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1950-03-08 第7回国会 衆議院 選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年三月八日(水曜日)     午前十一時五十四分開議  出席委員    委員長 生田 和平君    理事 逢澤  寛君 理事 加藤隆太郎君    理事 栗山長次郎君 理事 小玉 治行君    理事 前田 種男君 理事 高橋清治郎君    理事 土橋 一吉君 理事 井出一太郎君       川西  清君    北澤 直吉君       佐瀬 昌三君    千賀 康治君       中川 俊思君    藤枝 泉介君       鈴木 義男君    並木 芳雄君       立花 敏男君    佐竹 晴記君  出席政府委員         全国選挙管理委         員会事務局長  吉岡 惠一君         大蔵政務次官  水田三喜男君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君  委員外出席者         法制局参事         (法制局第一部         長)      三浦 義男君     ————————————— 本日の会議に付した事件  選挙法改正に関する件     —————————————
  2. 生田和平

    生田委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法案に関する件を議題に供します。  公職選挙法案は、去る三月二日、当委員会提出の議案として、議院へ提出したのでありますが、その内容中、さらに検討を要する条項があるのでございます。それは法第二百六十二条の第三号第四号についての、国と地方との負担の限界の問題であります。これに対し大蔵当局より御意見がありますので、一応大蔵当局の御意見を聞きたいと思います。
  3. 河野一之

    河野(一)政府委員 公職選挙法の、選挙費用負担の問題でございますが、二百六十一条の選挙に関する費用につきまして、国費地方費との負担区分をきめている規定であります。その中に、知事及び都道府県教育委員選挙立会演説、それから同じく選挙公報の発行に要する経費国費負担にいたしておられるのでありますが、これは国費地方費負担区分の問題といたしましては、他の選挙関係経費、たとえて申しますれば、開票場投票場経費とか、あるいはポスターでありますとか、その他すべての経費が、この法案でも地方費負担になつております建前もありまして、立会演説会選挙公報だけにつきまして国費支弁するというのは、地方自治建前からいたしまして、いかがかとも考えまするし、かつ予算上の問題といたしましても、平衡交付金をもつて支弁する建前をもつて考えておりましたので、でき得べくんば、この分は地方費負担の方に移していただきたいと存ずる次第であります。
  4. 土橋一吉

    土橋委員 ただいま二百六十二条の規定について一応の御説明があつたのでありますが、政府見込みとしては、今お話なつたような費用は、概算どの程度かかるように考えておられるでありましようか。
  5. 河野一之

    河野(一)政府委員 立会演説会選挙公報関係を合せまして、一億五千万円程度に相なるかと思います。
  6. 土橋一吉

    土橋委員 立会演説会選挙公報費用で一億五千万円という費用が、特別交付金なりその他の形において国庫から支弁をされるとするならば、現在地方財政は非常に逼迫をしているのでございまして、平衡交付金支給によりましても、非常に地方財政は制約を受けているようでございますから、そういう際に、政府の方でその考え平衡交付金をもつて支給をしてくださるという内容が明確であれば、この法文はそのままでもよろしいではないかと考える次第でありますが、政府はどうお考えでしようか。
  7. 河野一之

    河野(一)政府委員 選挙に関する国庫負担ということになりますと、直接国の予算で、平衡交付金とは別に出すわけであります。従つて国予算に組んで出さねばならぬことになるのでありますが、平衡交付金でありますと、それを地方団体配分いたしまして、地方団体経費としてその予算に入れて出す、こういう仕組になりますので、その点が違つて参るのであります。知事及び都道府県教育委員選挙については、そのほかにまだたくさんございまして、おそらく相当金額に上ると思いますが、それらの経費につきましては、平衡交付金をもつて支弁するという建前になつておるのでありまして、これだけについて特掲いたしまして、国の方から予算を出すことになりますと、ことに知事選挙あたりになりますと、いつその選挙があるかわからない。衆議院議員選挙でありますれば、解散なり、その他参議院選挙でありましても、あらかじめ予定して予算を組むことができるのでありますが、そういう知事あるいは都道府県教育委員選挙でありますと、そのことを予定することができません。従つて予備費もなかなか出せないというような状況もありまして、かえつて、直接国費で、負担することによつて支障が起るのじやないかというふうな懸念もある次第であります。
  8. 土橋一吉

