○
宮腰委員 政府は昨年の春以来証券民主化運動ということで、盛んに株を買えという宣伝をしたのでありますが、この宣伝に乗せられまして、勤労者も婦人階層も、ほとんどの人が株を持
つてしま
つたのです。ところが株は有利であると宣伝したにかかわらず株は暴落してしまつた。これがために一般大衆に、株は不安なものであるという気持を抱かせてしま
つたのであります。事業を再建するにはどうしても増資をしたり、新設会社をこしらえたりしなければなりませんが、増資する場合でも額面を割つたような状態では、拂込みをして増資分を引受ける株主がなくな
つて参ります。こういうぐあいで債権整備の不可能な状態にな
つて参りまして、
従つて産業界に及ぼす
影響というものは重大な問題とな
つて参りました。ことに今日の
資金難の状態では、どうしても長期
資金は社債なり株券なりによ
つてまかなわれなければならないと思う。この株の暴落では債券整備というものは非常に困難にな
つて参りまして、金融の一大恐慌ともなろうという危機がはらんで参
つておるのであります。昨年百億の預金部
資金をてこ入れ
資金に使うために
市中銀行に供託して、あるいは日銀の内面指導によ
つて金融に出動させたのでありますが、実際はこの貸出しについては自分のおとくい先にのみこの
資金を貸し出しまして、実際の株価のてこ入れにしてもそれは結局貸出しを円滑に回收する
考えでありまして、実際はてこ入れ
資金にはならないでしま
つたのじやないかということをわれわれはいま想像する。
従つて昨年の暮れにおける百億のてこ入れ
資金というものは、実に無意味に終
つてしまつたということであります。
従つてこの株価の回復は一般の一大衆投資家によ
つて回復しなければならないにかかわらず、一般の投資家に非常な迷惑をかけておる。これは結局
政府のデフレ的財政経済政策の失敗の結果だと思うのであります。あるいはこの問題については池田
大蔵大臣にも出席していただきまして、この株価暴落に対する
政府のお
考えも求めたいと思うのでありますが、この株価の暴落は結局現内閣のデフレ政策の結果だと
考えているのであります。この問題につきまして、今後こういうような預金部の
資金なり
見返り資金を株価対策のてこ入れ
資金に使うかどうかという問題と、それから証券保有会社ですが、こういう保有会社を
大蔵大臣はやらぬということを言
つておられますが、これに対する見通しもお伺いしたいと思うのであります。
また企業再建整備法によ
つて、ごく最近に解除とな
つておる会社もたくさんありますが、これなども私は今にな
つてこういうことを申し上げてはおかしな次第だろうと思うのですが、一ぺんに再建整備法によ
つて解除しないで、徐々に解除して来れば、増資の問題も一ぺんに市場に現れるようなことはなか
つたのじやないかと思うのです。こういうような問題について
政府のお
考えを伺いたいと思います。
それから公認会計士の問題ですが、
先ほど宅
委員より話を持ち込まれましたが、この問題について公認会計士の人数が非常に少いのでありますけれども、現計理士、これに充てるお
考えがあるかどうか、こういう点について御返答願いたいと思います。