二月及び二月の四回としております。また
收入
見込額
は、
昭和
二十五
年度
において五百七十五億円、平
年度
において四百八十七億円であります。
新税
のその三は
固定資産税
であります。
固定資産税
は、
土地
、
家屋
及び減価償却の可能な有形固定資産に対し、その価格を標準として、
原則
として所有者に課するところの税であります。これは従来の地租、
家屋税
を拡充したものでありまして、そのおもな相異点は、
課税客体
が
土地
、
家屋
のほかに、償却資産の加えられていること、
課税標準
が
賃貸価格
と異なり、価格であることであります。 しかしてその価格は、毎年一月一日の時価を基準としておおむね各
市町村
に設置される固定資産評価員の行う評価に基き、
市町村
長が
決定
いたします。この
市町村
長が
決定
した価格は、
固定資産税
の
課税
の必要上、
市町村
に作成を義務づけられた固定資産
課税
台帳に登録し、
一定期間
関係
者の縦覧に供して確定することとしております。但し、
昭和
二十五年分の
固定資産税
の
課税標準
に限り、農地以外の
土地
及び
家屋
については、
賃貸価格
の九百倍の額、農地については、自作農
創設
特別
措置
法による買收農地の対価に二十二・五を乗じて得た額とするものとしております。 また、償却資産の価格については、資産評価法の規定によ
つて
再評価を行つた場合における再評価額の限度額と、同法の規定によ
つて
償却資産の所有者が現実に行つた再評価額、または再評価を行わない場合にあ
つて
は、その資産の張簿価格とをにらみ合せて
市町村
長が
決定
するのでありますが、
原則
として資産再評価法による再評価額の限度額を、
課税標準
たる価格とするよう指導すべきものと考えております。
固定資産税
の
税率
は百分の一・七五を標準としておりますが、当分の間百分の三を最高とし、かつ
昭和
二十五
年度
分に限りまして、百分の一・七五に一定したのであります。いずれも
課税
の一條件を同一にすることによ
つて
課税標準
額について存する不
均衡
の所在を明確にし、次の機会における固定資産の公正な評価を容易ならしめようとする趣旨であります。 なお、大規模の工場や発電
施設
が、近隣の
市町村
の公共費の支出に直接かつ重要な影響を與えたり、これらの
地方
における経済と直接かつ重要な関連を有する場合においては、
地方財政委員会
がこれらの固定資産を指定し、これを評価してその価格を
決定
し、固定資産の存する
市町村
のいかんにかかわらず、その価額を
関係
市町村
に配分することができるものといたしておりますのは、税源の極端な偏在を防止しようとする趣旨にほかならないものであります。 また船舶、車輌その他二以上の
市町村
にわた
つて
使用される移動性もしくは可動性償却資産及び鉄軌道、発送配電
施設
その他二以上の
市町村
にわた
つて
所在する固定資産のうち、
地方財政委員会
が指定したものについては、
地方財政委員会
が価格を
決定
し、その価格を
関係
市町村
に配分するものとしておりますが、その趣旨は、主として
関係
市町村
間における評価の適正を期そうとするところにあるわけであります。固定費産税の賦課期日は、当該
年度
の初日の属する年の一月一日とし、納期は
原則
として四月、六月、八月及び十一月の四回としておりますが、
昭和
二十五
年度
分の償却資産に対する
固定資産税
に限り一月一回と定めております。この税の
收入
見込額
は、
昭和
二十五
年度
において約五百二十億円であり、平
年度
において五百七十八億円であります。 第二は、
既存税目
に対して加えられた
変更
に関する
説明
でありますが、その一は
入場税
に関するものであります。第一点は、
税率
を従来の十五割の部分を十割に、また従来の六割の部分を四割に、それぞれ三分の一づつ引下げることであります。第二点は、新たに参
課税
除外の規定を設けたことでありまして学校、社会教育
団体
、社会
事業
の経営者等が主催する学生、生徒、児童またはしろうとの行う催しが行われる場所への入場に対しては、その催物の純益がすべて学校、社会教育、社会
事業
等のため支出され、かつ、
関係
者が何らの報酬を受けない場合に限
つて
入場税
を課さないことができるものとしたのであります。第三点は、催物の主催者等に所定の入場券または利用券の発行義務を課するとともに、入場者が入場しまたは利用者が利用する際に、その入場券または利用券の一半を切り取
つて
他の上半を入場者または利用者に交付する