    土橋委員 知事教育委員選挙は、御承知のように一定期間を経過してやるのでありますから、国会議員とそう差異はないのであります。  あるいは参議院議員とも、差異がないのでございます。従つて政府の方で一億五千万円という費用をお見込みになつている以上は、この法文上、あえてこのような体裁を整えてやらなくとも、地方財政がそれでなくとも逼迫している実情にかんがみまして、特別交付金をもつて支給せられる真意があるならば、あえてこの法文改正する必要はないように考えておりますが、それでもなお政府の方では、そういう費用地方から計算をして、平衡交付金の名称において支給するのが、非常に運用上適切だという見解から、ただいまのように改正を要求されたのでございましようか。
  9. 河野一之

    河野(一)政府委員 二つの理由がございます。まず知事及び都道府県教育委員選挙は、全面的な選挙もございますが、最近の例につきましても、相当補欠選挙がございます。この場合に多少支障があると考えられますのと、それから全般的に考えて、知事及び都道府県教育委員は、これは知事はもちろん公吏でございますし、都道府県教育委員地方公務員でありますので、本来地方自治建前から申しますならば、国から金をもらつて、その選挙について規制を受けるのは、あまり適当でないというふうな考え方もいたすのであります。現在地方団体財政相当窮迫しているという事実は、ある程度認められるのでありまして、今回も中央地方を通ずる税制の根本的な改革を行うとともに、新たに交付金制度というものも設ける次第であります。地方財政そういつた負担の問題は、別の手段でやるのが適当ではないかと考えるのでありまして、個別的な補助金でやるよりは、地方財源税制改革、あるいは交付金の増額によつて全面的に緩和するという方向においてやつた方が、適当ではないかという考え方を持つ次第であります。国会議員選挙でありますと、これは全部国の事務でありまして、当然国として持つべきものでありまして、現在さような制度になつている次第でありますが、知事及び都道府県教育委員立会演説会選挙公報だけについて、国費で持つというのは、建前上いかがということで、今申し上げた次第でございます。
  10. 土橋一吉

    土橋委員 平衡交付金というものは、やはり地方財政から上つて来るものでありまして、政府考えているところの地方収入というものが十分確保せられ、そうしてそのものが国家財源となるのでございます。そういたしますと、平衡交付金支給する場合にも、国家が政策の面において、地方公共団体がこれを実施しておるという内容を十分見なければ、特別の平衡交付金にしても、一般の交付金にしても、これは現実の問題として、交付する場合に非常に困難なものがあると私は考えております。地方財政というものは、名目的な地方自治制度がとられておりますが、実際には平衡交付金支給の度合い、あるいはその支給方法等において、地方財政は非常な制肘を受ける、非常な制限下に置かれる、こういうように私は考えるのでございます。従いまして、もし知事なりあるいは教育委員選挙に関しましても、そういう傾向があるとするならば、この平衡交付金金額は、今仰せになつたように一億五千万円、この程度というお見込みでございましうが、やはりあなたの認めておられるように、ときどき補欠選挙というものも考えられます。そうすると、平衡交付金支給によつて、常に地方財政が締められて、地方行政運用選挙等にも、非常な制限を受けるように考えておりますが、その点いかがでございますか。
  11. 河野一之

    河野(一)政府委員 これは平衡交付金運用の問題でございますが、平衡交付金には、標準財政需要というものを見まして、たとえば、道路であれば、延長がどのくらいあるとか、河川であれば、流域面績がどうであるとか、学校の場合であれば、児童数がどうというようなことを見まして、標準的な財政需要を出すのであります。従つて選挙についても、何年度においてはどの選挙がある、どの程度経費がかかるであろうというようなことを見まして、標準的な財政需要を出す。一方地方税標準的な収入で見まして、すなわち法定の賦課率で見まして、それとの差額、すなわち足りない分を国庫から出す、こういう建前になるのでありまして、そこには一定最低限度地方団体としての事務を行う上においての必要な経費は確保される。足りない分は、必ず中央すなわち国庫から出すという建前支弁せられますので、そういう御懸念は今後においては、少くとも従来のようなことなしに、大いに改善されるというふうに考えている次第でございます。
  12. 北澤直吉

