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田中(角)
委員 提案者にひとつ伺いますが、出納
職員の
弁償金額と
予算執行職員の
弁償金額を比べますときに、いわゆる
予算執行職員の額というものはこれは非常に大きなものになる、こう思うのです。これはほとんど実際には
弁償できないことになると思うのですが、どういうふうにお
考えにな
つておりますか。これは現に私はこの前にも
ちよつと伺いましたように、いわゆる九條によ
つて責任の転嫁をし、閣議の決定並びに所管大臣に
責任を問われると、所管大臣が
弁償しなければならぬ額というものはこれは非常に大きい額だと思うのです。こういう額というものは、何十億、何百億というものを一体お払いできるのかできないのか、こういうことを十分に
考えておかれないと、これはできない。まして
予算執行職員が数十億も数百億もの金を、そうも大きくはないのでしようが、これはどういうふうにお
考えにな
つておるか、これはお
考えを聞かなくても答弁ははつきりしておるだろうと思います。私はその
意味で、こういう場合はいわゆる懲戒要求、こういうふうな大きな線を一本通しておいて、今まで
会計検査院の批難
事項として何百件かに達しております批難
事項に対する答弁書を見ると、
各省の
会計課長が来て、十分懲戒をいたしましたというが、十分懲戒をや
つておらないから二百件、三百件にもだんだんふえておる。これは一挙に懲戒免職という
原則的なものを入れてその上なお追徴できるものは追徴する。こういうのが
法律の案文としてもりつばだと思うのですが、そういう
意味ではどうでしよう。ましてこの法文には明確にな
つておりませんが、現在まで非常に消極的な態度であ
つた会計検査院が、不当であると認めた場合、告発の責めを負うというところまで持
つて行かなければならぬと思います。
国会において証人、証言等に関する
法律ができましたが、いわゆる証人が証言を拒否し、かつ虚偽の証言をした場合、
国会は告発め責めを有する、告発をしなければならないということを
国会において
規定して現在それを施行しておるのでありまするが、もちろん当然違法であるというような場合に対しては、
会計検査院は告発しなければならないということにならなければいかぬと思うのであります。それは今までもそうだと思いますが、この
法律案ができましても、いわゆる追徴する、それから懲戒をするということにな
つても、結論的には
会計検査院の命令に従わない。私が先ほど申し上げましたように、
国会でも
会計検査院が過去においてや
つたものに対しては、もう一応
審議をするという場合でも、この議決に対して従わない。その場合は当然これは裁判所に新して、その判決を求めるということにな
つて器るのですが、こういう
法律案を出す以上、
会計検査院は告発の
責任を有する、告発をしなければならぬ。そうして一切のものは裁判所にこれをまかす。そうするとこの費消した金額というものは、今まで御
承知の通り当然そういうものは追徴されるのです。そういうことになるとこの
法律案の性格も非常にはつきりすると思うのですが、これはどういうふうに
考えておられるか。なお追徴する、すなわち
弁償の
義務を負わせると言
つても、実際
弁償はできないのですから、この
弁償というものに対して何か不正を行りた
出納官吏に対しては懲戒をする、免職をする、懲役に処するということであり、かついわゆる不正に費消したと言いながら銀行預金等にしてお
つたものは、これは当然
弁償せしむることはできるのですが、費消してしま
つた者に対してはできないという場合は、刑法上の
責任を負わしただけでは大きな穴を明けられて、
公団が百億も穴を明けられて、補填することができないという場合、何らかの補填すべき処置がとり得るかどうか、普通でしたら保険ということもあり得るが、私は国庫の
支出であるだけに、国民の総体的な後援がなければ、その種保険というものはとてもつくられないのと思うのです。それは国民が全部そういうものは保険によ
つて、補填するということになれば別ですが、そうでなければ補填できないということになる。以上の諸問題に対しての見解を伺いたいと思います。