○藤田
政府委員 先ほ
ども申し上げましたように、一方料率の改訂ということによ
つて、特別
会計を健全化することも
考えなければならぬのでありますが、
お話の
通り農業経営の面から行きまして、それがはなはだしく負担になるということであ
つては、農家としては耐えられない。また強制加入の
制度にもな
つているわけでありますから、そういう点も
考えまして、おのずからなる限度があることであると思います。
従つてそういうふうな
意味合いから行きまして、どうしても農家の負担に耐えられないというふうなことになます部分については、私
どもとしましては、やはりこれは長期のバランスということを
考えなければならぬ。長期バランスで行きますと、
災害のある年もない年もあり、おのずからバランスがとれるわけであります。あの年次において
不足が生じましたような場合については、やはり基金
制度というようなもので、さつそく処理するような方向に持
つて行きたいと思
つております。
それからもう一つ
災害というものは、人力によ
つていかんともしがたい
災害もあるわけであります。それからまた
災害によ
つては、なお積極的な防除をすることによりまして、ある
程度はこれを防ぎ得ると
考えております。従来はたとえば
病害虫というふうなものにつきましては、農家は何と申しますか、あるいは運命的な
考え方で、しかたがないというふうにあきらめている部面もあるわけでありまして、積極的にはさらに防除体制をとることによ
つて、その被害率を減少せしめることは可能であると思います。
従つて私
どもといたしましては、一方そういうふうに人力をも
つて防ぎ得るところの
災害防止
対策を積極的にやる、それによ
つて災害の事故を少くするという方面にも、努力を注がなければならぬと
考えております。そういうふうな点につきましては、二十五
年度におきましても植物防疫法を制定いたしまして、それによ
つて病害が発生いたしました場合には、国がそのものについて積極的にやる。あるいはまた噴霧器その他を貸與いたしまして、これによ
つてすみやかに徹底した防除策をとるというようなことで、そういうことについてもまた共済組合の活動を積極的に促しまして、
災害を少くするというふうな方面にも施策をいたしているわけであります。いろいろな施策をあわせ講ずることによりまして、農家の
災害も少くし、また農家経営を非常に不安ならしめるようなことも避け、ひいてこの
災害補償
制度は、
農業経営の安定と
農業生産力の増強に、非常に力強い裏づけの施設にな
つておりますので、その面は今後も積極的に体制は整備して行きたいと思
つております
竹村委員この料率につきまして、大体
保険金の率をきめられる場合に、
災害の多いところと、先ほど言われたたとえば二十年平均かあるいは五年平均か知らぬが、その率によ
つて、甲乙丙丁というように等級をわけておられるのですが、そういたしますと、これは
災害保険の
性質から
考えまして、そういうことはどうかと私は思うのです。たとえば
災害のところは料率が非常に高い。ないところは安い。これは当然のように聞えますけれ
ども、しかし
相互扶助というこの精神から見ますと、
災害をたびたび受けるところは非常に迷惑する。これは
保険金をもらつたところでまだ損です。その損の上になお
保険金をかける。そしてまた
災害のないところは、かけてお
つても実際は
農業政策全体から言うと助かるわけです。それを安くするということになると、つまり問題は、これも先ほど言いましたように、
農業経営というものが引合うものであり、現在の経済に沿うものであれば別でありますけれ
ども、しかし引合わないような形でとられるものであれば、農家は迷惑するのであります。問題は、根本的に言うならば、こういう
農業政策が完全にでき得ない現在の経済
政策のもとにおいて、自立経済を立てて行かれる
政策を立てられるならば、もちろん個人の負担でもいいわけでありますけれ
ども、現在のように、先ほどからいろいろ
農政局長が言われているように、たとえば米価一つにしましても、生産費を償わないということははつきりしている。これは
ちようど昔地主がとつた年貢米と同様なことをや
つて、
政府がと
つておることだけははつきりしておる。その上に
保険金をまた強制的にかけることは大きい矛盾であ
つて、現在のような
制度が続くならば、当然
保険金なしでも
災害は全部
政府が補償しなければならぬ、こう私は思うのです。これはむりかもしれませんが、現在の
保険料率をかえて、農家には負担にならぬようにもつと軽くして、そうして国家の負担をもつと大きくするというようなことを
考えておられるかどうか。聞かしていただきたいと思います。