    北澤委員 ただいまの主計局長お話によりますと、この費用が一億五千万円ということでありますが、二十五年度予算においては、今の一億五千万円が計上してあるのでありますか、ないのでありますか。
  13. 河野一之

    河野(一)政府委員 これはいろいろいきさつを申し上げませんとおわかりにならぬかと思いますが、明年度ありまする参議院議員選挙につきましては、一応予算といたしましては、九億八千九百万円でありますか、計上いたしております。それからこの公職選挙法関係で、これは国会議員だけの分でありますが、いろいろ公営の範囲が広がりまして、一億九千万円ほどよけいに金がいるようになつております。しかしこれは予備費その他の支弁で善処できると考えております。そのほかに、さらに今お話のありました一億五千万円があるのでありますが、これは平衡交付金の算定の当時においては、まだこの点がはつきりきまつておりませんで、公職選挙法でこういうふうな制度になることがきまつておりませんから、明確にその中に入つているとは申し上げかねるのでありますが、地方選挙経費全体としてその中にこめて、平衡交付金計算をいたしております。この分に一億五千万円が幾らつているかというふうなはつきりしたことは、御返答申し上げかねるのでありますが、建前としては、選挙経費も、地方平衡交付金支弁考えて行くということにいたしております。もとよりこの平衡交付金については、最近提案いたすことになつているのでありますが、特別交付金というものが一割とつてございまして、これは個々団体財政事情によつて、あるいは見立てというと誤謬がございますが、財政需要に応じたように配分するという建前になつております。おそらく千五十億の一割、百億でございますが、そういつた場合に、留保されたものを、個々の特別の事情のある団体配分することによつて十分目的を達し得るのではないかというふうに考えております。
  14. 北澤直吉

    北澤委員 二十五年度予算における平衡交付金は、一千五十億円になつておりますが、そうすると、あれで今の一億五千万円は当然まかない得るという解釈でございますか。
  15. 河野一之

    河野(一)政府委員 この一億五千万円というのは、全体の全国知事都道府県教育委員選挙が、もし明年度においてありといたしますれば、そういうふうなことに相なるわけでありますが、平年度おのおの全部があるということも考えられませんから、それほどまでの金もいらないかと考えております。
  16. 北澤直吉

    北澤委員 私は地方自治の達成という見地から申しますと、なるべく地方自治体国家統制を少く受ける、今後なるべく中央政府統制を少くすることが、必要であると思うのでありますが、そういう意味から申しましても、地方団体公務員である府県知事あるいは教育委員のこういう選挙費用は、これは当然地方自治体が持つべきものでありまして、これを国費から出すことは、その面においても、国家統制を強化することになるのであります。私は地方自治見地から申しますと、この費用地方費で払う、その払うのは、今局長お話のように、平衡交付金の中で、そういうものをまかない得る余地があるから、平衡交付金でまかなうべきだと思います。もしこの修正をしないと、当然二十五年度予算に、平衡交付金以外に、また一億五千万円予算を計上し、新しい予算措置を講じなければならぬと思いますので、私はやはりこの修正が妥当だと思います。
  17. 小玉治行

    小玉委員 地方財政も非常に困つておりますから、平衡交付金交付するとして、選挙は始まる。金はどんどんいる、地方にはないといつた場合に、その交付の時期ですが、選挙が始まれば、すぐ平衡交付金交付されるということになりますか、あるいは終つてから清算して出すというふうなことになるのですか、その点ひとつお伺いしたい。
  18. 河野一之