事務
を課したこと、及び全員を無料で入場させた場合であ
つて
も、その
状況
により経費を
課税標準
として課することができるものとしたこと等、徴收の
強化
をはかつた点であります。 その二代
遊興飲食税
に関するものであります。第一点は、現行の
税率
十五割、八割、五割及び二割を十割、四割及び二割に引下げ、も
つて
負担
の
軽減
徴税の適正化をはからんとしたことであります。第二点は、條例で領收書発行及び証紙使用の義務を課し得るものとし、乱れがちな
遊興飲食税
の徴收を確保する道を規定したことであります。 その三は、
自動車税
、
漁業権税
、自転車税、荷重税、
広告税
、
入場税
、及び
接客人税
についても、新たに
標準税率
を定め、も
つて
地域間の
負担
の
均衡化
をはかるとともに、その
課税
手続
、救済、罰則等に関する所要の規定を整備して、納税者の理解に便ならしめようとしたことであります。 第三は、賦課徴收について
改正
を加えました諸点に関する
説明
であります。 その一は、過納にかかる
地方団体
の徴收金を納税者に環付し、または未納の徴收金に充当する場合において加算金の制度を
創設
し、も
つて
納税者の権利の保護に欠けるところのないようにしたことであります。 その二は、納税者または
特別徴收
義務者について滞納処分、強制執行、破産宣告等があつたときは、
地方団体
は、その徴收金について交付要求をなし得るものとし、も
つて
税收
入の確保に遺憾なきを期したことであります。 その三は、納税者に交付すべき徴税令書には
課税
の基礎及び
税額
算定
の根拠を明確に示さなければならないものとし、も
つて
納税者の保護とその納税への協力を期したことであります。 その四は、
入場税
、
遊興飲食税
、
電気ガス税
、
木材引取税
等を
特別徴收
によ
つて
徴收させるときは、特別微收義務者にその徴收にかかる税金を申告納入させることとするとともに、
入場税
遊興飲食税
の
特別徴收
義務者が
特別徴收
をする場合においては、そのことを明示する証票の交付方を
地方団体
の長に申請するものとし、その交付を受けた証票を店頭その他公衆の見やすい個所に貼付しなければならないものとし、も
つて
この種
租税
徴收の
強化
をはかつたことであります。 その五は、
納税義務者
が
申告納付
し、または
特別徴收
義務者が申告納入する場合においては、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金の制度を、また督促状を交付した場合においては、延滞加算金の制度をそれぞれ新たに設け、も
つて
納税意識の高揚と滞納の絶滅を期したことであります。 その六は、所要の罰則規定を整備して、徴收の
強化
をはかつたことであります。なお今次
改正
によ
つて
廃止される税は、さきに成立いたしました
地方税法
の一部を
改正
する法律と合せ、
道府県
民税、地租、
家屋税
、
事業税
、
特別所得税
、不動産
所得税
、酒消費税、電話税、軌道税、電柱税、船舶税、舟税、金庫税、と畜税、使用人税、漁業権の取得に対する
漁業権税
、自動車の取得に対する
自動車税
、自転車の取得に対する自転車税、荷車の取得に対する
荷車税
、都市計画税等の多数に上るのであります。 以上を要するに、今次
改正案
は実に我が国の地法
税制
の創始以来の画期的なものであり、特に
附加価値税
、
固定資産税
及び
市町村民税
の三大
新税
の
創設
、
道府県税
体系と、
市町村税
体系との明確な分離、及び賦課
徴收手続
の明確化等の諸点においてきわめてすぐれた特色を有し、
地方財政
の
確立
ないし
地方自治
強化
のために偉大なる貢献をなすべきことが期待されるのでありますが、反面それだけに、新
地方税制
の実施にあた
つて
は、幾多の困難と障害とが予想されるのでありまして、一言いたしたいのは、
国民
大衆に今次の国及び
地方
を通ずるところの
税制
改革において、
租税
負担
の
軽減
を衷心より希望し、かつ、現に
国税
については
所得税
及び
法人税
において相当の減税が実現される見通しにあるにもかかわらず、ひとり
地方税
のみが逆に
負担
が重くなるということはきわめて解しがたいという意見と、
地方団体
の徴税能力では、新たな
地方税法
の運用にあた
つて
はきわめて無力であり、その結果
地方税收入
の確保も期し得ないし、また
地方
住民
の受ける
圧迫感
も増大するであらうという意見についてであります。この二の意見の中に、前者については、冒頭に述べましたような
