○
佐々木(鹿)
参議院議員 第一に
重点はどこにあるかという御
質問でございましたが、第一に、
平和産業都市、
港湾都市にするという点に
重点をおきまして、その問題が解決いたしますと、次に起る問題は、
産業都市にしなければならぬ。そこで
産業都市にしますには、何と申しましても両市とも疲弊困憊して財力のない
都市でありますから、やはり他の有力な
工場を
誘致して
仕事をさせまたその
仕事によ
つて、この優秀な
技術者を生かすことを
考えておりますので、この
宣言を完成いたしますと同時に、
日本のあらゆる
会社の
誘致に努めたい。この
誘致のことについては、GHQの方におかれましても、元の
軍港の形を残す
方法ばかんばしくないというような御指示もございますので、それに
沿つて、なるべく
平和産業を起して行きたいということを
考えております。その
平和産業の中でも、今私
どもの知
つておる
範囲で――私は呉の者でございますから呉のことから申しますと、
日本の平和の
基本になるべき紙が不足しております。その紙をつくるところの
パルプをつくるということで、
東洋パルプという有力な
会社が
今来ようとしております。また
輸出品としては
味日本というのが
広島にございますが、今まではこのようなものを月産十トン
がらみしかや
つておりませんが、五十トン
がらみにするということも
輸出において可能だというようなことも
考えておりますので、このような
工場を呉に起し、またこの
工場を
誘致するというように、
平和産業になるべく持
つて行きたいということでございますが、いかにせん、その
平和産業を起すべき
基本のこの
譲渡がなかなか容易でございません。そこで
公共団体を現在の
法律では二割以内ということにな
つておりますが、これをこの四市とも二割くらいな程度で
拂下げをしてもらいました場合に、実際を申しますと、たとえば
学校の
拂下げをするときは、
坪当り七千円、六千五百円というようなことにしかならないのであります。そうすると、われわれはいささか專門家でございますが、あのような古い
拂下げをもらうより、新規に建てる方が安いではないかというきらいが多分にあります。そういう不便を
感じますので、五割下げてもらいましても、あまり安過ぎたという
感じは起りません。今までの
大蔵省と市との交渉において、二割下げてもら
つたものが高きに位しておるので、五割くらいまで行くことが妥当であろうということで、五割を提案した次第であります。なおこれは四條の一項でございますが、二項につきましては、やはりそのような
考え方で、根本的には五割程度引いてもらわなければ
産業人は来ないであろう。今のような高い額で、いかめしい
方法では
産業を
誘致しようと
考えましても参りませんので、やはり四條の一に該当するような
精神をも
つてやりたい。しかしながらこれを五
割引とか、何とかいうことを、ここに明記いたしますと、非常な難関にぶつかるというおそれをもちまして、このすべては
審議会においてやる。
つまり審議会は
政府の者も入り、また
学識経験者が入
つて、適正公平にこれを配分するという方針でございますから、国のためを思い、その
都市のためを思い、また
産業人の立場を
考えてこれを処理くださるということに願
つておりますから、すべては今私が申し上げたような
気持をも
つて起案をいたしましたが、その後の
運用につきましては、やはり
審議会にあげて全部お願いするという
考え方であります。