    河野(一)政府委員 先ほどちよつと申し上げましたが、一億五千万円と申しますのは、四分の一の数、四年に一回の選挙でございます。全国でいえば、四分の一の府県選挙があつたというような場合において一億五千万円、もしそれが明年四分の一でなければ、それだけでは済まない——ちよつと間違いましたから訂正いたします。  それから選挙費用は、あとで清算することになるかというようなお尋ねでありますが、平衡交付金は、選挙経費のみでなく、ほかの経費もこめて総括的に配分いたします。これは年四回程度にあらかじめ期間を置いて時期を定めまして、なるべく年度の初めにやる。つまり四月にやり、それからその次は八月にやるというふうにして、出して行きたいと思います。それから特別交付金も、財政執行状況、あるいは財政事情をよく見てやるということになりますので、これは年度の後半になるかと思います。それでありますので、選挙のたびに配分するということはないかと存じますが、後の特別交付金配分の場合においていろいろ考えられます。それからこれはちびちびやるのでなくして、まとめてやるので、おつしやつたような事情は、多分御懸念になるほどのことはないのではないかというふうに考えます。
  19. 土橋一吉

    土橋委員 河野局長にお尋ねしますが、一億五千万円というのは、知事さんと教育委員だけの選挙に対しての政府交付金でございますか。
  20. 河野一之

    河野(一)政府委員 この法案通りに、知事教育委員立会演説会選挙公報国庫負担とした場合に一億五千万円、平年度と申しますか、四分の一の金額であります。
  21. 土橋一吉

    土橋委員 一億九千万円というのは、どういうものですか。
  22. 河野一之

    河野(一)政府委員 これは先ほど説明が悪かつたのですが、予算を立案いたします当時におきましては、現在の衆議院議員選挙程度標準で行われる。まだ選挙法改正が具体的になつておりませんので、それを標準にして積算いたしました。ところが御案内のように、無料の郵便はがき参議院におきまして、前回は三万枚が五万枚になり、ポスター国庫負担とするようになりました。それから同じ郵便はがきでも、衆議院におきましては二万枚が三万枚になりましたが、そういうようなことでふえた分がこの程度になる、こういう意味であります。
  23. 千賀康治

    千賀委員 この選挙法は、従来選挙法がたくさんあつたものをここに集約統合しただけでありますが、別段特に国の負担を多からしめようというような作為があつてこの法案ができ上つたものではない、従来のものを大体統一しただけであります。従来は平衡交付金がなくて、分与税制度であつたのでありますが、それで知事が一回、教育委員会が一回選挙を行われておるはずであります。そのときは国が負担したものと思いますが、その点大蔵当局説明を得たいと思います。
  24. 河野一之

    河野(一)政府委員 自治法の施行前におきましては、都道府県知事は官吏でありましたので、全然選挙の問題がなかつた次第であります。終戦後最初選挙におきましては、地方負担いたしました。それから都道府県教育委員選挙も、地方負担いたしまして、たしかある程度国が補助を出したように記憶いたしております。建前といたしましては、国が負担ということでなしに、地方団体が一応負担いたしまして、都道府県の例で申しますれば、国が補助する、こういうかつこうになつております。
  25. 千賀康治

    千賀委員 このたくさんの選挙法を統合する技術の中心に当られたのは、三浦法制部長だと思いますが、この点大蔵当局説明通りにお考えですか。説明通りであるとすると、今回平衡交付金問題で、ここに直接国の負担というように統合せられたのは、少々ここに作為があつたようにも思うのですが、これは編纂せられたときの心境はいかがでありますか。
  26. 三浦義男