地方財政
の現実の下において、国政民主化の推進力ともいうべき
地方自治
の基盤を
確立
しなければならぬという至高の要請にかんがみ、
地方財政
を
確立
するために当然避け得られないところともいうべきでありまして、この点、
地方税負担
の重くなることは、まことに遺憾でありますが、
わが国
政治の発展を期待する上からは、真にやむを得ないところであると御了解いただきたいのであります。また後者につきましては、確かに現在の
地方税
務機構をも
つて
足れりとは考えていないのでありまして、要員の急速な充足ないし教養訓練の徹底によ
つて
、質量ともにすぐれた税務機構を
確立
するよう都
道府県
、
市町村
ともにせつかく努力していることを申し上げておきたいと存じます。私といたしましては、新
地方税制
が
国民
朝野の絶大なる理解と協力のものとによくその所期の
目的
を達成し、も
つて
地方自治
の
確立
を通して、国政民主化の上に一大金字塔を打ち立てんことを望んでやまないものがあります。 以上
改正
法律案の
提案理由
について、御
説明
申上げた次第であります。何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに議決あらんことを望みます。
菅家喜六
7
○
菅家委員長代理
これをも
つて
政府
の
説明
は終りました。本案に対する質疑の通告がございます。これを許します。川本
委員
川本末治
8
○川本
委員
一言
政府
当局にお尋ねしたいと思います。 今回の画期的
地方税法
の
改正
に関しまして、あらゆる業者の方面から
陳情書
などがわれわれの手元に山積しておるのであります。この点につきまして、
政府
はこれらの業者の
陳情
をもちろん受けておられることと思いまするが、この
改正
法案
につきましてそれらの意見を十分に織り込まれたものであるかどうかという点を、まず一点お伺いしたいと思います。 それからその次に私ども
委員会
といたしましては、
国民
の声としてこれらの
陳情
を十分尊重して、この
改正
法案
の中に織り込んで行きたいという考えを持
つて
おりまするので、これらの
陳情
の
整理
などにつきましては、目下專門員の方で行
つて
おりまするが、こういう
陳情書
類などが出て参りますると、
従つて
本
法案
の
審議
にあたりましても、相当の反響を與えることと思いまするが、これにつきまして
政府
は十分これらの案に対し、
委員会
の案に対しまして御協力を願えるものか、
政府
としましては現在
提出
されましたこの
法案
より一歩も動かすことができないというのか、一応この二点を承りたいと思います。
本多市郎
9
○
本多国務大臣
政府
がここまで法律案をまとめるにつきましては、いろいろな
陳情
にも接したのでございまして、その
陳情
もここまでまとまる段階におきまして、
政府
として研究し、相当
陳情
の趣旨もこの中に実現されておるものもあるのでございます。
政府
といたしまして、今日までの研究の結果、
陳情
の趣旨が
政府
の意見として結論において一致するというようなものは、今までにこれは含まれておるのであります。さらに今後
委員会
等において
陳情
あるいはそれらの御研究、御
審議
の結果、なおこれに修正を加えるというような、意見がお出になりました際、
政府
といたしましては、ただいまはこれ以上の案は出すことができないのでございますから、最善と考えておりますけれども、そのときに御
相談
にあずかりまして、もちろんさらによくするという方向へは、御協力を申し上げて行きたいと存じます。
藤田義光
10
○藤田
委員
ただいま川本
委員
から御質問がありました点に関しましては、川本
委員
の立場から非常に
政府
当局に好意のある御質問がございましたが、われわれは少くとも全
国民
の代表として、冷静、愼重に本
法案
を
審議
したいと考えておるのであります。従いまして本
国会
も三十有余日を余すのみでございまして、おそらくこの会期中に
審議
しても
審議
しきれないのじやないかということを、われわれは恐れております。この際本格的な
審議
に入ります前に、簡單にお伺いしたいことがございます。 第一には、先ほど資料でいただきました
暫定措置
要領のうちの第六項目でございますが、
年度
当初における歳計現金の不足を緩和するため、四月中に
地方
配付税または
地方財政平衡交付金
の一部を概算交付するということにな
つて
おります。なるほど当初予算は目下参議院で
審議
