○
井上(良)
委員 私は本
法律案に対しましては、
政府が修正案を出して来ない限り賛成するわけには参りません。それは
政府はこの半年間の長い間にわたりまして、この
清算はすみやかに実行するということをたびたび声明をされておるにかかわらず、今日に至るまで一番かんじんの大口の
債権の
取立てが
ちよつとも進んでない。いま一つは、これは時間がございませんから、私はきようは
質問をするのを省略いたしたのでありますけれ
ども、
政府手持の
薪炭の売払いの
状況を見てみましても、またその減耗その他手底しの
内容を見てみましても、幾多検討を要する問題がございます。しかも、この間における国の損害は非常に大きなものがあるのであります。そういうことが少しも積極的に解決されずに、ただ安易な
一般会計から金を繰込んで、それで
債務の
支払いに充てるという行き方は、あまりに私は行政官としてまた
政府として怠慢ではないかと考えております。われわれは
薪炭生産者がわずかな資本で、しかも非常に国の生産増強に
努力されてや
つて来ましたのに対して、この
生産者に対する
代金の
支払いをことさらに遅らせて、しかも
薪炭証券の
支払いと抱合いでこれを出して来て、
国会でいろいろ議論がやかましくなりますと、遂に五十四億七千万円のうちから払おうということを
政府が言い出しましたことは、
生産者の苦痛を考えますならば、非常に明るい面が一つ出て来ましたが、しかし最後にわれわれは
薪炭証券の
支払いという問題を考えますと、まだこれは十分
清算事務も完了しておりませんし、
年度末に来ておりますんから、
従つてこれらの
証券の
支払いは一時借りかえをいたしましても、
年度末まで
政府は全力をあげて
債権の
回収をはかり、
手持薪炭の有利な売払いを行いまして、また木炭事務所が持
つております設備器具等を処分いたしまして、最後にこれだけどうしても赤手が出るということを
国会にお諮りを願
つて国民の
了解を求める、こういう正しい線を私は出さなければならぬと思う。そういう線を一つも出さずに、単に
支払い期間が来たからこれは
払つてやらなければならぬ。それほど
政府が
証券の
支払いに忠実ならば、何ゆえに二十二
年度の
薪炭生産者に払うべき金を二十四
年度に繰越して、そうして今日まで利子もろくろく補給せずに放任して来たか。これらの点について少しも
政府は同情ある親心を示さずにや
つて来て、この年末のさしせま
つた今日、実際これが事務的手続をと
つて生産者の手に渡るのは、もうほとんどこの金をもら
つても使うときがないようなときに渡しておる。そういうやり方というものはあるものじやない。そういう点から、
薪炭生産者の
未払い代金の
支払いに充てるという点については私は大いに賛成いたします。しかしこれと抱合せで
薪炭証券の
支払いをいたすということには反対をいたします。この点は明確にいたしておきます。
以上の
理由でも
つて、本案は、遺憾ながらわれわれは
政府が修正して来ない限り、賛成するわけには参りません。さよう御了承願います。