    三浦法制局参事 ただいまのお話の点でございますが、この点は、私ども初めから承知をいたしておりまして、こういう法案を一応立てまして、初めの小委員会からずつと本委員会まで、この案のもとに御審議を願つたわけであります。かつて委員会において、私もこの点につきましては、御説明を申し上げたつもりでございます。この問題の要点は、国と地方公共団体負担区分原則といたします建前に立ちながら、都道府県知事立会演説会選挙公報費用都道府県教育委員選挙公報費用だけを取上げまして、それを国で負担する、それ以外の地方選挙における費用は、当然地方団体において負担する、こういう建前に立つておるわけであります。なおその点は、法律的には、御承知通り公営分担金と関連いたしまして、公営分担金知事は二万円、教育委員は一万円ということにいたしまして、これをすべて国庫に納め、地方公共団体には納付しないことにいたしまして、地方選挙でありまするけれども、ある部面を国で負担することにいたしました。その理由といたしましては、第一は、今度は公営の面が相当広がつて参りましたので、地方における負担も、ことに知事選挙都道府県教育委員会委員選挙等につきましては、相当かさんで参りますので、法律の運営におきまして、公営にいたしまして、負担地方だということでは、地方財政の面からもやりきれないであろうということが一つの理由。  それから知事は本来地方公共団体公務員と申しますか、そういう性質のものではありまするけれども、ある程度国家事務を取扱つておりまするので、これには市町村長も同様であるとは申しまするけれども、知事はそれ以上に国家事務を取扱う部面が多いことと、立会演説会については、市町村長には立会演説会公営方式を採用しないで、知事だけに採用いたしておりますので、立会演説会完全公営の趣旨にのつとりまして、立会演説会だけは、知事については国費負担しよう、こういうことが第二の理由であります。  第三の理由といたしまして、選挙公報でありまするが、選挙公報につきましては、別の観点から考えておるのでありまして、知事都道府県教育委員会委員選挙公報を国で負担する。と申しますのは、公営選挙原則から申しまして、それは地方で行うものであれ、国で行うものであれ、少くとも新憲法のもとにおきまして、選挙民に対して立候補者の政見を十分に周知徹底させるという建前に立ちました場合におきましては、せめて世帯に配付せられるところの選挙公報くらいは、公の費用において持つべきではないか、こういう観点に立ちまして、それも地方のものについては、地方で持つのがいいのではないかという議論もあろうかとも思いまするけれども、その部面は、少くとも国において負担するということが適当ではなかろうか。ちようど選挙人名簿につきましては、地方で使いまする選挙人名簿も、国の選挙に用いまする選挙人名簿につきましても、一本のものとして国で負担しておりますので、ただその点は、多少共通に使う点と別のものに使う点と相違はあると思つておりますけれども、そういう点を勘案いたしまして、国で負担する。同時に、その公営分担金は国に納めさせるという建前から、この案が一応立案されておつたという経過でございます。
  27. 立花敏男

    立花委員 平衡交付金法原案によりますと、府県にも、大都市にもそれから都市にも町村にも、選挙費に対する平衡交付金が支出されることになつておりますが、これは御存じでございますか。
  28. 河野一之

    河野(一)政府委員 平衡交付金標準財政需要というものを見る上において、どういうものを見るか、道路河川、土木、警察教育とか、そういつた標準というものは全部入ると思います。その他、人口割等で入るものもございましようし、そのときは選挙費用を多分入れることになるだろうと思うのであります。これが定期的なものでありますれば、いろいろおつしやるようなことは、標準財政需要に見るべきものだと思いますが、たとえば補欠選挙があつたという場合においては、全国的に一定標準をとつて一定の割合でやるわけでありますから、その点難点があろうと思いますが、ただそういう問題は先ほど申し上げたように、特別交付金というような制度で、相当の解決ができるのではないかというふうに考えておる次第であります。
  29. 立花敏男

    立花委員 この行政費の中に、選挙費として特に項目を設けまして、人口割で出すことに原案ではなつておるのでありますが、その際に政府といたしまして、府県市町村とを別にお考えになつて選挙費に対する平衡交付金標準もおかえになるという御意図なんですか、それとも同じに人口割で出すというのですか。
  30. 河野一之

    河野(一)政府委員 これは都道府県市町村とは、おのおの事情が違いまするので、知事の場合、それからその他の市町村長の場合では、当然かえてやるべきだと私は考えております。
  31. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、あなたの言つておられますのは、市町村府県とは区別してもいい。ただその出し方の名目を国庫支弁とすることはいけないので、平衡交付金で出してもいい、その額は適当にきめるということなのでございますか。
  32. 河野一之

    河野(一)政府委員 そうでございます。
  33. 立花敏男

    立花委員 そういたしますと、平衡交付金法ができました場合に、大体府県選挙費として予定しておりました部分に、公職選挙法国費といたしました部分を追加してお出しになるというお考えなのでございますか。
  34. 河野一之