中てありまして、大体間に合うだろうと思いますが、その予算
措置
をする法律的な根拠は、何によ
つて
されるのであるか、いまだに平衡交付金法は本
委員会
にも上程されておりません。従いまして
地方自治
体としましては、非常に危惧の念を抱いているのじやないかというふうに想像いたしております。この点が第一の質問でございます。 第二の点はただいま質問しましたことに関連しますが、平衡交付金法及びこの重大な新しい
税法
と平衡交付金を操作いたしまする
地方財政委員会
の組織法は、いつごろ
政府
としては本
委員会
に出されるのか、お伺いしたいと思います。
本多市郎
11
○
本多国務大臣
これは
地方財政委員会
がその権限を持つわけでありまして、
地方財政委員会
がやはりできるだけ早く実現することを
政府
としては期待しておるわけでありまするが、しかし事実はいまだに
提案
にならない状態でありまして、これは非常に心配をいたしておるのでございますが、
地方財政委員会
が設置されましたならば、そこでこの平衡交付金の
処置
はできることでありますから、それによ
つて
はからいたいと考えておる次第であります。
藤田義光
12
○藤田
委員
ただいま御答弁の中に私の質問した第一点が抜けておるようでございますが、荻田
政府
委員
からでも御答弁願いたいと思います。
荻田保
13
○荻田
政府
委員
平衡交付金法及び
地方財政委員会
法が
国会
を通過して成立いたしませんと、この平衡交付金の交付ができないわけで、非常に
地方団体
の会計経理としまして支障があるわけでございます。非常に便法ではございまするが、予算さえ成立いたしまするならば、平衛交付金法あるいは
財政
委員会
法が成立いたしませんでも、一般の
政府
の支出金と考えまして、これを概算交付する
措置
を講じたいと、目下研究中でございます。
藤田義光
14
○藤田
委員
この
審議
に入ります前に、
本多
さんから一言二実は言明をいただきたいと思います。それは今回の
地方税法
は国務大臣たる
本多
さんとしても非常に不如意である、不十分である、
関係方面
との折衝の結果も十分でなかつたということを認めておられるかどうか。この担当大臣のお答えによりまして、
委員会
としても一層真劍に
内容
を
審議
して行きたいというふうに思いますので、單刀直入にひ
とつ
法案
に対する感想をお伺いしたいと思います。この趣旨
説明
の中には大分自面自讃に過ぎた点が多いようでございますから、その点
本多
さんの明快なる御答弁をお願いします。
本多市郎
15
○
本多国務大臣
ここまでまとめます間には、シヤウプ氏の
原則
は全面的に賛成であるけれども、実際面においてこういうふうにしたらばというような意見も、いろいろ持
つたの
でございます。それで折衝いたしたのでございますが、結論においてこの
税法
は
地方自治
の
強化
のために最善のものである。この
税法
の実行には、根本的な改革でありまするから、末端においては摩擦を生ずるところも多少あるとは考えますけれども、しかし大局的に見て、これはぜひこの際実行すべきりつぱな
税制
であるという結論でございまして、私といたしましても今日の段階において、これ以上どこをどう直すというところのない最善の案であると申し上げてさしつかえないと思います。
藤田義光
16
○藤田
委員
これは質問ではございませんが、ただいまの
本多
さんの御答弁は、私の感想とはまつたく正反対でございます。現在の段階においてけ最悪の案であるというふうにわれわれは見ております。いろいろ御質問したいこともありますが、
内容
に入りますので、
委員長
におかれましては、ひ
とつ
本日はこの
程度
でお打切り願いまして、準備期間を置いていただきたいと思います。
龍野喜一郎
17
○龍野
委員
本案の
審議
に入ります前に、先ほどの国務大臣の
説明
の中にも、
わが国
の
地方税制
の創始以来の画期的なものであるということをうた
つて
おられますが、七百数十箇條に及ぶ厖大なる自治
法案
であり、しかもいろいろな意味において、経済的にも政治的にも、この際
国民
の注視の的にな
つて
おる
法案
でありますので、これを
審議
するわれわれ
委員
の責務は、実に重大なるものでなければならぬと思うのであります。それで本
法案
を
審議
するにあたりましては、十分なる時間と用意とが必要ではないかと思うのであります。つきましては
委員長
におかれまして、この
法案
をどういう順序をも
つて
審議
して行くか、たとえば今後本
委員会
を一週何回
程度
