○田中(織)
委員 私は社会党を代表いたしまして、本案に反対の意思を表明するものであります。
今回の
財政法の改正は、
予算執行に弾力性を持たせるというふれ込みでございまして、確かにそういう面も見受けられるのでありますが、ただいま自由党の
小山委員からも指摘されましたように、この弾力性を持たせるということには非常に簡素化、その他
運用の面においてプラスになる面もあるのでありますけれども、これに伴う弊害が今日なお除去されておらないという点を、われわれは強調せざるを得ないのであります。われわれはそういう
見地から、特に
予算に弾力性を持たせるということで、この
予算の執行がともすればルーズに
なつて行く。ことにそれが目の流用の問題等につきまして、たとえば物件費の
関係であるとかいうようなものにつきましては、これは
大蔵大臣のいわゆる自由裁量、行政裁量によりまして、なかなか手ぎわよくやるのでありますが、事一たび
人件費で、たとえば人事院の勧告が出た、あるいは年末における生活補給金の支給、こういうような面につきまして、この
人件費になりますと、現内閣は少くともさざえのごとくこれをとざしましてやらないというような、きわめてえてか
つてなことをや
つて来ておるのであります。また
予算の執行の過程におきまして、今度は節を廃止いたしまして、若干のものは目に繰上げた形に相
なつておりまするが、従来とても、この節がある当時におきましても、決算書にはなるほど各目、節に従
つて報告はなされておるのでありますけれども、実際の
運用はそういうように行われておらない。問題はそういう
予算執行の過程におけるルーズなことを、合法化するための、これは一つの手段とも見られるのであります。われわれはそういう
関係、並びに第一本案の提出そのものが違法だと思う。今調べてみますると、本案が本
委員会に提出せられたのは三月の二日であります。しかし先ほど私が最終
質問において申し上げましたように、第六條の
関係におきまするならば、すでに衆議院を押し切
つたところの
予算案は、この
財政法の改正を前提といたしましたものによ
つて、
予算書がつくられておるということは、先ほどの
政府委員の答弁で明白であるのであります。それにもかかわらず、
予算がすでに提出せられるまでに、本来この国会の議決を経ましてそれに基きまして
予算を編成し、その
予算が国会に提出せられるということが順序でなければならないのであります。どうも現内閣はこの
予算に関する問題につきましては、そういう前提となるべき、たとえば歳入
関係の法律の問題にいたしましても、そういうことが行われておらない。
〔「片山内閣のときはどうだ」と呼ぶ者あり〕
こういう点が、ただいま片山内閣云々の点がございますけれども、過般の
予算案に対する
委員長報告は、来年度の
予算が定期国会の冒頭に出されたということは云々と
言つて、盛んに自画自讃をせられたのでありますけれども、現に
予算の中に重要な部分を占める地方税制に関する
法律案等は、いまだ国会に提出されない、こういうような段階にあることによりましても、現内閣が盛んに宣伝しておることと、
行つておることとが食い違
つておることは、何人も否定することのできない事実と思うのであります。われわれはそういう
見地から、本法案に対しまして反対を表明するのであります。