    河野(一)政府委員 当然そういうことに相なろうかと考えております。これは御案内通り、シヤウプの勧告にも、国費地方費との関係、それから経費責任行政責任とを、はつきりしろということがございまして、地方団体選挙費用などは、当然地方として出して、その財政問題は別途考慮すべきだ。こういう建前からいたしまして、地方で出した方がいいと考えるのでありますが、その交付金配分の基準につきましては、今後交付金というものが地方団体財政を緩和し、かつ正常な行政ができるようになるわけでありますから、団体実情に応じて当然配分方法もかわつて来なければならぬというふうに考えておるわけであります。
  35. 立花敏男

    立花委員 そうしたら、最初都道府県に対する平衡交付金を、幾らと見積つておられますか。
  36. 河野一之

    河野(一)政府委員 これはちよつとただいま覚えておりません、地方自治庁が専管でありますので、そちらから御説明願いたいと思いますが、そういうような財政需要を見まして、おのおの府県ではどの程度財政需要があるか。それから大都市自治体警察を持つておる町村と、そうでない町村もございますから、おのおのをある区分にわけまして、そうしておのおの団体における標準財政収入はどの程度であろうかということを見まして、その差額を按分するようなことになりますので、具体的に今幾らになるかというようなことは、私記憶いたしておりません。
  37. 立花敏男

    立花委員 私の聞いておりますのは、平衡交付金で予定しておりました選挙費に対する平衡交付金の額に、この公職選挙法案国費としておりました部分を加算してお出しになる御意向かどうか、ということをお聞きしておるのです。
  38. 河野一之

    河野(一)政府委員 おつしやる点は、一億五千万円の問題でございますか。
  39. 立花敏男

    立花委員 一億五千万円を、平衡交付金法で予定しておりました都道府県に対する選挙費補助金というか、これに加算するおつもりであるか、すでにこの中に含まつておるという御主張であるのか、どちらですか。
  40. 河野一之

    河野(一)政府委員 地方団体において、この一億五千万円を負担するというふうにした場合において、平衡交付金の一億五千万円の金額を動かすつもりはないのであります、動かすわけには行かぬのであります。ただいまこれがために千五十億という平衡交付金を、補正予算を出してふやすという意味ではないのであります。そういう問題は、一般の財政需要——千五十億円自身が初めてのことでありまして、適当であるかどうかという点についても、いでありろいろ議論があるところまして、これは将来の問題として、考えたいと思つておる次第であります。
  41. 土橋一吉

    土橋委員 先ほど私が何回もしつこくお尋ねしたのは、地方財政平衡交付金法による第十二条の規定に基いて、先ほど立花君も申されましたように、府県の第六項の規定として選挙費というものがあるのであります。また大都市においても同じくその他の行政費というところで選挙費用というものがございます、都市のところにもある。そういうものを全部ひつくるめて千五十億円の平衡交付金支給するということを政府説明されておるので、その他に一億五千万円なり一億九千万円が出るというなら、特に県知事なり、あるいは教育委員選挙については、国庫支弁をするということが明確になるのでございます。ところが、それを説明なさらないで、従来のままで、一千五十億の地方財政平衡交付金規定で各項目を設けたわけであります。そうして来ると、あなたが一億五千万円出しますとおつしやつても、もともと平衡交付金内容で操作するのでございますから、実際には地方財政を圧迫する、従つて国家が知事やあるいは教育委員選挙には金を一文も出さない、こういうことが明確にわかるわけであります。その点を別途予算を編成して、そうしてここへ入れる。そうしますと一千五十一億五千万円というものでなければ、ほんとうのことにならない、こういう点をわれわれがついているのであります、その点が明確でなければ、この法文改正しても、これは結論において地方財政を圧迫する、特に地方行政を拘束する、こういう結論が出るのであります。この点について、次官から明確に御答弁を願わなければならぬ。結論的には一億五千万円の金を出さないということになるのでありますか。
  42. 水田三喜男