開かれ、公聽会等をどういうふうに持
つて
行くかという
委員会
の運営についての、
委員長
のお心組みをこの際承りたいと存ずるのであります。
菅家喜六
18
○
菅家委員長代理
ただいまの龍野
委員
よりの御質問にお答えいたします。本日
理事会
を開きまして、今
お話
の通り本
法案
の重要性にかんがみまして、この
審議
の
方法
を
決定
いたした次第であります。まず今日はこの
程度
にとどめまして、二十九日の午前十時より本格的な質疑に入りたい。大体そのときまた
理事会
を開くことにいたしたのでありますが、本
会議
とにらみ合せて一週間に四回ぐらい開会したい。それから後ほどお諮りをしようと思
つて
お
つたの
でありますが、大蔵
委員会
より連合
審査
会の要求もございます。その他水産、通産
委員会
等よりも、連合
審査
の要求があるかと思いますので、それらはその都度
理事会
を開いて、連合
審査
の日取等を
決定
しよう。しかして公聽会でありますが、大体五回ぐらい公聽会を開いたらよろしいか、その時間、範囲、人選等につきましても、明後日の月曜日あたりに
理事会
を開きまして、公聽会の
審査
の
方法
をとりきめよう、こういうことで、本日の
理事会
は閉じた次第であります。さよう御了承を願いたいと思います。
床次徳二
19
○
床次
委員
ただいま藤田
委員
から御質問がありましたので、関連してちよつとお伺いいたします。新
地方税法
の施行までの
暫定措置
を講ぜられることにな
つて
おりますが、その準備が必要かと思うのであります。これにつきましてはなお法制化を要する場合もあり得るという
お話
が先ほどありましたが、法制化の
内容
について、大体の概要をお聞きしておくことが、やはりこの時間の切迫しましたときた、
地方税法
を
審議
する場合に非常に必要だと存じますので、この機会に一応
内容
を伺いたいと思います。
本多市郎
20
○
本多国務大臣
これは
お話
の通りでございまして、閣議
決定
をいたしまして、
関係方面
に
提出
いたしておりますが、非常に急を要することでございますから、急速に承認を得られ、
提案
できることと存じております。その
内容
につきましては、荻田次長から
説明
をいたさせます。
荻田保
21
○荻田
政府
委員
お配りしております
暫定措置
に関する要綱と大体同じ
内容
でございます。ただ一つ違
つて
おりますのは、地租附加税、
家屋税
附加税もやはり徴收を延期させたい点が一点でございます。ほかは大体書いてあります通りにいたしたいと思います。
門司亮
22
○
門司委員
これは要望でありますが、この前の
委員会
にも私要望いたしたのでありますが、実はこの次の
委員会
には、ぜひ大蔵大臣あるいは安本長官の御出席を願いたいということを、特に
委員長
から御注意願いたいと思います。これは單なる
税法
の改革ではありませんで、税の
国民
観念
との違いも相当あるように考えられますし、
従つて
これが及ぼします影響は、直ちに物価、
国民
生活に非常に大きな影響を及ぼす可能性を持
つて
おりますので、それらの経済閣僚の御出席を要望いたします。
菅家喜六
23
○
菅家委員長代理
了承いたしました。 お諮りいたします。本日はこの
程度
で質疑をとどめたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
菅家喜六
24
○
菅家委員長代理
御異議がありませんから、この
程度
で本日は質疑をとどめます。 なおお諮りいたします。
地方税法案
に関しまして、大蔵
委員会
より本
委員会
と連合
審査
会を開きたい旨の申入れがありました。本
委員会
といたしましても、本案は非常に重要な案件でありますし、その
内容
、性質上、大蔵
委員会
ときわめて密接な
関係
がありますので、大蔵
委員会
と連合
審査
会を開くに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
菅家喜六
25
○
菅家委員長代理
御異議がないようでありますから、さよう
決定
いたします。 開会の日時、その他
手続
につきましては
委員長
に御一任を願いたいと思いますが、いかがでありますか。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
菅家喜六
26
○
菅家委員長代理
それではさようにいたします。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後零時五分散会