    ○水田政府委員 今の御質問ですが、結局この法案が通つても、この国会でその予算を盛つた予算修正というのが、私たちの考えでは、現在できないと思います。しかし、できないまま、もし、これがきまつて国家がこの費用責任を持つたあとは、これは大きい問題が起りますので、とりあえず……政府がつくるのならば、その予算の措置をいたしますが、あなた方国会で出した法律ですから、れれわれの方では予算措置がしてなかつたということであります。ほんとうなら、この自治団体選挙費国家が持つということは、りくつに合わぬと思うのです。もし国家が持つというなら、これは知事は特に国の事務をやつているのだし、同様に町村長もこれは国の事務をやつているので、その範囲において地方自治体選挙に、公職の選挙費国家が少し持てというなら、一応りくつが通りますので、その持ち方は平衡交付金なら平衡交付金というものでもつてやるという方向へ行けばいいじやないというのが、われわれの考えですが、それではその予算をいつ盛るかというのでしたら、一応平衡交付金なら平衡交付金で持たせるのが、正しいというのでしたら、そういう方法で、今予算措置がないまま、この国会できめておいていただいて、そうしてこれをこの次の臨時国会か何かに、その点でこういうものをもらうということを、あらためて国会の議決でもして、予算修正をやつていただいたら、実際はいいのじやないか、われわれはそういうふうに考えております。
  43. 川西清

    ○川西委員 立花君、土橋君の御意見によりますと、この一億五千万円がまるまる地方負担しなければならぬような御議論でありますけれども、この公営納付金が、従来国庫に納めておつたものを、今度都道府県知事及び教育委員選挙にあつては、当該都道府県に納付するように改正いたすのでありますから、これとこれとの額がちようど見合えば、問題はないわけであります。大体その額はどのくらいありますか。大蔵当局のお見込みをお伺いいたします。
  44. 並木芳雄

    ○並木委員 議事進行——さつきからの議論もあつたり、相当問題なんですから、一ぺんここで昼飯を食わしていただいて、午後委員会を継続せられんことを希望いたします。
  45. 土橋一吉

    土橋委員 ただいまの並木君の意見に賛成でございますが、今のこの質問のお答えを聞いてから……
  46. 河野一之

    河野(一)政府委員 公営の納付金は、これはたしか県知事は二万円でありますから、候補者の数にもよると思いますが、おそらく一億五千万円にはならぬと思います。一億五千万円と申しますのは、私が先ほどお答え申し上げた通り、四年に一ぺんでありますから、四回に割つた金額がそういうことになるわけであります。従いまして、明年都道府県教育委員選挙は、たしかないと思います。それから知事選挙も二十五年はない。そういうことになりますと、補欠の分だけでありますから、おそらく今言つた四分の一で割つた金額以下になると思います。それから先ほど政務次官の申されましたことで、私申し上げますが、一千五十億の平衡交付金につきましては、いろいろ財政需要その他から割り出したのであります。従来の配付税に比較いたしまして、相当ふえているわけであります。それはもちろん国が補助している補助金を、平衡交付金に振りかえたものもございますが、それを除きましても、おそらく二百億程度地方に対する交付金がふえております。そういうふうなこともありますし、それから先ほど申し上げた点を繰返すのでありますが、一億五千万円は、どの程度選挙をやつてみているかという一応の推測でありまして、現実に実際やつてみて後に措置するということが、当然考えらるべきであると思います。
  47. 生田和平

    生田委員長 並木さんの御意見もありますので、それではしばらく休憩いたします。午後二時から再開いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————     午後三時三十七分開議
  48. 生田和平

    生田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  問題の条項については、午前中から引続き大蔵当局意見を聴取しましたが、当委員会としては諸種の点を勘案いたしまして、当初決定しました成案に対して、これを修正しないことにいたしたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 生田和平

    生田委員長 御異議ないと認めます。但し次のように正誤いたしたいと思います。   第九十四条第一項中「国債証書を、予め国庫に納付しなければならない。」を「国債証書を、衆議院議員及び参議院議員選挙にあつて国庫に、都道府県知事及び都道府県教育委員会委員選挙にあつては当該都道府県に、予め納付しなければならない。」に、同条第二項中「国庫に納付した物」を「納付した物」に改める。なお第二百六十二条を選挙に関する左に掲げる費用については、国において財政上必要な措置を講ずるものとする。」かように正誤いたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異事なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 生田和平

    生田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。
  51. 土橋一吉

    土橋委員 ただいま委員長からお話のありましたように、二百六十二条の「選挙に関する左に掲げる費用については、国において財政上必要な措置を講ずるものとする。」この条文の中には、私が午前中にもいろいろお話を申し上げておりますように、地方財政平衡交付金法という法律によつて、各県、大都市その他の公共団体選挙費用がまかなわれておりますが、そのほか二百六十二条の第三項及び第四項の、知事選挙及び教育委員選挙につきましては、別途に金が計上されて地方公共団体交付せられる。このように解釈してよろしいか。この点を明確に御答弁願いたいと思います
  52. 河野一之

    河野(一)政府委員 いろいろお問い詰めでありますが、平衡交付金千五十億と申しましても、これは地方財政事情を見て——初めての措置でありますので、実行の結果を見て、いろいろ折衝しなければならぬ点があると思います。  それからただいま申されました点でありますが、これは今後におきまして、平衡交付金全体の問題として、十分考慮すべき機会があると考えております。何とぞこれをもつて御了承願いたいと思います。
  53. 土橋一吉

    土橋委員 ただいまの河野主計局長お話によりますと、平衡交付金は、地方財政状態によつて相当伸縮性もある。従つてその範囲内において、この問題も解決せられるであろう。こういう御趣旨のように聞くのでありますが、当初本委員会考えておりまする二百六十二条の、この知事選挙教育委員選挙については、少くとも地方財政平衡交付金法が予定をしているほかに、別途に出るということが目的でありまして、ただいま文字の訂正をしましたが、これは「国庫負担とする」という内容と、ほぼ同じ内容でございます。そうして参りますと、どうしても平衡交付金で予定をするであろうところの、その地方財政平衡交付金の範囲外において出すということが、大蔵当局において言明のない限りは、地方財政をあらゆる意味において圧迫する、これは非常に力を減殺するという点が顕著に考えられます。でございますから、その点が明確に御説明のない限りは、これは少くとも私は地方財政法の第二十一条の規定から考えましても、あるいは本文の一番最初の第二条の規定から考えましても、将来非常な問題を招来するであろう、こう考えるのであります。特に二十一条の規定において「各大臣は、その管理する事務地方公共団体負担を伴うものに関する法令案について、法律案及び政令案にあつては閣議を求める前、命令案にあつては、公布の前、あらかじめ内閣総理大臣を通じ地方財政委員会意見を求めなければならない。」こういう条文があります。こういう点から考えまして、地方自治責任者の方にも一応出席を願つて、この条文の解釈上、今河野主計局長が言われるようなものと合致して考えられるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。吉岡さん、もし御説明できたら聞かせていただきたいと思います。
  54. 千賀康治

    千賀委員 この選挙法案は、すでに各党の代表で討論も終結をいたしております。立花委員は、日本共産党を代表いたしまして、全面反対を表示いたしておりますのに、今、人はかわつても、共産党の土橋君が、妙にかれこれ言つておりますが、この言つていることは、とりもなおさず全面反対を撤回しなければ、言う必要のないことであります。共産党はすでにやりました全面反対を撤回して、認めることになつたのか、委員長を通じて聞いていただきたい。依然として全面反対であるならば、かかる言論は時間の空費でありますから、もう質問等を重ねる必要はない、すみやかに本委員会の閉会を要求いたします。
  55. 小玉治行

    小玉委員 私は動議を提出いたします。今日はいわゆる正誤の点でありまして、内容に入る必要はない。内容についてはすでに論議を尽しているのでありまして正誤をするのに、当局を呼び出して聞く必要はありません。ゆえに私は本日は閉会していただきたいと思います。
  56. 生田和平

    生田委員長 それではこの程度で散会いたします。     午後三時四十五分散会